中国ショックで商品軒並み安 [大橋ひろこコラム]
2015.07/08 大橋ひろこ 記事URL

ギリシャからチャイナへ。全面リスクオフの様相です。

日経平均株価は638円95銭安(3.14%安)1万9737円64銭と終値ベースで6月18日以来、およそ3週間ぶりに節目の2万円を下回り、5月15日(1万9732円92銭)以来、ほぼ2カ月ぶりの安値で取引を終えました。中国のリスクが顕在化したことで、これまで中国による買いが支えだったコモディティ市場も軒並み大幅下落を強いられています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんにお話を伺いました。

小針さんが放送前に調べて下さったTOCOM東京商品市場市況。

 金   6月2日高値 4794円から 4497円まで300円もの下落
プラチナ 1月21日高値4933円から3933円までなんと1000円下落
シルバー 6月2日高値 68.40円から57.80円まで
ゴ ム  6月2日高値247.90円から200.50円まで47.40円下落

軒並み大きな下落となっています。

ドクターコッパーと呼ばれる国際「銅」価格や
アルミ、ニッケルなども6年ぶりの安値に沈んでいます。

中国株式市場のパニック売りから他市場へと波及した
短期的な下落よりも、中国の成長が止まってしまうことで
中国関連銘柄が長期低迷することの方が懸念されますが、
この先の商品市況はどうなっていくでしょうか。

小針さんは、中国の需要が落ちることを考えれば
商品市況は長期低迷するリスクがあるとした上で、
金だけはいち早く立ち直って上昇する可能性があると指摘。

リーマンショック時も株も商品も何もかも売られる流れでしたが、
その後の相場では金が最も大きなパフォーマンスを上げました。

まだ落ちるナイフを掴む時ではないにしても、
このチャイナショックが落ち着いたころに、
もっとも早く物色されるのが金ではないか、と小針さん。

米国利上げ時期も遅れる観測が台頭してきました。
落ち着きを取り戻した後、過剰流動性マネーが向かう先は?

ゴム相場も急落していますが、TOCOMゴム相場は上海株上昇と
歩調を合わせていました。チャイナマネーが入っていたとも
いわれるゴム市場、小針さんは今日、重要な節目を割り込んでしまったと
解説くださっています。

詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。

ギリシャ破綻リスクにも金価格冴えず [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2015.07/01 大橋ひろこ 記事URL
6月中には白黒はっきりするかと思われたギリシャ支援問題。昨日30日期限のIMFへの返済はできずにIMFは「(ギリシャからの返済は)延滞状態」と表明しています。欧州連合(EU)は30日夜、ギリシャ向け金融支援を延長せず、打ち切ることを決定、ブリュッセル時間1日午前0時(日本時間午前7時)で支援を終了しています。事実上のデフォルト状態ですが、ギリシャが7月5日に緊縮策を受け入れるか否かの国民投票を実施することを表明していることから、市場はこの7月5日を見極めるまではひとまず先延ばしとばかりに、ひとまず落ち着きを取り戻しています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はインベステック調査情報グループの森成俊さんにお話を伺いました。


マーケットが落ち着きを取り戻したこともあって、ギリシャデフォルトを懸念して
多少買われる局面もあった「有事の金」も続かず、この混乱にもドル建て金価格は
1200ドル大台を回復できないという不甲斐なさ。
ここからの金相場を見るうえでも、金を動かすのはギリシャリスクではないようです。

森さん6月18日のFOMC開催後の声明文の内容が
米利上げペースの鈍化の見方でドル安となり、
金現物相場は1,200ドル超えとなった瞬間もあったことから
今度の金相場の焦点はドルの動向だと解説くださいました。
ギリシャ問題やプエルトリコの破たんのニュースなどが米国の
9月の利上げの可能性を大きく後退させているとの指摘もありますが、
今週は今日1日から米労働市場に関する経済統計の発表が続きます。


今夜はADP雇用指数。明日2日は5月の米雇用統計の発表があり、
強気の数字が出ると、年内の米利上げ観測が強まることで、
ドルが買われやすい環境となり、金相場にとっては逆風となります。
大方の事前予想は失業率が前月から0.1%低下の5.4%。
非農業部門の就業者数は前月比23万人の増加(前月は同28万人増)と
鈍化予想。前回があまりにもよかったために控えめな予想ですので、
よほどの悪化がない限り、落胆するような結果にはならないと思われます。

