原油安がもたらす金市場への影響 [大橋ひろこコラム]
2014.12/12 大橋ひろこ 記事URL

12月に入って金が上昇に転じています。11月30日㈰のスイスの外貨準備における金保有比率を高めるといった趣旨の国民投票が否決されたことを受け、週明け月曜の東京時間で金価格は1141ドルまで急落しました。11月7日につけた安値1130ドルを割り込まなかったことで、反発に転じてはいたものの、本格上昇となったのは欧州時間から。この日はNY時間もショートカバーが続き、結局金は一晩で80ドル近くも上昇となったのです。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
金融貴金属アナリスト亀井幸一郎さんにお話を伺いました。

亀井さんは、週末に金がらみのイベントがあった場合、
週明け月曜日のTOCOM時間に価格が振れやすく、
天底を形成するパターンが多いようです。

行き過ぎる価格を付けるのが月曜の東京時間で、
その後反転することが多いそうですので、覚えておくといいですね。
3月16日のクリミアの住民選挙の時も、週明けに当面の高値を付けて
下落に転じて居ました。

この12月1日の大陽線から相場が底入れしたように見えますが、
亀井さんは金ETFの代表的なスパイダーゴールドの保有残高が
木曜までで3営業日連続で増加していることにも注目だと指摘。

ETF市場からの資金流出は、これまでの金価格下落の大きな圧力と
なってきていましたが、資金流出が止まったのでしょうか?
9月以降3日連続で金ETF保有残が増加したことはなかったのだそうです。
亀井さんは金ETFの残高動向はマーケットの潮目の変化を読むうえで
先行指標となるケースが多いとして注目されています。

また、昨年こそ中国に首位を奪われたものの世界1の金の需要国である
インドが金の輸入規制を緩和したことも、大きな変化だと亀井さん。

インドは巨額の貿易赤字に苦しんでいますが、赤字の最大の原因は
原油です。これは輸入規制するわけにはいかないので
次に赤字の原因となっていた金の輸入に、厳しい規制をかけていました。

輸入関税を1%から10%へと10倍に引き上げたり、
80:20ルールと言って、100の金を輸入したら
そのうちの20%は加工するなどして輸出しなければ、次の輸入ができない、
という規制も施行していました。

これを11月28日に緩和したのです。

すでにインドの金輸入は9月に143トン10月に150トンと増加傾向にあり、
インドの金需要が旺盛であることは、数字にも表れていましたが、
この規制緩和を受けて、おそらく中国から金消費国首位を奪還する
のではないでしょうか。こうした金輸入増を受けて、市場では
インドが金の規制を強めるのではないか、という予想もあったのですが、
その逆でインドは金の輸入規制を緩和したのです。
その背景にあるとみられるのが原油安。

インド当局は規制緩和の理由は明らかにしていないのですが、
亀井さんは原油安によって貿易赤字が縮小する見込みであることが
金輸入規制緩和の背景にあるのではないか、と指摘。

北海ブレント価格も70ドル程度まで下落していますが、
70ドル換算で計算すると2015年のインドの原油輸入による
貿易赤字額は500億ドルも圧縮されるそうです。

ちなみに2013年の金の輸入コストは440億ドル。
来年原油価格下落で圧縮されるであろう赤字額分より
少額ですね。まるまる相殺されてしまう、という試算です。

また、昨今の原油安が今後何をもたらすのか、という点においては
シェール事業に投資していた資金の焦げ付きなどが指摘され
始めており、(シェール掘削事業も原油価格が高いことで成立していた)
すでにジャンク債市場には影響が出始めています。

ロシアも欧州向けパイプラインの事業計画凍結を発表しており、
原油安によってもたらされる地政学上のリスクも懸念されているのです。

こうした金融市場や地政学上のネガティブ材料は
金市場にとっては買い要因なってくるため、
金価格がジワリ買い戻されている背景にはこうしたリスクへの
警戒が強まっているとの見方もできないことはないでしょう。

詳しくはオンデマンド放送で亀井さんの解説をお聞きくださいね。

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産油国、原油安で逆オイルショックの様相 [大橋ひろこコラム]
2014.12/05 大橋ひろこ 記事URL

サウジアラビアは4日、米国とアジア向けの1月積みの原油価格を大幅に引き下げると発表しました。サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは代表油種「アラビアンライト」の米国向け公式販売価格(OSP)を12月から0.70ドル、アジア顧客向けの価格は1バレル当たり1.90ドル引き下げ、ドバイ原油とオマーン原油の平均価格より2ドル安い水準とするとされています。サウジアラムコは10月にも、アジアとアメリカ向けの原油輸出価格を大幅に引き下げており、市場シェアを守る道を選んだとみられますが、何故原油価格は下落が続いているのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は資源・食糧問題研究所 柴田明夫さんに原油市場を取り巻く問題と
原油価格の今後について伺いました。

11月27日、ウィーンで開催されたOPEC(石油輸出国機構)総会は、
日量3,000万バレルの現行生産枠を維持することで合意し、
油価急落を防ぐために必要な減産を見送りました。

これを受け、ニューヨークWTI原油は、1バレル=60ドル台半ばまで急落。
北海ブレントも一時70ドルを割り込んだのですが、原油価格に底入れ感はありません。

ちなみに、IMF(国際通貨基金)は、
財政収支を均衡させる原油価格について、
サウジが86ドル/バレル、
イラン130ドル、
イラク109ドル、
UAE74ドル、
カタール71ドル、
クウェート52ドルと推定しているのですが、
何故OPECは減産しなかったのでしょうか?


柴田さんは油価急落をめぐって、原油市場が
サウジアラビアと米国のシェールオイルとの
「チキンゲーム(我慢比べ)」の様相を呈し始めたと指摘。
このままチキンゲームが終わらなければ原油の供給過剰が継続し、
原油価格は一時的に50ドルを割る可能性もあるとしています。


サウジをはじめとするOPECは、イージーオイルと言われる
在来型原油を生産しています。
これは「液体で濃縮された経済的な場所にある」安価な原油です。

サウジやイランなど中東産油国の生産コストは
バレル当たり4~20ドルとされています。

対して、シェールオイルに代表される非在来型原油の場合、
「液体でなく、濃縮されておらず、経済的な場所にもない」
ハードオイル(hard oil)で、
生産コストは30~90ドルとされています。
シェール層によってコストは随分違うようですね。

米国のリサーチ会社が、北米のシェールオイルの損益分岐点を
調査したところ、WTIが80ドルを割れば、
約3分の1が採算割れになると発表していいます。


WTI原油の急騰は、日本などの輸入国にとっては
「オイルショック」をもたらすものでした。
しかし、2011年以降は90~100ドル台で推移してきたことに
慣れてしまったことから考えると、今回の60ドル台までの急落は
産油国にとって「逆オイルショック」と言えよう、と柴田さん。

サウジは市場シェアを重視し、シェールオイルの減産を
引き出すために敢えて油価下落を選んだとみられますが、
OPECにおいても10月の原油生産量が、
過去14か月で最も高い水準である日量3,097万バレルとなり、
6カ月連続で目標生産枠を超過しています。

どうやら原油価格は「新たな下値均衡点」を探る動きに
入ったようですが、シェールオイルの生産が直ちに
抑制されるとも思えません。

限界生産コストの高い鉱区での生産は困難になるとしても、
比較的低コストの鉱区では、油価下落による原油収入の
落ち込みを増産によってカバーしようとするでしょう。

ちなみにBP統計によれば、米国の原油生産量は、
2008年の日量678万バレルから2013年で1,000万バレルに拡大。
この内、450万バレルがシェールオイルとされます。

短期的には、価格が下落することで更なる増産となり、
供給過剰からさらに価格が下がるという負のスパイラルに
入ってしまいましたが、問題は、将来の需要拡大に必要な
上流部門への開発投資が控えられてしまうことだと柴田さん。
多くの産油国は、国内の治安維持のため、
貧困層に対してガソリンや食料などを
手厚い補助金によって提供しているため、油価急落により
財源が細れば社会不安を増長させることにも繋がります。

詳しくはオンデマンド放送で柴田さんの解説をお聞きくださいね。

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減産合意に至らなった第166回OPEC総会 [大橋ひろこコラム]
2014.11/28 大橋ひろこ 記事URL

原油価格が大きく下落しています。今年2014年はウクライナ問題やイスラム国など地政学リスクがマーケットの懸念材料として取り沙汰され、原油価格は地政学プレミアムから買われる局面もあったのですが、地政学リスクによる供給懸念は生じなかったことから一転下落に転じ、地政学プレミアムが剥落する過程ではドル高圧力も加わり、100ドル台から70ドル台へと下落していました。それだけに11月27日開催のOPEC総会はオイル関係者のみならず。マーケット関係者の関心も高かったのですが...。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は減産合意に至らなかったOPEC総会と原油市場を
取り巻く背景を株式会社セキツウ常務取締役の山内弘史さんに
伺いました。

そもそも、オイル関係者の間では今回のOPEC総会での減産合意は
難しいだろうとされていました。OPEC総会前にサウジアラビア,
イラン非OPECのロシアなどが会談しており、減産しないことで合意していたためです。ベネズエラが減産を強く主張したもののこの主張は受け入れられませんでした。

OPEC減産合意ならずで、総会後の原油市況は更に下落しました。
WTIは一時前日比5.02㌦下げの68.43㌦/㌭
北海ブレントは同6.27㌦下げの71.26㌦に
どちらも2010年5~6月以来の安値に沈んでいます。

地政学プレミアムの剥落、ドル高によるコモディティ価格下落、
そして、OPEC減産合意ならず、という下落要因による急落ですが、
しかし、そもそもの需給がタイトであれば、ここまで価格が下がる
ことはありません。

山内さんによると、石油供給量-(引く)石油需要量=
2013年 ▲50
2014年Q1+40
2014年Q2+130
2014年Q3+50
という状況になったおり、供給過多状態になってきているのが
そもそもの原因です。

そこで、OPECが価格を押し上げるために減産するのでは?
という見方が出ていたわけですが、、、

現在のOPEC原油生産量は日量3,000万㌭。
2012年から変わっていません。
しかしこれはあくまで生産目標量。

実は最近のOPECの生産量は下記の通り。
2014年Q2 3,008万b/d
2014年Q3 3,051万b/d
8月 3,031万b/d
9月 3,075万b/d
10月 3,060万b/d

2014年Q2まではなんとか生産目標量を遵守していたのですが
それ以降は31~75万b/dの増産となってきていました。

OPECの中で特に増産が著しいのはリビアです。

2014年Q2は23万b/dまで落ち込んでいたのですが,
最近は100万b/dにまで回復しているのです。
もともと160万b/dの生産能力がありますので、
増産余力はまだまだ大きい。

これまでリビアは原油積出港5つのうち4つが
反政府部族によって支配されていたために、
原油生産が止まっていました。
この混乱解消によって生産量が回復したことで
OPECの生産量は超過状態になっていったのです。
アメリカのシェール革命です。

アメリカの原油生産量は
2008年の500万b/dがボトムで
2009年535万b/d
2010年548万b/d
2011年565万b/d
2012年650万b/d
2013年745万b/d
と増産されており、
2014年1~11月には848万b/d、
11月第2週以降は900万b/dを超えるまでに。
これは1970年代以来の規模になってきたということです。

これだけ供給が増えていることが主因ではあるものの
世界の景気がよく需要も大きければ需給は締まります。
しかし、先進国経済の成長は鈍化傾向にあり、
加えて中国も鈍化してきたことは周知の事実。

ということでIEAは9月石油市場報告で
世界の石油需要を下方修正しています。

このような状況にあるのに、なぜOPECは減産しなかったのか?

