原油先物市場、順サヤから逆ザヤへ?!価格高止まりの背景 [大橋ひろこコラム] [マーケット・トレンド]
2017/03/02(木) 23:06

2016年の世界の石油需給は日量160万バレルプラスでした。2017年予測は日量140万バレルプラスと2016年比では若干減少するも、これまでの平年では日量120万バレルプラスであればいい好調な数字であったことを考えれば、需要見通しは年々上方修正の流れにあります。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケットエッジ代表の小菅努氏にお話を伺いました。

米国の原油在庫は余剰感があり、原油価格は早晩崩れるとした見通しもありますが、
小菅さんは米国在庫はシェール増産分があるほか、その分の輸出がまだ
軌道に乗っていないこともあり、特殊なマーケットとなってきていると指摘。

「OECD(先進国)在庫」が、正しく世界の原油需給を把握するうえで重要。

※米国在庫は毎週発表されるため即時性が高いことで注目されています。
OECD在庫はIEA月報で確認できますが、若干データー古い。

IEA月報では2016年10-12月期のOECD原油在庫は日量80万バレルもの減少でした。
今後の予想では日量60万バレル程度の減少の見込み。
単純計算で1カ月で1800万バレル、半年では1億バレルあまりの原油在庫減少となります。

5年平均で見れば原油在庫はまだまだ余剰感は高いものの、
確実に在庫は減少のトレンドに入ってきていることが確認できます。
小菅さんは新興国消費が伸びていることと、意外と高いOPECの減産遵守率、
これが効いていると解説くださいました。

こうした需給の引き締まりが、ファンドの買い越しが過去最高に膨らむも
原油価格が高止まり状態にある背景とみられますが、
小菅さんは原油先物市場のカーブの変化にも注目されています。

原油価格は高値ボックスで値動きが鈍いのですが先物カーブ(サヤ)は急変動。
当限と1年先物との比較では順サヤ解消が進んでいるのです。
昨年末には5ドルほどの順サヤだったものが足元ではほぼゼロに縮小。
逆サヤ化も視野に入り始めています。

過去の原油相場高騰は逆サヤ(or順サヤ解消)局面で発生しています。
チャートをご覧いただくと2007年~2008年の原油高騰時も逆ザヤでした。

こうしてみると、逆ザヤが異常事態ということはないことがわかりますね。
小菅さんによると2000年以降 順サヤ482週(54%) vs 逆サヤ413週(46%)
どちらかというと順サヤである期間が長いですが、それほど違いはありません。
そして、価格が上昇するときは逆ザヤである局面であることが確認できますね。

逆サヤ=将来の需給緩和予想ではなく足元の需給ひっ迫(需給緩和解消)との評価
につながるのです。むしろ、順サヤは原油安のリスクとなっています。

OPECは、逆サヤが協調減産の「中間目標」と認識していると小菅さん。
投機筋の買い越しが膨らんでいるのはこうした背景にもありそうです。
原油価格はさらなる上昇もありそうですね。

詳しくはオンデマンド放送で小菅さんの解説をお聞きくださいね。

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