OPEC減産継続決定も米国原油生産増加続く [大橋ひろこコラム] [マーケット・トレンド]
2017/05/31(水) 23:54

5月25日開催のOPEC総会では6月末に期限切れを迎える現行減産枠を、来年の3月まで延長することを決定しましたが、WTI原油価格は前日比2.46㌦下げの48.90㌦まで急落となりました。事前にロシアとサウジアラビア間で協調減産の継続でも一致をみており,これが伝わった24日のNYMEXのWTI先物市況は51.36㌦/㌭と約1カ月ぶりの高値に上昇していたことで、価格の事前織り込みが進んでいたためですが、減産を単に延長しただけで,需給引き締めの具体策が何も示されなかったことが失望されたという側面も。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は石油ガス・ジャーナル顧問 山内弘史さんに
ここからの原油需給と今後の価格動向についてお話を伺いました。


  
事前報道には、OPECによる減産枠拡大協議への期待もありました。
しかし、前回以上の減産策提示に踏み出せなかったのはなぜでしょうか?
山内さんは米国のシェールオイル増産態勢の一層の充実と
ジリジリ増加する原油増産があるためだと指摘されます。

5月第3週の米国原油生産量は前週比1.5万㌭増の日量932万㌭。
アラスカ州の原油生産は同0.5万㌭減で,本土48州は2万㌭増。
シェールオイル生産の行われている本土が増産となっています。
48州の在来型オフショア油田の減産は続いており、
シェールオイル増産があってこその2万㌭増ということです。


EIA「7シェールの6月シェールオイル=原油生産予測によると
「5月比12.2万㌭増」掘削リグ数は増加を続けていますが、
見逃せないのが1リグ当たりの生産量,つまり生産効率の上昇です。
例えば2016年第2四半期からリグ数の増加が著しい
パーミアン・シェールでは1年前までは新規に掘削した坑井の
1リグ当たりの生産量は日量500㌭でしたが現在では700㌭と
1.4倍にもなっています。


5月25日にベーカーヒューズが発表した全米の石油稼働リグ数は
前週比2基増の722基。うちパーミアンは同1基増の362基と
その半分を占めています。1年前には137基だったのが225基の増加です。
しかもその生産効率は1.4倍。


さらに「掘削すれども生産せず」という坑井があること。
生産しようとすればすぐにも可能である坑井は5000にも上るのだそうです。


何故、生産せず待機しているだけの坑井があるのか。
米国とて原油市況は高い方がいいに決まっているというわけで
生産するタイミングをみているとみられます。
これがOPECにとっての懸念事項であり、原油が高価格となり
一斉生産が始まると,米国原油がどんどん世界へ輸出されることに。
OPECは販売シェアを奪われるリスクとなります。
これが懸念されるため、OPECは大幅減産に打って出られないと
足元を見られてしまった結果、減産9カ月延長合意も原油価格は
大きく売られる結果となってしまったのです。


OPEC内でも減産枠外のリビア・ナイジェリアの増産も続いているほか
イラクやイランも増産しており、その効果も懐疑的である面も否めません。


また、在庫も全く減少していません。
IEAは市場報告で「OECDの石油在庫は2か月連続で減少し,
3月末30億2,500万㌭になったと指摘していますが
(1月末3,290百万㌭),2016年末の2,985百万㌭がボトム。
2016年3月末は3,014百万㌭と前年同期比では増加しています。

米国の原油在庫は7週連続減少と報じられています。
実際3月31日536百万㌭から5月19日516百万㌭へと減少していますが
この時期は典型的在庫取崩し期です。
ガソリン需要期であるため、例年のシーズンサイクル。
下値をサポートすることはあるかもしれませんが、
価格押し上げ要因となるような材料ではありません。

ここからの原油価格動向は?!
詳しくはオンデマンド放送で山内さんの解説をお聞きくださいね。



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