山内さんはOPECは生産カルテルとしての役割を放棄したと
解説くださいました。世界的な石油需給の緩和でOPECが
スウィング・プロデューサー役を果たせなくなったことが
大きいのですが、原油価格回復のために減産すると,
結局は米国などにシェア―を奪われるだけなのです。

サウジは1980年代半ばに価格維持のための減産で
シェアを奪われたことがトラウマになっており、
この時は900万b/dだったサウジの生産量が
一時は250万b/dまで落ち込みました。
現在の環境では真面目に減産しても、その分のシェアを
米国などほかの産油国に奪われるだけだと思われます。

しかし、これだけ原油価格が下がってくると
アメリカのシェールオイル革命はどうなるでしょう。
そもそも原油価格が高くなったことからシェールのコストが
賄えて利益を上げられる構造です。
米国は下落に耐えられるのでしょうか?

山内さんによるとシェールオイルの生産コストは
38~80㌦/㌭、随分幅がありますね。

中でもバッケン,パーミアン,イーグルフォードの3つの
シェール層の生産量が全体の大半を占めるため
これらのシェール層のコストが重要です。
この生産量はそれぞれ100万b/d,150万b/d,120万b/dで
合計で370万b/d。(全体では900万b/d近く)

山内さんによると、この3つのシェール層の生産コストは
50㌦前後だそうです。ということは70ドル近辺の現在でも
まだ余裕があるということになりますね。

山内さんはまだアメリカが減産に踏み切るには
下値余地があるとして、原油価格はさらに下落するだろう、
と解説くださいました。

詳しくはオンデマンド放送で山内さんの解説をお聞きください。

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反騰の勢い鈍る大豆マーケット [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014.11/21 大橋ひろこ 記事URL
急速にドル高が進行していることにより、ドル建てのリスク資産である商品銘柄に資金が入り難くなっていることでコモディティ市場全般が軟調です。特に原油相場は4年ぶりの安値を記録。世界景気の減速に伴うエネルギー消費の減少が懸念されている一方で、北米ではシェールオイルの増産が続いているなど、そもそものファンダメンタルズが弱いことも影響しているようですが、11月27日に開催される予定のOPEC総会でも、財政的に厳しく減産に消極的な加盟国と合意に達することが難しいと見られており、価格のサポートにはならないとみられています。こうしたエネルギー価格の下落は実は穀物市場に影響を及ぼしています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はマーケット・リスク・アドバイザリー津賀田真紀子さんに
反騰の勢い鈍る大豆マーケットをテーマにお話を伺いました。

過去最高レベルの豊作となることを織り込みながら半年近い下落相場を
続けてきた大豆相場ですが、10月には底入れしたかにみえ、反騰局面を
迎えていました。しかし、先週から再び下落に転じており、
現在は10ドル割れが意識される展開となってきています。

2014-15年度の米国産大豆の生産高は当初からかなりの豊作が
予想されていましたが、先週10日に発表された米農務省の需給報告において
更に上方修正されたことが弱材料となっているためだと津賀田さん。

それによると米国の2014-15年度の大豆生産量は前年度比+17.9%の
39億5,800万ブッシェルと過去最高の豊作となることが予想されています。
なお、主要産地の収穫作業は11月16日現在、既に94%が終了しており、
ここまで来れば降霜などの影響によって作柄が悪化する可能性も限定的です。

需要面はというと、2014‐15年度の需要は圧搾用、輸出量を合わせて
合計36億1,500ブッシェルと予想されており、前年度比+3.9%と
過去最高となる見込みですが、供給量の方が圧倒的に多いため、
結果としては期末在庫が大量に積み上がることが予想されています。

問題はドル高進行により今後は輸出需要が下方修正され、
さらに需給が緩和する可能性があるということだと津賀田さんは指摘。
大口消費国である中国の輸入需要は旺盛な需要が続いており、
2014-15年度の中国の輸入需要は前年度比+5.2%の7,400万トンと
過去最高を記録することが見込まれていますが、
このままドル高が続くようであれば実需側の買い付け意欲が
低下する可能性も考えられるということです。

では現在の価格水準は適正と言えるのでしょうか。
生産コストの観点から見ると、現在のシカゴ大豆相場はほぼイーブンの状態。
ちなみに、米農務省が6月に発表した生産コストによると、
2014年の1エーカー当たりの生産コストは477.66ドルでした。
2014-15年度の予想単収は47.5ブッシェルなので、
1ブッシェルあたりの生産コストは10.06ドルということになります。
ほぼ現在の価格水準ですね。

原油価格が下落すると原油由来の化学肥料や機械燃料などの
生産コストが低下することが予想されるため、
来年度は更に損益分岐点が下がることが予想されます。
津賀田さんはコスト面から見ても、年明け以降も上値の重い値動きが
続くのではないかと解説くださいました。

今後は南米産の生産が注目されますが、現在ブラジルの作付けが
乾燥の影響で一部遅れが見られていることが、
相場の下支え要因として意識される可能性はあるとのこと。
しかし、作付けのリミットまでまだ時間的に余裕がある上、
現時点では世界全体の需給が大幅な供給過剰であることに変りはないことから
中長期的には需給緩和を反映した値動きが続くことが予想されそう。

詳しくはオンデマンド放送で津賀田さんの解説をお聞きくださいね。

アジアにおける金取引「TOCOM金限日取引」も [大橋ひろこコラム]
2014.11/14 大橋ひろこ 記事URL

アジアにおけるゴールド市場が、新たな時代を迎えようとしています。現在、世界のゴールドの取引所取引は70%ものシェアを占めるComexがNO1です。Comexは現在CME傘下となっていますが、CMEグループが運営する24時間稼働の電子取引プラットフォーム「グローベックス」にて24時間のゴールド取引が可能となっているためです。グローベックスは世界中の取引所をつなぎ、CMEで取引されている主要な通貨、エクイティ、金利、商品に関するあらゆる金融商品の24時間取引を実現しているため、S&P500指数先物などといった主要株指数の場が引けてからの取引は、翌日の米国市場へも大きな影響を及ぼしています。ゴールドマーケットにおけるcomex取引も同様、世界の他の取引所の指標となっているのです。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はスタンダードバンク東京支店長池水雄一さんに
アジアにおける新時代のゴールド取引についてお話を伺いました。


2位はSHFE(Shanghai Futures Exchange:上海期貨交易所)ですが、
SGE(Shanghai Gold Exchange:上海黄金交易所)の二つの取引を
あわせると中国の取引所のシェアは23%になり、
米国に次ぐゴールド取引所取引の国となりますが、
SGEは2014年9月、上海自由貿易特区(フリーゾーン)での
外国企業が参加できるゴールド取引所をスタートさせました。

そもそもSGE:上海黄金交易所は国内投資家のみが参加できる
ドメスティック(国内向け)市場だったのですが、
特区を以て広く海外勢にも市場を開放した、ということですね。

中国のゴールドマーケットということで、メタル関係者の注目度は大きく、
今後もアジア、ひいては世界での価格形成により大きな影響力を
与えていくのではないか、と思われます。

またシンガポールでもSGX(Singapore Exchange)にて
10月からキロバーの取引をが開始されました。

これに先立ち、シンガポール政府はシンガポールを貴金属市場の中心とすべく、
投資品質の金と銀とプラチナの商品サービス税を2012年10月に撤廃しています。
これにより、シンガポールの金取引は、2013年に前年比94%増加していますが、
池水さんによると、シンガポールは東南アジアの玄関口であり、
インドにも近いという利点もあり、シンガポールが国を挙げて、
ゴールド取引のハブたらんとしていることが強みだそうです。

CMEが世界のゴールドの指標として果たしている役割を
アジア時間では自分たちが取りたいという中国やシンガポールの
試みに、日本のTOCOM市場はどのように対抗していくのでしょう。

TOCOM市場は2006~7年まで、ロコロンドンとともに、アジア市場では
指標となってきたという経緯があります。そこで、TOCOMも動き出しました。
2015年5月から「金限日取引」をスタートさせることが決まっています。

限日取引というのは、毎取引日を取引最終日とする取引のこと。
つまり、日々ロールオーバーされる取引ですので、
決済期限がありません。簡単に言うと、FX取引と同じです。

納会、限落ち、という先物取引特有の仕組みとは違った
「CFD取引」が「円建ての金市場」においても実現するのです。

池水さんにその可能性と魅力を伺うと、費用対効果、
そう、レバレッジに注目とお話くださいました。
現在FX市場では規制によりレバレッジは最大25倍と
なっていますが、金限日取引では50倍程度になりそう。

現在円建ての金価格は、ドル高の影響で国際価格が下落を続けていても
大きく下がることがありません。円安効果で下値が固く、
むしろ上昇基調が続いています。

長期で円建て金を保有したい、という向きには、これまで
現物を保有する、ETFを買うというった手段はありましたが、
売買の利便性は高くないことから、急変時には対応が難しかった
のですが、CFD取引ならば円建てでの24時間取引が可能です。

TOCOMが「金限日取引」でアジアの指標に返り咲く日も
近いのではないか、、、期待は膨らみますね。

そして先述した
中国によるSGEでのゴールド取引の新コントラクトは
取引開始初日こそ、商いはあったものの、国内が50とすれば海外向けの
新市場は1程度のボリュームだったと池水さん。
まだスタートしたばかりですが、まだまだ盛り上がってはいないようです。

また、SGXは現在のところ市場参加者が
マーケットメーカーが4社程度で、活発な取引が見られないとのこと。
一般投資家がどんどん流入してくるようになるまでは
まだまだ時間がかかりそうです。

というわけで、来年5月にもスタートする計画である
「金限日取引」金の円建てCFD取引に期待したいですね。

詳しくはオンデマンド放送で池水さんの解説をお聞きくださいね。

スイス国民投票で大量の金買いの可能性浮上?! [大橋ひろこコラム]
2014.11/07 大橋ひろこ 記事URL
10月には米株が急落し、金価格が上昇する局面もありましたが短命に終わり、金価格はこれまで重要なサポートラインとされてきた1180ドルの節目を割り込んでしまいました。テクニカルは著しく悪化し、下値が深くなりそうな局面となっていますが、ここからの金相場どのように見たらいいでしょう。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は金融貴金属アナリスト亀井幸一郎さんにお話を伺いました。

◆取り巻く材料は弱気ばかり◆

①金融要因

10月、米国はQE3(量的緩和政策)を終了させ、マーケットは
利上げの時期を模索し始めました。他方、欧州はこれから追加の
量的緩和策に踏み切るとみられ、日本は日銀によるバズーカ2で
更なる量的緩和に踏み切っている、、、というように、主要国の
金融政策面からは「ドル高」展望が強く、このドル高が金だけでなく、
プラチナや原油などコモディティ価格の下落を誘発しています。
今後もドル高は継続するとみられ、金には下落要因となり続けるものと
思われます。

②実需

インドは文化的に需要期には金買いが旺盛となりますが、
今年動きが鈍いのが中国。昨年2013年に1000トンを超える大量の
金を輸入したことで、これが在庫になっていると見られますが、
価格が安くなると買い出動するとされる中国が、
ここまで下げてきても大きく買ってこないということが気がかり。
援軍来たらずで、下値がサポートされることなく、
重要な節目も割り込んでしまったようです。

③金ETF大量解約

9月FOMC直後のドル高の中で金価格は節目の1200ドル大台割れ。
この時点では、金のETFからの大きな資金流出は見られなかったの
ですが、10月30日に再度1200ドル大台を割り込んだ際には
大量に金のETF市場からの解約、資金流出が見られました。
ファンド勢が金市場から他の市場へ資金シフトしたとみられます。

④テクニカル悪化

トリプル底となるかと見られた1180ドルのサポート割れで
テクニカル分析によってトレードする欧米勢は
売りを加速させた可能性が高いものの、亀井さんはインドなどの
実需筋はテクニカルなどは一切関係なく金買いを行うため、
テクニカルがどこまで有効か、という点について言及されています。
たしかに、ここにきて出てきた「スイスの国民投票」という
大きな材料がテクニカルとは関係のない金買いのインパクトと
なる可能性が出てきています。今日のお話はここからがメイン。

◆スイス国民投票で大量の金買いの可能性浮上?!

スイス中央銀行の金準備売却禁止の是非を問う国民投票が
11月30日に行われます。

今回の国民投票では

スイス中央銀行は、国外に保管している全ての金準備をスイスへ持ち帰る
スイス中央銀行の全資産の20%を金準備とする
スイス中央銀行の金準備の売却を行わない

ことが問われ、これが可決すればスイスは金準備を20%まで
引き上げなければなりません。

スイス中央銀行の金準備の全資産に占める割合は
2010年4月以来20%を割り込み、亀井さんによると現在は
7.5%まで程度にまで低下しているそう。
20%まで引き上げるためには、スイス中央銀行は
およそ1500トンの金を購入しなければならないこととなるのです。

そもそもこの国民投票、今年7月に保守・右派のスイス国民党が
7月に署名を集めて定数に達したことで11月に実施されることは
随分前からわかっていたことでしたが、多くの人々は
これが可決するわけがないと楽観視していたのですが、
10月末の世論調査で、なんと賛成が44%にも達することがわかり、
にわかに現実味が増している、ということのようです。

こうした流れを受けてスイス中央銀行のジョーダンSNB総裁が、
「金準備の売却が禁止になれば、スイスフランの上限維持は困難になる」
と発言しています。

スイスは、昨今の欧州危機でユーロ圏からの資金流入が続き、
ユーロ売り、スイス買いが加速。
ユーロスイス相場がどんどん下落(スイス高が加速)したことで
1.2000を防衛することを宣言。この水準で膨大なスイス売り介入を行い
この水準を割らせないという政策を取っています。

しかし、外貨準備における金の割合を20%にまで引き上げなければ
ならないということは、外貨準備における通貨の割合を
落とさなければならず、銀の責務遂行が難しくなるとして
懸念を示しているということですね。

亀井さんは、イギリスのスコットランド独立を問う住民投票の時に
よく似ていると指摘、あの時も投票日が近づくにつれ、
独立賛成派と反対派の票が拮抗しているという民間調査が出たことで
通貨市場ではポンドが大きく売り込まれ、結局、独立ならずの結果と
なったことで、ポンドが買い戻され急騰するということがありました。

今回は通貨、スイスだけでなく、金市場にとっても大きな材料と
なってくる可能性があるということですね。

そもそも、何故スイスフランがリスク回避時の避難通貨として
人気があるのかご存知ですか?スイスは1990年代には
バランスシート資産の25%は金で保有していたのです。
発行通貨の25%は金に裏付けされているということでの
安心感からスイスフランは有事に買われる通貨として
選ばれてきたのです。

それが、何故気がついたら7.5%にまで金が売却されてしまったのか?
その背景にも実は「国民投票」が実施された歴史がありました。

1990年代末に全米ユダヤ人協会からのプレッシャーで
2000年から5年もの歳月をかけて金を売却し続けたという経緯について、
番組では亀井さんに解説いただいていますので、
是非オンデマンドをお聞きくださいね。

急落する原油価格、OPECと米国の生産量は? [大橋ひろこコラム]
2014.10/31 大橋ひろこ 記事URL
10月31日日銀の金融政策決定会合で、追加の量的緩和策が発表されてたサプライズで日経平均は755円56銭高の16413円76銭。2007年11月2日以来7年ぶりの高値まで上昇しました。為替市場でも、今週開催されたFOMCでの声明文が思ったよりタカ派的であったことと、日銀の緩和策発表で1ドル112円台にまで上昇しました。一方、ドル高となったことで、国際商品価格は下落基調を強める結果に。原油価格も下落が続いています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はオイルエコノミスト藤沢治さんに
原油価格急落の背景についてお話を伺っています。

◇9月―10月の原油価格動向

 6月からスタートした原油価格の下落。
9月は、IEA(国際エネルギー機関)や
米国のエネルギー情報局の世界需要予測の下方修正でさらに下落が加速しました。

WTIの月間平均価格は$93.03/バレル、ブレントは$98.57/バレルと
前月より3ドル、4.8ドル下落。

10月、IEAは4ヶ月続けて今年の石油需要を下方修正。
米国内の原油在庫増、シェールオイルの生産増、
リビアの生産回復等で需給緩和となる一方、
IMFは世界の経済成長予測を下方修正。
米国経済は好調の指標が続き、金融緩和策の中止からドル高となっており、
これが原油安を増幅させています。
欧州経済の不振は継続。世界の需要は弱いままです。
イスラム国もイラク南部には侵攻できず、原油生産には影響が無いことなどから
WTIの10月の月間平均は、約$85/バレル、
ブレントの月間平均価格は、約$88/バレル程度と
9月平均よりWTIで$8,ブレントで$10の下落となりました。

 因みに、今年のWTIの最高値は、
6月20日の$107.26, ブレントは6月19日の$115.06であったので、
10月29日の価格と比べると、この4ヶ月間に、WTIで
約$22, ブレントで約$29の下落で、それぞれ20%、25%の落ち込みとなっています。

◇OPECの動向

 こうした中、産油国があまり大きな声を上げていないのが不思議ですね。
11月27日にOPEC総会が開催される予定で、関係者はOPECが現在の生産枠である
日量3,000万バレルの減産をきめるか否かに注目していますが、
最大の産油量を誇るサウジは$85/バレルでも財政的に問題なしとしていますし、
普段は、減産を主張し値上げを狙うイラン、ベネズエラも今回は、
価格が下がっても問題ないとしているのです。

藤沢さんは、産油国各国が財政的に問題がないという点には懐疑的で、
総会前に各産油国首脳の発言や話し合いがニュースとなるであろうと指摘されます。
しかしながら、生産枠をたとえ下げたとしても、
個別の国々の生産量の割り当ては出来ないので、
恐らく日量3,000万バレルの生産枠は変えないであろう、と予想。
つまり、実質減産とはならないわけで一層の価格下落要因となるやもしれません。


 ◇需給要因

 米国のシェールオイルの増産は、予想以上のレベルで続いています。
 OPECが減産できないとなれば、米国が減産に舵を切るということは
 ないのでしょうか。そもそも、原油価格が何処までさがれば
 生産にブレーキがかかるのか、、、!?


 シェール生産コストは各生産地によって異なるとしながら、
 藤沢さんはバレル当たり50-60ドルと言われていると
 お話くださいました。現在80ドル前後ということで、
 まだまだ生産調整を行う必要に迫られるラインからは
 余裕があるようです。

 需要面ではこれから冬季に向かうので石油需要
(特に暖房油の需要)は上昇するのですが、米国では暖冬予想。
天気予報からは大きな需要が見込めないようですね。

◇地政学的要因

イスラム国の脅威は続くも、米国はイランと和解して
イスラム国掃討作戦に出る可能性もあるのだそうです。

掃討には地上戦が不可欠ですが、しかしながらオバマ政権は
地上戦には躊躇している模様。トルコやサウジなどの
イランを除く中東諸国も消極的です。問題は長期化の様相。
イラン軍が地上戦に動けばイスラム国の掃討には効果がありますが、
イランの制裁は緩和されるのは必至という状況にあります。

◇経済金融要因

米国の量的金融緩和策の中止は、利上げ観測に伴い
ドル高傾向となるため、原油価格押し下げ要因は継続します。
新興国から米国の資金が米国へ回帰すれば、
新興国は不況に陥るであろうということで、商品相場も、や
上値が重い展開が続きそうです。

しかしながら潜在的な金余り現象は続くと思われ、
現在の価格は、売られすぎの感があり、
需給を中心としながらも反発する可能性はあると藤沢さん。

◇2014年第4四半期から来年半ばまでの予想価格


「中東での紛争が激化で産油国に影響を与えることは無い」
ことを前提とした予想を伺いました。
現時点の80ドル、ブレントの85ドルはやや過剰反応気味。
第4四半期は、平均で今よりやや持ち直し、
 WTIで$85, ブレントで$90,

 2015年の1-3月は、冬場なのでやや持ち直し、
 WTIで$90, ブレントで$95程度。

2015年4-6月は、需要の端境期、一転して落ち込み、
WTIで$85, ブレントは$90程度で推移。
詳しくはオンデマンド放送で藤沢さんの解説をお聞きくださいね。

大豆・コーン5か月の下落トレンドに終止符?! [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014.10/24 大橋ひろこ 記事URL
10月は株式市場は急落、急騰と派手な値動きとなっていますが、穀物市場ではシカゴコーン、シカゴ大豆ともに10月に入ってから反発し上昇してきています。

エルニーニョ発生が夏場の天候相場のリスク要因になるという予想から春先に買われた穀物相場。シカゴ大豆は4月20日の1532セントから5か月もの下落を続けてきましたが、9月26日に約4年半ぶりの安値909・75セントを付けてから990セントまで回復しています。シカゴトウモロコシは5月9日に522セントの高値を付けてからの下落トレンドを10月1日の320.75セントを底に反発してきています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はコンチネンタルライス茅野信行さんにお話しを伺いました。

5か月もの下落相場を終え、
10月10日のUSDA需給報告を以て、ほぼ実測値での
今年の大豆、トウモロコシの収穫量が確定したことで、
大豊作とはいえ、悪材料が全て織り込まれたのではないか、
というような値動き。底入れの期待も高まっています。

しかし、茅野さんはこの上昇には懐疑的です。
チャート的には底入れ感がなく、2番底形成のリスクがあるといいます。

では現在の穀物の反発の背景は何なのでしょうか。

シカゴの生産地は現在収穫期となって居ますが、
例年と比較して10日ほどの収穫の遅れが発生しています。

収穫されたばかりのトウモロコシの水分量は19%程度だということですが、
農家はこれを15%程度まで乾燥させないと出荷できません。

現在はドライヤーといって、穀物を乾燥させる機械もあるのですが、
足元では原油価格が下落傾向とはいえ、長期的には上昇基調にある
エネルギー価格の高騰で、農家も乾燥に要するコストをなるべく
節約したいという思いがあり、できるだけ自然に任せた
天日干しで乾燥させたいということが背景にあるようですが、
茅野さんは、こうした口実も事実ではあるものの、
現実には5か月下がり続けてきた相場、この安値では
売りたくないという農家の本音も見え隠れすると指摘されます。

つまりはあまりの安値に沈んでしまったために
売り控えているということですが
通常農家は収穫したものを市場に放出し収入を得るわけで、
この時期が年間で最も重要なかきいれ時。
少しでも価格の回復があれば、売り控えていた農家の売りに
さらされるリスクは否定できません。

ちなみに、今年トウモロコシの生産コストは350セント程度だそうです。
大豆は720セント近辺。ということで、トウモロコシはほぼコスト近辺。
大豆は現在の水準でも十分利益にはなって居るのですね。

茅野さんの展望は、2月頃に2番底を付けるリスクに留意しながら
それまでは短期トレードで細かく利食う戦略がいいとのこと。
本格的な買い相場は2番底が形成された後、、、ということで
何故来年2月頃が再びボトムを付ける可能性があるのか伺うと、
このころになると、南米産の穀物の収穫量が固まる時期で、
3月には南米産穀物が市場に出てくるためだそう。

現在土壌水分も申し分なく、南米産穀物も豊作となる可能性が
大きく、これが囃されることに米国産穀物市場の上値も重くなり、
チャートの波動的にもW底を試す相場となるのでは...?

まだまだ波乱がありそうです。
詳しくはオンデマンド放送で茅野さんの解説をお聞きくださいね。

産油国の国家財政を均衡させる原油価格とは [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014.10/17 大橋ひろこ 記事URL
10月に入ってマーケットが神経質な値動きとなっています。過去最高値を更新し続けてきた米株の調整、債券市場に資金が流入、先進国金利が急低下となりドル円市場でも急激なドル高の修正が入っています。

皆さんご機嫌いがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田至知さんに下落が続く原油市場についてお話を伺いました。

2014年夏場までは欧州を中心に景気減速懸念が生じていたものの、米国経済が堅調であったために世界経済全体は緩やかな回復基調という見方が主流でした。しかし、ここにきて、欧州を中心とした
景気の下振れが明らかになる中で、欧州や中国の景気が減速すれば、これまで堅調であった米国経済にもマイナスの影響が大きいという懸念が強まってきているようです。

欧州景気の減速の背景には、ウクライナ情勢が緊迫化し、
ロシアやウクライナを取引相手とする欧州企業の心理を
冷え込ませていったといった要因も影響しているようですが、
この問題が長期化する様相を呈しており、
ユーロ圏では、4~6月期のGDPがマイナスになった後も、
7~9月期の経済指標も総じてさえない状況にあります。
特に8月のドイツの鉱工業生産は前月比4.0%の減少は
ショッキングな落ち込みでした。これがきっかけでリスク回避が
巻き起こったとみる向きもあります。

また、中国の8月の鉱工業生産も前年比+6.9%と2008年12月以来の
低い伸びにとどまっており、10月21日に発表される9月分は、
7%台半ばにやや持ち直したとの見方が多いようです。

こうした中、原油価格が下げ止まりません。
国際指標とされる北海ブレント原油は、4年ぶり安値となる
82ドル台に下落している。
6月19日に付けた高値115.71ドルに比べると、
3割近い下落になっています。
WTI原油価格も一時80ドルの大台を割り込みました。

背景には原油需給の緩和があると芥田さん。
需要面では、自動車の燃費向上など省エネルギーの効果から、
石油需要が抑制されるようになっている中で、
世界景気の減速が加わって原油需要の下振れ懸念が強まっています。

供給面では、シェールオイルの増産傾向が続いている中で、
武装勢力と政府の紛争の影響などから低迷していた
リビアの油田からの原油生産が回復してきているほか、
スラム国との戦闘が続くイラクからの原油輸出も順調です。

このような状況の中、産油国は価格支援に動かないのでしょうか。
石油輸出国で構成されるOPECの動向に注目が集まっています。
次回OPECは、11月27日に定例総会を開催する予定です。

従来、OPECの盟主とされるサウジアラビなどを中心に、
ブレント原油で100ドルが適正な原油価格の水準という見方を
示してきていましたが、その水準をかなり下回ってきたため、
原油生産量を削減して、原油価格の下支えを狙う動きが
みられる可能性が指摘されてきました。

10日に、ヴェネズエラが原油価格の下落を阻止するために、
11月の総会を前に、緊急総会の開催を求める発言を行ったものの、
サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国、カタールといった
湾岸諸国は、原油価格下落への対応を急いでいない様子だと芥田さん。

12日に、クウェートの石油相は、
「原油市場が供給過剰に陥っている原因は、ロシアと米国の増産にある」
「原油価格の安定のためにOPECがなすべきことがあれば、
行動することはいとわないが、現在は、OPECの決定によって、
原油価格が下落している訳ではない」とし、
「減産によって価格を押し上げようとする試みは、あまり有効ではない」
と、減産には積極的でない姿勢を見せています。
加えて「米国やロシアの生産コストである76~77ドルあたりで
原油価格は下げ止まるだろう」と述べています。

サウジアラビアも100ドルが適正な価格とする立場から離れて、
それよりも低い原油価格を受け入れる立場へとシフトしつつあるようです。
サウジアラビアからの公式な発言はないのですが、
一部報道によると、サウジアラビアは現時点で減産には
消極的な様子が伝わっているようです。

何故これほど原油価格が下落を続けているのに産油国は
協調減産に踏み切らないのか?!

実はサウジアラビアには、1980年代半ばの逆オイルショックと
呼ばれた価格低迷期に減産を行っても、原油価格下落に
歯止めをかけられなかった苦い経験があります。
当時は、OPECが減産しても、ソ連や北海油田の増産の勢いが勝り、
サウジアラビアの大幅減産は、同国のシェアの低下につながるだけ
といった状況になりました。

今回も、米国のシェールオイルの増産は、
OPECの減産とは無関係に進みそうであり、
無理な減産を行ってシェアの低下と価格下落という
二重苦に陥るよりは、ある程度、市場原理に従った価格下落を
許容して、シェールオイルなど高コストな原油の生産が
自然に減退するのを待った方が利口だという考えが
背後にあるのかもしれないと芥田さんは解説くださいました。

一方、従来、原油価格の下落局面では、真っ先に減産を求める発言を
行ってきたイランが今回は、「原油価格の下落に耐えられる」と、
従来からの姿勢を変更する発言を行っています。
ただし、IMFの試算では、イランの財政収支を均衡させる
原油価格は130.5ドルだとされ、国家財政の面からは、
さらなる原油価格の下落は避けたいところだと思われます。

国家財政を均衡させる原油価格(IMF試算)は、
リビア184.2ドル、
アルジェリア、112.8ドル、
イラク109.4ドル、
サウジアラビア86.1ドル、
アラブ首長国74.3ドル、
カタール71.1ドル、
クウェート52.3ドル。

生産国によってその水準はバラバラですが、
リビアやアルジェリアなどは現在の価格水準だと
かなり厳しいのではないでしょうか。

今後はどうなる?
詳しくはオンデマンド放送で芥田さんの解説をお聞きくださいね。

トウモロコシ底入れは近いか? [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014.10/10 大橋ひろこ 記事URL
10月マーケットは大荒れです。日欧米の株式の下落、ドル高の修正局面を向かえ、コモディティ市場でも原油などの景気循環系銘柄が売られ、WTI原油価格は84ドル割れまで下落となりました。一方、リスク回避の思惑から金は買い戻される展開に。世界景気に対する不安を高める材料が相次いだことが背景のようです。7日発表されたドイツの8月の鉱工業生産は前月比▲4%と大幅悪化、牽引役であるドイツの低迷からユーロ圏経済の先行きに対する懸念が膨らみ、これにより大口の貿易相手国である中国への懸念も強まることとなりました。また、IMFも新興国の成長鈍化などを指摘し、世界経済の見通しを引き下げています。世界の景気後退が懸念されるということは、世界的に需要が低迷するという思惑にも繋がりますが、今後のコモディティ市場へはどのように影響してくるでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はマーケット・リスク・アドバイザリー津賀田真紀子さんに
トウモロコシ市場を取り巻く環境と今後についてお話を伺いました。

米国では10月で量的金融緩和に伴う証券購入が終わり、
来年の利上げが視野に入ってきています。
先進国で異例の低金利が長引き、緩和マネーが世界中の
様々な資産に流れ込んで来ましたが、実際に米国で
利上げが始まると、その構図が逆転する可能性が考えられます。
実際、カネ余りの恩恵を受けてきたコモディティ市場は世界景気の減速もあり
一足先に下げる動きとなっています。

津賀田さんは
「そもそものファンダメンタルズが弱い銘柄は特に売り込まれ易い状況」として、
穀物、トウモロコシの下落について解説くださいました。

シカゴトウモロコシ相場は依然として軟調な値動きが続いており、
現在は1ブッシェル340セント近辺と2009年9月以来の安値となっています。
現在はIMFの世界成長率の下方修正を受けてややドルが買い戻されていますが、
基調としてはドル高が続いているため、リスク資産である
トウモロコシにも資金が入り難くなっていることが背景にあります。

需給環境ですが、2014-15年度のトウモロコシ生産量は
前年度比+0.9%の140億3,200万ブッシェルと
過去最高の豊作となることが予想されています。

最大生産国である米国の主要産地では現在、収穫作業が行われていますが、
10月6日に米農務省から発表されたクロッププログレスによると、
順調に収穫が進められていることに加え、作柄も良好な状態です。

過去最高の豊作による供給過多に加えて、需要も冴えません。
家畜向けの飼料需要は前年度比+1.4%となることが予想されていますが、
エタノール向けは同比▲0.9%、輸出向けは▲9.1%となることが
見込まれており、需要の増加による相場反転は期待し難い状況。

特に輸出向けの需要の落ち込みが目立ちますが、
米景気の回復や大豆の大幅増産などの影響によって米国内の
輸送コストが大幅に上昇していることに加え、
ここ最近の急激なドル高の影響により今後輸出向けの需要が
下方修正される可能性も考えられます。

収穫期には農家が収穫した作物を市場で売ることで
価格が下がりやすいとされる、ハーベストプレッシャーが
上値を抑える要因ですが、近年は保管容量が大幅に拡大しており、
主要ターミナルの保管率は収穫直後こそ上昇するものの、低下傾向。
これは2年前の干ばつによる穀物価格高騰が農家に大きな利益をもたらしたことで
農家がサイロ増設などの設備投資を行ったことによるもので、
既に生産コストを下回るほどの安値となっていることを考えると、
しばらくは生産者による売り渋りが発生する可能性もあるかもしれません。

また、米国ではエタノールの使用義務量が法律で定められているため、
中西部ではエタノールの製造に使われるトウモロコシが多く、
収穫直後のトウモロコシが買われ易くなっています。
これらのことを考えると、ハーベストプレッシャーによる売り圧力は
一昔前よりも影響し難くなっているのだそうです。

では、そろそろ、安値拾いの買いが相場を押し上げることもあるでしょうか。

津賀田さんは生産コストの観点から現在のシカゴトウモロコシは
売られ過ぎと解説くださいました。米農務省が6月に発表した生産コストは、
2014年の1エーカー当たりの生産コストは690.59ドル。
2014-15年度の予想単収は171.70ブッシェルなので、
1ブッシェルあたりの生産コストは402.21セントということになります。
現在は340セント辺りで推移していますので、一時的に安値を
買い拾う動きが活発化する可能性が考えられます。

ただし、ファンダメンタルズの弱さを考えると、
中長期的には需給緩和を反映した値動きが続くとして、
仮に上昇に転じたとしても上昇余地は限られるのではないかと津賀田さん。

詳しくはオンデマンド放送で津賀田さんの解説をお聞きくださいね。

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