米中貿易戦争―豚肉をめぐる米中依存関係の構図  [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2018.04/18 大橋ひろこ 記事URL

中国政府が米国からの輸入品に対して報復措置を発表。豚肉やワインなど128品目に加え、大豆、トウモロコシ、小麦など106品目に25%の追加関税を課すとの内容で、大豆先物価格は4月4日に一瞬1ブッシェル=10ドルの大台を割り込む急落となりました。


しかし、中国政府高官が「米中の貿易戦争を望まない」と発言。「両国間の協議で問題が解決される可能性」を示唆したことから、市場には「米中間の交渉次第で最悪の事態は避けられる」との見方が広がり、大豆は10ドル台半ばまで買い戻されています。この水準はおよそ2年ぶり。貿易戦争の様相を呈してきたことから乱高下となっている穀物相場、ここからのポイントは?!


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は資源・食糧問題研究所 代表 柴田明夫氏にお話しを伺いました。


中国では、急拡大を続ける大豆輸入に対し国内生産を増やそうとしていますが
生産量は1400万㌧に止まっており、1億1080万㌧の膨大な国内消費量を
到底満たすことはできません。輸入に頼らざるを得ないのです。


世界全体の大豆貿易量(輸入量)1億5127万㌧で、この64%を中国一国が占めています。
主要な大豆輸出国はブラジルが最大で7050万㌧、米国5620万㌧(この約60%が中国向け)、
アルゼンチン680万㌧。3カ国で1億3350万tと全体の89%を占めているのが現状。

米農務省は、中国の2017/18年度の大豆輸入量を過去最高の9700万㌧と予測しています。
2001年の1038万㌧から17年間で9倍強にも上るボリュームとなってきました。

仮に米国からの輸入をすべて取りやめれば、ブラジル、アルゼンチンからの
輸入にスイッチせざるを得ませんが、賄いきれません。

中国は、貿易戦争は望まないと態度を軟化させたことから
米中貿易戦争は回避されるとの見方が大豆価格を支えているとみられます。

一方、米中貿易摩擦は、豚肉の国際価格に影響を及ばしています。
シカゴ商品市場では、3月23日の赤身豚肉の先物価格が1?58㌣と
節目の60㌣を下回り、年初から2割強の下落となっています。

米国と中国は、それぞれ世界第1位の牛肉輸出国と輸入国の関係。
米国産豚肉1131万㌧の約2割が輸出され、その内の約30万㌧が中国向けなのです。

詳しくはオンデマンド放送で柴田氏の解説をお聞きくださいね。

地政学リスク台頭で急伸のゴールド、レンジブレイクなるか [大橋ひろこコラム]
2018.04/12 大橋ひろこ 記事URL

11日 NY市場で金価格が1,364ドル台まで急騰し、年初来高値1,365ドル(1月25日)にほぼ顔合わせ、年初来の高値を更新しました。シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとの疑惑を受け、米英仏による軍事行動が近いとの警戒から、金市場に資金が流入したものとみられます。1,365ドルを上抜くと、2016年7月の高値1,374ドルを目指す展開が期待されますが、、、。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はみんかぶ商品調査部門アナリスト森成俊さんにお話しを伺いました。

地政学リスクの高まりが金市場へ資金流入を加速させています。
しかし、これまでのレンジ高値である1365ドル突破とはならずまだレンジの範疇。

CFTC建玉ポジションでヘッジファンドら短期筋動向を確認すると
1月23日現在、大口投機家の買い越しは21万4,684枚まで増加していたものが
2月3日に発表された1月の米雇用統計が強い内容であったのを境に
短期買い資金が流出。3月20日には14万8,731枚まで減少しています。
直近の4月3日現在、16万6,589枚と短期筋のポジションは軽めです。

SPDRゴールドETFの金保有高は4月11日現在、860トンとなり、
2月末の831トンから29トン増加しています。
昨年第3四半期末の9月29日現在の865トンに近い量まで回復してきました。
年金など機関投資家らの資金は金市場に向かっています。