今夜発表の5月の米ADP雇用統計の事前予想は
前月比21万8,000人増。(前月20万1,000人増)

また、 ユーロ圏の景気に対しての悲観的ムードが強いことや、
ギリシャ債務不安からユーロは買いにくく、ドルの下値は堅いと
思われることから、金に対して投資家心理は強気に傾きにくい
状況が続くものと思われます。

金ETF市場への中期投資資金の流入は減少中。減少幅は縮小していますが、
積極的な買いはみられません。

また、大口投機家の買い越しは5月19日に12万2,621枚まで急増したのですが
5月後半から手じまい売りが先行し、6月16日現在、7万5,723枚まで減少。
18日のFOMC後のドル安局面で買いが急増し、9万枚以上に増加したのですが、
24日以降は8万枚台に減少、、、と大きなトレンドには傾いていません。
上昇相場活況の時は買いが20万枚にも膨れたことを考えれば
3分の1にまで買いポジションは縮小、投機家も金を積極的に
物色している動きはないようです。

実需筋の買いも、大きな期待はできません。
中国が景気刺激策として6月27日に利下げを実施しましたが、
中国株の下落止まらず、金投資に対しても投資家心理の冷え込みが
警戒される状況です。

ここからの金相場、どのように戦略を練ったらいいでしょうか。
金とプラチナの価格が逆転現象は長期化の様相を呈しており、
プラチナとの鞘取り戦略も妙味あり。
詳しくはオンデマンド放送で森さんの解説をお聞きくださいね。

重油って何?!重油需要減少の背景 [大橋ひろこコラム]
2015.06/17 大橋ひろこ 記事URL

重油ってどんなものかご存知ですか?TOCOMに上場されて取引されている原油やガソリン、灯油などに比べて馴染みが薄いかと思いますが、重油は火力発電の燃料となっており我々の生活に密接したエネルギーです。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はリム情報開発の鎌田むつみさんにお話を伺いました。

タンカー座礁事故などのニュースで海鳥にまとわりつく
黒いタールのようなもの、、、というイメージが強く
あまりいい印象がない重油ですが、ドロドロしているのは
原油から、ガソリンや灯油などと取りだした後の残渣油だからです。

燃焼時の発熱量が大きいことから、大きなものを動かしたりするのに
向いており、大型船の燃料、工場などのボイラーの燃料として使用されるほか、
アスファルトとの材料になっていたりします。

もっとも大きいのが発電燃料としての需要ですが、
311東日本大震災の後、需要が急増しました。原発が止まってしまったためです。
火力発電の燃料として使われるため、原発が止まった分を補って
需要が増えたのですが、
2010年の重油消費量が630万klだったものが
2011年には1180klと倍増しています。

原発は止まったままですので、現在も重油による発電が盛んなのでしょうか?
ところが最近の重油需要は低調なのだそう。

2013年8月の重油需要は1130万klだったのですが、
2014年8月の需要は666万klと、なんと昨年夏には
その前の年に比べて半分にまで落ち込んでいます。

原発が止まったままなのに、
重油使用料は減少しているというのです。

鎌田さんは、よりコストの安い石炭火力発電所の新設や、
環境負荷の低いLNGが優先して使われるようになったこと、
また、ソーラー発電が広がってきていることなど、
電源の分散化で、重油頼みではなくなってきていることが
背景にあると解説くださいましたが、そもそも電力需要自体が
減少傾向にあるのだそうです。LEDの普及や燃費効率の高い家電の普及なども
電力消費を抑えているのかもしれませんね。

また、電力使用は季節要因にも大きく左右されます。
2014年の冬は例年に比べ気温が高めに推移したために
重油使用料は2013年冬より減少しています。

例年より電力需要が少ない状態が続いているために発電所の重油在庫は
高いままなのだそう。
夏場に向けた在庫積み上げも始まっていません。
そういえば、この夏には原発再稼働の可能性もありますね。
重油は余剰感が大きくなってきています。

