OPEC総会の追加減産、原油価格はどう動く?! [マーケット・トレンド]
2019/12/11(水) 20:09

12月5~6日のOPECプラス定例総会。

協調減産の規模を日量120万バレル(OPEC80万、非OPEC加盟10カ国40万)から同170万バレルへ50万バレル拡大し、来年1月から3月まで実施することで合意しました。今回の会合を前に市場では、(1)現状維持、(2)協調減産の期限延長、(3)減産規模拡大(30万バレル程度)のシナリオが想定されていましたが、予想を超える減産規模拡大はサプライズとなりました。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は資源・食糧問題研究所 代表 柴田明夫氏をお迎えし
OPECプラス合意内容と今後の原油価格をテーマにお話しを伺いました。

原油価格はここ半年ほどOPECなど産油国の協調減産や
中東地政学リスクが下値を支える一方、米中貿易摩擦を背景とした
世界景気の減速懸念や米シェールオイルの増産観測などが
上値を抑える形で、1バレル=50ドル台半ばで推移しています。


OPECプラスの合意を受け、WTI原油は6日、59ドル台まで上昇
(2日は55ドル台)しました。

国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)を控え、
油価を引き上げたいサウジが減産に積極的なのに対し、
消極的なロシアとの間でどう折り合いをつけるかが注目でしたが
協調減産の規模拡大はサプライズ。
しかしながら、期限が来年3月までで延長とならなかったことが
原油価格の押し上げ効果は限定的と見る向きも。


今後の原油価格に影響を与えそうな要因を柴田氏に伺いました。

(1)世界石油需給バランス

OPECの11月月報では、10月の加盟14カ国の原油生産量は、
前月比94.3万バレル増の日量2965.0 万バレル。
サウジの産油量は前月比109.4万バレル増の同989.0万バレルで、
石油関連施設への攻撃で一時的に落ち込んだ9月の
同879.6万バレルから急速に回復しています。


イランとベネズエラは、各214.6万バレル、68.7万バレル。
両国は、協調減産の枠外にあるものの、
米トランプ政権の禁輸制裁の影響で、
予想以上に生産縮小していることが
世界的な需給バランスの改善につながっています。


2020年の世界石油需要見通しは日量1億9万バレル。
これに対し非OPEC産油国による供給を同7,129万バレルとみると、
2020年のOPEC原油必要量は2,959万バレル。
10月の生産レベル(日量2,965万バレル)が続くとすると、
来年の国際石油需給バランスは6万バレル程度の供給超過となり、
相場圧迫要因となる恐れがありました。


しかし、今回のOPECプラス合意により、
1月から50万バレルの減産拡大となったことで、
需給バランスは均衡に向かうと見られ、
原油価格は一時的に60ドル台を回復する公算もありますが
やはり、米国の原油生産量の増産が上昇の足かせとなってきます。


(2)米国の原油生産量

米国の原油生産量は拡大基調にあります。
米エネルギー情報局(EIA)の11月短期見通では、
2019年の原油生産量は日量1,229万バレルで、
前年比130万バレル増の過去最高となる公算。
2020年は同1,329万バレルでさらに更新する予測となっています。

やはり牽引しているのはシェールオイルで、
生産量は2019年同763万バレル、2020年864万バレルの予想。
(米国の原油生産量の7割弱がシェールオイル)
しかしながらベーカーヒューズ社によれば、12月6日時点の
石油リグ稼働数は799基で6週連続減少となっています。
2018年末の1000基超をピークに減少傾向にあります。米
シェール産業は採算の悪化から2020年も設備投資を
絞り込む方針とされ、生産量の伸びも大幅に鈍化する可能性が
あると柴田氏。


にもかかわらず、足もとの原油生産量が過去最高を
更新している背景には、シェール鉱区に掘削済みだが
未仕上げの坑井(DUCs)が6,000基弱あることが背景。
言わば「油田在庫」に相当するもので、
原油価格にもよるが短期的な増産の余地は残っています。


柴田氏には今後の原油価格動向についても伺っています。
詳しくはSpotifyのオンデマンド配信で柴田氏の解説をお聞きくださいね。

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