原油市場をかく乱するイランの思惑、アメリカの思惑 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)] [マーケット・トレンド]
2018/08/22(水) 20:30

NY原油相場は7月3日の75.27ドルをピークに65ドル水準まで調整しています。リビアの生産トラブルが解消したことや、6月に合意したサウジやロシアの増産、米原油在庫の減少が一服したことなどを受け、利食い売りが旺盛となっているようです。NYMEX原油先物市場の大口投機筋のネットロングは7月3日の65万6,720枚から8月14日には57万3,428枚まで減少、13%も整理されました。ここから季節要因的にはガソリンと暖房油需要の端境期。原油価格が下落しやすい時期ですが、このまま原油価格は下落していくのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケット・エッジ代表取締役 小菅努氏をお迎えし原油価格動向と今後の見通しを伺いました。

需要の端境期でもあり足下は弱含みに見えますが、小菅さんは原油価格に強気。
「イランリスク」の顕在化が原油価格を不安定化させると指摘されます。

8月7日、米政府の対イラン経済制裁再開されました。
同盟国に対し11月5日までにイランからの石油輸入を停止することを要請。
原油・石油製品取引、タンカー、保険・再保険、中銀と民間金融機関の決済等々
上流部門への全面制裁の影響は甚大です。

中国、イラン、トルコなどは取引継続方針を示していますが、
欧州、韓国、日本などは米国からの制裁対象になるわけにはいきませんので、これに従わざるをえません。

イランの産油量は7月時点で日量373.7万バレル
6月は2.9万バレル、7月は5.6万バレル生産が減少、2ヵ月続けて
産油量が落ちているということは、すでに取引の停止が始まっている可能性が
高いと小菅氏。市場コンセンサスでは制裁によって日量70万~100万バレルもの
原油が市場に出てこなくなる可能性が指摘されています。

この減産(出荷減少)分はカバーできるでしょうか。

トランプ大統領のイラン制裁再開によって原油価格が急騰すれば
ガソリン消費大国の米国市民の不満がたかまります。
トランプ大統領の失政とされれば中間選挙にも不利に働きます。
という背景からでしょうか、トランプ大統領は
8月20日1,100万バレルの戦略石油備蓄(SPR)放出を発表しています。
10~11月で平均だと日量18万バレルでそこそこのインパクトではありますが、
これだけで、日量100万バレルと試算されるイラン産原油減の全てがカバーできるとは思えません。


米国内シェールオイル増産加速期待も、足元のリグ稼働数をみると
現状の原油価格では増産妙味がないことがうかがえます。
シェール増産を促すためには、さらなる原油高が必要という矛盾があるようです。
トランプ大統領はサウジアラビアに増産要請もしています。
確かにサウジは6月に42.7万バレル増産に応じたのですが、
7月は5.3万バレル減産しており、本気度は高くなさそうです...。

イランは販売量が落ちますから、原油価格を高騰させたい思惑が
米国の経済制裁が世界経済に対するダメージをアピールできるという側面もあります。

他方、トランプ政権は原油価格高騰を抑え込みたい、、、、
政治的なファクターが強い局面ですが、需要が堅調である今、
供給量が大きく減少する事態は価格高騰をもたらすと考えるのが自然かもしれません。

小菅氏は在庫と価格の逆相関からは、現状でも70~75ドルはベースラインだとし
足下では200日移動平均線は65ドル前後を推移していることに注目しています。

詳しくはオンデマンド放送で小菅氏の解説をお聞きくださいね。



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