次世代自動車を取り巻くコモディティ [大橋ひろこコラム] [マーケット・トレンド]
2018/08/01(水) 20:42

コバルト価格がここ数年で3倍近くにまで高騰しています。EV,電気自動車のバッテリーに多量のコバルトが使用されるためです。

次世代自動車のEV化の流れで注目されるコバルトですが、世界の埋蔵量50%近くがコンゴ民主共和国に偏在しており、世界最大の資源商社グレンコアがそのおよそ半分のコバルト生産権益を保有しています。

この3月、グレンコアは同社が産出するコバルトの約3分の1を中国のGEM(格林美)に販売することで合意しました。
EV車マーケットの50%が中国。バッテリーに使用するコバルトの確保に動いているということですね。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はエネルギーアナリスト大場紀章氏に
次世代自動車を取り巻くコモディティをテーマにお話を伺いました。

中国は大気汚染問題への取り組みもあって、急速にEV車シフトが進んでいます。
動力となるバッテリーは国産でなければ認可が下りず、EV車に採用されません。
ということで、爆発的な売り上げが見込める中国に外資企業が続々と参入しています。
中国市場への参入は、パートナーシップ企業の形態で合弁に限定されるなど
外資企業の参入障壁が高いことで知られていますが、
バッテリー生産事業に限っては外資100%でも参入が認められているのだそうです。


Appleもまた、コバルトを採掘会社から直接購入する交渉を進めているという報道も。
スマホやタブレット型端末、腕時計型端末にリチウムイオン電池を採用しており、
コバルトの消費量でも世界有数の企業とされていますが、将来的にはEV車分野に
乗り出す計画もあるようです。
コバルト争奪戦は、今後ますます過熱しそうです。

では、ディーゼル車に使用されるプラチナの将来は?!

実は中国がいよいよ燃料電池車(水素自動車)分野でも存在感を大きくし始めています。
2017年秋くらいから水素ステーションができ始めたと大場さん。
燃料電池車製造企業は10社以上あるようです。

上海市には、2020年に3000台、2025年に3万台の販売計画が。
中国市場の規模からみてたったそれだけ・・・?!という気がしないでもないですが、
日本の燃料電池車の販売台数は累計で2500台程度です。
日本が20年近くかけてきてようやく、です。
中国は数年でこれを達成してくる可能性がある(シェアを取られてしまうリスク)
ということでもあります。楽観できる数字ではありません。

中国のEV車の補助金は現時点で2020年までですが、燃料電池車の補助金はまだ続く見込み。

次世代自動車の補助金は20万元、日本円にして330万円程度もあり、
中国の自動車メーカーはこぞって燃料電池車の開発、販売にシフトしてくる可能性が指摘されているのです。

そして日本。

トヨタの燃料電池車MIRAIはここにきて、4年リースの残価を50%に設定しました。
723万円のMIRAIを4年乗った後、361万円で買い取ってもらえるということ。
さらに、東京都であれば合計303万円の補助金も出るエリアも。
補助金はエリアによりますが、この条件でMIRAIを買えば月額2~3万円のリースで
MIRAIに乗ることができる、ということです。

トヨタも高価な燃料電池車の販売に本腰を入れてきました。
中国勢にシェアを取られる前に、、、ということなのかもしれません。

燃料電池車1台にはプラチナが30~50gも必要です。
ディーゼルエンジン車は1台当たり5g程度ですので、およそ10倍です。

排ガス不正問題からディーゼル車販売が減少していますが、
EV車だけでなく(EV車はプラチナは使いません)
燃料電池車も次世代自動車競走の中でその存在感を大きくしていけば
プラチナ需要喚起が材料となってくる日がくるかもしれません。

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