政府とは似て非なる日銀流の景気判断の示し方 [日経新聞編集委員] [マーケット・トレンド]
2019/05/20(月) 23:33

 

先週13日に発表された3月の景気動向指数からみた景気の基調判断が、約6年ぶりに「悪化」となり、政府・与党が経済対策をまとめる可能性も市場で意識され始めました。

日銀の対応が注目を集めそうですが、景気の「方向」が下向きになれば、日銀がすぐに利下げなど本格的な追加金融緩和を決める...というわけではないようです。

景気の「水準」が一定の条件を満たすところまで下がることも必要になのだと。

 

政府とは似て非なる日銀流の景気判断の示し方や政策対応に関する考え方とは...

本日のコメンテーターの 日本経済新聞社 編集委員の 清水功哉(いさや)さんにお話し頂きました。

「基本的に景気循環は4つの局面に整理される」というのが日銀の考え方。「回復」「拡大」「減速」「後退」の4つです。

そして景気がどの局面にあるかを決める要素として重みを持つのが、需給ギャップの「水準」と「方向」です。

需給ギャップとは日本経済の平均的な供給力と需要との差を示す尺度のこと。

それを「水準」という切り口で見ると、大別して2つのフェーズがあります。

需要が供給より少ないマイナス状態と、需要の方が多いプラス状態です。

また「方向」にも大きく分けて2つのフェーズがあります。

需要が不足するマイナスの度合いが縮小したり、需要が超過するプラスの度合いが拡大したりしている改善状態。

そして、プラスが小さくなったりマイナスが大きくなったりしている悪化状態。

日銀はそれぞれの組み合わせによって景気を4つの局面に分けるのです。

需給ギャップの水準はマイナスだけど、方向としては改善している「回復」

プラスでしかも改善している「拡大」

プラスだけど悪化している「減速」

水準がマイナスで方向も悪化している「後退」


日本の景気は2017年春に「回復」から「拡大」の局面に入り、「拡大」は緩やかなものだが既に2年続いている...と日銀は分析しています。

しかし、最近では、海外経済減速の影響で需給ギャップ改善の勢いが鈍り、ほぼ横ばい...

今後、海外発の負の作用がさらに強まるなら、需給ギャップが悪化し始め、景気判断は「拡大」から「減速」に修正されそうです。

となれば追加緩和の可能性はこれまでより高くなりそうですが、それでも、追加緩和に直結とはいかないというのです。

 

追加緩和を決める条件は「2%目標に向けた物価上昇のモメンタム(勢い)に変調が生じること」

日銀幹部によると、この「モメンタム」を支える最大の要素は、需給ギャップがプラスを維持することだと...

 

清水さんに詳しく伺っています。

rajikoのタイムフリーかポッドキャストでお聴きくださいね!