ゴールド価格、ここからのポイントを森さんに伺っています。

また、金とプラチナ価格の逆転現象が長期化していますが
2015年2月に金とプラチナ価格が逆転し、おおむね逆鞘が常態化。
現在金が1,350ドル台で堅調に推移しているにもかかわらず、
プラチナは930ドル水準で低迷したまま。
金とのサヤが約420ドルにまで拡大する事態となっています。


ここからのプラチナ価格動向についても伺いました。
詳しくはオンデマンド配信で森さんの解説をお聞きくださいね。

 

米中貿易摩擦でどうなる大豆・コーン価格 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2018.04/11 大橋ひろこ 記事URL

米国トランプ政権が3日、500億ドル相当の中国製品への追加関税案を発表したことに対し、中国政府は4日、米国製品106品目を新たな対象に25%の上乗せ関税を賦課すると応酬。対象品目に農産物に大豆やコーン、小麦などが含まれたことを受けシカゴ穀物市場は急落となりました。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はよそうかい・グローバル・インベスターズ代表
松本英毅氏をお迎えし穀物市場の動向と今後の展望を伺いました。

まだ交渉段階で現実に双方が関税をかけあう貿易戦争に発展するか否か
わかりませんが、実施されれば双方の経済に大きな打撃となります。

交渉が長期化すれば先行き不透明感がマーケットを不安定にすると
思われますが、中国のバイヤーが調達先を米国から
ブラジルやアルゼンチンなどに切り替える可能性が高く、
米国産大豆に早期に交渉が成立、関税が回避されない限り、
米国の輸出に影響がでるのは避けられないと松本さんは指摘します。

米国の大豆輸出のうち、中国は20-30%を占めていますが
コーンは10%以下で、影響が少ないため、
相場への影響は、大豆にはかなり弱気となりますが
コーンへは限定的なものにとどまるとみられます。

中国の大豆の輸入先は米国が39%、ブラジルが49%、アルゼンチンが7%
米国の中国向け輸出は60-70%落ち込むとの試算もあり
相場への影響はかなり大きなものとなるとみられます。


USDA需給報告では、昨年12月から3月まで4ヶ月連続で輸出が下方修正されており
関税問題がなくとも、輸出の伸び悩みは既に相場の大きな重石となっています。
先の作付意向調査では、市場の増加予想に反して1.3%前年から減少するとの
見通しが示されましたが、この先生産地で悪天候が続き作業に遅れが生じれば、
コーンから転作が進む可能性もあります。

生育が順調に進むなら生産が前年から増加する可能性も残っており
輸出の落ち込みによって、06/07年度以来の高水準にある在庫が
更に大きく積み増しが進む可能性も。
夏の天候相場に入るまでに、9ドル割れの可能性があるのでは?
と松本氏は解説くださいました。

一方の米国のコーンの輸出は記録的なペースを維持しており、
中国向けがなくなったとしても影響はほとんどないとみられます。

大豆との価格比やエネルギー価格の高騰による肥料コストの上昇、
連作による土地の疲弊を避けるため、今年度の作付意向面積は2.4%減と
大幅に減少する見込みとなっており、これが相場を支えるとみられます。

しかも、目先中西部では低温多雨が予想されており、
作付に遅れが生じる恐れも高いとか。

足元に供給は潤沢にあるのですが生産が大幅に落ち込む一方で、
輸出が好調さを維持するならば
需給が一気に引き締まる可能性も十分にあり得ることから
早々に4ドル台まで上昇すると松本氏。

詳しくはオンデマンド放送で松本さんの解説をお聞きくださいね。

米中貿易戦争でどうなるコモディティ [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2018.04/05 大橋ひろこ 記事URL

中国が報復関税を発表したことで、大豆、コーン相場が急落しています。

162の関税引き上げ品目の中に含まれる大豆は現行の3%の輸入関税を28%に引き上げるとしました。4日のシカゴ大豆相場3月限の取組高は過去最高の90万6217枚を記録する大商い。始値の1038.75セントから1時983.5セントまで大きく下落しました。