生産調整すればいいじゃないか、とも思いますが、
そもそも重油は、ガソリンやジェット燃料など製品精製した後の
残りなので、製品需要が大きければ副産物として生産されてしまうため、
生産調整が難しいのですね。となると、この夏が猛暑にでもなって
エアコン消費が急増する、、などの天候要因による需要増でもないと
なかなか余剰感は解消されないのかもしれません。

気象庁の6-8月の3か月予報ではこの夏は平年並み。
あまり暑くはならないようです。。。

詳しくはオンデマンド放送で鎌田さんの解説をお聞きくださいね。

為替動向に神経質な金市場 [大橋ひろこコラム]
2015.06/10 大橋ひろこ 記事URL
為替市場でドル円相場の値動きが大きくなっています。今日は、黒田日銀総裁が国会で(実効為替レートでみると)ここからさらに円安はありそうにない」 「永久的な量的・質的な緩和は考えていない」などと述べたことが伝わると、ドル円相場は122円台まで急落しました。

先週末のアメリカの5月の雇用統計の数字がポジティブサプライズであったために、ドル円相場は125円後半までドル高円安が進行していましたが、週明けから景色ががらりと変わっています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんにお話を伺いました。


このところ米国の指標が良好なことから
利上げ時期が早まるのではないかとの観測でドル高が進行、
これがドル建て国際商品価格の上値を抑え、
COMEX金相場は週末5日金曜日には、
ここ3ヶ月間のレンジ加減であった1175ドルを割り込んで
下落が加速しました。


週明けからもCOMEX金相場の戻りが鈍い中で、
今日の黒田日銀総裁の発言による円高で、円建て商品価格が軒並み下落。
TOCOMの金価格はこれまで、ドル建て金価格が弱含んでも
為替市場での円安が価格の下支えとなって、堅調地合いを継続してきましたが、
今日の円高局面では大きく値を崩しました。


このところは金独自の需給材料があまり話題となりません。
金相場は金融要因によって動く側面が大きいのが昨今の地合いで、
米国の利上げ観測が市場のテーマとなり続ける限りにおいて、
金価格が大きく上昇することはなさそうです。


しかし、小針さんは利上げをテーマにした相場は長期化しており、
実際に利上げに踏み切った後は材料出尽くしとなり、
新たな相場が始まる可能性が高いことを指摘。
むしろ、利上げが弱材料として長期間相場に織り込まれて下がっていたために、
逆に相場があく抜けで上昇を始めるのではないか、とお話くださいました。

テクニカル的には昨年11月の1130ドル、今年3月の1140ドルの底値からすると、
この6月中に1150ドルまで下落して修正安が完了して底入れし、
トリプルボトムが形成されて反騰すると考えられると小針さん。
詳しくはオンデマンド放送を。

そして後半は、4月5月と大相場を演じたゴム相場について。

実際、5月最終週までの上昇の勢いが消え、6月に入ってからの東京先限は
2日の247.9円を直近高値とした下げトレンドに入ってきています。

このまま下落が継続し、高値から3分の1押し、あるいは2分の1押しとなる公算が強い
としながらも、現在はエリオット波動原理の第2ステージにおける第3波(上昇波)から
第4波(修正波)への移行期に入りつつあると小針さん。


つまり、このような修正波動が形成されないうちは、
次の第5波の上昇波が来ないことになるわけで、持続的な上昇相場となるには
どうしても修正波は必要なステップだと展望くださいました。

ただ世界最大の天然ゴム消費国・中国の景気減速に伴う
産業素材需要の低迷からすると、鋭角な相場の上昇を予想することは難しく、
需給ファンダメンタルズを考慮すると自ずと
上値にも限界があると考えざるをえないとも。


また、エルニーニョが観測されていますが、エルニーニョの年は
アジアも旱魃となるリスクが高まるのだそうです。
ゴム産地が旱魃となれば樹液採取が落ちることから値上がりするリスクも?
詳しくはオンデマンド放送をお聞きくださいね。

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<スタッフより>
先月実施しました「東京ゴールドスポット100」上場記念番組アンケートの、プレゼントを当選者に発送しました。 アンケートへのご回答、ありがとうございました。

