中東異変にも上値重い原油 [日経新聞編集委員] [マーケット・トレンド]
2019/06/24(月) 22:02
毎月最終月曜は、日本経済新聞社 編集委員の志田富雄さんに
国際商品に関して伺っています。

本日のテーマは「中東異変にも上値重い原油」
中東異変とは、主にイランの核開発をめぐる、米国とイランの対立。
6月13日、ホルムズ海峡で日本とノルウェーの船籍が襲撃
6月20日、米国の偵察機が撃墜
このところますます緊張感が高まっています。
ホルムズ海峡は原油・石油製品・LNGを積んだタンカーが頻繁に通過する原油輸送の要衝。
1800万バレル/日と、世界の2割、日本では9割の原油がここから調達されています。

当然供給減が懸念され、買い圧力が強まりそうなものですが
米国の原油先物の売買動向を見てみると、そこまでのムードになっていません。
6月11までの7週連続、買い残高が縮小しており、その中身を見ると
売り仕掛けが増えて買い残高が減っている状態。それにより買い越していくというパターン。
そしてこの週末は、売り残高は減っていますが、売りポジションの巻き戻しは起きているけれど、買い残は更に減っているという形です。
そこから、決して原油市場に対する弱気な見方は変わっていないということが分かります。
原油相場は、上昇していることは間違いないけれども、リスクオンで買っているのではなく
売りに傾いていた修正で買っているのに過ぎないということです。

また、米国のWTI原油は5月末から先週末まで7%ほど上昇。これは大体、ダウ平均株価の上昇と同じくらいの上昇率ですが
欧州の北海ブレントは、この期間で1%しか上がっていません。
ここから、ヨーロッパに対する景気の見方が、米国よりももっと弱気であることが分かります。

米中貿易摩擦による世界景気の減速で、原油だけでなく商品全体が弱気なトーンで覆われています。
原油も例外ではありません。
しかしこれだけショートが溜まっている状態ということは、相場の上昇を加速させる地合いが出来上がっているということに注意が必要です。
現実にホルムズ海峡が封鎖されるようなことがあると、ショートが一気に巻き戻される可能性もあるということ。
一方、原油が跳ね上がった場合、世界景気にマイナス要因にも繋がります。
弱気感がさらに強まって、原油だけが巻き戻しが起きる。金が更に買い進まれるパターンも考えられます。
弱気に傾いているだけに、逆に傾きすぎることのリスクを抱えていると、志田さんは指摘しています。

前半では、金の高騰についてお話頂いています。
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