2017年度 コモディティ市況~有事の金買いは正しいか [大橋ひろこコラム] [マーケット・トレンド]
2017/04/13(木) 23:09

ドル建て金価格が急伸していますが、米国がシリアを爆撃した瞬間に金価格が大きく上昇したことから「有事の金買い」との解説が多く見受けられます。しかし、実際には爆撃を受けて上昇した分はその日のうちに上げ幅を削っており、その後の上昇はトランプ大統領が「ドルは強すぎる」と発言したことによるドル下落によるところが大きいと思われますが、有事の金買いという教科書的な値動きに乗るのは正しいのでしょうか。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はマーケット・リスク・アドバイザリー代表 新村直弘氏をお迎えし
2017年度のコモディティ市況展望をお話いただきました。

新村さんは、常に有事に金が買われるわけではないと指摘します。
同時に原油価格が上昇しているかどうかが肝要。
金はインフレ資産。インフレヘッジとして注目される側面が強い資産です。
今回の場合、攻撃対象がシリア、中東であったことから原油価格も大きく
上昇しました。これが今回、同時に金買いが起きた背景。


もし、原油価格が低迷、下落していた状態なら、
資金ヘッジとしてゴールドではなく米国債が選択されていたであろうと思われます。
米国債も安全資産、ディスインフレ資産ですね。

また、トランプ大統領のドル高けん制発言には
低金利のほうがいいとか、イエレン議長を敬愛するなどとした
FRBの利上げ、引き締めスタンスに圧力とも受け止められるフシが
ありありと感じられるのですが、こうした発言に驚いたマネーは
再びゴールド市場に流入した格好です。

原油市場は5月にOPEC総会を控えて、減産合意の延長ができるのか否かが
注目されることとなりますが、今回のシリア爆撃で、再びスンニ派とシーア派、
イランとサウジの対立の構図が出てくることが考えられ、
また非OPECであるロシアも今回、減産に協調していたのですが
皆が足並みをそろえて減産を継続するということが難しい状況になってくるかもしれません。


新村さんは世界の景気は悪くないと指摘していますが、
ここからは米国のドライブシーズンに向け需要期に入るいい時期ですが、
不和により生産国の抜け駆け増産などのニュースが出てくると
価格を保つことは困難とみられます。

このほか、新村さんには銅などの非鉄金属、穀物についても伺っています。
穀物市況は4年連続の豊作で、価格も4年続けて下落基調が続いていますが、
今年はむしろ価格上昇リスクを警戒する必要があるとのこと。


6月~8月にかけて穀物の受粉に悪影響を与える可能性がある
エルニーニョの発生が予想されているほか、
トランプ政権はオバマ政権時代の方針を維持し、
再生可能エネルギーの混合義務量を増加させる方針を維持しており、
工業的な目的で穀物需要、特に今年は大豆の需要が増加する可能性が。
総弱気である今は価格上昇がリスクとなります。

詳しくはオンデマンド放送で新村さんの解説をお聞きくださいね。

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