天然ゴム、逆ザヤも下落開始の背景 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019.08/01 大橋ひろこ 記事URL

7月FOMCで米国は政策金利の0.25%の引き下げを決めました。バランスシート縮小は7月31日をもって終了。計画を2か月前倒しで終えることとなります。利下げはリーマン・ショックを受けて08年12月に実質的なゼロ金利を導入して以来約10年半ぶり。これを受けてドル安となるかと思いきや、市場には十分に0.25%の利下げが織り込まれていたと見えてドル高が進行、ドル高を受けてゴールドは大幅下落となりました。



皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はトーキョー・トレーダーズタイムズ代表小針秀夫氏をお迎えし
コモディティ市況の現状と今後の展望をお伺いしました。


パウエル議長は「足元の利下げは必ずしも緩和サイクルの開始を意味しない」と発言したことが
タカ派的と捉えられたことも大きかったようです。利下げは今回1回きりの可能性を
織り込む形でドルが大きく跳ね上がりました。
このままドル高が進むのでしょうか?!


ゴールドは金融要因で大きく動きます。
今後のドルの行方が足下数年来のレンジ上限をブレイクし1400ドル台に上昇してきた
ゴールドの先行きを占うこととなりますが、
昨今の世界情勢は金融要因以外にも、
ゴールドをサポートする材料がたくさん見られると小針氏。


緊張が続くペルシャ湾情勢、
米中貿易摩擦の長期化、
米国による制裁からロシア、中国などのドル離れなど
不確定要素がゴールドの下値を支えています。


また、下落基調を強めるゴム相場について小針氏は

(1) 東南アジア生産国の輸出削減策が7月末で終了し、供給が増える
(2) 米中貿易摩擦による世界的な景気後退懸念
(3) 中国の新車販売台数の減少
(4) 銅や鉄、アルミ、ニッケルなど産業素材の銘柄の軟調な展開と天然ガス相場の続落


などを上げ、詳細解説くださいました。

当先の逆ザヤは続いているのですが、、、。

詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で
小針氏の解説をお聞きくださいね。

国際原油市場の構造変化と米国の実力 [大橋ひろこコラム]
2019.07/31 大橋ひろこ 記事URL

2018年の米国の原油生産量は日量1,096万㌭、2019年は1,236万㌭に、2020年には 1,326万㌭にも増える見込みです。ちなみに1970年の970万㌭を上回って過去最高の生産を更新し続ける見通しです。

サウジアラビアの原油生産量は2018年1,038万㌭,ロシアは1,040万㌭ですので、サウジ、ロシアをも上回る世界一の原油生産国へと躍り出ています。

 
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はエネルギー情報ネットワーク 山内 弘史氏をお迎えし
「国際原油市場の構造変化と米国の実力」をテーマにお話しを伺いました。

原油だけではありません。

石油生産量についても 2018年:米国が1,531万㌭,サウジ1,358万㌭,ロシア1,155万㌭
となっており、米国が世界一。

NGL生産量も、2018年:米国は435万㌭。2019年1~7月19日462万㌭,7月第3週479万㌭
と年々伸びています。

※地下から採取されたままの状態のものは「原油」ですが
原油を精製して製品化したものを「石油製品」といいます。


米国の産油量の大増産につれて国際石油市場で何が起きているでしょうか。

米国で生産された原油やその他石油製品は海外に輸出されています。
米国は、原油・石油製品・ガスのすべてが輸入国であると同時に輸出国でもあります。
この関係が、この数年で劇的に変わったのが原油で
2018年は日量200万㌭の輸出量でしたが、2019年1~7月19日には日量288万㌭に。
6月21日の週には377万㌭もの原油が米国から海外へ輸出されています。
米国2020年には石油純輸出国になると山内さんは指摘。


OPECが非OPEC協調国と日量120万㌭の原油減産を実施していますが
超過減産しても33%,160万㌭程度。
米国は日量300万㌭超の原油輸出量を誇る輸出国となるとみられ、
米国の原油増産・輸出増加を何とかカバーするだけで精一杯です。

原油だけではなく、石油製品輸出も大きく伸びています。
2019年1~7月19日には日量508万㌭にも上ります。
ここでもOPECは市場を奪われているのが実情。

一方で、米国の原油輸入は同期706万㌭で前年比11.7%も減少しています。
OPECからの対米国輸出が減少しているのです。

 

これでは原油価格はあがりません。
OPECプラスの減産が効果を現すためには何が必要でしょうか。

山内さんはイランとベネズエラの減産・輸出減が数字上必要だとお話しくださいました。

昨年今頃には270万㌭だったイラン原油輸出量は75万㌭に減少しているほか、
2016年には270万㌭/日だったベネズエラの原油生産量は80万㌭に落ち込んでいます。

OPECプラス160万㌭の超過減産とイランの150万㌭減産があって初めて
米国の増産・輸出増とイーブン。
しかし,米国の原油輸入減・石油製品輸出増までは現状では賄えない状況です。

したがって,価格は世界的な石油需要の成長鈍化には敏感に反応し
上値が重いのが現在の原油市況なのです。

ここからの原油価格の見通しなど詳しくは
ポッドキャスト配信で山内さんの解説をお聞きくださいね。

https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

ゴールド・プラチナ価格上昇の背景 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019.07/25 大橋ひろこ 記事URL

金相場は、FRBが2019年の利上げ継続に慎重姿勢を示したことから上昇基調に転換。6月のFOMCの声明文が利下げを示唆するハト派の内容であったことから1,400ドル超えとなり、長年のレンジ上限を上方ブレイクしました。1,450ドル台から一段高となると、2013年5月の高値1,487ドル、1,500ドルを目指す展開が期待されますが果たして、、、。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はみんかぶ商品調査部門アナリスト森成俊さんにお話しを伺いました。

来週7月31日のFOMCで10年ぶりの利下げの公算が高くなっています。
米国の金融引き締め政策が終焉し金利上昇に歯止めがかかれば
金利のつかない金のデメリットが薄れます。

NY金先物市場では大口投機家のポジションは今年1月終盤から買いが増え、
7月2日には25万8,946枚まで急増しています。
NY金の取組高はFOMC前の6月17日は52万3,341枚でしたが、
今月18日時点で64万2851枚まで急増し、投資資金流入を裏付けています。

また金のの米国最大規模のETFであるSPDR金保有高は
6月FOMC後に急増し、今月24日時点で822.25トンを記録しました。
今年4月末の746.69トンから約10%もの増加となっており、
機関投資家らの金への関心の高さが伺えます。

GFMSが5月1日に発表したゴールド・サーベイ2019によると、
昨年の各国中央銀行など公的部門での金の需要は536トンとなり、
2017年の366トンから大幅に増加し、
2012年に544トンを記録して以来の高水準となっています。
地金、金貨の投資需要が2017年の1,031トンから923トンに減少しているのですが
中央銀行の買いがこれを補った格好ですね。

また、プラチナ相場も上昇基調に入ってきました。
金とプラチナ価格の逆転現象が長期化していますが、鞘縮小となるでしょうか。

詳しくはポッドキャスト配信で森さんの解説をお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

TOCOMゴム逆鞘は解消に向かうのか?! [大橋ひろこコラム]
2019.07/24 大橋ひろこ 記事URL


2018年11月に発生したエルニーニョ現象の影響が世界に広がっています。日本では日照不足による野菜価格高騰がニュースとなっていますが、米国穀倉地帯も長雨の影響でトウモロコシの作付けが遅れ、2013/14年度以来の低イールド予想、在庫率は13/14年度以来の低さとなったことでトウモロコシ相場が大きく上昇しました。欧州・旧ソ連・オーストラリアを襲った熱波の影響で小麦高、一方、南米では降霜の影響でコーヒー価格もボラティリティが上昇しています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケットエッジ(株)代表取締役 小菅 努氏をお迎えし
「天然ゴム相場の現状と今後」を解説いただきました。

天然ゴムは需要サイドからは工業品のイメージが強いのですが
供給はゴム樹木であり農産品です。
主な生産地は東南アジアに集中。今年は東南アジアの高温・乾燥懸念から
5~6月中旬にかけ天然ゴム相場が急伸しました。
足下では調整局面入りとなっていますが、注目されているのが当先の鞘です。


TOCOMゴム、RSS(期先)は年初から3月に向けて210円近くまで大きく上昇、
一度反落するも6/7に207.90円まで急反騰。その後7/16の174.0円安値まで
一気にねを削るも、足元では180円台中盤まで自立反発という状況です。
ところが、RSS(期近)物は一貫して230円水準で高止っており、
当先の鞘は一時50円を超える逆サヤを形成。
異常な逆ザヤはなかなか解消されぬまま、明日7/25(木)7月限が納会を迎えます。


産地タイではでは5月中旬から6月中旬にかけてゴム価格が急伸しました。
中国、東南アジア、インドの高温乾燥天候で「ハードウィンタリング」を
織り込む形で上昇前提にした価格形成となったのですが
減産樹から生産期へとシフトする過程で集荷量は例年並みのペースとなっており、
噂で買われた相場が事実で崩れる格好となっています。

一方で需要動向は芳しくありません。
ANRPC=1~4月期の世界天然ゴム需要は前年比+1.0%の454.4万トン。
中国GDPはQ2+6.2%、92年以来の低成長となっていますが
1~6月期の新車販売は前年同期比▼12.4%へと落ち込んでいます。
自動車販売はタイヤ需要に直結します。


 
供給不安も解消に向かう中、需要は伸び悩む傾向にあるなか、
何故TOCOMゴム市況は異常な逆ザヤを形成しているのか?!
国際相場と比較すると期近に割高感、期先に割安感がありますね。

小菅氏は「指定倉庫在庫の在庫保管能力」に注目されていらっしゃいました。
通常、国内に荷が流れ込み、在庫増加で期近は値下りするのですが
TOCOM指定倉庫在庫は7/10時点で1万1,831トンにも積み上がっています。
それでもまだ期近限月は値崩れをおこしていませんが、ここから先、
積み増し余地がないとの見方が価格をサポートしているとみられる、というのです。


4/20には1万2,999トンまで在庫が積み上がりましたが、足元でもこの時と同様に
入庫増加の兆候あり、在庫が限界まで増えれば、期近から価格が崩れるリスクも?!

明日7月限が納会を迎えるため、異常な高値を形成する限月は8月と9月限の2本に減ります。
勝負はこの2本の限月が納会を迎えるまででしょうか。
逆にいうと最長であと2か月の期近高が続く可能性はあるのですが
在庫環境によっては当限が崩れ、
逆サヤ解消からゴム相場が大きく崩れるパターンも考えられます。

詳しくはポッドキャスト配信で小菅さんの解説をお聞きくださいね。

パラジウムとプラチナ、異なる需給バランス [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019.07/18 大橋ひろこ 記事URL

パラジウムは3月に1600ドルをつけてから投資家の利食い売りにより1300ドルまで下落し、レンジ相場となっていましたが、再び上昇し始めました。パラジウムは過去9年間、供給不足が続いており、供給不足幅は年々増加しています。これは一重に自動車触媒の増加によるものです。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はICBCスタンダードバンク東京支店長 池水雄一氏をお迎えしPGM市況の現状と今後の展望を伺いました。


パラジウムは供給がほぼ安定的で増えることもありません。
一方、需要は年々確実に増加しているのですが
特に自動車触媒全需要のほぼ8割を占めており、
過去10年間で110トンもの大幅増。


2018年はパラジウムの触媒が使われるガソリン車の売上げは
約1%の減少になりましたが、中国そして欧州では、
近い将来に排ガス規制がより厳しくなり、
より多くのパラジウム(+ロジウム)を使う必要が出てきました。
これに対応すべく事前調達の動きも出ているようです。
車の台数よりも一台に使われるメタル量が増えていると池水氏。


この排ガス規制ですが、より厳しく複雑になっているようです。
そのスピードは技術の進化をはるかに超えるペースだとか。
規制当局はこれまで排ガスの排出量を減らすことをターゲットに
規制強化してきましたが、現在規制当局は、自動車の排ガス「試験」を
厳しくすることに重点を置き、これまでよりもより厳しいテストを
行うようになっています。これはフォルクスワーゲンをきっかけにした
ディーゼル車の排ガス不正が次々と発覚したことに起因しているものと思われます。
厳しいテストを通すために、より多くのPGMが必要だということです。

では、価格が低迷しているプラチナによる代替は何故起きないのでしょうか。
池水氏に詳しく教えていただきました。

解説は是非音声でお聞きください。

Spotifyでのオンデマンド放送はこちらから
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk
苦境にあえぐ米シェールオイル企業 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019.07/10 大橋ひろこ 記事URL

7月1日、OPECプラスの会合で減産期間の9カ月延長が合意されましたが、その直後2日の市場で大きな急落に見舞われた原油相場。世界の景気減速によるエネルギー需要の伸びの減少が懸念されており、市場は減産延長は織り込み済みだったとみられます。
また、この5~6月はタンカー攻撃などのきな臭いニュースも相次ぎました。イランと米国の対立、軍事衝突のリスクの高まりなどは本来原油の下支え要因ですが、これも足元の原油市場では原油の押し上げ要因とはなっていないようです。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はエネルギーアナリスト 大場紀章氏をお迎えしお話を伺いました。


様々な原油押上げ要因にも反応鈍い原油市場。
この背景には「米シェール生産の増加」が指摘されています。

米国は今やサウジアラビアやロシアを抜いて原油生産量世界一です。
その生産量は増加の一途を辿っているとされ、中国の景気減速の懸念とともに
原油価格の上値を抑えているとされてきました。

が、大場さんは「増産量は2018年の前年同月比220万バレルをピークに
徐々に減ってきている」点が気がかりだと指摘。
確かにシェール企業のシェール生産動向を見るうえで指標とされている
掘削リグ稼働数も2018年11月の880基をピークに足下では780基まで減少してます。


実は、WTI原油価格は昨年10月の高値70ドル台後半から40ドル台前半まで
急落して以降、投資家らのシェール企業への投資が冷え込んでいます。
原油価格は12月には底入れし2019年5月に向けて65ドルを超えるまでに
回復してきたのですが、投資家らが戻ってきていないというのです。


大場さんによると第1四半期の米シェール企業の決算は
調査した40社のうち36社がネガティブキャッシュフロー。
シェール企業は200社近くありますが、今年すでに8社が倒産、
あるいは倒産の危機に瀕しているとか。


この背景には2015年のチャイナショックと呼ばれたマーケットの急落局面で
原油価格が30ドルをも割り込むまでに下落したアイに
150社ものシェール企業が倒産に追い込まれたことに起因するのではないか、
と大場氏。投資家らはそのトラウマから慎重になってしまっているのです。


さらに中国の原油輸入は2019年4月に過去最高の1060万バレルに達したと
報じられましたが、4月には920万バレルに減少、5月には840万バレルに落ち込んでおり、
中国の需要の減退も投資意欲を低下させる一因であると思われます。


現在、米シェール企業の原油生産コストは平均で40~50ドルとされていますが、
現状の60ドル台では利潤が薄く、原油価格が上がらないと投資家が戻ってこない
可能性も否定できません。


ということで、目先は需要の伸びの減少などが原油価格を抑える中、
シェール企業の苦境が続区とみられますが、
シェール産業全体への投資が鈍ることは長期的に何を意味するのでしょうか?!


大場さんは、2019年後半にかけシェール生産量に陰りが見えてきたときに
投資不足による生産能力の低下が焦点となれば
原油価格が大きく動く可能性に言及、詳しく解説くださいました。

また、地政学の供給リスクはイラン、リビアなどの国に注目とか。


スポティファイでのポッドキャスト配信もスタートしました。
詳しくはポッドキャストでお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

二極化するコモディティ市況、ここから [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019.07/04 大橋ひろこ 記事URL

コモディティマーケットは二極化しています。大豆やトウモロコシ、小麦、コーヒーなどの農産物と金や銀が上昇していますが、アルミ、ニッケルなどの産業素材、そして天然ガスなどの一部エネルギー銘柄は冴えない状況が続いています。堅調だったゴムが足元で大きな下落となってきています。何が明暗を分けているのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はトーキョー・トレーダーズタイムズ代表小針秀夫氏をお迎えし
コモディティ市況の現状と今後の展望をお話しいただきました。



NY金は6/25に一時1443ドルまで上昇し約6年ぶり高値を示現。
東京金も6/25に一時4932円まで上昇して4年5カ月ぶり高値をつけました。
FRB(連邦準備制度理事会)が6月FOMCで2019年中の利下げを示唆。
次回7/30~31開催のFOMCで利下げとなる公算が強まっていることから
米金利が低下、金利のつかない金にとってはポジティブ材料です。



一方で原油は上値が重い展開が続いています。
7月2日OPECブラスが減産を決定した直後、原油価格は大きく下落しました。
減産延長合意は予想されていたことで、材料出尽くしの売りとみられますが
その先に世界的な景気後退に伴うエネルギー消費の減少懸念もあるようです。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチのアナリストは
今後の原油価格の見通しとしてバレル30ドルを予測していますが、、、。



そしてゴム相場。東京は当先のサヤが逆ザヤ化して、
足元の需給が引き締まっていることを示していたはずですが、
足下では急落に見舞われています。
産地の原料価格は高騰しているのですが・・・。

上海ゴム相場は日足の下値支持線を割り込んでおり、下値不安が広がっています。
上海ゴムは、米中貿易摩擦の問題から中国の景気減速の懸念が底流していることが
上値を重くしていると小針氏。


この上海ゴムの下落が東京を含む国際ゴム相場の下落を先導しているようです。
世界最大の天然ゴム産地であるタイは例年、3月から5月にかけて
ウインタリング(落葉期)入りして生産活動が停滞します。
これに伴う減産期は4月から6月にかけて。
今年も5月から6月にかけては減産に伴い在庫が急速に減少しました。



この結果、原料であるUSS(アンスモークドシート)が高騰し、
原料の争奪戦がおこり船積の契約が履行できなくなっているシッパー(輸出業者)が
出ていると小針氏。

2011年から続いている天然ゴム価格の大幅下落によって、
タイのシッパーの経営が大きく悪化しているという背景もあり
5月には、中堅の天然ゴム企業のBRIGHT(ビーライト)が経営破綻。
タイの老舗大手企業であるリーラバーをはじめ、テクビハンやタイファーは
中国のシノケムに買収されて現在中国企業となっています。



またタイ南部最大の天然ゴム企業のボンバンデイットも中国企業の海南ラバーの傘下に。
そのうえボンバンディットは経営悪化のため現在従業員の一部をレイオフしています。



今年の原料不足でゴム原料不足でタイの一部シッパーが契約不履行となる懸念が残り
これが足元のゴム不足を誘って、東京市場の逆ザヤ形成につながっているようです。
7月4日時点での東京ゴム(RSS)の当先の逆ザヤは40円を超える
大幅なバクワデーションとなっていますが、、、。



スポティファイでのポッドキャスト配信もスタートしました。
詳しくはポッドキャストでお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

とうもろこし実作面積増のサプライズで波乱の天候相場 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019.07/03 大橋ひろこ 記事URL
7月は受粉期という非常に重要な時期を迎える米国トウモロコシ市場。今年は春先からトウモロコシの作付けの遅れが指摘され、5年近くにわたる揉み合いから上放れるかに見えたのですが、、、。59年振りの作付遅れは解消したのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今日は資源・食糧問題研究所 代表 柴田明夫氏をお迎えしトウモロコシ生育状況と今後の相場展望を伺いました。

USDA米農務省が6月28日に発表した、主要作物の実作付面積は、
ネガティブサプライズとなりました。

トウモロコシ前年比3%増(9170万㌈)
大豆10%減(8000万㌈)
小麦5%減(4560万㌈)

なんとトウモロコシの作付け面積は3%増。

これを受け、週明け7月2日のシカゴ穀物市場では、
トウモロコシ(415セント、前日比▲9.25セント)、
大豆(889、▲14.75)、小麦(511、▲15.5)といずれも急落となりました。


中西部の穀倉地帯では、春先からの大雨・洪水・低温が続き、
4月からのトウモロコシの作付が大幅に遅れ、作付放棄する農家が急増。

米農務省が5月より毎週発表している作付進捗率は
5日23%(平年46%)→12日30%(同66%)→19日49%(同80%)
26日58%(同90%)→6月2日67%(同96%)→16日92%(同100%)、
そして23日時点では96%(100%)と大幅に遅延していたはずですが、、、?!

1980年のデータ収集開始以来、最も遅い進捗率だったのですが
6月末に向けて猛烈に作付けが進んだということなのでしょうか。

作付面積はサプライズの前年比増とはなっていますが、
懸念されるのが発芽進捗率(Corn Emerged)です。
6月23日時点で89%(99%)に留まっているのです。


例年なら7月第1週から2週にかけての時期が授粉期となりますが
今年は作付けが遅れ発芽率も遅れていることから授粉時期が後ずれすると目されています。
7月下旬にずれ込むと、穀倉地帯は高温乾燥リスクが高まります。
この時期の受粉がうまくいくでしょうか?!

授粉期を前に現段階で今年の作付面積を判断するのは難しく、
7月11日あるいは8月12日の需給報告を待つ必要があるとしています。

7月の需給報告発表時点では受粉が始まってもいないかもしれませんね。


スポティファイでのポッドキャスト配信もスタートしました。
詳しくはポッドキャストでお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

中東リスクの高まりも需要の先行き不安に冴えぬ原油 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019.06/26 大橋ひろこ 記事URL
FRBの利下げ期待が高まり、米長期金利は2%を割り込むまでに低下する局面もあり米株市場ではS&P500が史上最高値を更新、コモディティ市場ではゴールド価格が吹き上がりましたが、原油市況は、株高、金高と比較すると上値が重い展開が続いています。




皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオイルエコノミスト 藤沢治氏をお迎えしお話しを伺いました。



25日火曜に予定されていたOPEC定例総会は7月1-2日に延期されました。
OPECおよび非OPECで形成されるOPECプラスでは
昨年12月に決めた日量120万バレルの減産を年末まで延長で合意すると予想されています。
ロシアは減産継続に躊躇していましたが、足下原油価格が軟調であることから
ロシアも協調減産継続に合意するとみられています。
減産継続合意は原油の下支え要因となります。



米国とイランの軍事衝突の可能性が高まっていることが地政学リスクと
されていますが、イランはイラクとは違い中東で最強の軍事力を有しており
米国もイラク戦争の二の舞を踏みたくないのでは、、、と藤沢氏。



イラン原油の輸出量は、最近では日量40-50万バレルに減少していると報道されており
イラン経済は打撃を受けており、緊張は高まっています。
仮にホルムズ海峡で軍事衝突が激化すれば、原油価格は急騰すると考えられます。



しかしながら、 世界経済の成長減速による石油需要増の減退が上値を抑えています
IEAは、2019年の石油需要を前年対比日量140万バレル増としていたものを
6月の月報で日量120万バレル増に下方修正しています。
米中貿易戦争が長引けば、日量100万バレル増にまで落ち込むとみられます。



米中貿易摩擦の激化による世界経済の成長の減速が懸念材料となるなか、
投機筋は、NYMEXの原油市場に流入してこない状況が続いています。


また、 7月頃からパーミアンから湾岸へのパイプライン網が増強されてお
米国の原油生産は増加の一途を辿っています。
米国の原油生産量は、日量1,240万バレルと予想されていますが、上振れする可能性も。


米国からの原油輸出は、年半ばから日量60万バレル程度増加し、
毎月日量300万バレルを超えています。
トランプ政権のイラン、ベネズエラへの制裁やメキシコへの関税賦課などで、
中重質の原油が市場で不足しており、ドバイがWTIブレントより高い状態となっています。



需給は、IEA, EIAの最新の月報をみても、逼迫しない状況であり
現在はバランス状態に近づいています。
EIAの予測でも、OPECが1-3月並みの日量3,000万バレルを生産すれば需給は逼迫しないと
みられますが、ただし、供給過剰にもならないと藤沢さん。


さてここからの原油価格は?!
スポティファイでのポッドキャスト配信もスタートしました。
詳しくはポッドキャストでお聞きくださいね。
米長期金利2%割れでゴールド急騰 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019.06/20 大橋ひろこ 記事URL

6月FOMCでは年内利下げが示唆され、米長期金利は2%の大台割れ。ドル安が進行したことで、金価格は大きく上昇し、長らく抵抗となってきた1350ドルの節目を突破、1390ドルまで吹き上がりました。

米株市場も大きく上昇しており史上最高値まで1%足らずの水準にまで到達。株高、金高はインフレ時にみられる値動きですが、インフレ期待がなく、景気後退が懸念される中での資産価格上昇にリスクはないのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケットアナリスト菊川弘之氏をお迎えしお話を伺いました。

インフレ期待がない中での金融相場の様相を呈し始めましたが、
金高・株高は教科書的にはインフレ時代の資産上昇期の値動きです。

どちらかが間違っている、、、?!

また、これまで株式と原油の相関性が高かったのですが、
この金融相場では原油の需給が緩いことが価格の上値を抑えており
原油価格はあまり大きく上昇していません。

菊川さんは、需給のタイト感がない原油相場まで
利下げ期待に反応して大きく上昇するようなら今後のリスクが大きくなると指摘。

利下げ見通しは、インフレ期待が大きくないことが前提。
物価が上昇しインフレの兆候が出てくると利下げができなくなります。

利下げ期待であまりに上昇してしまうと、利下げがしにくくなるという
リスクが増大するとは、、、、。


その時にもヘッジとなるのがゴールドです。

金融相場で水準が切り上がっていますが、
仮に、利下げができないという金融政策への失望から株が大きく
崩れることがあれば、これもまたゴールド市場にとってはプラス材料です。

また、菊川さんは小麦をきっかけにした穀物価格の高騰が
引き起こしたアラブの春2012年相場に酷似していることが気がかりだと指摘。
中東リスクにも警戒しておく必要があるようです。

スポティファイでのポッドキャスト配信もスタートしました。
詳しくはポッドキャストでお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

 全56ページ中2 ページ   前の10件 1 [2] 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 次の10件