為替リスクの備え方 [ファイナンシャルリサーチ 野尻美江子さん] [マーケット・トレンド]
2012/10/30(火) 22:42

外国債券などの“外モノ”を使うと、為替リスクで成績が変わる…なんてよく言われます。
投資信託の成績も為替の影響で最終的に基準価額が振るわないということがここ数年見られます。
円だけが買われる構図が続いてセオリー通りの通貨分散が効かないので、為替リスクがファンドの成績を直撃しているのです。
しかし、普通でない今のこの状況に、対応していかなくてはなりません。

そこで注目されるのが為替ヘッジ。
為替ヘッジを使えば、様々なリスクの一つである為替リスクをほぼ避けることが出来ます。
全ての商品という訳ではありませんが、為替ヘッジありorなしを選択できるものがあるのです。

選択なんて何も、為替リスクを避けるために当然ヘッジありを選べばいいんじゃないの?
いいえ。必ずしも、そうとは言えないんです。
ヘッジあり、つまりリスクを避けることを選ぶことにより、失うものや、余計に払うものが発生してくるんです。

まずはコストです。
為替ヘッジの仕組みですが、為替予約という予約取引を使うことで将来決済するレートが確定できます。その代りに売る通貨の金利を放棄。買う通貨の金利となります。
この金利差がヘッジコストになるのです。
使用する2通貨の組み合わせによってはコストが安くなる…この通貨のペアならヘッジありを使っておいた方が良い…という判断が出来るわけです。
今日も日銀が金融政策決定会合で資産買入れ資金11兆円増額と発表したように引き続き金融緩和の傾向ですが、低金利同士の組み合わせならコストの影響が軽い訳です。
投資先の金利が高いと金利差が大きくなるからコストが運用成績の足を引っ張ってしまいます。

ただ、押さえておきたいのは、為替ヘッジありはスタンダードではない!ということ。

今が普通の状況でない(世界的低金利)から、為替ヘッジありがよく使われていますが
為替ヘッジあり…ということは、為替のリスクを避けられるけれど、為替の旨味を放棄することでもあるのです!!
多くの方は円は持っているけど外貨が無いから投資信託で分散投資しているのですが、その投信の魅力が限定されてしまうわけです。

本来、金利が正常な時は、為替ヘッジなしがスタンダードなんです。

投資信託って本来中長期でどっしり構えて取組むものですが、為替ヘッジについてだけは柔軟に考える必要があります。
野尻さん曰く「為替ヘッジはお料理の塩加減のようなもの」
たとえばアサリを調理する場合、季節によって含んでいる塩分が違うので調理する時に塩加減を調整しなくてはなりません。

今なら、ありとなしダブルで行って、今後の動向でどちらか降りるというのも今に生かせる考え方かも…ですって!

野尻さんの解説はオンデマンド放送でお聴き下さいね。