外債リスクに備えよう [ファイナンシャルリサーチ 野尻美江子さん] [マーケット・トレンド]
2012/10/23(火) 22:42

先週は外国債券の商品をいろいろ見ている中で最後に出てきた「通貨選択型」
債券の商品なのに、こんなにリスクが高いの!?って驚きました。
通貨選択型はリスクを積み上げることで利益をひねり出した商品。
今日は、そのリスクの積み上げの仕組みを詳しく教えて頂きました。

まずリスクの一層目
ここはファンドの値上がり益とその収支。仕組みで言えば普通の投資信託の商品と同じです。
ただ、新興国の国債やハイイールド債など、リスクの高めの投信がもとになっています。

リスク二層目…ここが通貨選択型の最大の特徴を作り出している部分。
為替ヘッジプレミアム(二通貨間の短期金利の差)で高いリターンを稼ぎだしている訳です。
この二国間の金利の差が縮まらなければ為替ヘッジプレミアムが貰えますが
差が縮まってくるとプレミアムも減ります。
そして、更に縮まってくると今度がコストが発生し、為替ヘッジコストとしてマイナスになってしまいます。
そして新興国によっては資金の流入・流出を防ぎたいという理由で為替予約が出来ないためにノン・デリバラブル・フォワード(NDF)を使って仕組みを作っている場合が多いそうです。
これが更に分かりづらい。
通常の為替予約と乖離が生じて思っていたのと違う結果になることも。
通貨選択型は、この二層目で稼いでいる訳ですが、翻って大きなリスクにもなる訳です。

そしてリスク三層目
選択した通貨と円との為替変動がリスクとして積み上がります。
よく「通貨選択型」商品のパンフレットなどに、為替ヘッジって記載されているので
為替はヘッジされているので心配ないと思われている方が多いのですが
それは二層目のこと。
この三層目ではヘッジはされていない、つまり為替リスクがあるのです。

この低金利の中で、分配金200円、なんていう破格の分配金をひねり出すために、このような複雑で高いリスクの仕組みが生み出された…それが通貨選択型の投資信託なんです。

三層全てが上手くいっていないと良さが出ない通貨選択型…野尻さんはこれを、かつてブームになったテレビデオに例えて説明してくださいました。

テレビとビデオが一体化した商品なので、両方上手く作動していればコンパクトでスタイリッシュな家電ですが、どちらかが上手くいかないとテレビだけ、ビデオデッキだけにしては大きすぎ。
野尻さんも私もこのテレビデオに、ビデオを詰まらせてしまってビデオデッキが使えなくなったという経験をしているのですが
ビデオの修理をしたくてもその間テレビを見ることが出来なくなるので、ビデオが詰まったままにしてしまったのです(笑)

高い分配金がどうやって捻り出されているのか仕組みと、高いリスクを理解して投資するのは構わないけれど、分配金の額だけを理由に選んでいる方がいたら、自分がそれだけのリスクを取りたいのかどうか改めて考えてみて下さい。

詳しい解説はオンデマンド放送を聞いて下さいね!