サウジが原油輸出を減らした背景~増える米国原油輸出 [大橋ひろこコラム] [マーケット・トレンド]
2017/07/26(水) 23:00

7月24日 ロシアのサンクトペテルブルクで開催されたOPEC加盟・非加盟国で構成する減産合意の順守状況を監視する共同閣僚級監視委員会(JMMC)を受け、原油価格は反発となりました。

ここで決められたのは

①1月から実施している原油の協調減産の継続と追加策の決定
②2018年3月までの減産継続と、場合によっては再延長。
③ナイジェリアに生産上限枠 180万b/d(リビアは125万b/dまで増産を認める)
④8月のサウジの原油輸出は,前月比100万b/d減の660万b/dに抑制。
⑤UAEも輸出抑制と表明。 

 
などですが、原油価格上昇は続くでしょうか?!
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
石油ガス・ジャーナル顧問 山内弘史氏に伺いました。

      
 
OPECの6月原油生産量は前月比39.4万増の3,261万b/d。
2017年第1四半期には3,215万b/dでしたが、それを46万b/d上回っています。

増産となっているのは
 イラン 前月比1.7万増の379万b/d 
イラク 同6万増の450万b/d
 リビア 12.7万増の85.2万b/d 
ナイジェリア 9.7万増の173万b/d
 サウジアラビア 5万増の995万b/d
 
サウジは19万増の1,007万b/dと1,000万b/dを超えたとの指摘も。

 減産遵守率は高いとされていますが、生産量は増えています。。。

今回のJMMCでサウジが輸出を減らすと発表しているのですが、
実はこの時期、サウジは冷房需要によりエネルギー消費が急増するため、
原油の生焚(原油やNGLをそのままボイラー燃料として使用すること)で
それらに対応。そもそもサウジは6~8月の大幅減産は不可能な構造。
電力需要の急増で生焚原油が約70万b/d必要。
輸出を減らすというのは原油の内需増に対応したものであり、
決して、積極的に価格を押し上げる材料ではないのです。

 
では、米国の原油生産状況はどうでしょうか。
足元で2週続けて米国の石油掘削稼働リグ数は減少したことや
米国エネルギー情報局のレポートで2018年の原油生産量予測が,
6月の1,001万b/dから990万b/dに下方修正されたことなどを受けて
「シェール生産頭打ち論」が出ています。

しかし、稼働リグ数は2~3基減少したに過ぎず、
直近の原油生産量は前週比5.9万増の940万b/d、
翌週も3.2万増の943万b/dと続増(7月7日,7月14日の週)
山内さんは頭打ち論には懐疑的。

また、米国の原油在庫が減少傾向にありますが、
8月にかけてはガソリン需要期であるため、在庫減は例年のこと。
8月半ばからは再び積み増しされるものとみられます。

しかし、今年は例年より在庫減少が大きいと山内さん。
米国の原油輸出量が急増しているのです。

輸出先は中国やインド。
なんとSPR戦略備蓄まで減少しています。
SPRは2月まで6億9500万㌭あったものが
3月から減少に転じ7月14日現在では6億8900万㌭に。

トランプ大統領は原油在庫は多くは必要ない、輸出して外貨を
稼ぐべきであるとしていましたが、それが具体化しているということでしょうか。
対して中東からの輸出は減少。
サウジの輸出減は、米国からの輸入量が増えたためにサウジからの
輸入を減らした中国の影響があったとみられます。

要するにシェアを米国に奪われたためにサウジの輸出が落ち込んだ、
ということですね。シェア獲得競争は激化しています。
詳しくはオンデマンド放送で山内さんの解説をお聞きくださいね。



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