TOCOMゴム逆鞘は解消に向かうのか?! [大橋ひろこコラム] [マーケット・トレンド]
2019/07/24(水) 20:17


2018年11月に発生したエルニーニョ現象の影響が世界に広がっています。日本では日照不足による野菜価格高騰がニュースとなっていますが、米国穀倉地帯も長雨の影響でトウモロコシの作付けが遅れ、2013/14年度以来の低イールド予想、在庫率は13/14年度以来の低さとなったことでトウモロコシ相場が大きく上昇しました。欧州・旧ソ連・オーストラリアを襲った熱波の影響で小麦高、一方、南米では降霜の影響でコーヒー価格もボラティリティが上昇しています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケットエッジ(株)代表取締役 小菅 努氏をお迎えし
「天然ゴム相場の現状と今後」を解説いただきました。

天然ゴムは需要サイドからは工業品のイメージが強いのですが
供給はゴム樹木であり農産品です。
主な生産地は東南アジアに集中。今年は東南アジアの高温・乾燥懸念から
5~6月中旬にかけ天然ゴム相場が急伸しました。
足下では調整局面入りとなっていますが、注目されているのが当先の鞘です。


TOCOMゴム、RSS(期先)は年初から3月に向けて210円近くまで大きく上昇、
一度反落するも6/7に207.90円まで急反騰。その後7/16の174.0円安値まで
一気にねを削るも、足元では180円台中盤まで自立反発という状況です。
ところが、RSS(期近)物は一貫して230円水準で高止っており、
当先の鞘は一時50円を超える逆サヤを形成。
異常な逆ザヤはなかなか解消されぬまま、明日7/25(木)7月限が納会を迎えます。


産地タイではでは5月中旬から6月中旬にかけてゴム価格が急伸しました。
中国、東南アジア、インドの高温乾燥天候で「ハードウィンタリング」を
織り込む形で上昇前提にした価格形成となったのですが
減産樹から生産期へとシフトする過程で集荷量は例年並みのペースとなっており、
噂で買われた相場が事実で崩れる格好となっています。

一方で需要動向は芳しくありません。
ANRPC=1~4月期の世界天然ゴム需要は前年比+1.0%の454.4万トン。
中国GDPはQ2+6.2%、92年以来の低成長となっていますが
1~6月期の新車販売は前年同期比▼12.4%へと落ち込んでいます。
自動車販売はタイヤ需要に直結します。


 
供給不安も解消に向かう中、需要は伸び悩む傾向にあるなか、
何故TOCOMゴム市況は異常な逆ザヤを形成しているのか?!
国際相場と比較すると期近に割高感、期先に割安感がありますね。

小菅氏は「指定倉庫在庫の在庫保管能力」に注目されていらっしゃいました。
通常、国内に荷が流れ込み、在庫増加で期近は値下りするのですが
TOCOM指定倉庫在庫は7/10時点で1万1,831トンにも積み上がっています。
それでもまだ期近限月は値崩れをおこしていませんが、ここから先、
積み増し余地がないとの見方が価格をサポートしているとみられる、というのです。


4/20には1万2,999トンまで在庫が積み上がりましたが、足元でもこの時と同様に
入庫増加の兆候あり、在庫が限界まで増えれば、期近から価格が崩れるリスクも?!

明日7月限が納会を迎えるため、異常な高値を形成する限月は8月と9月限の2本に減ります。
勝負はこの2本の限月が納会を迎えるまででしょうか。
逆にいうと最長であと2か月の期近高が続く可能性はあるのですが
在庫環境によっては当限が崩れ、
逆サヤ解消からゴム相場が大きく崩れるパターンも考えられます。

詳しくはポッドキャスト配信で小菅さんの解説をお聞きくださいね。