いただいたご意見は、今後の番組作りの参考とさせていただきます。

円安で東京金高、地金商店頭、換金売り行列 [大橋ひろこコラム]
2015.06/03 大橋ひろこ 記事URL

今日の日経新聞に掲載されていた2つの記事。

「東京金、4カ月ぶり高値」
~高値での換金を求めて貴金属大手、田中貴金属工業の銀座基幹店は朝から混雑し、窓口で約1時間待ちの状況が続いた。

「白金、2か月半ぶり安値」
~消費地である欧州ではディーゼル自動車の排ガス触媒向け需要が振るわない。今年は供給過剰に転じるとみられる。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はインベステック調査情報グループの森成俊さんに
貴金属銘柄の現状と展望を伺いました。

産出量、その希少性からプラチナ価格は金価格より高いのが教科書的解釈。
しかし、今日のTOCOM日中取引終値で金価格は4737円。
プラチナ価格は4469円でした。価格の逆転現象が長期化しています。
なぜ白金価格は安いのでしょうか。

森さんは、ドル高による資源国通貨安で、生産国は増産体制に入っている
ことで、供給量が増え結果的に価格をさらに押し下げる要因となっている
として、米国の利上げに向けた思惑によるドル高の影響を指摘。

加えて、爆買い中国の1次産品買いが鈍化、景気先行きにも不透明感が漂い、
金融要因、需要ともに冴えない環境となるなか、世界の流動性資金は
株式市場へと向かっているようです。

国際プラチナ価格が下落基調となるなか、金価格は1200ドルをはさんでの 
揉みあいにしていますが、TOCOMの金価格は為替市場のおける円安ドル高に
サポートされて上昇基調を保っており、これがさらにプラチナとの価格差を
広げてしまっています。TOCOMプラチナ価格も円安に支えられる構図は同じでも
ドル建て価格では金は1200ドルを挟んで比較的下値固く推移しています。

金市場にあまり大きな変化はありません。
金市場への中期投資資金の流入は減少傾向であり、
金ETFの金現物保有高は6月2日現在、1,040.21トンで、
5月6日の1,072.37トンから約3%も減少しています。
世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの現物保有高は
6月2日現在、709.89トンで5月6日の741.75トンから
約4%減少しています。

CFTCの建玉明細から二ューヨーク金市場の投機家のポジションを
見ると買い越しは5月5日に7万2,440枚まで減少していましたが、
5月19日に12万2,621枚まで急増となりました。
1,230ドルをつけた18日前後に買いが活発化したようですが、
5月後半は手じまい売りが先行し、5月26日現在では
10万4,694枚まで減少しています。

下値ではアジア勢の金買いが根強いことが支えですが、中国の買いは鈍化。
インドが2日に今年3回目に利下げを実施したことは支援材料となると
見られますが、実需買いは下値をサポートするも、価格を押し上げるもの
ではありませんね。やはり、今後のドルの動向が最大のテーマであることに
変わりはないようです。今夜のADP、週末の雇用統計でドル買いが加速すれば
金にとってはネガティブですが、ドル売りとなれば、物色の矛先となる
可能性も。どちらにしても、まだ大きなトレンドが生まれそうな
気配はありませんが、じっくりと買いを仕込む時でしょうか。

詳しくはオンデマンド放送で森さんの解説をお聞きくださいね。

シェールガス革命がシェール「エタン」革命へ [大橋ひろこコラム]
2015.05/29 大橋ひろこ 記事URL

昨年2014年秋口から原油価格が急落、米国のシェールガス革命も、掘削稼働リグが半減するなど余剰生産に歯止めがかかってきたことから、この先はの米国のシェールガス新規投資はないのでは、とその先行きが注目されていますが、実はシェールガス革命はシェール「エタン」革命へと発展し、米国への投資が活発になっていることをご存知ですか?!

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は株式会社セキツウ常務取締役の山内弘文さんに
お話を伺いました。

日本の信越化学工業も米国への投資を決めたことが
伝えられています。何故今から米国への設備投資なのでしょうか。

1.シェール革命の波及と石油化学

シェール革命は2006年から本格化しました。
 まずはシェールガス革命としてスタート、これが技術的継承を経て
シェールオイル革命につながり,
北米,特に米国では天然ガス生産量・石油生産量ともに飛躍的に増加しています。

原油生産・天然ガス生産に付随して併産されるNGL(Natural Gas Liquid:天然ガス液)。
ナフサに近く軽質の石油ですが、現在起こっているエタン革命は
シェールガス、オイル生産に併産されているNGLから分留されて生産されます。

NGLは燃料としてそのまま消費することもできますが、シェールオイルに併産される
ものであることから、単体での生産調整が難しく、
現実には原油やガスの掘削の圧力増加のために地中に再注入されたり、
石油掘削塔の先でフレアされることが多いとのこと。
フレアというのは、要するに燃やしてしまうわけですから、
大量のCO2を発生するため環境には極めて好ましくないことも問題視されています。

バッケン・シェールでは生産されるNGLの35%を燃やしているのが現状です。
何故備蓄しないのか、というと、NGLにはガス種を大量に含みますが
その比重が空気よりも重いため、そのまま蓄えておくことができない
という性質を持つためです。

ではこのNGLを有効活用できないものでしょうか。


NGLは分留装置にかけると各ガス種に分留できます。
エタン,プロパン,ブタン,イソブタン,天然ガソリン(液体)などになり、
「エタン」はエチレン原料になります。
「プロパン」はエチレン・プロピレンなどの原料及び燃料,
「ブタン」や「イソブタン」もエチレン・プロピレンン等の原料となります。

ただし,問題はコストとの兼ね合いです。
販売先があり,分留装置等建設に伴うコスト+マージンが確保されれば,
NGLが有効利用されますが、、、。

サウジアラビアその他の中東産油国は、日本などアジア諸国に
LPガスを大量輸出できたために,1960年代から
原油随伴NGLの分留装置などが普及してきました。
中東などは、原油生産コストが安価であったことに加え
石油モノカルチャー経済からの脱却を目指して、
1990年台から石油化学プラントが次々に建設され、
極めて廉価なエタン原料のエチレンが供給されるようになったことで
米国はコスト面では中東との競争力がなく
この分野はほとんど「死に体」となっていました。

米国は環境規制の強化から天然ガス需要が急拡大したことで
天然ガス価格は高騰、
米国のエタン800㌦/㌧,中東のエタン40~100㌦/㌧,
日本などのナフサ1,200㌦/㌧ということで、中東のエタンが圧倒的に
安かったわけです。しかし、日本のコストの高いこと...。

2.米国の石油化学産業の復権

この米国石油化学を救ったのが「シェールガス革命」。
天然ガスが大増産となるから随伴NGLも大増産となります。

現在大増産となっているシェールガス鉱床は
北東部のマーセラス・シェールやユーティカ・シェール。

ここのシェールガスはとりわけNGLが多いウェットなガスで
メタンは85%前後も含有しているため、
NGL生産量も飛躍的に増加しています。
現在の米国のNGL生産量は310万㌭/日!

しかも,天然ガス価格も8㌦/百万Btuから2~3㌦に急落し
プロパンもブタンもエタンも天然ガソリンも急落しています。

米国でNGLが大増産されているためで原材料である
NGLコストが急落。
おまけに米国はインフラが整っているために
インフラ投資は必要ありません。港も鉄道も道もあります。
NGLを分留する際にかかるエネルギ―コストもシェールガス、
オイル革命で安価となりました。

ここに目を付けた石油化学産業の世界の企業が続々と米国に
新規にプラント建設をしているのです。
日本の信越化学も米国へのプラント新設を発表しましたね。

エタンは塩化ビニールとなります。
信越化学は塩ビは世界シェアトップ。

シェールガス革命はシェールオイル革命へ波及しましたが,
同時にシェールLPガス革命へ発展、現在では
「シェールエタン革命」として世界の石油化学産業をも
変えようとしていると山内さん。

詳しくはオンデマンド放送で山内さんの解説をお聞き下さいね。

7年後の世界と6~7月の商品相場ストラテジー [大橋ひろこコラム]
2015.05/27 大橋ひろこ 記事URL

今週で5月が終わりますが、SellinMayへの警戒もなんのその、5月の日本市場は日経平均は2万円の大台に乗せて今日までで9連騰、ドル円相場も長い膠着相場から円安ドル高へと動きだし123円台へと上昇しています。大変強い相場展開となっていますが、全面ドル高の様相でもあり、国際商品価格は下落を強いられています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケットアナリスト菊川弘之さんにお話を伺いました。

菊川さんは、ドル円が123円台乗せは7年ぶりの水準であることに触れ、
7年前から米株は上昇を続けていること、アベノミクス相場も3年目にはいる
ことなどを指摘。7年後の世界を展望し投資して行くことも肝要ではないか、
というのですが、7年後、、、オリンピックも終わっていますね。
2018年には安倍首相、黒田日銀総裁の任期も終える、ということを
考えると、あまり明るいイメージはないのですが、
それであれば、一体この先、何にどのように投資して行けばいいのでしょう。
長期的視野にたったストラテジーも必要だと菊川さんはお話くださいました。
詳しくはオンデマンド放送を聞いてみてくださいね。

また、足元6月~7月の商品相場についてもお話伺っています。

消費者物価指数はじめ、このところの経済指標の好転が
アメリカの年内の利上げ思惑を強め、全面ドル高の様相となって
いることから、金価格は頭を叩かれて再び1200ドル割れです。
過去の米国の利上げ局面で金価格が下落の一途をたどったかというと、、、
そうでもないんです。利上げ開始以降はむしろインフレ期待から
金が買われる展開となっているケースが多く、
金が利上げの思惑で売り込まれるという相場パターンも最終局面と
思われます。

原油は昨年からの急落の半値ほどの戻りを見せた後、揉みあい二入っていますが、
6月は5日のOPEC総会や6月末までが期限のイランの核開発協議の合意が
原油市況のボラティリティを高めると思われますが、
菊川さんは7月は原油相場の陽線確率が70%を超えることに触れ、
6月の急落は買い場になると解説くださいました。
(WTI陽線確率1983~2014までのデーターから算出、7月が突出して高い)

また、天候相場に入ってきた穀物相場ですが、
今年も豊作予想につき、下落が続いています。
すでに豊作だった昨年のハーベストプレッシャー(収穫期の農家の売り)時の
安値を試すところまで下げてきていますが、
菊川さんは「豊作の年の底入れは早い」として
ここからは買い場探しと分析。


昨年はエルニーニョ発生リスクで春先に囃され高値を付けた相場ですが、
エルニーニョ発生が確認できず結局大豊作となり相場が崩れました。
そのエルニーニョが現在発生している、ということを考えると
今年の穀倉地帯がHOT&DRYと呼ばれる熱波、乾燥にさらされるリスクも
ゼロではないことから、もし、何か天候リスクが生じた場合は
現在売り越しに傾いているファンド勢のショートが一斉に
巻き返される可能性もあるとして、まさに天候相場に注目です。
2012年も春先、豊作予想を織り込んで下落していた穀物市場、
6月からの天候リスクで急騰した経緯が。
安値に叩き込まれている穀物が一番面白いかもしれません。

それから、菊川さんは株式市場の動向として
こんなグラフを見せてくださいました。

東証1部の時価総額と名目GDPの推移ですが、
過去、時価総額が名目GDPを超えると頭打ちになる、
というパターンが確認できます。
かといって今すぐ株式市場に警戒という話ではありませんが、
参考までに。

原油市況の現状と市場の変化 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2015.05/20 大橋ひろこ 記事URL

昨年夏で100ドルを超えていた原油相場は冬にかけて下落を続け、安値では期近物でアメリカのWTI原油で3月18日に42.03ドル、北海産のICE ブレント原油で1月13日の45.19ドルまで下落しました。その後マーケットは急速なV字回復に転じ、今月6日にWTI原油が高値62.58ドル、ブレント原油で69.63ドルにまで上昇。安値からの上昇率で言えばいずれも50%前後に達しています。しかし、昨日の5月19日の終値ではWTI原油で57.26ドルと、ブレント原油では64.02ドルと高値からは多少下押しています。これは修正安なのか、それとも戻りいっぱいで再び価格は下降していくのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです、
今日はリム情報開発 原油・コンデンセートチーム 記者の橋本洋さんにお話を伺いました。

橋本さんは今後の価格動向を占う上では
価格が上昇してきたことによる生産者の今後の対応が注目だとして
6月5日のOPEC総会、そして米国の原油生産動向について解説くださいました。

前回のOPEC総会は11月28日。ちょうど原油価格の急落の真っただ中と
いう状況もあいまって特に注目されましたが、減産などの生産調整は
見送られ、原油価格の下落に拍車をかけました。
次回の6月5日の総会は、加盟国の高官などのコメントなどから推測するに、
現在のところでは現行の日量3,000万バレルという生産枠は
変更されないとの見方が大勢なのだそうです。

このところのOPECの動きを振り返ると、
一週間前に国際エネルギー機関が発表した月報では
OPECは4月の生産量を日量で16万バレル増やしており、
加盟12か国の合計で日量約3,100万バレルに達したことが
明らかになりました。これは3年前、2012年9月以来の高水準です。
その当時はWTI原油は90ドル台でした。

特に、OPEC加盟の主要国であるサウジアラビア、イラクが増産しています。
サウジアラビアに至っては、生産量は日量1030万バレルで、過去最高に近い水準。
また、国際エネルギー機関は、このようなOPECによる生産の増加の流れを
汲んだうえで、5月の生産量も多くは減っていないと予想しています。

RIM情報開発のリサーチではイラクの6月の輸出量が増えるという計画が、
明らかになったそうです。
イラクはサウジアラビアに次ぐ生産量を誇る主要メンバー。
(昨年で日量330万バレルを生産)
そのうち最も大きな油田であるバスラ油田での輸出予定量が
5月の日量250万バレルから、6月は320万バレルに増えることになります。
これは30%近くも増加するわけですから大増産ですね。

しかしこの数字、実際にバスラ原油を取引している関係者は
「輸出可能な能力を上回る計画で、増やしすぎじゃないか」と
言って驚いているのだとか。

原油価格が上昇している状況で、OPECによる供給は今後も
増える可能性がある、というころで、価格上昇が続くのか、、、疑問ですが
現在の原油価格はこの予想をすでに織り込んだ価格なのだそうです。

また、OPEC以外での産油国として、注目されているのはアメリカ。
そのアメリカでで、ここ半年ほど注目されているのが、稼動リグの数です。
リグというのは、石油や天然ガスを掘削して生産する装置です。
この稼働数が増えれば生産は当然増えますし、稼働数が減ればその逆となります。
つまりこのリグの稼動は生産量に直結します。
現在は、生産動向を占う上での基準のひとつとして重要視されています。

このリグの稼動数の具体的な数値は、
油田サービスの請負会社であるベイカー・フューズという企業が
毎週発表していますが、このリグの稼動数は過去半年で急激に減少しており、
昨年後半に1600本稼働していたリグが、現在、5月15日時点で660本にまで半減。

過去半年の動きを見ると、このリグの稼動数と原油価格とが
ちょうど逆相関の関係となってます。

では、今後のリグ稼働数はどうなっていくでしょうか。
原油価格の上昇を見て、すでに一部の油田では
停止していたリグが稼働を再開していると橋本さん。
原油市況の上昇に伴い、さらに今後稼動を再開するリグが増えるとの
声は少なくない環境で、実際にどう推移していくかが
毎週毎週、市場関係者が目先の注目材料となっているようです。

詳しくはオンデマンド放送で橋本さんの解説をお聞きくださいね。

ここで、番組からプレゼントのお知らせです。

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上海ゴム相場仕手戦の様相に [大橋ひろこコラム]
2015.05/13 大橋ひろこ 記事URL

WTI原油価格は3月18日に42ドル台にまで下落していたのですが、現在は60ドル台で推移。62ドル台まで高値がありましたので2か月弱で20ドルもの上昇です。また、ゴム価格も急騰しています。TOCOMのゴム先物価格は4月9日の194円の安値から5月11日には226円まで急伸。このコモディティの反騰の裏にはなにがあるのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんにお話を伺いました。

原油やゴムだけではありません。鉄鉱石や石炭、アルミなどコモディティ全般が
反発局面入りとなっている背景には「ドル安」があると小針さん。
11日発表された中国の4月の自動車販売台数は前年同月に比べ
0.5%少ない199万4500台で、実質2年7カ月ぶりのマイナスとなるなど、
このところの中国の景気指標はさえないものばかりですが、
コモディティが上昇しているというのは、需給要因よりも
金融要因によるものが大きいと思われます。

また、原油やゴムには独自の要因も。

4月24日までの週のオクラホマ州クッシング(WTI原油先物の受け渡し地点)の
原油在庫が2014年11月28日以来5カ月ぶりに減少したことや、
同じく4月24日発表されたEIAの在庫も今年に入って初めて
前週比マイナスとなるなど、積みあがる一方だった在庫に変化がみられたこと。

