ボラティリティ指数で読む貴金属市況 [投資α情報(大橋ひろこ)] [マーケット・トレンド]
2020/03/18(水) 20:19

有事の金と呼ばれ、リスク回避時に資金の受け皿とされるゴールド。

しかし、リーマンショック時も、そして今回のコロナショックでも売り込まれる事態に。NY金は年初1,521.00ドルから、新型コロナウイルスによるリスクの高まりで3/9には1,704.30ドルまで急伸しました。しかし、3月12日から一転売りこまれ3月16日には1,500ドル割れの急落地合に見舞われています。年初からの上昇を失ってしまいました。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケットエッジ(株)代表取締役 小菅努氏を
お迎えしお話しを伺いました。

急落に見舞われているのはゴールドだけではありません。
NY銀~1オンス18ドル水準での揉み合いから12ドル台まで急落
・GSR(金銀比価)は年初の85倍から120倍超えまで急伸。
世界同時金融危機でも85倍程度でしたので、異常事態です。


NY白金は年初の972.00ドルから1,000ドル台回復まで上昇していましたが
3/16は一時500ドル割れまで売り込まれました。半値です。

NYパラジウム。10年供給不足が続いており、現物不足から上昇が続いており
年初1,912.30ドルでスタートしたものが2月22日には2,789.80ドルまで上昇。
しかしながら、これも1,500ドル割れまで暴落しています。

1月中旬から新型コロナウイルス(COVID-19)が懸念されて
むしろ貴金属市場は強気を維持していました。

それがなぜ大きく崩れてしまったのでしょうか。

変化を促がしたのは、ボラティリティ環境だと小菅氏。
3月9日にVIX指数は50ポイント突破、3月18日には84まで急騰。
リーマンショックを超えています。

これを受けて、あらゆる投資家がポジションをクローズ。
つまり換金売りに一斉に動きました。
予想不可能な相場環境では「Cash is King」現金化が進むのです。 

一般的には、高ボラティリティ環境は金価格にポジティブなのですが
過度の高ボラティリティ環境では、
金でさえもポジションを維持できなくなるということでしょうか。

VIX80超は歴史上2回だけです。
過去には世界同時金融危機下で示現しましたが
この時もやはり金は売らました。

VIX20超えは「危機」のフェーズ、
30ポイント超えは「投資不可」のフェーズ、
80ポイント超は「何も分からない」フェーズだと小菅氏。


第一フェーズでは株価急落で発生した損失カバーの売り、
マージンコール対応で、含み益のある資産売却が起こります。

第二フェーズではリスク・パリティ・ファンドの
ポートフォリオ・リバランスが本格化。
リスクオン(低ボラティティ)で株買い・債券売りに動く彼らは
リスクオフ(高ボラティリティ)では株売り・債券買いに動きます。

そして第三フェーズでは運用資産全体の規模縮小、
全てのリスク資産売りが起こるのです。
足下で米債利回りが急反発していることが気がかりですね。


現状では、金先物はもちろん、金ETFも売られており
金先物市場の投機買い残高は依然として膨大であるため、
振るい落としで急落する余地は残っています。

小菅氏は2008年の経験から2008/10/24 VIXのピーク日が
金相場のボトム日となっていたことを解説。
今回も、おそらくVIXのピークアウトと金相場の底入れが
前後するものの一致する可能性が高いと指摘されています。

(この時、株価の底入れは2009/03/06 VIXピークアウトの4か月後でした)


株価の底入れではなく、ボラティリティ環境の正常化に向かうプロセスでは
金価格が敏感に上昇する可能性が高いことを覚えておくといいでしょう。

ちなみに白金相場の底入れは2008/10/27。
これもVIXピークアウトとほぼ一致しています。


詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で

小菅さんの解説をお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk