下落続くトウモロコシ、生産コストからみると・・・ [大橋ひろこコラム]
2014.08/22 大橋ひろこ 記事URL

中東・ウクライナ情勢などの地政学的リスクが後退したとの見方が強まったことに加え、米国の金利引き上げ時期を巡っての思惑からドル高が進行したことで、商品市場は全般軟調な推移となっています。10月にはテーパリングも終了する見込みで、いよいよ米国の金利が動き出すとの見方が強まっており、ここからさらに米国金利の上昇→ドル高→商品安のシナリオに傾いていく可能性も?!

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はマーケット・リスク・アドバイザリー津賀田真紀子さんにお話を伺いました。

穀物、特にトウモロコシ相場は弱い値動きが続いています。
シカゴトウモロコシは最大生産国である米国で豊作見通しが
強まっていることから上値の重い動きが続いています。

8月12日に米農務省から発表された需給報告によると、
2014-15年度の米国トウモロコシの生産高は前月から上方修正され、
前年度比+0.8%の140億3,200万ブッシェルと
過去最高を記録するという見通しに変っています。

今年の夏は5年ぶりにエルニーニョ現象の発生が予想されていましたが、
発生が秋から初冬にずれ込む見込みに変ってしまったため、
の要である受粉期に干ばつなどの被害を受けずに済みました。

現在、主要産地ではクロップツアーと呼ばれる実勢調査が
行われているそうですが、作柄が例年以上に良好で、
今後、単収・生産高とも更に上方修正される可能性も高いと
見られているようです。

価格が下がればそれだけ需要が増えるということはないでしょうか?

津賀田さんによると、2014-15年度の米国全体のトウモロコシ需要は
前年度を下回ることが予想されているのだとか。
飼料向け需要は+1.4%となることが見込まれていますが、
エタノール向けは▲0.9%、
輸出向けは▲10.2%となる見込みです。

トウモロコシ由来のエタノールはガソリンにブレンドして使用されますが、
米国でガソリン自体の需要が伸び悩んでいることから、
エタノール需要の伸びが期待され難い状況になっていることも背景に。
輸出向け需要は最大の輸出先であった日本の需要が減少しているようです。


では現在の価格水準は適正なのでしょうか?

津賀田さんが解説くださったのは「生産コスト」
価格決定要因は様々ありますが、生産コストという観点からみると
現在の価格水準は割安であると伺いましたなようです。

米農務省が6月3日に発表した予想によると
2014-15年度の1エーカー当たりのトウモロコシの生産コストは
690.59ドルとされています。

今回8月12日に発表された需給報告では単収が
167.4ブッシェルと予想されていますから、
690.59ドルを167.4ブッシェルで割る
1ブッシェルあたりの生産コストは412.54セントとなります。
現在のシカゴトウモロコシ相場の359.50セントというの
売られ過ぎとみることもできますね。

ただ、今週から始まった米中西部のクロップツアーの結果では
過去3年を上回る単収になると見込まれている地域がほとんどです。
おそらく9月の需給報告では更に単収が上方修正され、
これによって1ブッシェルあたりの生産コストが
更に引き下げられる可能性があるため、すでに割安であっても、
今の時期に積極的にポジションをしかける非商業筋(ファンド勢)は
少ないのではないか、と津賀田さんは解説くださいました。

今後は、ファンド筋のショートポジションが今年5月以降
急速に積み上がっているということを考えると、一時的に
買い戻しの動きによって相場が反転する可能性が考えらるとはいえ、
足元のファンダメンタルズの弱さを考えると、
上値余地は限定されるのではないかと予想されます。


詳しくはオンデマンド放送で津賀田さんの解説をお聞きくださいね。

穀物底打ちの音聞こえず、ハーベストプレシャーはこれから [大橋ひろこコラム]
2014.08/15 大橋ひろこ 記事URL

エルニーニョ発生が夏場の天候相場のリスク要因になるという予想から春先に買われた穀物相場。

今年1月には1260セント台だったシカゴ大豆は4月20に1532セントまで上昇。

同じく1月406セントの安値をつけたシカゴトウモロコシは5月9日に522セントまで綺麗なトレンドを描いていました。

ところが、米国穀倉地帯の天気は良好で、エルニーニョ発生も秋にずれ込むとの観測で、天候相場に波乱はなく、春先ン天井をつけた大豆、トウモロコシ価格は一転下落基調を辿っています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はコンチネンタルライス茅野信行さんにお話しを伺いました。

先週8月12日にアメリカ農務省USDAから発表された
大豆、トウモロコシの需給発表では予想されていた程に
イールド見通しが引き上げられなかったことで、
売り材料に出尽くし感が浮上し始めているようです。

マーケットでは、前月の165.3Bu/エーカーから170Bu前後までの
上方修正が予測されていたのですが、167.4Buに留まっています。
春先から3か月あまりに渡って豊作見通しを織り込んできた
トウモロコシ市場にとっては意外感のある内容ではなかったとみられ、
大きな下落に繋がっていません。

一方大豆のイールド見通しは前月の45.2Buから45.4Buまで
小幅に上方修正されましたが、トウモロコシとは違って
需要見通しの引き上げが実施されなかったこともあり、
大豆相場は下落しています。