加えて 米国の石油掘削装置(リグ)の稼働数も減少が続き、
原油価格のサポート要因となっています。

ゴールドマンサックスが今年1月に
「原油相場は今年7-12月(下期)に60-80ドルの範囲に落ち着くだろう」と
予想していましたが、まさにこのレンジ内に突入してきた原油。

ここからは?!
オンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。

また、TOCOMのゴム先物相場の上昇は上海ゴム相場の急騰がきっかけです。
小針さんによると、上海市場は仕手戦の様相を呈しており、
かなり巨額の資金が流入しているようです。

上海といえば、上海株もバブルの様相を呈し始めており、
何か大きな資金が動いているといった噂も?!

その資金動向についても番組で小針さんにお話伺っています。
是非オンデマンド放送でお聞きください。

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日経平均終値で2万円達成~コモディティ市場は... [大橋ひろこコラム]
2015.04/22 大橋ひろこ 記事URL
日経平均が終値でしっかりと2万円の大台を固めて引けました。上海株は今日も3%近い上昇で08年以来の高値を付けています。2015年4月、ゴールデンウィークを控えて株が堅調推移となる中、コモディティ市場は静かな値動きが続いています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はコモディティインテリジェンス代表取締役社長 近藤雅世さんに
原油と金の動向についてお話を伺いました。

バンクオブアメリカメリルリンチが4月15日に発行した
ファンドマネジャー調査では、世界的に株価に割高感が出ており、
ファンドマネジャーは新しい投資先を物色しているようだ、ということで
近藤さんは、そろそろ商品にも資金が回ってくるのではないか、
とお話くださいましたが、確かに米株は高値追いの展開とは
なっておらず、高値圏で神経質に揉みあっていますね。

先週金曜に近藤さんに、ご出演いただいた際には
WTI原油相場は6連騰中で、そろそろ上げ一服でした押し局面入りと
なるというご指摘を頂戴しましたが、ご指摘の通りに
原油相場の上昇の勢いも止まってしまいました。

57ドル台まで上昇していた原油価格は、今日22日は55ドル台半ばまで反落。
その背景には、今夜、毎水曜夜に発表されるEIA週間在庫統計ですが、
昨晩ロイターが予想したところによると在庫が増加するだろう、
というもので、このロイター予想を嫌気した側面もあると近藤さん。

先週は、米国の石油週報で
原油在庫が前週比+360万バレル増加予想、
ガソリン在庫が▲75万バレル減少予想だったのですが、
蓋を開けてみたら原油在庫は129万バレル増と予想の3分の1で、
ガソリン在庫は▲207万バレルと予想の倍以上の減少だったことで
原油が急騰。米国の原油生産量は前週から▲2万バレルと
わずかではありますが、2月初め以来の減少となったことも好感されました。

米国の石油精製設備はすでに定期的なメインテナンスを終わっており、
これからドライブシーズンに向けてガソリン需要が伸びることから
石油精製設備の稼働率はすでに92.3%に上昇しており、
今後原油投入量は増えるものと思われます。

一方で、原油生産のための稼働リグ数は、
1年前に比べて米国は▲843本、約46%減少しており、
カナダはすでに半減しています。
こうした稼働リグの減少は米国の生産量の減少となって現れ、

今夜発表される4月17日までの週報で
どのような数字が現れるかが注目されます。

ただ、世界的にはサウジアラビアの生産量が1000万バレルを
超えて増産しており、これは弱気の要因ですね。

ファンドの建て玉から見ると、4月14日までの週のNY原油の
ファンドのネット買い残は3週連続で増加しています。

また売り残はピークの3月24日の28万枚から21万枚まで減っていますが、
それでも2月依然に比べると10万枚程多く、まだ買い戻しが出る可能性も。

強気と弱気の両面があるのですが、近藤さんは中期的には強気、
しかし、短期的には調整、揉みあい局面となる可能性が高いと
解説くださいました。

また近藤さんには、ギリシャ支援を巡る問題から
金の今後についても展望いただいています。

詳しくはオンデマンド放送で、近藤さんの解説をお聞きくださいね。
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