12日連続安、歴史的下落となった原油ここから [コモディティの見通し(大橋ひろこ)] [マーケット・トレンド]
2018/11/14(水) 20:17

WTI原油相場は10月3日に直近の高値をつけたあと、大きく下落しています。10月29日からは12営業日連続安。これは原油先物市場始まって以来の歴史的下落です。いったい何が起こっているのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はよそうかい・グローバルインベスターズ代表 松本英毅氏をお迎えし
原油市場下落の背景と今後の見通しを伺いました。


下落の背景は大きく3つ。

① イラン制裁の形骸化

米国は同盟国に対しイランとの石油取引停止を求めていました。制裁再開は11月5日。
イラン産原油が市場から消えるリスクを織り込んで上昇してきた原油相場でしたが、
トランプ政権は日本など8ヶ国に対して適用を除外する方針を発表。
イランの生産が11月以降大きく落ち込むとの懸念が、一気に後退しました。

② 米シェールオイル増産

先週までに2週間の間に米国の原油生産は日量70万バレル増加しました。
これはカタールなど、OPECの小国の全生産量を上回る増加です。
米シェール増産は勢いを増していることが確認されました。

③ SPR米戦略備蓄放出

米政府が予定通り10月から戦略備蓄の放出を開始。政府が備蓄を放出したことで
民間の米国内の原油在庫は季節的な傾向に反して積み増しが加速し、余剰感が強まる結果に。


75ドルから55ドル台まで20ドル近くの下落を強いられたWTI原油ですが、
下落はまだ続くでしょうか。

松本さんはサウジもロシアも、基本的にこれ以上の原油価格の下落は望んでいない、と
12月3日のOPECの定例総会に向けては反発局面入りとなるのでは、と指摘。

すでにサウジは日量50万バレルの減産の用意がある旨の発言を行っていますが
ここまで原油価格が下落すると産油国の財政に響きます。定例総会でも減産合意の可能性が
強まってきたと考えられます。

また、米国には今冬の低温予報が出ており、天然ガス相場が急騰しています。
天然ガス市況は米国内のドメスティックマーケットですので、
素直に米国の需要増見込みに反応していると考えられますが、
これまで政治ファクターが大きく価格動向に影響してきた原油相場ですが
いよいよ暖房油需要が意識される需要期に入ってくるため、
天然ガス相場につれ高となる可能性も。


そして松本氏は年末に向けての、季節的な在庫取り崩しにも注意が必要だと指摘。
これは例年、この季節から意識されるアノマリーですが、価格が上昇しやすくなるお話。
詳しくは、オンデマンド放送で松本氏の解説をお聞きくださいね。