原油暴落、2020年は50ドル以下で推移か [投資α情報(大橋ひろこ)]
2020.03/25 大橋ひろこ 記事URL


OPECプラスが3月6日の会合で追加減産をすることで合意するとの観測から$40/バレルを上回っていたWTI原油価格。ロシアが追加減産を拒否したことに加えてサウジアラビアが、4月には日量1,230万バレルに増産すると表明。(2月生産量は日量970万バレル) オイルマーケットは、この事態を全く予想しておらず、3月9日WTI原油価格は$10以上の暴落となりました。
歴史的な暴落です。



皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオイルエコノミスト 藤沢治氏をお迎えしお話しを伺いました。



ロシアの減産拒否は、米国の制裁を受けていることへの報復とみられ
米国のシェールオイル潰しを意図したものと思われます。


コロナウイルスの感染拡大による需要減もリスク。
WTI原油価格は1月3日の$63.05/バレルの高値から
約3分の1に下落してしまいました。



第1四半期の世界の石油需要は、前年同期比で
日量約250-300万バレル減少すると予想されています。

サウジの増産、ロシアの増産およびOPEC産油国の増産追随で
4-6月の供給過剰分は、日量400万バレルとも指摘されている中で、、です。

米国のトランプ政権は、シェールオイル生産業者保護の目的で、
7700万バレルをSPR(国家戦略備蓄)用に購入すると発表。
石油会社やトレーダーは、この安値に惹かれ、
またコンタンゴであるため在庫補填用に大量の買いに出ていますが、
タンクも満杯になり、貯蔵するためのタンカーも、
過剰供給分を全て貯蔵することは出来ないと言われています。


足下では中東をめぐるイラン・米国の軍事衝突の激化以外に
強気材料が見当りません。現在でも、イラク国内でイランの親派が
米軍基地を攻撃したり、米国が報復したりと鍔迫り合い的な
軍事衝突が続いていますが、材料視されていません。


シェールオイルの生産量は、この価格戦争を受けて勿論減少すると目されますが
シェブロンやエクソンモービルの大手はそれ程減産しないとの指摘も。
既にヘッジしている販売量もあります。
採算分岐点価格は、$40/バレルと言われていますが、
利益を得るには$50/バレルの価格が欲しいところ。

サウジの原油生産原価は、$4/バレル以下で、
アラビアン・ライトであれば$2/バレル程度で原油安への耐性が大きい。


ノルウエーの北海ヨハン・スベルドラップ油田、
ブラジルの生産も$20台の原油価格では減産するとみられています。


ここからの展望は?

詳しくはオンデマンド配信で藤沢さんの解説をお聞きくださいね。

コロナ・ショック~買われるドル、売られる金 [大橋ひろこコラム]
2020.03/19 大橋ひろこ 記事URL

そもそも新型コロナ感染拡大で、あらゆるリスク資産が売られています。

感染防止策として渡航禁止や集会の禁止などの行動の自粛は需要を減退させるためデフレ要因となります。収束の兆しが見えぬ中、VIX指数はリーマンショック越え。ゴールドさえも換金売りの対象となっています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は金融・貴金属アナリスト 亀井幸一郎氏をお迎えしお話しを伺いました。


VIX指数が80を超え、あらゆるアセットが30%~50%もの下落となっています。
FRBはじめ世界の中央銀行は3月に入って矢継ぎ早に利下げと量的緩和策を発表、
流動性供給に動いていますが市場のボラティリティはまだ沈静化しません。

中でもドル資金に資金が集中し、市場はドル不足状態。
ドル資金調達が困難な状況に陥っています。


そもそも、リーマンショックの教訓からボルカ―ルールに則って
世界の金融機関は大きくリスクテイクしていなかったはずです。
デリバティブ残高が膨大に膨れ上がったリーマンショック時のクレジットクランチ
(信用リスクの高まり)とは異なるはずでした。

ところが、いま金融市場で起きていることは、クレジットクランチの一歩手前、、、?
企業が資金調達に窮する事態に陥っています。


亀井氏はこれを「合成の誤謬」と指摘。
 疫病拡大に金融政策は無力というより「金融政策で需要は作れない」中、
現状ではそれほど問題が大きくないが、将来リスクに備えて
リスク資産のキャッシュ化が一斉に起こったことがこの事態を招いたと考えられるのです。

マスクやトイレットペーパーは今ある分で当面間に合っていても、
そして供給は十分にされているにもかかわらず店頭から消えてしまった
パニック買いと似ていますね。
これは金融政策ではどうにもなりません。


きっかけは、米国トランプ大統領が3月9日、
国家非常事態宣言を行い、欧州からの入国制限を発表、
同日WHOがパンデミック宣言を行ったところから
パニックが加速し、下落は新たなフェーズに入ったとみられます。


この流れの中でゴールドにも換金売りの波が押し寄せました。
しかし、ゴールドは高値から15%未満の下落に留まっており、
30~50%も下げている株や社債、その他コモディティとは一線を画しています。
要するにベアマーケット入りしていないのです。

リーマンショック時も金は換金売りにさらされましたが、
最も早く立ち直ったのは金市場でした。

さて、ここから気を付けておかねばならないポイントは?!

詳しくはオンデマンド配信で亀井さんの解説をお聞きくださいね。

http://podcasting.radionikkei.jp/podcasting/trend/trend-200319.mp3
ボラティリティ指数で読む貴金属市況 [投資α情報(大橋ひろこ)]
2020.03/18 大橋ひろこ 記事URL

有事の金と呼ばれ、リスク回避時に資金の受け皿とされるゴールド。

しかし、リーマンショック時も、そして今回のコロナショックでも売り込まれる事態に。NY金は年初1,521.00ドルから、新型コロナウイルスによるリスクの高まりで3/9には1,704.30ドルまで急伸しました。しかし、3月12日から一転売りこまれ3月16日には1,500ドル割れの急落地合に見舞われています。年初からの上昇を失ってしまいました。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケットエッジ(株)代表取締役 小菅努氏を
お迎えしお話しを伺いました。

急落に見舞われているのはゴールドだけではありません。
NY銀~1オンス18ドル水準での揉み合いから12ドル台まで急落
・GSR(金銀比価)は年初の85倍から120倍超えまで急伸。
世界同時金融危機でも85倍程度でしたので、異常事態です。


NY白金は年初の972.00ドルから1,000ドル台回復まで上昇していましたが
3/16は一時500ドル割れまで売り込まれました。半値です。

NYパラジウム。10年供給不足が続いており、現物不足から上昇が続いており
年初1,912.30ドルでスタートしたものが2月22日には2,789.80ドルまで上昇。
しかしながら、これも1,500ドル割れまで暴落しています。

1月中旬から新型コロナウイルス(COVID-19)が懸念されて
むしろ貴金属市場は強気を維持していました。

それがなぜ大きく崩れてしまったのでしょうか。

変化を促がしたのは、ボラティリティ環境だと小菅氏。
3月9日にVIX指数は50ポイント突破、3月18日には84まで急騰。
リーマンショックを超えています。

これを受けて、あらゆる投資家がポジションをクローズ。
つまり換金売りに一斉に動きました。
予想不可能な相場環境では「Cash is King」現金化が進むのです。 

一般的には、高ボラティリティ環境は金価格にポジティブなのですが
過度の高ボラティリティ環境では、
金でさえもポジションを維持できなくなるということでしょうか。

VIX80超は歴史上2回だけです。
過去には世界同時金融危機下で示現しましたが
この時もやはり金は売らました。

VIX20超えは「危機」のフェーズ、
30ポイント超えは「投資不可」のフェーズ、
80ポイント超は「何も分からない」フェーズだと小菅氏。


第一フェーズでは株価急落で発生した損失カバーの売り、
マージンコール対応で、含み益のある資産売却が起こります。

第二フェーズではリスク・パリティ・ファンドの
ポートフォリオ・リバランスが本格化。
リスクオン(低ボラティティ)で株買い・債券売りに動く彼らは
リスクオフ(高ボラティリティ)では株売り・債券買いに動きます。

そして第三フェーズでは運用資産全体の規模縮小、
全てのリスク資産売りが起こるのです。
足下で米債利回りが急反発していることが気がかりですね。


現状では、金先物はもちろん、金ETFも売られており
金先物市場の投機買い残高は依然として膨大であるため、
振るい落としで急落する余地は残っています。

小菅氏は2008年の経験から2008/10/24 VIXのピーク日が
金相場のボトム日となっていたことを解説。
今回も、おそらくVIXのピークアウトと金相場の底入れが
前後するものの一致する可能性が高いと指摘されています。

(この時、株価の底入れは2009/03/06 VIXピークアウトの4か月後でした)


株価の底入れではなく、ボラティリティ環境の正常化に向かうプロセスでは
金価格が敏感に上昇する可能性が高いことを覚えておくといいでしょう。

ちなみに白金相場の底入れは2008/10/27。
これもVIXピークアウトとほぼ一致しています。


詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で

小菅さんの解説をお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

新型コロナウイルス問題とコモディティ [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2020.03/05 大橋ひろこ 記事URL

WTI原油価格は3月3日、43ドルまで下落。年初高値である65.65ドルから、わずか2カ月足らずで34%もの下落。昨年10月の高値76.9ドルからは30ドルを超える大幅下落で44%もの下落となっています。



皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はトーキョートレーダーズタイムズ代表 小針秀夫氏をお迎えし新型コロナウィルスとコモディティをテーマにお話しを伺いました。



原油の下落は、新型コロナウイルスの感染防止策として
中国を始めHOT SPOT化している国からの渡航を禁じるなど、
ビジネス、観光など世界の流れが遮断されつつあります。

ジェット燃料需要の減少だけでなく、感染防止策としての生産活動停止が
世界景気に及ぼす影響を懸念した原油下落が加速しています。
下落しているのは原油だけではありません。
アルミは高値から45%、銅は35%も下落しており景気後退リスクは否めません。

それと比較すればNYダウの高値から12%の下落はまだまだ、、、という気がしますが
今年は大統領選挙の年でもあり、株価下落はトランプ政権にとっても看過できません。

しかし3月のFOMCを待たずに緊急利下げに踏み切るとは驚きました。。。。

3月18日には定例のFOMC開催となるのですが、今週3月3日FRBは0.5%の利下げを決定。
サプライズではありましたが、市場は0.5%の利下げを先に織り込んでいたためなのか、
利下げを受けて株が上昇することなく、下落していったのにも驚きましたね。


ちょうど3日は大統領選の民主党予備選、スーパーチューズデーでもあったため
サンダース氏が躍進する可能性に市場が警戒していたことも
株価には大きく影響したかと思いますが、緊急利下げでも株が下げり続けたのには
絶望感すら漂いました。。。

スーパーチューズデーではバイデン氏が躍進したことで
翌日の米株市場は反発に転じていますが、まだまだ新型コロナウイルスの
収束の兆しがみられない中で、金融市場のボラティリティは高いままです。


こうした中で、注目されているのがゴールド。
世界から金利が消滅して行く中、ゴールドが騰勢を強めています。


小針さんは1999年の安値836円から2020年の高値5913円まで
金価格はおよそ20年間で7倍になった事実を指摘。
今後の動向を解説くださいました。

詳しくはSpotifyのポッドキャストで小針さんの解説をお聞きくださいね。

原油価格と産油国事情、今週はOPEC総会 [大橋ひろこコラム]
2020.03/04 大橋ひろこ 記事URL


ニューヨークWTI原油は2月後半より下げ足を速め、1バレル=50ドルの節目を割り込んでいます。中国湖北省武漢市を震源とする新型コロナウィルスによる肺炎の感染拡大がアジア地域だけでなく、米国や欧州、中東などにも飛び火。世界最大の原油輸入国である中国のエネルギー需要の減退を招くのを初め、世界の石油需要の落ち込みに対する懸念が再燃しています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は資源・食糧問題研究所 代表 柴田明夫氏をお迎えし原油価格動向と今後の見通しを伺いました。

石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国から成る
「OPECプラス」は、1月1日より協調減産を日量170万バレルに拡大しています。
さらにサウジアラビアが自主的に同40万バレルを上乗せし、
全体の減産量は同210万バレルにも達しています。


新興国を中心に需要が日量120万バレル程度増える一方、
供給は米国、ブラジル、ノルウェー、ガイアナなど
非OPEC産油国の伸びは同210万バレルと予想されており、
需給は引き締まるどころか緩む傾向にあります。


さらに新型肺炎が中国国内外に拡大していることによる
世界経済への影響から世界の原油需要の伸びは鈍化するとみられています。
通常世界の石油需要は年あたり1~1.2%(120~130万バレル)
伸び続けるものですが、今年は1%の伸びを下回る見込み。


今週は5日のOPEC総会と6日のOPECプラスの会合で
どれだけの追加減産が合意できるかが注目されていますが
合同委員会(JTC)は2月6日、日量60万バレル拡大することを提案。
しかし、ロシアは協調減産の規模拡大ではなく期間延長を提案しており、
思惑が異なるようです。


サウジアラビアの原油の財政収支均衡価格は85ドル。
ロシアは45ドルとされています。ロシアは50ドル台を推移していれば
減産したいとは考えていないと思われますが
さすがに50ドル大台を割り込んでくると財政にも響いてきます。


ただし60万バレルという数字はすでにマーケットに織り込まれており
サプライズがないと価格上昇の材料とはならないかもしれません。



他方、米国では原油生産量の拡大が続いています。
米エネルギー情報局(EIA)によれば、
2018年の原油生産量は日量1,099万バレルとなり、
45年ぶりに世界最大に返り咲きました。


原油生産量の7割弱はシェールオイル。
その生産量は2019年日量770万バレルから
2020年には同856バレルに拡大する見通しです。


これに伴い、米国は既に昨年9月、原油と石油製品の輸出量が
輸入量を上回り過去初めて純輸出国に転じました。


ただし、ベーカー・ヒューズ社によれば、
2020年2月21日時点のリグ(石油・ガス)稼働数は791基で、
2018年末の1,000基超をピークに一貫して減少傾向にあります。
独立系シェール企業では、原油安による資金繰りの悪化など
構造的問題を抱えており長期的に増産の余地は少ないのです。


にもかかわらず、原油生産量が過去最高を更新している背景には、
シェール鉱区に掘削済みだが未仕上げの坑井
(DUCs:Drilled but completed wells)が
6,000弱あることによるもので原油価格が上がれば増産の余地はあるのですが、、、

柴田氏には、地政学から見えてくる原油価格動向についても
お話を伺っています。

詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で柴田さんの解説をお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

貴金属市場の動向と今後の見通し [大橋ひろこコラム]
2020.02/27 大橋ひろこ 記事URL

新型コロナウイルスの拡大にも貴金属市場はしっかり。ゴールドは低金利環境と不安心理からのリスク資産の受け皿となり、パラジウムは圧倒的供給不足による価格高騰が続いています。米株が暴落し、金融市場は総悲観の様相を呈していますが、全てが下落しているわけではありません。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はみんかぶ商品調査部門アナリスト 森成俊氏をお迎えしお話しを伺いました。


中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大による不安心理が
1月後半からゴールド価格を押し上げています。
2月24日に2013年1月以来の高値となる1,688ドルの高値をつけました。


NY金先物市場では大口投機家の買い越しは
今月18日時点で35万3,649枚と過去最高に積み上がっており
ヘッジファンド勢の強気姿勢は続いています。


金の米国最大規模の上場投資信託(ETF)であるSPDRの
金保有高は今月25日には940トンを超えてきました。


新型コロナウイルス感染はアジアの問題と楽観してきた米株市場でしたが
欧州、米国へと感染者が拡大、WHOは27日パンデミックを宣言。
これまでアジアの問題と楽観してきた欧米勢が
株から債券、ゴールドへと資金シフトしています。


米10年債の利回りは1.3%台前半まで低下。
市場は米国の利下げを催促し始めています。


そして、騰勢を強めているパラジウム。
こちらは不安心理とは関係ありません。
現物がないのです。

森さんに上昇の背景を伺いました。
詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で森さんの解説をお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

新型肺炎の影響で避けられぬエネルギー需要後退 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2020.02/26 大橋ひろこ 記事URL

新型コロナウイルス感染がアジアからヨーロッパへ拡大。投機家一斉にリスク回避に動きWTI原油価格も再び50ドル大台割れとなっています。25日CDC(米国疾病対策センター)「新型コロナウイルスの米国でのまん延に備えるべき」と声明、これが、米国株式市場でもリスク回避を強めました。



皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はエネルギー情報ネットワーク代表 山内弘史氏にお話しを伺いました。



25日、NYMEX原油先物市場ではWTI原油価格が
前日比1.53㌦下落し、49.90㌦を示現。



2月24日の中国の国営石油会社CNPC(中国石油天然気集団)研究院の発表によると
1~3月中国石油製品の内需は前年同期比35.7%もの減少となることが明らかとなりました。

内訳としては

ガソリン30.6%減,

ディーゼル37.6%減,

ジェット燃料油47.4%減

ちなみに、2019年の中国の石油需要量は日量1,451万㌭でしたが
2019年Q1に限定すると日量1,438万㌭。
この数字を軸に36%減ということになると
中国の1-3月の石油製品需要は日量929万㌭に減少することとなります。


11日、先んじて発表されていたEIAのSTEO予測では
2020年の中国の石油需要は日量1,489万㌭/日、、、、
全く予測ができていませんでした。


そして2019年の中国の原油輸入量は日量1,016万㌭でした。
同じく原油生産量は日量383万㌭。

需要減少見合い分だけ輸入量が減少すると、
2020年原油輸入量は日量650万㌭/となり、
前年比日量366万㌭/減となります。

この衝撃はあまりにも大きい。


新型コロナウイルスによる原油価格下落を受け
OPECプラスが追加減産で打ち出したのは日量60万㌭。
これもロシアが難色を示しており合意できるかどうかわかりません。
昨年12月に決定され、1月からスタートした協調減産は日量170万㌭。

仮に60万㌭の追加減産合意があったとしても
合計で日量230万㌭では中国分の需要減少に全く及ばず、です。


中国で滞っているのは数字上の原油需要だけではありません。
製油所稼働率が低下しているだけでなく石油・原油輸配送が停滞しています。
つまり、陸揚げができずタンクからの払い出しがない状況にあります。
中国沿岸に荷揚を待って滞船しているのです。

23日現在28隻が滞船しているとの情報もあり
単純計算で28隻×200万㌭=5,600万㌭が海上でジャブついています。



同じことがLNGでも起きています。
中国CNOOC(中国海洋石油)がLNG輸入のフォースマジュールを宣言。
シェル、トタールが受け取り拒否を受けたようです。

石油需要同様に、中国ではLNG需要も激減しているため
輸入契約を履行できないと宣言したのです。。

※フォースマジュール=不可抗力宣言


日本でもLNGは余剰となっていますが長期契約玉の引取り義務があるため、
これまでフォースマジュール発動をしたことはありません。

日本の余剰LNGは静岡ガスや西部ガスなどがンテナ船で
再輸出する事業を行っていますが、中国はじめ世界のLNG需要も落ち込んでおり
買ってくれるところがなくなってしまいました。。。

現状のLNGの北東アジアスポット市況、
JKMは2月に入って3㌦/百万Btuを割り込んでしまいました。

JKM=ジャパンコリアマーケット

中国の環境対策でクリーンエネルギーとして一気に膨らんだ世界のLNG生産ですが、
これまでは中国の輸入の急増もあって、JKMは2017~2018年冬季には12㌦ありました。
これが2019~2020年冬季には5㌦まで下落、
足下のJKM価格は3㌦を割り込むほどに。。。
中国・日本の輸入が減少する一方で,生産量は急増を続けた結果ですね。


