大相場演じた天然ゴム相場、その背景と今後 [大橋ひろこコラム] [マーケット・トレンド]
2017/02/09(木) 23:44

米株市場は堅調ながら、ゴールド市場もジワリ下値を切り上げてきました。株とゴールド市場が逆相関という教科書的な視点から見れば、このゴールド価格浮上は不気味ですね。この状況の下、金鉱株の上昇傾向が鮮明となっています。代表的な金鉱株の指標である「HUI指数」は右肩上がりのトレンドが継続。2016年12月中旬につけた安値165ポイントを起点として210ポイントまで、約45ポイント上昇(27%高)。個別でも、カナダのバリック・ゴールドは12%、米フリーポート・マクモランは20%、それぞれ年初から上昇してきています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんにお話を伺いました。


小針さんはテールリスクが金市場への資金流入を促していると指摘。
トランプ大統領の政策への不確実性、欧州の政治リスク、中国景気後退リスクなど
リスクを挙げればキリがありませんが、米国FRBの利上げというゴールド市場にとっての
リスクはすでに市場に織り込まれてしまったのではないか、と小針さん。
ここからのゴールド価格展望を伺っています。

また、小針さんには大相場を演じた天然ゴム市況についても解説いただきました。

今年に入ってからタイの南部で大雨の被害が出ている模様で
天然ゴム農園や水稲などで98万ライ(1ライ=1600平方メートル、15.7万ヘクタール)以上の農地に
被害が出たおり、タイ・ゴム協会が「南部の洪水の被害で天然ゴムの生産が約5%減少する見込み」
であることを明らかにしたと伝えています。

こうした供給リスクが材料視された側面もありますが、小針さんが注目しているのは
需要面。中国の天然ゴム消費の増加が続いています。
IRSG(国際ゴム研究会)による2016年当初の中国の年間天然ゴム需要見通しは490万トン。
前年2015年の467万トンとの比較で4.9%増とでしたが、この推定量は大きく上方修正され
530~540万トンに達する見込みです。

この見込み量が正しければ、増加量は前年より60~70トン超。

ちなみに2015年の日本の天然ゴム消費実績が67万トンでした。
昨年2016年の中国需要量の上方修正分だけで日本の年間分に匹敵するほどの規模となります。

この中国の需要上方修正の背景には新車販売が挙げられます。
中国の11月の新車販売台数は293万台に達し単月で過去最高を記録しましたが、
昨年1-11月の累計台数はこの11月の時点で前年同期比14.1%増の2494万8000台となり、
12月を待たずにすでに昨年実績を上回って過去最高が確定しています。
12月分を入れた推定の年間伸び率は14~15%が想定されています。

自動車販売はタイヤ需要につながりますね。

中国だけではありません。世界消費量第2位のアメリカも自動車販売が好調で需要が伸びています。
このため2016年の天然ゴム需給ギャップは、当初見込みの5万トンの供給過剰から一気に逆転して
40~50万トン程度の供給不足へと修正される可能性が高まっているということで、
この需要増がゴム価格上昇の大きな原動力だと小針さんは解説くださいました。

詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をおききくださいね。