総合エネルギー市場について [商品先物取引の仕組みとポイント(~14年8月)]
2014.08/19 山本郁 記事URL
本日のコメンテーターは東京商品取引所 市場構造研究所 課長の近藤史規(ふみのり)さんです。

TOCOMでは現在エネルギー関係商品として、石油市場を開設しています。
この石油市場に合わせて、LNGや電力市場等の創設を図ることによって、総合エネルギー市場を整備し、各商品の適正な価格指標を広く提供することを通じて、我が国におけるエネルギーの安定的な需給の確保に貢献することで、我が国に必要不可欠な総合エネルギー市場としての地位を確立することを目指しています。
こうした市場の創設はエネルギー関係業者の多様なニーズ等に応えるとともに、現物の取引に係るヘッジ取引や価格発見機能の提供など、利便性が大きく向上し、当業者の方々にとってメリットの多いマーケットが出来ることになります。

TOCOMの石油市場は、石油自由化の流れを背景に、石油当業者の石油価格に対するヘッジニーズに応えるため1999年に開設されましたが、当初はガソリンと灯油のみの上場でした。
しかし、石油当業者が原油の輸入から石油製品として反ナビするまでの一連の流れを踏まえると、例えば原油調達のための買いヘッジをすると同時に、精製後のガソリンや灯油などの製品販売のための売りヘッジを行うことで、それらの価格差である精製コストなどを固定化する必要があります。
こうした石油当業者のニーズに応えるため、2001年石油製品に加えて原油が上場されました。
電力についても、近年自由化の機運が高まっており2016年には参入が全面自由化されることが決まっています。
そのため、電力についても市場開設等の対応が求められています。
特に近年原子力発電所の停止を受けて
火力発電の割合がこれまで以上に高まっていることから火力発電用の燃料への需要が続くものと考えられます。
火力発電の燃料といえば、石炭、ガス、石油ですが、電力と石炭、電力とLNGなどの間でも活発に裁定取引が行われることで、それぞれの価格が密接な関係を持って連動することになり、異なるエネルギー商品が荘厳に結びつき、統合された更に大きなエネルギー市場が形成されるということです。
電力会社にとっては発電用の燃料である石炭、天然ガス、石油といった一次エネルギーの価格と、製品である電力価格との差が利益の源泉となります。

欧米の多くの電力会社は、先物と居r比企などを利用し、将来の電力価格と一時エネルギー価格の差を固定することによって個別のエネルギー価格が』将来どのように変化しても利益が下振れしないようしっかりリスク管理を行っています。
具体的には、燃料である石炭を先物市場で買うことで、将来の石炭の仕入れ価格を固定化します。
それと同時に、製品である電力を先物市場で売ることで将来の電力の販売価格を固定化します。
これらのふたつの取引により、将来、石炭価格や電力価格がどのように変化しても、事前に仕入れ価格と販売価格を固定化しているため、その差である利益も確定できるというわけです。

さらに、石炭先物と電力先物との価格差よりも、天然ガス先物と電力先物の価格差が電力会社にとって利益が上がるようであれば後者の先物取引の量を増やして価格を固定化すると同時に、石炭発電よりも天然ガスによる発電量を増加させることで利益を増加させることが出来るのです。
このように、石炭と天然ガス、あるいは石油などを含めて電力との価格差を比較し、電力会社はより収益性の高い発電施設の稼働率を上げるなどの効率的な運営が可能となります。
こうした電力会社の取引によって電力価格を通じ、一時エネルギー価格間で一定の関係が保たれるようになります。
電力の自由化を契機に日本でもこのような市場が誕生する可能性があるのです。
詳しい近藤さんの解説、オンデマンド放送でお聴き下さい。










下げ止まらないゴム、タイの価格支援策とは [大橋ひろこコラム]
2014.08/13 大橋ひろこ 記事URL
お盆ウィークで都内の電車は空いているようです。市場も夏休みムードが色濃くなっていますが、今回は青島で開催されたラバーサミットで中国の企業、実需家に対しゴムのセミナー講師を務められた小針秀夫さんに、下げ止まらないゴム価格の背景と今後の展望について伺いました。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

2008年のリーマンショック前までの高騰で
国際ゴム価格が3倍にも上昇していたことで、
タイ、マレーシア、ベトナムなど生産国がゴムを大増産。

ゴムの樹は植えてから樹液が採取できるようになるまで
およそ6年程度かかります。
リーマンショックの2008年頃からの大増産ということで、
ちょうど6年後にあたる2013~2014年になって
ゴムの樹液が採取できるようになったことが、
昨今のゴム価格の下落の背景です。

今年4月、タイ政府は備蓄している天然ゴム在庫22万トンの全量か、
あるいはこの在庫のうちの20万トンを売却する意向を示したのですが、
政府がゴム在庫を放出すれば市場価格はさらに下落してしまうため、
地元のタイ農民が政府の対応に対し強く
反対の姿勢を示したことで売却は見送られました。

それにより在庫は保有されたままとなって依然として
マーケットの圧迫要因となってしまっています。
また在庫売却が見送られたことでタイ政府の
市中買い取りができなくなっていることも
市況の陽転を遅らせています。

このような状況の中で、タイ政府関係者はこのたび、
ユニークな解決方法を示しました。
余って在庫化している天然ゴムを市中に売却するのではなく、
道路舗装用として利用するというアイディアだそうで、
天然ゴムをアスファルト代わりにするというのです。

そもそもアスファルトの原料は石油。
天然ゴムと素材構成が同じ合成ゴムも石油から製造されます。
道路舗装材アスファルトは結合材として利用され砂利や砂の骨材と
フィラーと呼ばれる微粉末を混合した
アスファルト・コンクリートが一般的ですが、
この結合材に天然ゴムを用いるという案のようです。

この草案、タイ国内でも意見は二分されている模様で、
在庫解消の奇策として受け入れる向きもあれば、
一方で道路向けに天然ゴムを使用するのは意味がないので、
トラックやバスなどの大型車両タイヤ向けとして
消費するのが好ましいという意見も少なくないようです。

まだこれは決定事項ではなく、実現性にも疑問があることから、
ゴムの下げ止まりに寄与するとは思えませんね。

具体的な価格支援策としては需給調整を図る計画を
打ち出しています。
年間35万ライ(1ライ=1600㎡)の天然ゴム樹を
伐採するプランですが、小針さんによるとこのボリュームだと
おおよそゴム生産の5~6トン該当し、
年間300tもの生産規模からみればそれほど大きくないとこのと。

このニュースが出ても、ゴム市場に下げ止まりの
兆しが出てきていないことからやはり、
構造的に供給過多となってしまった需給に
大きな変化が訪れない限り、ゴム価格の反騰はなさそうです。

年内は価格低迷が続くとしながらも、小針さんは
近年、タイ国内ではバイオ燃料産業向けとして
パームオイル(ヤシ木)の需要が拡大傾向となっているため、
切り倒した天然ゴム樹の代わりにパームオイルを
植え替えることを奨励している流れが継続していけば
いずれは供給過多の構造からタイト感が出てくるだろう、
とも解説くださいました。

詳しくはオンデマンド放送で、小針さんの解説をお聞きくださいね。

石炭市場について [商品先物取引の仕組みとポイント(~14年8月)]
2014.08/12 山本郁 記事URL
オンエア前、スタジオ前に「カモ虎課長」の姿を発見!
記念撮影させていただきました♪
近藤さん、カモ虎課長よりも背が高いんですね!

コメンテーターは3週間ぶりのご登場、東京商品取引所 市場構造研究所 課長の近藤史規(ふみのり)さんです。

今日のテーマは、TOCOMで石油以外の新たなエネルギー市場検討対象としているマーケットのひとつ石炭についてお話し頂きました。

石炭は産業革命から20世紀初頭までは最重要の燃料、また化学工業や都市ガスの原料として重宝されてきましたが、第一次世界大戦以降、エネルギー革命で石炭の2倍のエネルギーをもつ石油に切り替わりました。
しかし1970年代の2度の石油危機で産業燃料は再び石炭に戻り、現在でも石炭は世界の産業活動等に必要なエネルギーとしてしっかり根付いています。
石炭は石油や天然ガスと同様、化石資源で、可採年数(可採埋蔵量を年間の生産量で割った値)は119年。
石油の48年、天然ガスの60年に比べて約2倍と豊富な資源です。
石炭は主に火力発電の原燃料として使われています。
世界の幅広い地域で分布し生産されているので地政学的リスクが低く、熱量あたりの単価も化石燃料けの中で最も安いことから、安定供給や経済性に優れた重要なベースロード電源としての燃料として評価されています。
世界では電気の約4割が石炭で発電、日本でも約3割が石炭火力で賄われています。
一方で環境面で配慮が必要なデメリットもあります。
石炭が燃焼すると地球温暖化の原因となるCO2、硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじんなどの大気汚染のもととなるガスが発生します。
しかし日本は過去40年以上にわたり環境対策技術や効率的な燃焼方法を開発するなど環境負荷を低減する努力を行ってきた結果、発電効率を世界最高水準まで高め、CO2の発生量も大幅に抑え、硫黄酸化物、窒素酸化物もしっかり浄化処理されて欧米と比べてもクリーンなレベルを誇り、世界の石炭火力を牽引する存在となっています。
しかし現在日本では石炭を上場している取引所はなく、相対契約で価格交渉を行い取引する慣習が主流になっています。
石炭調達をほとんど輸入に頼っている日本では、電力会社や鉄鋼会社などがその供給元となる豪州メジャー企業と取引を行っていますが、公正で透明性が高い指標価格がまだ確立していない現状です。
TOCOMでは日本の石炭の受給を反映した価格を形成し、信頼性の高い石炭のマーケットの担い手になろうと取り組んでいるそうです。
近藤さんの詳しい解説はオンデマンド放送でお聴き下さいね。


シンガポールから見た日本のデリバティブマーケット [商品先物取引の仕組みとポイント(~14年8月)]
2014.08/05 山本郁 記事URL
先週に引き続き、シンガポールに本社を置く石油取引仲介業のギンガ・ペトロリアムCEOの新村博道(にいむらひろみち)さんにご出演いただきました。
先週はシンガポールがアジアのマーケットの中心であり、税制が優遇されていたり、立地条件も良く、ビジネスやマーケットにとても魅力的な国であることを伺いました。
シンガポールは日本との時差が1時間。
ほぼ同じ経度の周辺国...たとえばタイや、むしろシンガポールより東(日本側)にあるベトナムでは時差が2時間なのに、シンガポールは競争相手の香港に合わせて1時間にしてあるのだそうです。
それだけ重要な国として認識されているんですね。

新村さんは今、毎月のように1~2週間日本に滞在されているそうです。
もともとシンガポールが拠点なのになぜそんなに日本足を運ばれているかというと日本に新しいマーケットを作りたいと考えているからなのだそうです。
日本は金融デリバティブに比べて、コモディティーデリバティブがまだまだ発達途上。
欧米に比べても日本が一番遅れているそうです。
つまり、そこにはビジネスチャンスがある!と新村さん。
そこで、ギンガ・ペトロリアムの日本支店を開設したのだそうです。
JOE(Japan OTC Exchange)の設立によって、新しいマーケットを作るための強力なツールを手に入れたとおっしゃいます。
OTCマーケットは、一般の投資家は参加できませんが、企業のリスクヘッジが出来る大事なマーケット。
一般のフューチャー(先物)マーケットと比べると規制も緩やかで、コストも低く、比較的簡単にマーケットを作ることができるので、いろいろマーケットを作ってみて、使えるものは使い、使えなかったらやめてまた違うものを作って...と、参加者が限られているが故、フレキシブルに動けるマーケットです。
JOEは昨年設立され、今年6月から取引を開始しています。
現在、日本の石油製品のスワップ取引(TOCOMスワップ、RIMスワップ)を行っていますが、早ければ今月中にもLNGのマーケットが立ち上げられる見込みです。
また原油とLNGの日本の通関統計のスワップマーケットを今年中に立ち上げる予定だそうです。
エネルギー以外でも、花、お茶、などなど日経新聞の商品欄に並んでいる商品は全てを視野にマーケットの拡大を考えているのだそうです。
実は日本は世界最大のLNG輸入国ですが、これまで日本発信の価格がありませんでした。
このLNGマーケットによって、LNG価格の透明化と、価格の日本発信を目指して行くそうです。

最後にリスナーの皆さんへ新村さんからの投資に関するアドバイスです。
現在の先物取引はコンピューターでの取引が大部分を占めています。
コンピューターにマーケットが動かされていると言っても過言ではありません。
それ故にどうしても過剰な反応をして、高くなったり低くなりすぎたりします。
何が本当の理由なのかしっかり把握して冷静に判断することが今の注意点だそうです。

新村さんのお話、詳しくははオンデマンド放送でお聴き下さいね。








シンガポールから見た世界の石油マーケット [商品先物取引の仕組みとポイント(~14年8月)]
2014.07/29 山本郁 記事URL
これまでこの番組で取り上げてきたOTC市場、その運用のために昨年誕生した「Japan OTC Exchange」
そのJOEをTOCOMと合弁で設立されたのがギンガエナジージャパンですが
今日のコメンテーターは、そのギンガグループの中核であるギンガペトロリアムのCEO新村博道(にいむらひろみち)さんです。

ギンガペトロリアムは、'98年末にシンガポールで設立され、'99年3月から営業を開始。
東京、上海、スイスのジュネーブに支店があり、従業員の数は全体で100人強。
石油製品、石油化学品、石炭、排出権、バイオエネルギーを扱っているシンガポールトップクラスの仲介業者です。

新村さんはエネルギー企業の出光のご出身。
トレーダーになろうと'91年に出光興産を辞めて、トレーディング会社が多く、石油マーケットでの中心であったシンガポールに渡りました。
フランス系のオイルブローカーに7年間務めた後、'98年にギンガペトロリアムを設立。
支店を上海、東京、そしてジュネーブに開設しました。本当はEUの中心であるロンドンに拠点を置きたいのですが、ライセンスを取るのが難しいのだそうです。

そう、石油マーケットはアジアの中ではシンガポールが中心。
税制が企業に対して有利で、法人税は17%!!(日本は約35%)特別な事業に関しては5%、あるいは税金無し。個人でも最大20%
エネルギー関係には優遇措置があるので、ギンガも5%の法人税が適用されているのだそうです。
またマレー半島の先端と地の利が良くので沢山の企業が進出しています。
日本人も多く在留邦人は3万人~4万人ほど。生活レベルは東南アジアで1番だそうです。
ただ、ここ数年物価が高くなってきているので、それがデメリット。

20年シンガポールにいる新村さんから見たシンガポールの現在の石油マーケットは、リーマンショック後アメリカのOTCマーケットへの規制が強くなり(ドット・フランク法)、その影響を受けてOTCデリバティブマーケットは全体的に衰退気味であるようです。
JPモルガンやモルガンスタンレーといった銀行系トレーダーも撤退し、一時はどうなるかと思われたそうですが、去る者があれば新しく来るものがあり...アメリカ以外で進出してくる銀行もあり、このまま続いていくんだろうな...といった印象だそうです。
世界の石油環境についても新村さんは、ベアの要因、ブルの要因相互に日によって入れ替わり混沌とした状態が続いており、それが原因で原油はわずか10ドルぐらいの幅で行ったり来たりを一年以上続けています。
何を持ってこの状況が変わっていくのかを見定めることが大切と感じているそうです。

シンガポール。
国土が東京23区とほぼ同じ大きさで、南北は車で40分、東西は1時間で行きついてしまう狭さですが
近年観光客の誘致にも熱心で、政府公認の2つのカジノも作られ、新しいテーマパークなども建設されています。
食べ物も日本食の店が500店舗以上あり、日本とほとんど変わらないレベルだそうです。
最近ではラーメン戦争も勃発しているのだとか。
シンガポールドルが強くなって物価が高いのがネックですがビジネスはもちろん、、生活するのも、観光にでかけるのにも魅力的な国ですね。
来週も新村さんから、シンガポールマーケットや、JOEについて、また個人投資家の皆さんへのアドバイスなども伺って参ります!
新村さんのお話、詳しくはオンデマンド放送をお聴きくださいね♪


電力市場について [商品先物取引の仕組みとポイント(~14年8月)]
2014.07/22 山本郁 記事URL
東京商品取引所の取引時間が今日から変更になりました。
ロンドン等の欧州市場との裁定取引等の利便性向上を図るためです。
日中立会は終了時間を15分前倒しして9時から15時15分まで。
夜間立ち合は開始時間を30分前倒しして16時30分からとなりました。
ゴムは19時終了ですが、そのほかは従来通り翌朝4時までです。
詳しくはTOCOMのホームぺージをご覧ください。

さて、本日も東京商品取引所 市場構造研究所課長の近藤史規さんに「電力市場」について伺いました。
先週取り上げたLNGの他にもTOCOMでは新たなエネルギー市場の創設・整備に取り組んでいます。
その一つが電力市場です。
私たちの生活に無くてはならない電力。
日本の電力消費量は戦後ほぼ一貫して伸びてきました。
特に高度成長期以降、快適な生活を求めて人々は電力を消費するようになりました。
安定成長期に入った近年でも、オール電化、電力自動車などの普及で電力の消費は増加し続けています。
日本には現在全国で1400程度の発電所があります。
こうした発電所はLNG、石油、石炭を原燃料とする火力発電、水力発電原子力発電などによって賄われ、それぞれの経済性や地域環境 、リスク分散も考えて資源をバランスよく組み合わせているのです。
例えば電気の使用料は最大値と最少値の差はますます大きくなる傾向があります・

しかし電気は貯めておけないエネルギー。刻一行とと変更するので電力事情に応じで電気を作る量を調節しなくではなりません。
こうした電力を作る量は、昼間は短時間に変動する電力の市場への退場に優れている火力発電が...
昼夜問わず一日中安定して一定の量を供給できるの原子力発電や風力、水力発電です。
これらをうまく組み合わせてバランスよく発電されて居るんです。
ただ近年は東日本大震災に伴う東京電力の原発事故以降、火力発電がシェア88%を占めています。

そして近年の新しい動きというと、電力自由化です。
現在では電力事情は、電力会社の独占的状態ですが、先月6月11日の国会で、改正電気事業法が成立しました。
それにより、これからは電気料金も自由化され、電力会社間の競争が始まります。
更には、電力のマーケットが誕生するというわけです。
現在、電力の現物を取り扱う取引市場としては、日本卸電力取引所(JEPX)によってスポット市場と受渡市場が運営されています。
ただし、電力の取引というよりは、電力の融通という性格が強い様です。
そして先物市場については2016年の法改正において市場を開設することができるようになります。

TOCOMではこのような電力自由化の流れを見据え、電力を自由に取引できるプラットフォームの提供を検討しています。
TOCOMのこれからの取り組み楽しみですね。

詳しい近藤さんの解説はオンデマンド放送でお聴きくださいね。
LNG市場について [商品先物取引の仕組みとポイント(~14年8月)]
2014.07/15 山本郁 記事URL
先週は、新たなOTC取引のプラットフォームを提供している、Japan OTC Exchange:JOEについて伺いましたが
今週は、そのJOEで、今後新しく市場開設が検討されているLNG(液化天然ガス)市場について
東京商品取引所 市場構造研究所 課長の近藤史規さんに教えて頂きました。

液化天然ガスLNGは、地下から採掘されたメタンを主成分とする天然ガスを、パイプラインを通じて液化プラント基地まで引き込み、-162℃の超低温に冷却・加圧して液化したもので、主に都市ガス用、発電用燃料、化学工業原料に用いられています。
主成分はメタンなので、CO2やNOxの排出量も石油や石炭に比べて3~4割も少なくて地球規模の環境保全に役立つと言われているクリーンエネルギーです。

天然ガスは可燃性の高い気体のため取り扱いが難しく、生産地に遠い場所で消費する場合、パイプラインを敷設するコストが嵩んでしまいます。そこで、遠方の地に輸送する際は液化して体積を600分の1に縮小し、タンカーで大量輸送しているのです。

資源の少ない日本はLNGのほとんどを、マレーシア、オーストラリア、カタール、ロシアなどからの輸入に頼っています。
特に東日本大震災時の原発事故後は、火力発電用の燃料としてLNGの輸入が増加し、昨年は第二次オイルショック以来31年ぶりの貿易赤字となってしまいました。
当面LNGの輸入量の高止まり状態は続くと考えられるため、日本の貿易赤字は恒常化するのではないか懸念されています。

そして日本のLNG価格ですが、アメリカやヨーロッパの天然ガスに比べて極めて高い状況にあります。
最近の天然ガス価格ですが、アメリカ市場では3~4ドル/mmbtu、ヨーロッパ市場では10ドル/mmbtu、これに対して日本のLNGは17ドル/mmbtu。
LNGへの液化コストを考慮しても日本市場の価格が一番高い状況です。
その背景は、パイプラインが整備されていないこと。
アメリカのようにシェールガス革命の恩恵にあずかっていないこと。
そして、日本のLNGの価格が原油価格にリンクして決定しているという事情があります。
LNGなのに原油?なぜでしょうか。
近藤さんの解説をオンデマンド放送でお聴き下さいね!







Japan OTC Change  JOEについて [商品先物取引の仕組みとポイント(~14年8月)]
2014.07/08 山本郁 記事URL
今日は、TOCOMとGINGA ENAGY JAPANが昨年11月に立ち上げた
『Japan OTC Exchange:JOE』にスポットをあてて
東京商品取引所 市場構造研究所 課長の近藤史規(ふみのり)さんにお話し頂きました。

先物市場とOTC市場は相互に補完関係にあり、これらの市場をより大きく貼ってさせるためには、日本のコモディティ市場では未だ十分に成熟していないOTC市場を活性化させる必要があります。

そこで、TOCOMではコモディティー関連のOTC市場である、Japan OTC Exchange、JOE(ジェイオーイー)を設立し、その運用にも携わっています。
パートナーであるGINGA ENAGY JAPANは、アジア地域で活発にビジネス展開をし、すでに『J-Oil Exchange』という日本の石油関連のOTC市場の運営の実績があり、日本のOTC市場において確固たる地位を構築しています。

JOEは当業者や金融機関といったプロ向けの市場で、現在、「ガソリン」、「灯油」、「軽油」、「A重油(主に漁船などの船舶の動力燃料)」、「原油」を上場しています。
近い将来、このラインナップに電力会社や工場などの動力燃料として使われているLNG(液化天然ガス)が加わります。

スワップ取引を前提とする現金決済が主体で、TOCOMとRIM社の二つの価格情報ソースからの価格を対象にしたスワップ取引を提供し、それにより、"将来確定する石油の月間平均価格を固定化したい"という石油業者のヘッジニーズにも応えています。
今後上場予定のLNGは、先渡取引ということもあり、当事者同士が合意した場合には、現物による決済も認めています。

そしてOTCクリアリングを導入していることも重要なポイントです。
OTCクリアリングの導入で信用リスクが遮断されることによって、これまで取引に参加しづらかった中堅・中小企業も参加しやすくなりました。

今後、電力や石炭、さらには化学品、工業品、農水産物などの幅広い商品分野について洗剤ノーズの在処などを探りながら、様々な可能性を追求しつつ柔軟な事業展開を検討していきたいと考えているそうです。

詳細な取引要綱・ルールはJOEのホームページをご覧ください。
近藤さんの詳しい解説はオンデマンド放送をお聴きくださいね。







TOCOMのOTC市場への積極的な関わり [商品先物取引の仕組みとポイント(~14年8月)]
2014.07/01 山本郁 記事URL
先週に引き続き、東京商品取引所 市場構造研究所 課長の近藤史規さんにお話しいただきました。
先週は立って写真を撮影したらあまりにも身長差がありすぎて私が首から上しか写っていない生首写真になっちゃったので
今回は座って撮影したら、さらに私にとって惨めな結果に!!
近藤さん、顔が小さい!!モデルさんみたいなんです。
ぴったり横に並んで写真を撮っているのですが遠近感の狂った写真になってしまいました。
来週はどうやって写真を撮ろうか悩むところです。

さて、ちょうど一週間前に新たなOTC市場としてJOE(Japan OTC Exchange)で取引が始まりましたが
初日から見事に取引の成約があったそうです!
このまま順調に取引が伸びて行ってほしいところですね。
前回もお話し頂いたように、OTC(Over The Counter)市場は先物市場と相互補完関係にあって、OTC市場の活性化が先物市場の成功につながるわけですから。

そこでTOCOMもOTC市場の運営を目的とした新たな会社JOEの設立に出資して積極的にOTC市場に積極的に関与しているのですが、今日はその関わりについて具体的に説明をしていただきました。

まずは市場に参加する取引者へのお誘い。
OTC市場の場合は、現物を取り扱う当業者や金融機関に限られます。
そのためどうしても流動性が低くなりがちで、ただ放っておけば取引が成立しづらくなります。
そこで、"ボイスブローキング"という、電話などを利用して積極的に契約条件に見合いそうな相手方と交渉する手法を使って、取引の成立を促進するよう働きかけています。
このようにきめ細やかなフォローが行われているのです。

そして前回もお話し頂いた"OTCクリアリング"の提供。
先物市場・先物取引の精算制度をOTC市場・先渡取引で利用する制度です。
これによって、OTC市場にとってリスクである取引の相手方の信用力の程度に関係なく決済の履行を保証して貰えるのです。

そして、OTC市場は、関物市場に商品を上場する際のパイロット市場になること。
先物市場に比べてOTC市場が新規商品の上場が簡便なので、、新たな商品を上場するときにいきなり先物市場に上場するのではなく、まずはOTC市場に上場しその適格性を見定め、市場をある程度育ててから関物市場へ上場させる...そのような側面も持ち合わせているのです。

そうして設立されたのがJOE。
石油やLNGといったエネルギーを中心としたコモディティー関連のOTC取引のプラットフォームと取引仲介機能の提供を目的として、エネルギーブローカーであるGINGAグループの日本法人GINGA ENERGY GAPANとの合弁会社として昨年11月に設立されました。

OTC市場が何故先物市場にとって大切であるのか、この2週間でずいぶんお分かり頂けたのではないでしょうか!
来週はいよいよJOEに焦点をあててお話を伺います。

近藤さんの解説はオンデマンド放送でお聴き下さいね!




TOCOMのOTC市場への取り組み [商品先物取引の仕組みとポイント(~14年8月)]
2014.06/24 山本郁 記事URL
毎週火曜日にお送りしている「商品先物取引の仕組みとポイント」
今週からはTOCOMのOTC市場への取り組みについて
東京商品取引所、市場構造研究所の近藤史規(ふみのり)さんにお話し頂きます。

市場構造研究所は、色々な取引制度や新商品の上場に関する調査などを担当している部署です。
市場構造研究所では今、OTC市場の活性化に取り組んでいます。
OTCとは、Over The Counter、つまりOTC市場は取引所を通さない相対(あいたい)による取引のことですが
実はTOCOMの先物市場とOTC市場は密接な関係があると言われているのです。
先物市場とOTC市場は相互補完の側面が強いので、先物市場活性化のためには活発なOTC市場が必要と考えられるのです。
そこで、TOCOMでは昨年11月にOTC市場、Japan OTC Exchange、通称JOE(ジェイオーイー)という新会社を設立し、今日から原油と石油製品の取引を開始しました。
こうした関係を知っておくことは投資家のみなさんにも投資判断をする上で役に立つので、しっかり押さえておきましょう。

まず先物市場の先物取引、OTC市場の先渡取引のそれぞれの特徴です。
共通する点は、「ある商品、またはある指標を特定の数量を、将来の一定の日に、現在定める価格で売買する契約を取り交わす取引」という点です。

相違点は、先渡取引は商品の種類、数量、先渡しの時期や場所などの条件をすべて売りと買いの当事者間で任意に定める相対による取引であり
一方の先物取引は、こうした取引条件がすべて標準化されている取引所で行われる取引であるということ。
そして、先渡取引は期限日に現物を渡す、もしくは代金を支払って受け取ることが原則なので、契約を変更したり解約する場合には相手方との交渉が必要になります。
一方の先物取引は期日日前にいつでも自由に反対売買が出来、市場から離れることが出来るのです。
なので、取引するに当たり、その時々のニーズや状況によって先物石上とOTC市場を使い分ける必要があります。

例えば、「ハイオク・ガソリンを大阪で8月末に受け取りたい場合」
先物市場では標準的な取引対象商品としてハイオク・ガソリンがありません。また基本的な受渡場所として大阪が指定されていないなど、取引の契約条件に合致しないので、先物市場よりも取引条件が柔軟であるOTC市場で契約を結ぶことが適当と考えられます。

また「石油販売業者が仕入れたガソリンを販売するまでの間に価格変動による損失局面を回避したい場合」
差金決済することを前提にガソリンを販売するまでの必要とする期間、先物市場でヘッジ取引を行うことが有効な手段となります。

この他にも、市場流動性は先物市場の方が高い、つまり先物市場の方が成約しやすい、
先物市場は価格の透明性があり価格指標性が高い...などの特徴があります。
また、先物市場は取引の精算を行う際、取引所が成立した取引の相手方となって取引決済の履行を保証しますが、OTC市場では取引の決済の履行は、すべて相手方の信用力に負うことになります。
そこで、OTC市場の取引であってもこうした信用リスクを遮断する手段として「OTCクリアリング」:取引所に付随する精算機関が取引の相手方となり決済の履行を保証するサービスがあります。
海外ではポピュラーな手段ですが、日本ではTOCOMグループの日本商品清算機構が国内コモディティ市場で唯一、史上初となるこの清算サービスの提供をしています。

以上、先物市場とOTC市場の特徴を比較して見てきましたが、それぞれ非常に深い関係にあり、相互補完関係があるということがわかります。
コモディティー市場はOTC市場の活性化なくして、先物市場の発展もなく、両方が機能して参加者のニーズに合った成熟した市場となるということです。
これからのTOCOMの動向、リスナーの皆さんにもますます注目して頂きたいと思います。



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