2020年1月から原油が上がる?!SOx規制、何が問題?! [投資α情報(大橋ひろこ)] [マーケット・トレンド]
2019/09/25(水) 19:40

2020年1月より、船舶の燃料油に含まれる硫黄分濃度を現状の3.5%以下から0.5%以下とする国際的な規制強化が義務化されます。これは外航船,内航船ともに、です。

指定海域では,2015年から0.1%(軽油相当)の燃料使用が義務化されていますが、来年1月からは一般海域においても義務化されるということで、海運業界の規制への対応が迫られます。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今日はエネルギー情報ネットワーク共同代表 山内弘史氏をお迎えし
IMOの船舶燃料のSOx規制についてお話を伺いました。

IMO= 国際海事機関
SOx規制=環境への悪影響の防止のため船舶からの排気ガス中の
     硫黄分濃度を0.5%以下とする規制

海運業界がこれに対応するにはどのような手段があるでしょうか。

①SOxスクラバー(排ガス浄化装置)搭載
 SOx洗浄装置を搭載し洗浄で排ガスを脱硫する手段がありますが
 これを搭載するには億単位の費用がかかります。
 また重量が大きいのでこれを搭載することで、他の貨物積載量が減少してしまいます。

 
②代替燃料への転換(LNG,LPG/エタン)
 例えばLNG燃料中は硫黄分濃度が0。規制をクリアできますが、
 重油燃料で動く船舶からガス燃料での船舶への切替には中長期的取り組みが必要。
 造船には数年かかるだけでなく相応のコストも。

③規制適合燃料油の使用
   現行の船舶燃料であるC重油からSox規制適合油に切り替えるのが現実的。
   ①軽油 ②LSA重油(ローサルA重油)③LSC重油(ローサルC重油)


①,②にはコストと時間がかかるため、当面は規制適合の燃料油に
切り替える③の対応が現実的ですが、現行燃料費に比べて割高な規制適合油を
調達することによるコストアップは大きな負担です。

どのくらいのコストアップとなるでしょうか。

これまでのバンカーC重油の比較的信用度の高い指標は
シンガポールのHSCバンカー市況。

Sox規制後の適合燃料において、現在最も有力な価格指標と考えられるのは、
シンガポールのLSMGO(低硫黄軽油相当油)。


この両市況を比較して規制適合油転換に伴う輸送費高騰分を試算すると、、、

足下8月~9月のHSCとLSMGOを比較すると平均でLSMGOが
約200㌦/㌧程度の高いことがわかります。

仮に中東~日本の航海日数36日,積みと卸の日数を4日間と計算し
40日分の燃料使用量をすると200㌦/㌧を掛けた分がコストアップとなります。


これはあくまで現状での計算。

世界中で規制適合油の使用が一斉に始まり,規制適合油の需給が逼迫すれば
さらなる高騰のリスクも懸念されます。


C重油の需要が大幅に減少し中間留分需要が増加するため、
石油精製で中間留分の多く生産できる軽質で低硫黄の原油を
選択することが多くなれば軽質原油需要が増えて高騰するかもしれません。

また、現状ではOPECの減産,ベネズエラ/イランへの制裁で
重質原油の供給が不足しており重質原油が高騰しています。
重質原油を処理している米国のメキシコ湾岸製油所のマージンが低下,
ディーゼルなど中間留分の生産を減らしているという現状が。
結果,MDOなどの供給がタイトになる傾向にあります。

ここへ世界一斉の規制適合油転換が重なれば重質油原油だけでなく
軽質油原油まで価格が押し上げられることに。

山内さんには、この規制適合油への切り替えに伴う問題への対応について
いろいろとお伺いしています。

詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で山内さんの解説をお聞きくださいね。

https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk


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