こうした中、ロシアの天然ガス輸出は


① 「シベリアの力パイプライン」2019年末稼働 
  LNG換算2,800万㌧が輸出できる状況に。

② ヤマルLNG 液化能力1,650万㌧ 
  ~2017年欧州・中国への出荷開始。

③ アークティックⅡLNGが 2023年から
  ~1,980万㌧/年生産開始予定

④ ノルドストリーム2 
  ドイツを中心に 2020年上半期完工予定が
  米国の経済制裁で遅れている状況

⑤ トルコストリーム


加えて米国ではシェールガス大増産続いている結果
ヘンリーハブ天然ガス市況は1.8~1.9㌦に下落しています。

このほかカタールのノースフィールドのLNGも
現行7,700万㌧から2025年1億2,000万㌧に増強しており
まだまだエネルギー市況全般、需給のゆるみからの下落余地は大きいと山内氏。

詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で山内氏の解説をお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

パラジウム急騰、ゴールド上昇とは全く異なる材料 [大橋ひろこコラム]
2020.02/19 大橋ひろこ 記事URL

COVID-19の感染拡大で、原油、銅、ゴムなどのコモディティ価格は1月20日を天井に急落となりました。足下では中国が矢継ぎ早に出してきた緩和策に下げ止まっていますが、人と物の動きが鈍ることでの世界経済の減速懸念は払しょくできていません。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は日本貴金属マーケット協会 代表理事 池水雄一氏をお迎えし
騰勢強める貴金属マーケットについてお話しを伺いました。



一方で、ゴールドは再び1600ドル大台へ上昇。
ETF市場、先物市場をみても投資家らがゴールドの強気姿勢を崩していません。
株式市場もまた高値圏を維持していますが、
COVID19による世界経済減速リスクへの警戒は金市場への
断続的な資金流入をもたらしていると思われます。



そしてロジウム、パラジウム、プラチナも
COVID-19の影響を全く受けていません。


19日、ドル建てパラジウム価格は2800ドル超え、円建価格で1万円を超えました。
(ゴールド価格は1600ドル、円建て価格で5700円程度です。)


ゴールド市場では投資家らによる買いが価格を支えていますが
パラジウムとロジウムは純粋に供給不足と言う需給要因が価格高騰の背景だと池水氏。
10年続いた供給不足の結果昨年くらいから火がついた格好です。
これまでは地上在庫で賄ってきたものが、いよいよ在庫も底をつき始めた?!

しかし、何故、パラジウムは供給不足が続いているのでしょうか。

①欧州、中国の環境規制強化による触媒需要増加

②パラジウム鉱山は存在しない


池水氏に解説いただきました。

詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で池水氏の解説をお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

新型コロナウイルス問題と原油、ゴールド [投資α情報(大橋ひろこ)]
2020.02/13 大橋ひろこ 記事URL

新型肺炎の動向に日々注視せざるを得ない状況が続く中、米国では、大統領選挙戦が本格化しつつあります。初戦のアイオワでは、ブティジェッジ氏が暫定的に首位になりましたが、続くニューハンプシャーではサンダース氏が僅差で勝利し、まだ両者を中心に各候補者がつばぜり合いしているような状況。「民主社会主義者」を自称し、経済格差是正のための大増税を公約とするサンダースの勝利で、マーケットへの影響を懸念する声もりましたが現在のところ、ネガティブな反応は限定的となっています。

 

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員 芥田知至氏にお話しを伺いました。

 

WTI原油相場は1月中旬まで押し上げ材料が相次いだことで上昇基調にありましたが
足下ではレンジ下限の50ドル台にまで急落しています。

 

昨年12月6日にはOPECにロシアなど非OPEC産油国を加えた
「OPECプラス」の閣僚会合が開催され、減産幅をそれまでより

日量50万バレル拡大して、20年1~3月に170万バレルの減産を実施することを決定。
さらにサウジアラビアは割り当てを上回る減産を行う意向が示されたことで、
実質的な減産量は210万バレルまで膨らむとの期待が原油価格を支えました。

 

さらに米中両政府が貿易協議で「第1段階」の合意においても
20年1月15日の署名実現に向け原油価格をサポートし続けました。

 

加えて、1月2日米国防総省がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官の殺害を発表、
イランの報復攻撃などで本格的開戦リスクが原油価格を押し上げてたのですが
足下では新型コロナウイルス問題による需要減退が価格の急落を招いています。

 

OPECプラスは追加減産を行う構えですが
米国の産油量増加に中国需要の落ち込みが加わって、原油需給が引き締まるとは
考えにくく、当面の原油相場は横ばい圏の推移が見込まれると芥田氏。
一部で報じられている追加での日量60万バレルの減産枠拡大で合意できなければ一段安のリスクも?! 

減産協議ではロシアが消極的な姿勢をみせていることも懸念されています。

 

芥田さんには、ゴールド相場の展望についても伺っています。

詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で芥田さんの解説をお聞きくださいね。

新型コロナウィルス、商品市場に対する影響を見極める [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2020.02/12 大橋ひろこ 記事URL

新型コロナウイルス感染の拡大が原油をはじめ商品市場の売り要因となっています。発表される感染者数、死亡率などの数字は憶測の域を出ていない現状で、パンデミックが世界経済が大打撃を受ける恐れは十分にある一方、株式市場は中国当局の資金供給やFRBのステルスQEなどに支えられ堅調に推移しています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はよそうかい・インベスターズインク代表 松本英毅氏にお話しを伺いました。

感染拡大を防ぐための中国への渡航禁止、企業の生産活動の停滞が
中国経済へ与えるダメージは計り知れませんが、
世界全体でみれば過度な悲観は無用との声も。



景気の落ち込みが、経済指標などに具体的な数字となって表れるのは、今月後半以降
中国の指標がまず悪化、その後世界の経済指標も悪化する可能性があるため、
2月の数字が出始める3月からの2-3ヶ月は要注意となります。

中国の石油需要は、一時的に日量で300万バレル落ち込んだとの試算もある中、
暖房需要がピークを過ぎるという、季節的な要因も弱気に作用する時期です。



OPECプラスは追加減産を検討、
3月に予定されている臨時総会を前倒しすることを摸索しています。
技術委員会は日量60万バレルの追加減産を提言していますが、
ロシアは相変わらず減産に消極的で
需要の落ち込みをカバーするのは難しいとみられます。



年明け1月中旬までは米中通商交渉の第一段階の署名を好感し強含みで
推移していた商品市況でしたが、この合意内容は、
もともと中国の需要を大きく上回る買い付けを約束するという、無理のある内容で
クドローNEC委員長は、買い付けが遅れることを示唆しています。



中国は6日、米国からの約750億ドル(約8兆2400億円)相当の輸入品に対する関税率を
14日から半分の水準に引き下げることを表明していますが
合意した2000億ドル相当の米国製品輸入が新型コロナウィルスの経済ダメージで
当面実行出来る余裕がなくなってしまったことが背景にあるとみられます。



トランプ米政権は10日、2021会計年度(20年10月~21年9月)の
予算教書を公表し、社会保障費などの圧縮で、年1兆ドル(約110兆円)の財政赤字を
5年で半減するよう提案するとともに、国防費を増額してインフラにも
10年間で1兆ドルを投じる事を表明しました。



高速道路や鉄道など陸上輸送に8100億ドルを投じ、
高速通信や水道などに1900億ドルを拠出。


これがコモディティ市況で好材料視されるでしょうか。
松本さんは大統領選挙次第と指摘、
ここからの商品市場の展望を解説くださいました。

一次産品や中国需要期待の大きい穀物市場は需要減の影響を免れないと思われますが
ウィルス感染拡大に対する漠然とした不安がある間、
ゴールドは安全資産としての需要は続くとみられます。


詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で松本さんの解説をお聞きくださいね。

https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk
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