天候相場に波乱が生じなかったことから、
今年生産されるの大豆、トウモロコシが豊作となることは
確実となりましたが、この3~4ヶ月に間にかなりこの事実が
相場に織り込まれてきたことで、今後の需給相場にむけてそろそろ
底入れ反転となるのではないか、という
買い場探しの声も出始めているようです。


茅野さんは「まだ買うには時期尚早、これから
ハーベストプレッシャー相場が来る可能性も否定できない」
と値頃買いに警鐘の厳しいお言葉。

3~4か月下落が続いているようにみえますが、
大豆については中国の輸入堅調が続いているため、
ディマンドレーショニング(価格高騰による需要後退)が
起こっていません。茅野さんから見ると
割高な価格水準が続いているようです。

8月のUSDA需給報告はトウモロコシの軸部分や
大豆のポッド(鞘)部分の数を数えて計測されたもので、
まだ予測値に過ぎません。

実際の大豆、トウモロコシを収穫し、重量を測って実測値に
近い形で計算されるのが10月に発表される報告で
この2か月の間に、さらに作柄作況が改善されることも否定できず、
まだ今回発表されたUSDA需給報告をもって、
確定したわけではないのです。

さらに実際収穫が終わって生産高が確定するのは
1月半ばとなることから、まだこの時点での豊作織り込みが
底値とみるには気が早いかもしれません。

お盆明け、20日頃から南部のルイジアナ州での大豆の収穫が始まり、
主要生産地の収穫は9月の彼岸の頃、この時期は
ハーベストプレッシャーといって、収穫期の農家の売り圧力が
高まる時期として警戒されています。

随分安値に沈んだので、需給相場を前に底入れするのではないか、
という思惑も出てくるかと思いますが、
農家の心理は、新穀が収穫できれ
「価格が下がる前に売り抜けたい」というもので、
大豊作が解っているからこそ、一刻も早く収穫し市場で売り抜けたいと
いうもの。明日さらに下がるなら今日の内に売っておこうということです。

逆に買い方の心理は、
高くなる前に早め早めで買っておこう、というものですね。
今買いたい気分になっているのは、農家ではなく、投機家です。
今から収穫期に入る穀物相場は農家の収穫期には
農家の方の生産者側の心理による売りにさらされる時期に
はいるということであり、これを軽く見ないことだ、
と茅野さんは指摘されています。

また、大豆がまだ値を下げる余地がある、とする根拠のひとつとして
トウモロコシとの比価が依然として高いことも上げられます。、
また生産コスト面では相対的に余裕があることで
大豆が割高なんですって。

CME9月物の大豆価格は10.94ドル 同じくトウモロコシは3.61ドル
この比価はなんと3・03ドル!!

比価というのは、どちらを植えたほうが利益になるか、
という観点から、農家の方が種まき時期に、
どちらが高いか、利益になるかを測るために大豆とトウモロコシ価格を
比較する際に採用している指標ではあるものの、
生産高が確定しない今時期でも、
その価格差が3倍を超えているというのは
やはり割高感があるというもの。

通常は2・5倍前後、3倍を超えると
農家は大豆の種子を購入し大豆を作付けするといい、
2倍に近づくとトウモロコシを作付する意欲が高まるとされています。

また、茅野さんは最終的なトレンドを決めるのは需給バランスだとして、。
南米の期末在庫(14/15年度)は
32パーセントあることも指摘されています。

南米産も豊作だったところへ米国が史上最大の
作付面積、好天、高単収が重なっているわけです。
相場は値下がりすると考えるのが自然です。

大豆相場はいずれ10.00ドルを割り込み、
9.50ドルくらいまで値下がりすることが考えられるとして、
値頃で買い参入は危険だとお話しくださいました。

私は大豆の作柄が決まる9月10日が目途で、後1ヶ月くらいは
売り圧力が強いままではないか、とのことです。

詳しくはオンデマンド放送で茅野さんの解説をお聞きくださいね。

地政学リスクの高まりにも下落続く原油 [大橋ひろこコラム]
2014.08/08 大橋ひろこ 記事URL
8月に入ってさしたる理由もなく、米国株価が大きく下げるなど不安定となってきています。米4-6月期のGDPが好結果であったことから早期利上げの思惑が広がったためという見方もできますが、結果的に米10年債利回りが上昇してはいないため、金利上昇が原因とも言い切れません。ウクライナ問題を巡る対ロシア制裁に対し、ロシアも報復措置をとるという東西冷戦を思わせる緊張も欧州経済への影響が懸念されており欧州から崩れだしているという見方や、ウクライナにロシア軍が侵攻する準備が整っていると報じられたこと、オバマ大統領がイラク空爆を承認したというなどの報道でリスク回避が強まるなどの材料も嫌気されているようです。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員の
芥田知至さんにお話を伺いました。

ウクライナ、イラクなどの地政学要因で株式市場が崩れだしている
とするならば、コモディティ市場においては金や原油市場などに
大きな動きがでるというのが教科書的なシナリオですが・・・。

確かに金価格は、10月にアメリカの量的緩和政策が終了すると
見られることから金利上昇のリスクを嫌気して頭が重い値動きが
続いていましたが、イラク空爆承認のニュースでは大きく上昇しました。

ところが、WTI原油価格は1-2ドル買われたものの、
6/20の107.73ドルを高値に下落トレンド形成中で
現在は100ドルを割り込んでいます。

地政学リスクが債券や株式、為替マーケットに波及する中、
原油価格がジワリ下落基調を強めていることは少し不気味ですね。

一体どういうことなのでしょう?

原油価格下落の背景に、米国のガソリン需要が伸び悩んでいる
ことが一つの要因としてあげられると芥田さん。

過去のデータをみると米国のガソリン需要は、
雇用の増加ペースと連動して推移する傾向がみられたのだそうです。
雇用が増加する状況下では自動車で通勤する人が増え、
ショッピングや旅行に自動車で出かける人も増えるためです。
しかしリーマンショック後の雇用回復期にはガソリン需要は
増加せず低迷が続いているのです。

この背景として芥田さんは、2000年代に入って生じた
エネルギー価格の高騰を受けて自動車の燃費効率が向上したことや、
1台あたりの自動車の走行距離が抑制される傾向が
強まったことをお話くださいました。

今年の春頃、米国では需給のひっ迫懸念がしていました。
米国のガソリン需要期は5月終盤のメモリアル・デーから本格化し、
7月初めの独立記念日頃にピークを迎え、
9月初めのレーバー・デーまで続くとされています。
これに先立ってガソリン需要が増加しガソリン在庫の水準が
低くなっていたため、懸念が強まっていたのですが...。


結果、ガソリン需要の伸びは長続きせず、
6~7月のガソリン需要は、ほぼ前年並みにとどまりました。
つまり、米国経済が6カ月連続で20万人超の雇用増加数を
記録するような状況でも、石油需要はそれほど伸びないことが
明らかになってきているのです。

一方で、ウクライナや中東で地政学的な緊張が高まっても、
今のところ、直接的な原油供給の障害にはつながりそうにない
ことも明らかになっており、原油高の材料と目される要因も、
実際には、それほど原油需給を引き締めはしないことで
原油価格が下がりやすくなっているのが現状。
原油が値下がりしても、景気の停滞を示している訳ではない、
ということが起こっているようです。

他方、米国のガソリン需要が弱くても米国や中国を中心に
自動車販売は好調で、各国の景気が堅調なことを示しています。
このため、ガソリンや原油以外の自動車と関連が深い
コモディティの市況は、自動車を作るときに必要になる
パラジウム、亜鉛、アルミなどの市況は、堅調に推移していますね。

供給面では米国のシェール革命。供給増にも需要が伸びずで、
価格は上がりにくい構造となってきたようです。

ではここからの原油価格見通しは?
詳しくはオンデマンド放送で、芥田さんの解説をお聞きくださいね。

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9月23日(秋分の日)
東京・御茶ノ水のソラシティホールにて
コモディティ投資の魅力を伝えるスペシャルイベント
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コモディティ投資をじっくり学べる一日です。

「コモフェス2014」の講師は、
スタンダードバンク東京支店長、池水 雄一さん。
資源食糧問題研究所代表、柴田明夫さん、
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トークセッション、総合司会は私、大橋ひろこが務めさせていただきます。

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Metals Focus-Nikos Kavalis氏の金展望 [大橋ひろこコラム]
2014.08/01 大橋ひろこ 記事URL
昨年、海外からの特別ゲストとしてPaul Walker氏をお連れ頂き、金価格の展望をいただいた際にはブッキングしてくださった池水雄一さんに通訳までお願いし、エキサイティングな生放送となりましたが、今回のマーケット・トレンドでも海外からの特別ゲストとしてMetals FocusのNikos Kavalis氏をお連れいただき、通訳をお願いしちゃいました!池水さん、今回もありがとうございます。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回の番組ゲストはスタンダードバンク東京支店長池水雄一さんでしたが、
この日は市場調査で日本を訪れていたMetals FocusのNikos Kavalis氏を
池水さんが番組に招聘くださいました。


Metals Focus は金の需給を調査していますが、Nikos氏は元GFMSということで、
昨年番組にご出演下さったPaul氏と一緒に働いていたのだそうです。

ということで、最初にお伺いしたのは「2014年は米金利が上昇するため
金は1000ドルを割れる」というPaul氏の見通しについて伺いました。

昨年の下落局面では売り方はかなりこなされており、
マーケットの需給はかなり改善されていたことや、
スクラップの売りも価格低迷であまり市場に出てこなくなったことなどで、
下値は1200ドル割れのところで限定されました。

今週は米国の4-6月期のGDP速報値が+4%と予想を
大きく上回る好結果となったことで、金利が上昇し米株が急落に見舞われましたが、
今年後半も金利の急激な上昇は考えにくく、
金利が上がるのは2015年になってから、
しかも緩やかなものとなるとして、
1000ドル割れという見通しはやや行き過ぎだったとお話くださいました。

金融要因からの金の下落圧力は大きなものではないとしても、
需給からみた今後はどうでしょう?
昨年世界一の金の消費国となった中国の動向についても伺いました。

Nikos氏は上海から戻ってきたばかりということでタイムリ―な話題だったようです。
去年と比べると中国の今年の需要は劇的に減少しているそうです。
Nikos氏は2013年はボーナスのような年で、中国の買いは尋常ではなかったのですが、
2012年と比較すると2014年の金の買いは堅調なのだそうです。
要するに普通に戻っただけ、と見ることもできるとか。

シャドーバンキング問題についてのリスクについては、
(金などのコモディティを担保に投機的取引をしている)
実際に起こっていることではあるものの、
担保として抑えられている金はヘッジされているものであり、
また全体のほんの1部であり大きな影響を及ぼすものではないと解説くださいました。

そして2014年後半の展望について。

現在は価格修正期。まだまだ上昇できる地合いではなく、
下値を追う展開となる局面もあろうということでしたが、
下値は限られておりレンジ相場となりそうです。

ずばり下半期の予想は1200-1350ドル幅。
アヴェレージ1300ドルとお話くださいましたが、
Nikos氏の解説とステキなお声は是非オンデマンド放送で直接放送を聴いてくださいね。

米国が原油輸出解禁ってホント?! [大橋ひろこコラム]
2014.07/25 大橋ひろこ 記事URL

6月14日 アメリカBIS(商務省産業安全保障局)がコンデンセートの輸出を認可しました。

コンセンデートって??私も初めて聞く言葉です。

この認可を受け、「米国が40年ぶりに原油輸出解禁に動いた」と報道するメディアもありましたが、こうしたヘッドラインは誤解を生みます。正確には「米国が原油輸出の一部解禁、精製品の解釈拡大」でしょうか。

ご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今回は米国の原油輸出解禁を巡る動きについて
株式会社セキツウ常務取締役の山内弘史さんにお話を伺いました。



1.どんどん増加する米国の原油生産量
ご存知の通り、米国のシェールオイル(ガス)革命で米国の原油生産量は年々増加しています。

2005年 518万b/d
2013年は745万b/d
2014年1~7月半ばは830万b/d
7月第2週には859万b/d


2.石油生産量も増大
原油だけではありません。
原油や天然ガスに随伴して出てくるNGL(天然ガス液)も大増産となっています。

2005年 690万b/d
2013年1,029万b/d
2014年1~7月半ばは1,102万b/d
7月第2週は1,151万b/d

このNGLと原油の生産を足したものが「石油生産量」
原油+NGL=石油ということですね。
そしてこの石油生産量はサウジアラビアほぼ同量となる勢いです。
2020年には1,300万b/dにも上ると試算されています。


3.過剰な石油生産をどう処理するのか

米国は1975年制定の「エネルギー政策・保存法」により、
国産原油は戦略物資であるとして輸出が禁じられています。
ただし、海外から輸入したものを輸出することや、原油を製品に精製して輸出することは可能。
ということで大増産となりだぶついてしまっている石油を製品にして輸出しています。

実際,米国の石油製品(ガソリン、灯油、ディーゼルなど)輸出は急増しています。

石油製品輸出量
2005年100万b/d
2013年は256万b/d
直近では420万b/

4・製油所とシェールのミスマッチ問題
石油製品にして外国に輸出してはいるものの、それではとても追いつかない事情が。
米国で生産されているシェールと米国の製油所の能力がミスマッチであるというのです。
増産が続く原油はそのほとんどが軽質原油。
米国の製油所は重質原油に対応したもので軽質原油の処理には適していないのです。
これはこれまで米国が輸入してきた原油が「カナダ」や「ベネズエラ」「メキシコ」
といった国のもので、これらは全て「重質原油」だったため、
米国の精油所は重質原油処理に適合しているのです。

5.次第に高まる原油輸出解禁論
こうした問題をうけて2014年1月には上院のエネルギー公聴会で
原油輸出解禁論が検討されました。エネルギー省のモニーツ長官も
「我々が今生産している原油は現在の我が国の製油所にはミスマッチだ」と証言しています。

6.原油輸出反対論
しかし、東海岸の製油所を中心に反対論も。
東海岸の製油所はもともと北海原油やアフリカ原油など軽質原油を処理してきたため、
バッケンのシェールオイルなどを鉄道で輸送して処理する体制に切り換えることで
苦境を脱したという経緯があります。
このために東海岸の製油所はシェール原油の輸出解禁には反対しています。
また、シェールを輸出することで米国の原油価格が上昇し、
ガソリン価格が高騰するのではないか、という議論もあるのです。

7.現行制度内での「原油輸出」解釈拡大
「コンデンセートに限定した輸出ならいいのではないか」

ここでやっと「コンセンデート」について!
コンデンセートとは
・ガス田から液体分として採取される原油の一種。
・地下では気体状だが、地上で採取する際に、凝縮する液体(油)
・化学原料として利用。ナフサと類似した性質。
・これは統計上も原油として扱われている。

という特徴があります。

山内さんは正確な統計はないとしながらも,
2012年の米国原油生産量648万b/dのうち70万b/d程度が
コンデンセートだといわれていると教えてくださいました。

シェールオイルのコンデンセート含有率は高く,
これが原油を超軽質化しているのだそうです。
コンデンセートが多く含まれる原油は軽質原油ということですね。
統計上は原油として括られるも、この成分だけを分けて輸出してはどうか、というこです。
この部分の輸出ならば「原油」ではなく「原油の1部」で、
性質がナフサと類似していることで、石油化学の原料として輸出しようというのです。

7.2014年6月 BISがコンデンセートの輸出を認可
そして米商務省はコンデンセートを生産するパイオニア・ナチュラル・リソーシズと
エンタープライズ・プロダクト・パートナーズの2社に対し、
蒸留装置で処理した原油の輸出を容認しました。
これが「原油輸出解禁」として伝えられたのですが,本来の原油とは違うことを
今回、山内さんは詳しく解説くださいました。

早速、コスモ石油はこの30万㌭の輸入契約を締結したそうです。 
性状がナフサと似ているので石油化学原料として使うことが可能なことや
重質原油と混ぜて原油処理することもできるということです。

詳しくはオンデマンド放送で、山内さんの解説をお聞きくださいね。

小次郎講師初登場!移動平均線だけで勝てる投資家に?! [大橋ひろこコラム]
2014.07/18 大橋ひろこ 記事URL

チャート分析と言っても、テクニカルインジゲーターは数えきれないほど存在します。勝てる投資家になるためには、どのテクニカルインジケーターを使えばいいのでしょうか?

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回のマーケット・トレンドは、[めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAIが作った「商品先物取引入門」目からウロコのチャート分析編]を上梓されたばかりの小次郎講師こと手塚宏二さんが番組初登場です。

手塚さんは、勝ち組になるためには色々なテクニカルインジケーターを
あれこれ摘み食いして中途半端に覚えるよりも、
ひとつのテクニカルインジケーターを徹底的にマスターして
使いこなせるようになることが肝要だ、として
著書の中で取り上げた「移動平均線」について、その見方や使い方を解説くださいました。

テクニカル分析の基礎中の基礎、というイメージの移動平均線。
これだけでも使いこなせれば、勝てる投資家になれるのです。


まず、初心者がトレードで勝てるようになるためには
「トレンドのあるところだけを取る」という手法から始めることだ、と手塚さん。
日本人は逆張りが好きだとされますが、逆張りは非常に難しい手法なのだそうです。
まずは、しっかりとトレンドを見極めて、美味しいところだけを取るという思考に
切り替えていかなくてはなりません。


そのために、3本の移動平均線を使ってトレンドを見つけるのです。

手塚さんは

5日移動平均線 (短期線)
20日移動平均線 (中期線)
40日移動平均線 (長期線)

の、並びを見ることで、トレンドを把握するという
移動平均大循環分析という手法についてお話くださいました。

この3本の移動平均線の並びが重要なのです。
上から短期線、中期線、長期線という位置に並んでいる時だけ、
買う、それ以外の並びとなっている時には手を出さないということを
ルールにして、これを徹底的に守ることが基本です。
この並びが上昇トレンド時の形ですが、逆のパターン、
上から長期線、中期線、短期線となれば下落トレンドですね。

これは基本中の基本の見方、移動平均線は実はとても奥が深く、
MACDも移動平均線が使われたインジケーター。

書籍「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAIが作った
「商品先物取引入門」目からウロコのチャート分析編 」には、
この基本の見方だけでなく、さまざまな移動平均線を使った
トレード手法が満載です。

手塚さんには、この大循環分析から現在の商品市場で
注目の銘柄を取り上げていただきました。

最も綺麗なトレンドが確認できるのが東京パラジウム。

ロシアの在庫が尽きたとか、世界の自動車販売台数が伸びている、
と言った材料がパラジウム市場では注目されていますが、
移動平均線は綺麗に 短期、中期、長期の順に構成されています。
流動性が高くない市場ではありますが、今年の大注目ですね。

ファンダメンタル的に今年注目され続けている白金については
週足での形に注目。週足では灯油が綺麗な上昇トレンドを形成しています。

逆に、下落トレンドが発生しているなら
売りからは入ることができるのが商品市場の醍醐味。
大豆、トウモロコシは綺麗な下落トレンドの形、
上から 長期、中期、短期線の並びとなっています。

もっと詳しく移動平均線の極意を学びたい!という方のために
番組では手塚さんの著書めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAIが作った
「商品先物取引入門」目からウロコのチャート分析編 を
5名様にプレゼントいたします。

勿論、手塚さんのサイン入り!
どしどしお申込みくださいね。7月25日までお申込み受け付けています。

https://ssl.radionikkei.jp/event/trend-140718.html

また、9月23日(祝)コモディティ・フェスティバルに
手塚さんがご登壇されます。

http://cfes.jp/

手塚さん、負けない投資家になるための極意講演予定だそうです!

こちらにも是非足をお運びください。

アメリカの新(2014年)農業法と穀物相場 [大橋ひろこコラム]
2014.07/11 大橋ひろこ 記事URL

トウモロコシ価格は4ドルの大台割れ、大豆価格は13ドルの大台を割り込み、下値が見えない展開となっています。
中西部は空前の豊作ムード。USDA米農務省は6月30日、今年の穀物の実作付面積を発表しました。

トウモロコシ⇒9,164万エーカー(3月の意向面積9,169万エーカー)
大豆 ⇒8,483万エーカー(意向面積8,149万エーカー、+334万エーカー)

ということで、3月末に発表された作付意向面積比でトウモロコシはほぼ同じでしたが、
大豆作付が大きく増加。加えて6月末~7月上旬の産地天候は良好。
両穀物の作況も「優」と「良」合わせて75%と、豊作だった
昨年の67%を上回っているという状況です。

現在は天候相場真っ只中
。トウモロコシは7月中旬の開花受粉期、大豆は8月の開花・着サヤ期と、
作柄を決定する最重要期を控えますが、
今のところ高温乾燥天候の懸念はなく、高単収がほぼ確定的となっています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は資源・食糧問題研究所 柴田明夫さんにお話を伺いました。

柴田さんによると、作物に影響を及ぼす高温乾燥を招くのは
ラニーニャ現象の方だとか。エルニーニョ発生懸念だけで
春先に買われすぎたのが、昨今の下落の大きな要因となってしまっています。

柴田さんは足元は下値模索の展開にあっても、
ここからの大崩れのリスクは大きくないとお話くださいました。

アメリカ、上・下院議会で策定が進められている
2014年新農業法が、ここ数年の高騰した市場価格を基準に
農家の収入保障を図る内容となっているのだそうです。

今回は、この農業法の変遷についてお話を伺いました。

アメリカの農業政策は、この20年間で
「低迷する穀物価格に対する農家の所得保障」といった性格から
「増加した農業所得を如何に保障するか」に重点がシフトしています。

そもそもアメリカの農業法は1933年ルーズベルト大統領が、
ニューディール政策の一環として農産物価格の上昇を目指して
行った農業調整法に由来しています。

農業法は基本的に5年間の時限立法。
価格・所得支持制度、輸出振興政策、環境政策が3本柱です。

【1990年農業法】(1990~95年):
供給過剰の時代にあって政府の減反計画への参加を条件に、
農家は「不足払い」を受けることができました。
「不足払い」とは農家の生産コストを考慮した
「目標価格」と「市場価格」(生産者の全国平均販売価格)の差
を補てんするものです。
市場価格が価格支持水準(ローンレート)を下回った場合には、
農家は農作物を担保に商品金融公社から融資を受ける
ことができました。結果として、ローンレートが
市場の下値(フロアープライス)となったのです。

【1996年農業法】(1996~02年):
それまでの減反計画への参加とセットになっていた
「不足払い」制度が廃止され、作付を自由化した上で、
生産とは切り離した形で農家への直接支払いを実施しました。
しかし、96年農業法がもたらしたものは、
過剰生産とそれに伴う穀物価格の低迷であり、
政府は農家所得の減少を補うため
補助金の追加支給を余儀なくされました。

【2002年農業法】(2002~08年):
自由な生産(作付)を維持しつつ、
「不足払い」制度を再導入。
固定支払の継続および対象作物の拡大、
価格支持水準の引き上げなど、
全体に農業保護水準が引き上げられました。

【2008年農業法】(2008~12年、14年まで延長):
穀物価格が高騰するなかで成立しました。
高価格を基準とする農家の収入保障が
「新しい不足払い」とのオプションとして成立。

【2014年農業法】(2014~19年):
現在2012年に成立した上院案と下院案の一本化に向け調整中。
調整が遅れたのは、フードスタンプの扱いを巡り、
民主党(削減額が大き過ぎる)と
共和党(削減額が少な過ぎる)との調整が難航しているため
ですが、フードスタンプまでをも考慮した包括的合意でなく、
まずは農業法合意を急ぐという流れとなってきているようです。

10年間での支出削減を図りつつ、生産コストの上昇に対応して
「作物保険を基礎とする収入保障」あるいは、
「収入保障」と「不足払い」の何れかを選択する法案が
検討されているようです。

この新農業法が、ある程度の価格の下支えとなってくると
見られる他、2012年の大干ばつ時に暴騰した穀物価格によって
米国農家は潤った資金をサイロ増設などの設備投資を向けており、
需給相場に入ってくると、生産者は安値では売らないだろうと
みられます。

詳しくはオンデマンド放送で柴田さんの解説をお聞きくださいね。

中国金購入衰えの裏に金不正担保取引の影響 [大橋ひろこコラム]
2014.07/04 大橋ひろこ 記事URL

6月米雇用統計は非常強い内容でした。
NFP非農業部門雇者数は28万8000人増、失業率は6.1%にまで低下。4月分は、28万2000人 ⇒30万4000人へ。5月分は21万7000人 ⇒22万4000人へ上方修正と過去分の上方修正も大きく、確りとしたアメリカの景気回復が示されました。これだけいい数字が出てくると、量的緩和政策の縮小を行っているアメリカの利上げの時期が早まるのではないか、という思惑が広がり、こうした金利引き上げ予想が金市場にはマイナス要因となるのですが、この日、金価格は10ドル程度の下落となったものの、チャートが大崩れすることはなく、確りとした地合いが継続しています。

 

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今回は金融貴金属アナリスト亀井幸一郎さんにお話を伺いました。

 

雇用統計を受けて利上げ見通しを前倒ししたゴールドマン・サックス。
 2015年Q3からQ2へと早まるとみています。

しかし、FRBの姿勢は慎重で低金利政策は長期に継続することを繰り返し発信していることから、
米国の金利は押さえられ続けています。今年から量的緩和の縮小に入った米国の通貨ドルは、
金利上昇から高くなるという見通しが大勢でしたが、現実には金利は上がらず、
ドルや安く抑えられています。これが米国株にとっても支援要因となる一方で、
昨年、米国が緩和縮小に動くことをいち早く織り込んだ金市場にとっても
下値サポート要因となっているようです。

 

FRBが量的緩和政策縮小に踏み切っても、利上げ時期を明言することに慎重なのは、
米国景気回復シナリオが確かなものであるかどうか見極めたいということなのでしょう。
1-3月期のアメリカの GDPは 下方修正幅拡大でなんとマイナス2.9%。
1-3月期は寒波の影響で景気が冷え込んだとして楽観、
4-6月期には6%台に乗せるという見通しもありますが、
Q1のGDPだけを見ると非常に悪いですね。


4-6月期の雇用統計は軒並みいい数字が出てきていますので、
GDPも回復するだろうと思われますが、数字が出てこないことには確信は持てません。
実際、寒波の影響が明けた春以降、伸びが予想されていた個人消費は
伸び悩んでおあり、賃金上昇も伸び悩んでいるのです。

 

亀井さんは、過剰流動性相場で金余りとなっている中で、
史上最高値圏にある株式市場ではここからの上値に懐疑的な向きも多く、
金市場には見直しの機運も高まっているようだと解説くださいました。

金利動向が最も重要視されてきますが、9月17-18日のFOMCは
イエレン議長の記者会見付き。量的緩和縮小策も終了する時期に重なります。
量的緩和政策の次には金利引き上げが焦点となるため、
マーケットはFRBの次の一手を見極めようと催促してくる時期。
それまでは、低金利に金価格も下値サポートされるも、大きく動くことはなさそうです。

 

そして、もう一つ気になるのが中国。

6月26日アジアからロンドンの取引時間帯に金が1306ドル台まで急落しました。
(それでも大きな上昇トレンドは継続しています)
背景には、中国で不正な取引の可能性がある金を担保にした融資が、
2012年以来944億元(約1兆5000億円)行われていたことが報道されたこと。

 

金を担保にした不正取引というと、
今年の4月にWGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)が発表したレポートで
金担保の金融取引に供されている現物の累計総量が1000トンになるとの
推計値が示されたことが記憶に新しいですが、
こうしたコモディティを担保に低利で資金調達し、理財商品などの
高利回り商品で運用に回し利ザヤを稼ぐ取引が問題になった1月、
銅価格の急落があったため、
金市場でも急落に見舞われるリスクがあるのではないか、
とヒヤリとさせられるニュースなのです、、、。


単純にこうしたコモディティを担保に資金調達すること自体は違法でないのですが、
問題となっているのは担保に供する際に、銀行発行の信用状(C/L)や
船荷証券などを巧みに使い、中には二重担保という詐欺的取引があるというものです。
こうした行為により2倍、3倍の資金を調達して、
より多くの利ザヤを稼ごうという行為にメスが入っているとみられます。

 

亀井さんは、他のコモディティと違って、金は市場で売りにさらされることはないのではないか、
と解説くださいました。ひとつに中国は加工品でなければ金を輸出できないこと。
また、市場で売らなくても買い手があるだろうと思われること。

ただし、この影響で、今年の中国の金の購入は低下する可能性があるだろう、ということで、
このように解釈すれば、このところ金が水準をさげても中国の買いが見られない
という実需筋の話と整合性を持つことになると亀井さん。

 

今後の金価格の行方は?

詳しくはオンデマンド放送で亀井さんの解説をお聞きくださいね。

高止まりの原油価格、リスクプレミアムは5~6ドル [大橋ひろこコラム]
2014.06/27 大橋ひろこ 記事URL
5月中旬、WTI原油価格はウクライナ騒乱に反応、下旬はリビア原油の輸出再開が遅れるとの観測により上昇するも、月間平均では101.79ドルで4月より24セントの値下がり。北海ブレント価格の5月平均価格はウクライナ問題に米国より敏感に反応したために109.24ドルと4月との比較で1.15ドルの上昇となりました。


6月に入ると12日を皮切りにイラク情勢が原油価格の押し上げ要因となり、
WTI価格は107.26ドル、ブレント価格で114.81ドルと
9か月ぶりの高値を付ける上昇となっています。

需要期も重なる時期の地政学リスク、エネルギー価格高騰は今後も続くのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はオイルエコノミストの藤沢治さんに
原油価格の動向と今後の見通しを伺いました。

需給要因に大きな変化がない中での原油価格の高騰は、
地政学プレミアム分と考えられ、藤沢さんによると、
現在のリスクプレミアムはバレル当たり5~6ドルと想定されています。


問題を複雑化させているのが北方のクルド政府とイラク中央政府との確執で、
クルド地域政府KRGは3月から中央政府の承認を受けずに、
制圧したキルクークの原油を自前のパイプラインでトルコに輸送し、輸出しています。

イラクでは過激武装勢力ISIS、クルド軍KRG、そしてイラク政府軍の
三つ巴の軍が紛争に加担しているという複雑な状況にあるのですが、、、。

ここからは武装勢力ISISが南部のバスラ地域に侵攻できるかどうか、
というところが焦点となっているようですが、
藤沢さんは恐らくできないだろうとご覧になっています。

南部はシーア派勢力で占められ、ISISの支持勢力であるスンニ派は
ほとんどいないのだそうです。
イラク政府軍は米国の力を借りて反攻に出るとみられることや、
カルバラ、ナジェフといったシーア派の聖地が
武装勢力に侵攻されうようであれば、イランが介入し、
イラクのシーア政権を助けるだろうと言われています。

アメリカとイランが協力する?!

という何とも不思議な構図となることもあり得る状況にあるようです。


ISISが南部に侵攻するという事態にならない限り、
原油価格がここから大きく上昇することもないと思われると
藤沢さんは指摘されますが、
それでも、この内紛は長期化の様相を呈し始めており、
完全にリスクが払しょくされたわけではないようです。

ここからの原油価格の予想については是非オンデマンド放送で、
藤沢さんの解説をお聞きくださいね。

需給要因に回帰、コモディティ市況 [大橋ひろこコラム]
2014.06/13 大橋ひろこ 記事URL
南アフリカの鉱山ストライキを巡る報道でプラチナが急騰、急落と忙しい値動きを見せています。また、イラクの反政府イスラム武装勢力が同国北部の2都市を制圧したことを受け、ここ数カ月でほとんど動きのなかった原油価格が大きく上昇しています。コモディティ市場は、米国の金融政策などの金融要因によって大きく動いた相場から個別の需給要因で変動する相場へとすっかり変わっています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至さんにコモディティ市況を動かす要因と今後の展望を伺いました。

例えば金属は品目によって、まちまちの動きになっています。

<銅>
中国では、2日にチンタオの保税倉庫の銅地金2万トンが
中国当局に差し押さえられたと報道が。事態の詳細は不明ですが、
市場参加者の疑心暗鬼を強め、銅市況は下落しています。

<PGM:プラチナ、パラジウム>
南アフリカでは、継続する鉱山ストライキに対して政府が
調停に乗り出したものの9日に失敗に終わりPGMの大幅な上昇に
つながりましたが12日には一転して、ストライキを行っている労組側が
企業側の新たな提案を持ち帰って検討する方針が伝わり急落しています。

<アルミ、亜鉛>
一方で、マクロ経済的な世界景気の回復を反映してアルミニウムや
亜鉛などがやや上値を試す動きになっていましたが、
イラク情勢の悪化などから先行き懸念が強まり、再び売られています。

<金>
世界景気の回復が下落の要因になっていましたが、
ECBの利下げを受けて反発。
足元ではイラク情勢の悪化もリスク回避的な金買いにつながっています。
世界景気の回復に伴って投資家のリスク志向が強まる際には、
リスク回避的な資産である金への需要は減るという見方が
続いていますが、一方で金融緩和や地政学的な紛争は
買い材料になっているようです。

<原油>

WTI原油が107ドル、ブレント原油が113ドルまで上昇中。
シリア情勢の緊迫化などで上昇していた昨年9月以来の水準まで
上昇してきています。

従来からある供給障害が継続している中で、世界景気の回復観測が
強まり、新たな供給障害への懸念も加わった、
ということが起こっています。

①継続する供給障害

原油市場では、2014年初め頃は、
(1)リビアの生産回復
(2)イランの核開発問題を巡る協議の進展
(3)米国のシェールオイルの増産などによって、
原油供給が増加するとの観測が生じていたのですが、

実際には、米国のシェールオイルの増産が続いたことを除けば、
他の原油供給を増加させる要因は期待はずれに終わりました。

イラン核開発問題では、イランと米英仏露中独の6カ国との交渉が難航し、
事態の打開策がみえていないようです。

また、リビアでは4月頃、反政府勢力と政府の対立が緩和するとの
観測が強まった時期もあったのですが、その後両者の対立は続き、
原油の生産・出荷の回復は遅れています。

②地政学リスク

イラク情勢が悪化しています。
アルカイダ系で「イラクとレバントのイスラム国」という
イスラム教スンニ派の過激派組織が攻勢を強めており、
米国が支援に乗り出さざるを得ないような動きになってきました。
この過激派組織は、イラク北部にある第二の都市モスルを制圧し、
一時製油所のあるバイジにも攻勢をかけていると伝えられています。

こうしたニュースが米国株式市場でも意識され、米株が売られ、
原油が買われる動きに繋がりました。

この問題の今後について芥田さんは
需給ひっ迫への警戒感が徐々に出始めていたタイミングだったため、
イラク情勢の悪化に対する原油相場の反応が、やや大きなものになったが、
目先は、北半球におけるガソリンの需要期に差し掛かっているため
高止まりしやすいと分析。当面、上値を試す展開が追いやすいとしながら、
価格を安定させる要因として、ウクライナ問題が落ち着きを
見せていることなど解説くださいました。

7日には、ウクライナでポロシェンコ大統領が就任し、
それに前後して、ロシアとの緊張緩和が模索される動きが出ています。

ウクライナ情勢を巡る緊張緩和がブレント原油を中心に
原油相場の押し下げ要因として意識されている側面も。
変わって飛び出したイラク情勢悪化がプレミアムとなっていますが、
この夏は地政学要因が原油価格動向の見る上でのポイントとなりそうです。

詳しくはオンデマンド放送で、芥田さんの解説をお聞きくださいね。

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