ルネサス救済でまた公的資金? [日経新聞編集委員] [マーケット・トレンド]
2012/10/15(月) 23:17

産業部 安西巧さん

7期連続の赤字続きで経営危機に直面している半導体大手のルネサスエレクトロニクス。
旧親会社のNEC、日立製作所、三菱電機の支援も限界になり、このたびトヨタ、パナソニックなどの大手企業10社と、産業革新機構が共同出資で買収し、救済する計画がほぼ固まりました。
これをうけて、ルネサスエレクトロニクスは今日の東証一部で値上がり率トップに浮上と急伸。
日の丸半導体メーカー、日の丸で復活か…一見、美談のようにも見えるこの買収話ですが
批判的な意見も多いのが事実。
本日のコメンテーター、日本経済新聞社産業部編集委員の安西巧さんも問題が大有り!とおっしゃいます。

本来、民間の企業の再建は自力再建が原則。
それなのに最近、政府系の支援機構が公的資金を使って救済という手法が頻発しています。
民間企業の経営責任、親会社のガバナンス、そして金融機関の貸し手責任が置き去りになっているというのです。

そもそも、ルネサスエレクトロニクスは、高い技術力があり、車のマイコンで世界4割のシェアを持つ会社。
それなのに利益を出せないのは、製品を安く買い叩かれているからなのだそうです。
ルネサスエレクトロニクスは、旧親会社の日立製作所、三菱電気、NECの三社の社員、幹部が集まってきているという成り立ちの為、求心力が無く、その為メーカーとの価格交渉がうまくいかないという構造的な問題に原因があるようです。

しかも、2010年にルネサスエレクトロニクスとして再生した時も、親会社3社が2000億円の資金を投入しているのに、わずか2年余りでこの状況。

当初、米の投資ファンドKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)が先に1000億円での買収の意向を示していたのですが、そこへ後出しじゃんけんのように持ち出してきたこの買収計画。
産業革新機構が1500億円、残り500億円をトヨタや日産など10社で出資する形ですが、1000億円という倍の資金を用意してまで買収しようというのには、うがった見方をすれば
部品を買うメーカーが引き続き易く部品を買いたいからではないかというのです。

本来投資とは、投資することで、投資対象がちゃんと利益を出してその配当を受け取るというもの。
部品を安く買うための投資であれば、親会社の立場と部品を買う立場と利益相反です。

さらに問題なのは、公的な資金を使おうとしていること。
KKRの買収案は、KKRが1000億円で買収し、銀行からの借金は債務免除という貸し手責任も負ってもらうというもの。
しかし今回固まった買収計画は、自分たちがリスクを負って投資するのは500億。
その3倍の1500億円は公的資金を使うのです。
それだけの公的資金を使うなら、再生は必ず成功して貰わなくてはなりませんが、今のままでは難しいのでは…と安西さん。
皆さんはどう考えますか?

安西さんの詳しい解説はオンデマンド放送でお聴き下さい。


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