米国から中国への大豆輸出量は年々増加傾向にありましたが、
一方で中国は、自国で賄える大豆生産量は13%程度に過ぎず、
90%近くを輸入に頼って売るのが実情です。

米国から輸入しないとなると、ブラジル、アルゼンチンの
南米産を輸入するほかありません。それは可能なのでしょうか。

米中の貿易戦争が激化すれば、物価は上昇するリスクが高まります。
物価が上昇すれば、金利が上昇、株式市場にはネガティブである反面、
ゴールド市場へと資金が流入する可能性も。


近藤さんには原油市況についても伺いました。
詳しくはオンデマンド放送で近藤さんの解説をお聞きくださいね。

大豆・コーン上昇基調は続くのか?!中国報復関税で急落 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2018.04/04 大橋ひろこ 記事URL

4月4日夕刻、高値圏にあった大豆、コーンが突然の急落に見舞われています。中国が米国に対し106品目に25%の関税をかけると発表。米国トランプ大統領が中国に対し1600品目に25%の関税をかけると発表したことへの報復とみられます。米国の主な輸出品目である大豆、コーンなどが対象となっていることから、中国の買いが減少することが懸念され手の急落とみられます。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はコンチネンタルライス代表 茅野信行氏にお話を伺いました。


そもそも、小麦、大豆、コーンなど穀物価格は5年連続で大豊作となった
ことから価格低迷が続いていましたが、2018年に入って上昇基調を強めています。

USDA米農務省から3月30日に発表された2018/19年度のコーン作付け意向面積は、
前年比▲214.1万の8802万6000エーカーのサプライズ。
前年度の作付け面積9016万7000エーカー、ロイター予想平均8942万エーカー、
アウトルック9000万エーカー予想の全てを下回り、
コーン価格は373セントから387セントへと14セントも跳ね上がりました。


コーンは前年比▲2%の作付面積見通しとなった一方で
小麦と綿花が増加しています。


では大豆の上昇の背景はなんだったのでしょうか。

大豆もまた、USDAの作付意向面積で1%減の作付面積となる見通しが出て
26セントもの急上昇を演じました。しかし、大豆相場は3月30日の
作付意向面積発表前から上昇基調にありました。

その背景にはアルゼンチンが90年振りの深刻な旱魃に見舞われたことが挙げられます。

アルゼンチンでは新年早々に大豆が開花します。
早ければ、2月20日くらいから新穀が収穫されます。
収穫された新穀の船積みが始まるのは、3月10日くらいでしょうか。

アメリカも、アルゼンチンも、パラグアイも、
例外なく豊作になることが期待されていたのですが
アルゼンチンが大旱魃に襲われ、生産が急減、
大豆価格は値上がりを余儀なくされたのです。


そのため、当初、4100万トンと予測されていた大豆生産量が発表のたびに
引き下げられ、現在は3300万トンから3200万トンと見られています。


もともとアルゼンチンの気候には特徴があり、
大豆の生育期には降雨が多く、収穫期になると乾燥します。
それが17年には裏目に出てしまった格好です。


大豆価格は10ドルを超えるところまで上昇してきましたが、
中国の報復関税のニュースに急落中。

さて、ここからの見通しは?!

茅野さんに伺っています。
詳しくは茅野さんの解説をお聞きくださいね。

レンジが続く金相場、期末に向けロングは整理されるも... [大橋ひろこコラム]
2018.03/29 大橋ひろこ 記事URL

金価格が乱高下しています。注目度が高かった3月のFOMC直後から大きく上昇していましたが、足元では大きく反落し、FOMC後からの上げ幅の半値以上を削っています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はみんかぶ商品調査部門アナリスト 森成俊さんにお話しを伺いました。

NY金市場では1月後半まで短期資金が流入していました。
1月23日大口投機家の買い越しは21万4,684枚まで増加し、
1月は20万枚以上の買い越しが続きましたが、
2月3日に強気の米雇用統計が発表されたのを境に短期資金が流出。
3月20日現在では14万8,731枚まで減少しています。


期末を控えた玉整理でしょうか、今週26、27日と2日続けて
取組高が大幅に減少しており、軟調推移となっています。


一方、金ETFの代表であるSPDRの金保有高は28日現在で846トン。
2月末の831トンから15トン増加しており、
ポートフォリオに金を組み込む流れは途絶えてはいません。

金価格は金利、米ドル動向に大きく左右されるため、
今後の利上げペースが重要となってきます。
株式市場が不安定となってきましたが、見通し通りの利上げが
できるのかどうか、見極めが必要。

また、トランプ政権の通商政策もドルを大きく動かすほか、
にわかに動き出した地政学も金市場にとっては大きな材料となります。

ここからのポイントは?!

