TOCOM電力先物市場、発展拡大の課題 [大橋ひろこコラム] [マーケット・トレンド]
2019/11/13(水) 20:09

2019年9月17日、TOCOM東京商品取引所にて電力先物取引がスタートしました。乱高下する電力スポット価格のヘッジツールとして新電力事業者の経営の安定化にも寄与するものとして期待されています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はエネルギーアナリストの大場紀章氏をお迎えしお話しを伺いました。

電力先物は、将来の電力価格を売買する金融取引です。


2016年の電力全面自由化に伴って「新電力(PPS)」と呼ばれる
自前の発電設備を持たない事業者も
ぞくぞくと電力の小売り事業に参入してきました。

自社で電源を保有しない事業者は、
消費者に安定的に安価な電気を提供するために
JEPX 日本卸電力取引所にて電力を買うなど、
安定的な電力供給確保が求められますが、
卸売価格は乱高下しがちで価格が安定しません。

新電力には消費者に安定的に電力を供給するめに
先物市場で、先々の電力価格を固定して購入するなどの
ヘッジニーズがあると期待されますが、
市場には売値を提供する大手電力の参加がなければ価格が成立しません。
大手電力、そして新電力が参加して初めてマーケットが成立するのです。

※JEPX 日本卸電力取引所
一日前市場と呼ばれるスポット市場、
その後の調整市場として当日市場(時間前市場)の取引などが行われています。

ということで、新電力が安定的な電力を供給できるための
ヘッジとしてだけでなく、大手電力が市場に参入してくることが重要ですが
現状において大手電力は、市場への参加の必要性が高くないという実態が。

皆さんは毎月送られてくる電気料金の内訳をチェックしていますか?
「燃料費調整額」という項目があります。
これは電力会社が発電するための燃料(原油、液化天然ガス、石炭)の
価格変動に応じて毎月の電気料金を調整し、
価格変動を電気代に反映させるための制度です。
この制度によって大手電力は、原料費の変動によるリスクにさらされることがないのです。

また、仮に市場に様々なプレーヤーが参加し取引が増えてきた場合、
いかに公正透明な価格形成ができるのか、
どのようにルール、規制を作るかもポイントです。

体力の大きくない新電力に対し、大手電力は価格決定に際しても優位性が高く、
電力を提供する側の売り手価格と購入する側の買い手の価格の
ギャップを埋めるには市場の流動性の拡大も急務となります。

そもそも先物市場の健全化のためには、
スポット市場(卸市場)の価格の安定も重要です。
そうすることで、スポット市場と先物市場の裁定も効いくるのです。

3年の試験上場を経て、正式上場を目指すTOCOMの電力先物取引。
その意義、そして市場発展のための課題とは?!


大場さんに詳しく解説いただきました。
是非Spotifyのポッドキャスト配信で音声をお聞きください。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk