中間選挙前に崩れだした原油相場、ここから [大橋ひろこコラム] [マーケット・トレンド]
2018/11/07(水) 20:02

中間選挙は、コンセンサス通り、上院が共和党、下院を民主党が制しねじれ議会に。下院が民主党になれば、減税などを中心とするこれまでのトランプ氏の政策が勢いを欠くことになり、ドル安が進むという見方が優勢でしたが、実際ドル安気味に進んでいます。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員 芥田知至氏に
コモディティ市況と世界経済をテーマにお話しを伺いました。

大統領と上院・下院の多数派政党が違うというねじれ議会になると、
法案審議が行き詰まり新たな政策が導入されにくくなります。
マーケットにとっては、極端な政策が出てきにくいことで、
長期金利の大幅上昇などが起こりにくく、悪くはない環境との見方もあります。


トランプ政権が狙っていたオバマケアの廃止、金融規制のさらなる緩和、
国防の強化などは困難となりますが、これらがマーケットを動揺させることは
ないと芥田氏。しかしながら、外交に関しては大統領の権限が強いため、
外交での存在感を示すためにより強硬姿勢を強めるとの指摘も。

やはり、11月下旬に首脳会談が予定されている米中の貿易交渉が注目ですね。

11月1日には、トランプ大統領と習近平国家主席が
半年ぶりに電話会談を行ったと報道されました。
翌2日には、トランプ大統領が米中の貿易協議の合意案を
作成するように政権幹部に指示したと報道されており
米中首脳会談で合意を目指す動きが出ていると期待されています。

もっとも、10月29日には、11月の米中首脳会談で合意できなかった場合、
12月初旬までに新たな追加関税の発動を発表する用意を進めていると
報道されたばかりですのでどのような結果になるかは依然不透明。

中間選挙での共和党の議席減少は、
貿易戦争が従来の共和党支持者にマイナスの影響を及ぼし始めたからとの指摘もあり
減税による景気押上げ効果が剥落していくにつれ、不満が強まる可能性もあります。
やはり、トランプ氏の立場は苦しくなるとの見方もある。

中間選挙をにらみ下落基調を強めていた原油相場の今後は?!

10月3日、WTIは76.90ドル、ブレントは86.74ドルと、
ともに2014年11月以来の高値をつけていました。
米国の対イラン制裁による需給ひっ迫懸念や、NAFTA再交渉の3カ国合意で
貿易摩擦への懸念が後退したことなどがありましたが、
サウジとロシアが非公式に増産で合意していたとの報道(4日)が相場を下押しし、
10~11日には世界的な株式相場の急落を背景に原油相場も下落となりました。

サウジ人記者の殺害疑惑を巡って生じている同国の政治情勢の不透明感などで、
原油がトレードしにくい商品として敬遠された側面もあったと芥田氏は指摘されています。


米国によるイラン制裁は、5月に米国が制裁再発動の意向を示してから、
イランの原油輸出量は40~60%減少したとされていますが、
11月2日には、日本、中国、インド、韓国、トルコ、ギリシャ、イタリア、台湾の
8か国については、180日間輸入を容認するとしています。
これが、需給引き締まり観測の後退につながり
原油相場は3月以来の安値をつけている状況。

米国、ロシア、サウジアラビアの原油生産が高水準なこともあり、
原油供給は、10月初め頃に懸念されていたよりも、潤沢な状況にあります。
一方で、中国や欧州を中心に世界景気の減速で
原油需要の鈍化が懸念始めています。

中国の経済成長率は、7~9月期に前年比6.4%に減速、
ユーロ圏の7~9月期のGDPは前期比0.2%増にとどまっています。

米国は足元の景気は堅調ですが、減税による景気押上げ効果が剥落してくるため、
2019年は減速が見込まれるとの見方が大勢です。

足元は、季節的に暖房油需要が増加してくるため需給が支えられている面がありますが、
1~3月には、春先の不需要期が視野に入ってくるため、需給が緩む可能性も。

足下ではWTI価格が60ドルを下回って推移する可能性もありますが、
その後は・・・・?!

詳しくはオンデマンド放送で芥田氏の解説をお聞きくださいね。