森さんに伺いました。
詳しくは森さんの解説をお聞きくださいね。

中国・米国間需給で決まっていく世界のエネルギー市場 [大橋ひろこコラム]
2018.03/28 大橋ひろこ 記事URL

世界最大の原油輸入国はどこでしょう?!

2017年、中国が世界最大の原油輸入国に躍り出ました。これまでの世界一は米国です。

※2017年年間原油輸入量840万㌭/日。(米国は790万㌭/日)

国内石油生産量が減少する中、中国は新規製油所能力や戦略在庫能力を拡張してきました。この結果、国内生産減を外国からの輸入量の増大で補うことができるようになったのです。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今回は石油ガスジャーナル顧問 山内弘史さんにお話しを伺いました。

中国は2016年に非OPEC産油国中で最大の減産となっています。

2017年の液体燃料生産量は480万b/d 2016年比10万b/d減。
2018~2019年は更に減少となる見込みですが
2017年の中国の液体燃料消費量は前年比40万増と世界最大の増加です。
消費量は9年連続増加しており、エネルギー確保が急務でした。
実は、2017年は国内消費量の伸びよりも原油輸入量が増加しています。

 
2017年の原油輸入量の56%はOPECからですが、2012年には67%だったことを考えると、
OPECからの輸入は減少しています。輸入が増加したのはロシアとブラジルで
それぞれ9%から14%へ,2%から5%となりました。

 
原油だけではありません。中国は2017年、韓国を抜いて
日本に次ぐ世界第2位のLNG輸入国になっています。

  
中国のLNG輸入は大気清浄化政策によるもので、暖房需要が高まる
12月には7.8Bcf/日と急増。11月ころからLNG市況にも影響を及ぼしました。
というのも、中国の天然ガス在庫能力は限定的で、消費量の3%程度。
つまり、備蓄できないため需要が高まる時期に輸入量が爆発的に増加する、
という特徴があります。中国の存在感が市況に大きく影響を及ぼす時代ですね。

一方、これまでの巨人、米国はどうでしょう。

シェール革命で世界一の産油国となりました。
2018年3月第3週(12~16日)には生産量が1,041万㌭/日へ。
2月第3週が1,027万㌭/日だったから,1カ月で14万㌭増です。

4月には少なくとも1,050万㌭/日を超える可能性が極めて大きいと
みられます。注意を要するのは,これは7大シェール鉱床の生産予測であり、
170万㌭/日前後のメキシコ湾沖合油田での増産分を加えると
1,060万㌭/日となることも想定しておかねばなりません。

米国がこれほどの増産をしながら、なぜWTI原油価格は
65~66㌦台に急騰したのでしょうか。

山内さんに伺いました。
詳しくはオンデマンド放送で山内さんの解説をお聞きくださいね。

底堅く推移するNY金、4月に上値追いか [大橋ひろこコラム]
2018.03/22 大橋ひろこ 記事URL

パウエル新FRB議長の初会合とあって注目度も高かった3月21日米FOMC。市場の予想通りに0.25%の利上げを発表。米政策金利は1.5~1.75%に引き上げられました。これを受けて米長期債利回りが急伸し、一時2.93%台へと上昇しましたが金利上昇は一時的に終わり、発表直後にドル高に反応した為替市場でも一夜明けてみればドル安が進行する流れとなっています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は金融貴金属アナリスト亀井幸一郎氏にお話しを伺いました。

FOMC前に既に弱含みに推移していたゴールドですが1300ドル大台はキープ。
2月27、28日のパウエルFRB新議長の議会証言を受けて弱含んでいたのですが
1300ドル大台を割れずに高値圏を保っていた背景には
ゲーリー・コーン氏辞任やティラーソン氏解任などトランプ政権の政権運営への
先行き不安や、トランプ政権の保護貿易主義が世界経済へ与える悪影響などを
嫌気し、リスク資産が一部ゴールドにも流れ込んでいるものとみられます。


今回のFOMCは、「年内の利上げ予想を3回に抑えられた」という
ヘッドラインほどにはハト派的ではなかったと亀井氏。
経済見通しは上方修正、年内利上げは3回となるも
4回に近い3回(メンバー15人中7人は、4回かそれ以上を希望)に。
加えて、来年2019年はこれまでの2~3回から3回に、
2020年1回から2回へと見通しがタカ派的となってきています。

ただし、金利上昇リスクに敏感になっている市場への配慮を感じる内容でもあり
年4回の利上げが確定的とはならなかったことが、ドル安の背景とみられます。
このドル安が、ゴールドを反転上昇させました。

また、北朝鮮情勢の雪解け観測が広がっていますが、この報道を受けても
ゴールドが売り込まれるということはなく、11月の米中間選挙に向けては
先般実施されたペンシルバニア州下院補選が大接戦で勝敗判明は月末まで
判明しない事態に。すでに民主勝利宣言しており、
下院の過半数割れは大統領訴追に道を開くことからゴールドにはリスクを嫌った
資金が流入しているものと思われます。


5月には米イスラエル大使館がテルアビブからエルサレムへ移転される見込みで
中東リスクの高まりが予想されるほか、中国をターゲットとした輸入関税、
また米朝首脳会談も実現するまでは安心できないといった見方も多く
ゴールドが大きく売り込まれることは考えにくい環境でもあります。

ここからのポイントを亀井氏に伺いました。
詳しくはオンデマンド放送で亀井氏のお話をお聞きくださいね。

トランプ大統領の輸入関税の影響 [大橋ひろこコラム]
2018.03/08 大橋ひろこ 記事URL

トランプ米大統領が1日、鉄鋼輸入品に対し25%、アルミニウム製品に10%の関税を課す方針であることを明らかにし、米株価が再び揺らぎました。銅とアルミ価格に影響を与えたばかりでなく、金や銀、プラチナ、パラジウムなどの希少金属価格に対しても連動安を促しました。

今回の輸入関税の問題は、米国内の鉄鋼メーカーにとって支えになる半面、
米国向けの鉄鋼輸出が多く重要な同盟国であるカナダや韓国に打撃を与えかねない政策です。

この発表を受けて米鉄鋼大手である、ニューコア、USスチール、
スチール・ダイナミクスの大手3社の株価が上昇し、輸入関税導入の方針が
浮上してから累計で株式時価総額は合計で10億ドル近くも膨らみましたが
その半面、鉄鋼製品の大手ユーザーであるゼネラル・モーターズとフォード・モーターの
自動車大手2社の時価総額は合わせて40億ドルも減少しています。
米国の保護主義は、米国企業にとっても明暗分けるようですが、、、。

さて、今後の鉄鋼やアルミ、銅などの産業素材市況はどうでしょうか。

中国政府が昨年から過剰生産削減に本腰を入れているため
素材の需給は引き締まっていると小針氏。

2017年の中国の鋼材輸出は3年ぶりに1億トンの大台を下回ったのですが、
違法操業していた業者を取り締まるなど生産能力の削減を進める一方、
鉄道や高速道路といったインフラ向け需要が堅調に推移したことで
輸出余力が低下したことが背景。

中国工業情報省は、2017年の鉄鋼生産能力の削減幅が目標の5000万トンを
上回ったと報告しています。実際、2017年の中国の鋼材輸出量は
前年比31%減の7543万トンにとどまったています。

中国の鋼材輸出ピーク時からの減少分3700万トンは同国内で消費されているため、
鉄鋼業界では、広く、「世界中で鉄が足りない」と認識されています。

一方、LMEアルミ3カ月物は昨年12月の高値2284ドルから2月~3月にかけての下落で
最大7%ほど反落したものの、大勢的なトレンドは上向きで2015年11月の安値を
起点として既に60%の上昇に至っており、トランプ・ショックによる下落は
ほんの小さな訂正安の範囲でしかないと小針氏。

今後、鉄鋼やアルミ相場が上昇トレンドに戻るのであれば、
その動きとともに金などの希少金属も下げが一巡して安値を出し切り、
反発する動きとなることが考えられると解説くださいました。

また、今回は、ゴム市況、トウモロコシや大豆など穀物市況についても
お話を伺っています。詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。

金融要因に連れ安となった原油、ここから [大橋ひろこコラム]
2018.03/07 大橋ひろこ 記事URL


トランプ大統領が鉄鋼・アルミニウムに高い関税を課して輸入を抑制する方針を打ち出し、
貿易戦争への懸念が急浮上。ドル円相場は、一時105円台前半まで円高が進行しています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は三菱UFJリサーチ&コンサルティング 主任研究員 芥田知至氏さんに
コモディティ市況と今後の世界経済をテーマにお話しを伺いました。


その後、トランプ大統領は鉄鋼・アルミニウムの関税措置について、
カナダとメキシコについては、NAFTA交渉を通じて交渉すると述べており、
NAFTA交渉でカナダとメキシコから合意を取り付けることが目的だった可能性が
指摘されていますが、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限に強く反対してきた
コーン国家経済会議(NEC)委員長が数週間以内の辞任を表明。
ゴールドマン・サックス出身の国際派で、減税政策の立案者だとされる重要閣僚であるため
まだまだ混乱は必至です。

さて、まずは原油市況。

WTI原油価格は1月25日に66.66ドルをつけた後、2月9日には58.07ドルにまで
12.9%の下落となりました。米国の株価(S&P500株価指数)は、
1月26日をピークに2月9日には一時11.8%安まで下落しています。

このところは、株価との連動が強いとの見方もありますが、
原油独自の要因も強く影響していると芥田氏。

米国の石油掘削リグの稼働数が増加を続けていることや
EIA(米エネルギー情報局)が月例の短期エネルギー見通しの中で、
2018年の米国の産油量が過去最高に達するとしたこと(6日)、
EIAの週次石油統計においてガソリンなど石油製品の在庫が増加し、
米国の産油量が過去最高を記録したこと(7日)、
イランが4年以内に産油量を日量70万バレル引き上げる計画を示したこと(8日)などが
売り材料となりました。

足下では株価の下落、ドルの反騰など金融要因が原油価格に影響を
及ぼしているようですが、原油はコモディティです。基本は需給。
金融市場が落ち着きを取り戻せば需給要因に焦点が戻ってきます。

2018年は、産油国による協調減産が継続される中で需給は緩やかにタイト化するとみられます。

シェールオイルの開発が続く米国では、2018年も増産となりそうですが
サウジアラビアとロシアは、協調減産を遵守し、産油量は横ばいで推移すると見込まれます。

2017年は内戦などの影響から協調減産の適用から除外されていたナイジェリアとリビアは
産油量が増加していましたが、2018年は両国を合わせた産油量を日量280万バレル以下
とすることで合意がなされたようです。

経済危機に陥っているベネズエラは投資不足などから産油量が落ち込んでおり、
2018年は減産となる見込み。


一方、原油需要は、2018年も新興国がけん引し先進国でも増加する見込みです。
昨年は、電気自動車(EV)の普及が話題になりましたが、
EVが普及し、原油需要を抑制するようになるのは、まだ先の話だと芥田氏。

供給が抑制される中で需要が堅調であることが予想されますので
需給は緩やかに引き締まると考えられますが、
それでも6月22日の次回OPEC総会までに、石油在庫が産油国が目標とする
過去5年平均にまで減ることはないとみられることから
減産は2018年末まで行われそうです。

年後半には、協調減産からの出口が意識され、上値が抑えられる局面もありそうですが、
産油国は、現行の協調減産が終了した後も何らかの生産協調をしていく方策を
模索していくことになりそうです。

詳しくはオンデマンド放送で芥田さんの解説をお聞きくださいね。

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