電力先物取引の展望と課題 [投資α情報(大橋ひろこ)] [マーケット・トレンド]
2019/11/21(木) 21:09

2019年9月17日、TOCOM東京商品取引所にて電力先物取引がスタートしました。

平成28年に電力小売りが全面自由化されたことで、現物の電力売買が活発化していますが、現物取引市場では電力価格が乱高下しやすいことが問題となっていました。先物市場は将来の電力価格を売買する金融取引です。自前で発電設備をもたない新電力(PPS)事業者の経営の安定化にむけたヘッジツールとして注目されます。

皆様ご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は日本エネルギー経済研究所 小笠原潤一氏を
お迎えし「電力先物取引の展望と課題」をお伺いしました。


原油や穀物などは貯蔵が可能ですが、電力は電気エネルギーの状態では
貯めておくことが出来ません。

ところが、災害の多い日本は天候リスクなどによって電力価格が大きく変動し
現物市場では4~5倍に価格が跳ね上がることも珍しくありません。
発電設備を持たない新電力事業者は、安価な電力を消費者に供給することが
難しく、高値でも現物市場から購入せざるを得ないのです。

春、秋は晴れ間が多く再生可能エネルギーが増えることから
電力価格は下がりやすく、暑い夏や寒い冬の需要期には
需要超過から高値となりやすいなど電力価格にもサイクルがありますが
天候予測は難しく、予測誤差といって、予報が外れることで
電力価格が不安定化することも。

電力先物は、将来の電力価格を売買する金融取引です。
先物取引は決められた期日の価格を、現時点で決めることができるため
発電設備を持たぬ新電力事業者らは
事前に先々の電力価格を固定して購入するなどの活用で、
安定的に電力を調達することが可能になります。

また、海外の電力取引事情についてもお伺いしました。
GAFAと呼ばれる巨大IT企業などによる電力使用が増加しており
年間の電力需要は3割も増えているのだそうです。

石油や石炭などの使用が多い企業は、ESG投資から外されるとして
これらの企業は電力を再生可能エネルギーにシフトするための投資も
積極的に行っており、実需家だけでなく投資家による取引も盛んです。
日本でも環境に優しい企業として投資家らの資金を呼び込むための
動きが活発化すれば、市場参加者も増えていくと思われます。

また、大手電力も、長期的に同コストでの電力が調達したいのが本音。
現状では、月ごとに限月が立っていますが、
年単位での取引が可能となれば安定的な経営、戦略的事業計画を組むために
先物市場でのヘッジ調達ニースが拡大していくものと考えられます。

今後の課題に至るまで、
小笠原さんに詳しく解説いただきました。
是非Spotifyのポッドキャスト配信で音声をお聞きください。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk