アジアにおける金取引「TOCOM金限日取引」も [大橋ひろこコラム]
2014.11/14 大橋ひろこ 記事URL

アジアにおけるゴールド市場が、新たな時代を迎えようとしています。現在、世界のゴールドの取引所取引は70%ものシェアを占めるComexがNO1です。Comexは現在CME傘下となっていますが、CMEグループが運営する24時間稼働の電子取引プラットフォーム「グローベックス」にて24時間のゴールド取引が可能となっているためです。グローベックスは世界中の取引所をつなぎ、CMEで取引されている主要な通貨、エクイティ、金利、商品に関するあらゆる金融商品の24時間取引を実現しているため、S&P500指数先物などといった主要株指数の場が引けてからの取引は、翌日の米国市場へも大きな影響を及ぼしています。ゴールドマーケットにおけるcomex取引も同様、世界の他の取引所の指標となっているのです。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はスタンダードバンク東京支店長池水雄一さんに
アジアにおける新時代のゴールド取引についてお話を伺いました。


2位はSHFE(Shanghai Futures Exchange:上海期貨交易所)ですが、
SGE(Shanghai Gold Exchange:上海黄金交易所)の二つの取引を
あわせると中国の取引所のシェアは23%になり、
米国に次ぐゴールド取引所取引の国となりますが、
SGEは2014年9月、上海自由貿易特区(フリーゾーン)での
外国企業が参加できるゴールド取引所をスタートさせました。

そもそもSGE:上海黄金交易所は国内投資家のみが参加できる
ドメスティック(国内向け)市場だったのですが、
特区を以て広く海外勢にも市場を開放した、ということですね。

中国のゴールドマーケットということで、メタル関係者の注目度は大きく、
今後もアジア、ひいては世界での価格形成により大きな影響力を
与えていくのではないか、と思われます。

またシンガポールでもSGX(Singapore Exchange)にて
10月からキロバーの取引をが開始されました。

これに先立ち、シンガポール政府はシンガポールを貴金属市場の中心とすべく、
投資品質の金と銀とプラチナの商品サービス税を2012年10月に撤廃しています。
これにより、シンガポールの金取引は、2013年に前年比94%増加していますが、
池水さんによると、シンガポールは東南アジアの玄関口であり、
インドにも近いという利点もあり、シンガポールが国を挙げて、
ゴールド取引のハブたらんとしていることが強みだそうです。

CMEが世界のゴールドの指標として果たしている役割を
アジア時間では自分たちが取りたいという中国やシンガポールの
試みに、日本のTOCOM市場はどのように対抗していくのでしょう。

TOCOM市場は2006~7年まで、ロコロンドンとともに、アジア市場では
指標となってきたという経緯があります。そこで、TOCOMも動き出しました。
2015年5月から「金限日取引」をスタートさせることが決まっています。

限日取引というのは、毎取引日を取引最終日とする取引のこと。
つまり、日々ロールオーバーされる取引ですので、
決済期限がありません。簡単に言うと、FX取引と同じです。

納会、限落ち、という先物取引特有の仕組みとは違った
「CFD取引」が「円建ての金市場」においても実現するのです。

池水さんにその可能性と魅力を伺うと、費用対効果、
そう、レバレッジに注目とお話くださいました。
現在FX市場では規制によりレバレッジは最大25倍と
なっていますが、金限日取引では50倍程度になりそう。

現在円建ての金価格は、ドル高の影響で国際価格が下落を続けていても
大きく下がることがありません。円安効果で下値が固く、
むしろ上昇基調が続いています。

長期で円建て金を保有したい、という向きには、これまで
現物を保有する、ETFを買うというった手段はありましたが、
売買の利便性は高くないことから、急変時には対応が難しかった
のですが、CFD取引ならば円建てでの24時間取引が可能です。

TOCOMが「金限日取引」でアジアの指標に返り咲く日も
近いのではないか、、、期待は膨らみますね。

そして先述した
中国によるSGEでのゴールド取引の新コントラクトは
取引開始初日こそ、商いはあったものの、国内が50とすれば海外向けの
新市場は1程度のボリュームだったと池水さん。
まだスタートしたばかりですが、まだまだ盛り上がってはいないようです。

また、SGXは現在のところ市場参加者が
マーケットメーカーが4社程度で、活発な取引が見られないとのこと。
一般投資家がどんどん流入してくるようになるまでは
まだまだ時間がかかりそうです。

というわけで、来年5月にもスタートする計画である
「金限日取引」金の円建てCFD取引に期待したいですね。

詳しくはオンデマンド放送で池水さんの解説をお聞きくださいね。

スイス国民投票で大量の金買いの可能性浮上?! [大橋ひろこコラム]
2014.11/07 大橋ひろこ 記事URL
10月には米株が急落し、金価格が上昇する局面もありましたが短命に終わり、金価格はこれまで重要なサポートラインとされてきた1180ドルの節目を割り込んでしまいました。テクニカルは著しく悪化し、下値が深くなりそうな局面となっていますが、ここからの金相場どのように見たらいいでしょう。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は金融貴金属アナリスト亀井幸一郎さんにお話を伺いました。

◆取り巻く材料は弱気ばかり◆

①金融要因

10月、米国はQE3(量的緩和政策)を終了させ、マーケットは
利上げの時期を模索し始めました。他方、欧州はこれから追加の
量的緩和策に踏み切るとみられ、日本は日銀によるバズーカ2で
更なる量的緩和に踏み切っている、、、というように、主要国の
金融政策面からは「ドル高」展望が強く、このドル高が金だけでなく、
プラチナや原油などコモディティ価格の下落を誘発しています。
今後もドル高は継続するとみられ、金には下落要因となり続けるものと
思われます。

②実需

インドは文化的に需要期には金買いが旺盛となりますが、
今年動きが鈍いのが中国。昨年2013年に1000トンを超える大量の
金を輸入したことで、これが在庫になっていると見られますが、
価格が安くなると買い出動するとされる中国が、
ここまで下げてきても大きく買ってこないということが気がかり。
援軍来たらずで、下値がサポートされることなく、
重要な節目も割り込んでしまったようです。

③金ETF大量解約

9月FOMC直後のドル高の中で金価格は節目の1200ドル大台割れ。
この時点では、金のETFからの大きな資金流出は見られなかったの
ですが、10月30日に再度1200ドル大台を割り込んだ際には
大量に金のETF市場からの解約、資金流出が見られました。
ファンド勢が金市場から他の市場へ資金シフトしたとみられます。

④テクニカル悪化

トリプル底となるかと見られた1180ドルのサポート割れで
テクニカル分析によってトレードする欧米勢は
売りを加速させた可能性が高いものの、亀井さんはインドなどの
実需筋はテクニカルなどは一切関係なく金買いを行うため、
テクニカルがどこまで有効か、という点について言及されています。
たしかに、ここにきて出てきた「スイスの国民投票」という
大きな材料がテクニカルとは関係のない金買いのインパクトと
なる可能性が出てきています。今日のお話はここからがメイン。

◆スイス国民投票で大量の金買いの可能性浮上?!

スイス中央銀行の金準備売却禁止の是非を問う国民投票が
11月30日に行われます。

今回の国民投票では

スイス中央銀行は、国外に保管している全ての金準備をスイスへ持ち帰る
スイス中央銀行の全資産の20%を金準備とする
スイス中央銀行の金準備の売却を行わない

ことが問われ、これが可決すればスイスは金準備を20%まで
引き上げなければなりません。

スイス中央銀行の金準備の全資産に占める割合は
2010年4月以来20%を割り込み、亀井さんによると現在は
7.5%まで程度にまで低下しているそう。
20%まで引き上げるためには、スイス中央銀行は
およそ1500トンの金を購入しなければならないこととなるのです。

そもそもこの国民投票、今年7月に保守・右派のスイス国民党が
7月に署名を集めて定数に達したことで11月に実施されることは
随分前からわかっていたことでしたが、多くの人々は
これが可決するわけがないと楽観視していたのですが、
10月末の世論調査で、なんと賛成が44%にも達することがわかり、
にわかに現実味が増している、ということのようです。

こうした流れを受けてスイス中央銀行のジョーダンSNB総裁が、
「金準備の売却が禁止になれば、スイスフランの上限維持は困難になる」
と発言しています。

スイスは、昨今の欧州危機でユーロ圏からの資金流入が続き、
ユーロ売り、スイス買いが加速。
ユーロスイス相場がどんどん下落(スイス高が加速)したことで
1.2000を防衛することを宣言。この水準で膨大なスイス売り介入を行い
この水準を割らせないという政策を取っています。

しかし、外貨準備における金の割合を20%にまで引き上げなければ
ならないということは、外貨準備における通貨の割合を
落とさなければならず、銀の責務遂行が難しくなるとして
懸念を示しているということですね。

亀井さんは、イギリスのスコットランド独立を問う住民投票の時に
よく似ていると指摘、あの時も投票日が近づくにつれ、
独立賛成派と反対派の票が拮抗しているという民間調査が出たことで
通貨市場ではポンドが大きく売り込まれ、結局、独立ならずの結果と
なったことで、ポンドが買い戻され急騰するということがありました。

今回は通貨、スイスだけでなく、金市場にとっても大きな材料と
なってくる可能性があるということですね。

そもそも、何故スイスフランがリスク回避時の避難通貨として
人気があるのかご存知ですか?スイスは1990年代には
バランスシート資産の25%は金で保有していたのです。
発行通貨の25%は金に裏付けされているということでの
安心感からスイスフランは有事に買われる通貨として
選ばれてきたのです。

それが、何故気がついたら7.5%にまで金が売却されてしまったのか?
その背景にも実は「国民投票」が実施された歴史がありました。

1990年代末に全米ユダヤ人協会からのプレッシャーで
2000年から5年もの歳月をかけて金を売却し続けたという経緯について、
番組では亀井さんに解説いただいていますので、
是非オンデマンドをお聞きくださいね。

急落する原油価格、OPECと米国の生産量は? [大橋ひろこコラム]
2014.10/31 大橋ひろこ 記事URL
10月31日日銀の金融政策決定会合で、追加の量的緩和策が発表されてたサプライズで日経平均は755円56銭高の16413円76銭。2007年11月2日以来7年ぶりの高値まで上昇しました。為替市場でも、今週開催されたFOMCでの声明文が思ったよりタカ派的であったことと、日銀の緩和策発表で1ドル112円台にまで上昇しました。一方、ドル高となったことで、国際商品価格は下落基調を強める結果に。原油価格も下落が続いています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はオイルエコノミスト藤沢治さんに
原油価格急落の背景についてお話を伺っています。

◇9月―10月の原油価格動向

 6月からスタートした原油価格の下落。
9月は、IEA(国際エネルギー機関)や
米国のエネルギー情報局の世界需要予測の下方修正でさらに下落が加速しました。

WTIの月間平均価格は$93.03/バレル、ブレントは$98.57/バレルと
前月より3ドル、4.8ドル下落。

10月、IEAは4ヶ月続けて今年の石油需要を下方修正。
米国内の原油在庫増、シェールオイルの生産増、
リビアの生産回復等で需給緩和となる一方、
IMFは世界の経済成長予測を下方修正。
米国経済は好調の指標が続き、金融緩和策の中止からドル高となっており、
これが原油安を増幅させています。
欧州経済の不振は継続。世界の需要は弱いままです。
イスラム国もイラク南部には侵攻できず、原油生産には影響が無いことなどから
WTIの10月の月間平均は、約$85/バレル、
ブレントの月間平均価格は、約$88/バレル程度と
9月平均よりWTIで$8,ブレントで$10の下落となりました。

 因みに、今年のWTIの最高値は、
6月20日の$107.26, ブレントは6月19日の$115.06であったので、
10月29日の価格と比べると、この4ヶ月間に、WTIで
約$22, ブレントで約$29の下落で、それぞれ20%、25%の落ち込みとなっています。

◇OPECの動向

 こうした中、産油国があまり大きな声を上げていないのが不思議ですね。
11月27日にOPEC総会が開催される予定で、関係者はOPECが現在の生産枠である
日量3,000万バレルの減産をきめるか否かに注目していますが、
最大の産油量を誇るサウジは$85/バレルでも財政的に問題なしとしていますし、
普段は、減産を主張し値上げを狙うイラン、ベネズエラも今回は、
価格が下がっても問題ないとしているのです。

藤沢さんは、産油国各国が財政的に問題がないという点には懐疑的で、
総会前に各産油国首脳の発言や話し合いがニュースとなるであろうと指摘されます。
しかしながら、生産枠をたとえ下げたとしても、
個別の国々の生産量の割り当ては出来ないので、
恐らく日量3,000万バレルの生産枠は変えないであろう、と予想。
つまり、実質減産とはならないわけで一層の価格下落要因となるやもしれません。


 ◇需給要因

 米国のシェールオイルの増産は、予想以上のレベルで続いています。
 OPECが減産できないとなれば、米国が減産に舵を切るということは
 ないのでしょうか。そもそも、原油価格が何処までさがれば
 生産にブレーキがかかるのか、、、!?


 シェール生産コストは各生産地によって異なるとしながら、
 藤沢さんはバレル当たり50-60ドルと言われていると
 お話くださいました。現在80ドル前後ということで、
 まだまだ生産調整を行う必要に迫られるラインからは
 余裕があるようです。

 需要面ではこれから冬季に向かうので石油需要
(特に暖房油の需要)は上昇するのですが、米国では暖冬予想。
天気予報からは大きな需要が見込めないようですね。

◇地政学的要因

イスラム国の脅威は続くも、米国はイランと和解して
イスラム国掃討作戦に出る可能性もあるのだそうです。

掃討には地上戦が不可欠ですが、しかしながらオバマ政権は
地上戦には躊躇している模様。トルコやサウジなどの
イランを除く中東諸国も消極的です。問題は長期化の様相。
イラン軍が地上戦に動けばイスラム国の掃討には効果がありますが、
イランの制裁は緩和されるのは必至という状況にあります。

◇経済金融要因

米国の量的金融緩和策の中止は、利上げ観測に伴い
ドル高傾向となるため、原油価格押し下げ要因は継続します。
新興国から米国の資金が米国へ回帰すれば、
新興国は不況に陥るであろうということで、商品相場も、や
上値が重い展開が続きそうです。

しかしながら潜在的な金余り現象は続くと思われ、
現在の価格は、売られすぎの感があり、
需給を中心としながらも反発する可能性はあると藤沢さん。

◇2014年第4四半期から来年半ばまでの予想価格


「中東での紛争が激化で産油国に影響を与えることは無い」
ことを前提とした予想を伺いました。
現時点の80ドル、ブレントの85ドルはやや過剰反応気味。
第4四半期は、平均で今よりやや持ち直し、
 WTIで$85, ブレントで$90,

 2015年の1-3月は、冬場なのでやや持ち直し、
 WTIで$90, ブレントで$95程度。

2015年4-6月は、需要の端境期、一転して落ち込み、
WTIで$85, ブレントは$90程度で推移。
詳しくはオンデマンド放送で藤沢さんの解説をお聞きくださいね。

大豆・コーン5か月の下落トレンドに終止符?! [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014.10/24 大橋ひろこ 記事URL
10月は株式市場は急落、急騰と派手な値動きとなっていますが、穀物市場ではシカゴコーン、シカゴ大豆ともに10月に入ってから反発し上昇してきています。

エルニーニョ発生が夏場の天候相場のリスク要因になるという予想から春先に買われた穀物相場。シカゴ大豆は4月20日の1532セントから5か月もの下落を続けてきましたが、9月26日に約4年半ぶりの安値909・75セントを付けてから990セントまで回復しています。シカゴトウモロコシは5月9日に522セントの高値を付けてからの下落トレンドを10月1日の320.75セントを底に反発してきています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はコンチネンタルライス茅野信行さんにお話しを伺いました。

5か月もの下落相場を終え、
10月10日のUSDA需給報告を以て、ほぼ実測値での
今年の大豆、トウモロコシの収穫量が確定したことで、
大豊作とはいえ、悪材料が全て織り込まれたのではないか、
というような値動き。底入れの期待も高まっています。

しかし、茅野さんはこの上昇には懐疑的です。
チャート的には底入れ感がなく、2番底形成のリスクがあるといいます。

では現在の穀物の反発の背景は何なのでしょうか。

シカゴの生産地は現在収穫期となって居ますが、
例年と比較して10日ほどの収穫の遅れが発生しています。

収穫されたばかりのトウモロコシの水分量は19%程度だということですが、
農家はこれを15%程度まで乾燥させないと出荷できません。

現在はドライヤーといって、穀物を乾燥させる機械もあるのですが、
足元では原油価格が下落傾向とはいえ、長期的には上昇基調にある
エネルギー価格の高騰で、農家も乾燥に要するコストをなるべく
節約したいという思いがあり、できるだけ自然に任せた
天日干しで乾燥させたいということが背景にあるようですが、
茅野さんは、こうした口実も事実ではあるものの、
現実には5か月下がり続けてきた相場、この安値では
売りたくないという農家の本音も見え隠れすると指摘されます。

つまりはあまりの安値に沈んでしまったために
売り控えているということですが
通常農家は収穫したものを市場に放出し収入を得るわけで、
この時期が年間で最も重要なかきいれ時。
少しでも価格の回復があれば、売り控えていた農家の売りに
さらされるリスクは否定できません。

ちなみに、今年トウモロコシの生産コストは350セント程度だそうです。
大豆は720セント近辺。ということで、トウモロコシはほぼコスト近辺。
大豆は現在の水準でも十分利益にはなって居るのですね。

茅野さんの展望は、2月頃に2番底を付けるリスクに留意しながら
それまでは短期トレードで細かく利食う戦略がいいとのこと。
本格的な買い相場は2番底が形成された後、、、ということで
何故来年2月頃が再びボトムを付ける可能性があるのか伺うと、
このころになると、南米産の穀物の収穫量が固まる時期で、
3月には南米産穀物が市場に出てくるためだそう。

現在土壌水分も申し分なく、南米産穀物も豊作となる可能性が
大きく、これが囃されることに米国産穀物市場の上値も重くなり、
チャートの波動的にもW底を試す相場となるのでは...?

まだまだ波乱がありそうです。
詳しくはオンデマンド放送で茅野さんの解説をお聞きくださいね。

産油国の国家財政を均衡させる原油価格とは [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014.10/17 大橋ひろこ 記事URL
10月に入ってマーケットが神経質な値動きとなっています。過去最高値を更新し続けてきた米株の調整、債券市場に資金が流入、先進国金利が急低下となりドル円市場でも急激なドル高の修正が入っています。

皆さんご機嫌いがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田至知さんに下落が続く原油市場についてお話を伺いました。

2014年夏場までは欧州を中心に景気減速懸念が生じていたものの、米国経済が堅調であったために世界経済全体は緩やかな回復基調という見方が主流でした。しかし、ここにきて、欧州を中心とした
景気の下振れが明らかになる中で、欧州や中国の景気が減速すれば、これまで堅調であった米国経済にもマイナスの影響が大きいという懸念が強まってきているようです。

欧州景気の減速の背景には、ウクライナ情勢が緊迫化し、
ロシアやウクライナを取引相手とする欧州企業の心理を
冷え込ませていったといった要因も影響しているようですが、
この問題が長期化する様相を呈しており、
ユーロ圏では、4~6月期のGDPがマイナスになった後も、
7~9月期の経済指標も総じてさえない状況にあります。
特に8月のドイツの鉱工業生産は前月比4.0%の減少は
ショッキングな落ち込みでした。これがきっかけでリスク回避が
巻き起こったとみる向きもあります。

また、中国の8月の鉱工業生産も前年比+6.9%と2008年12月以来の
低い伸びにとどまっており、10月21日に発表される9月分は、
7%台半ばにやや持ち直したとの見方が多いようです。

こうした中、原油価格が下げ止まりません。
国際指標とされる北海ブレント原油は、4年ぶり安値となる
82ドル台に下落している。
6月19日に付けた高値115.71ドルに比べると、
3割近い下落になっています。
WTI原油価格も一時80ドルの大台を割り込みました。

背景には原油需給の緩和があると芥田さん。
需要面では、自動車の燃費向上など省エネルギーの効果から、
石油需要が抑制されるようになっている中で、
世界景気の減速が加わって原油需要の下振れ懸念が強まっています。

供給面では、シェールオイルの増産傾向が続いている中で、
武装勢力と政府の紛争の影響などから低迷していた
リビアの油田からの原油生産が回復してきているほか、
スラム国との戦闘が続くイラクからの原油輸出も順調です。

このような状況の中、産油国は価格支援に動かないのでしょうか。
石油輸出国で構成されるOPECの動向に注目が集まっています。
次回OPECは、11月27日に定例総会を開催する予定です。

従来、OPECの盟主とされるサウジアラビなどを中心に、
ブレント原油で100ドルが適正な原油価格の水準という見方を
示してきていましたが、その水準をかなり下回ってきたため、
原油生産量を削減して、原油価格の下支えを狙う動きが
みられる可能性が指摘されてきました。

10日に、ヴェネズエラが原油価格の下落を阻止するために、
11月の総会を前に、緊急総会の開催を求める発言を行ったものの、
サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国、カタールといった
湾岸諸国は、原油価格下落への対応を急いでいない様子だと芥田さん。

12日に、クウェートの石油相は、
「原油市場が供給過剰に陥っている原因は、ロシアと米国の増産にある」
「原油価格の安定のためにOPECがなすべきことがあれば、
行動することはいとわないが、現在は、OPECの決定によって、
原油価格が下落している訳ではない」とし、
「減産によって価格を押し上げようとする試みは、あまり有効ではない」
と、減産には積極的でない姿勢を見せています。
加えて「米国やロシアの生産コストである76~77ドルあたりで
原油価格は下げ止まるだろう」と述べています。

サウジアラビアも100ドルが適正な価格とする立場から離れて、
それよりも低い原油価格を受け入れる立場へとシフトしつつあるようです。
サウジアラビアからの公式な発言はないのですが、
一部報道によると、サウジアラビアは現時点で減産には
消極的な様子が伝わっているようです。

何故これほど原油価格が下落を続けているのに産油国は
協調減産に踏み切らないのか?!

実はサウジアラビアには、1980年代半ばの逆オイルショックと
呼ばれた価格低迷期に減産を行っても、原油価格下落に
歯止めをかけられなかった苦い経験があります。
当時は、OPECが減産しても、ソ連や北海油田の増産の勢いが勝り、
サウジアラビアの大幅減産は、同国のシェアの低下につながるだけ
といった状況になりました。

今回も、米国のシェールオイルの増産は、
OPECの減産とは無関係に進みそうであり、
無理な減産を行ってシェアの低下と価格下落という
二重苦に陥るよりは、ある程度、市場原理に従った価格下落を
許容して、シェールオイルなど高コストな原油の生産が
自然に減退するのを待った方が利口だという考えが
背後にあるのかもしれないと芥田さんは解説くださいました。

一方、従来、原油価格の下落局面では、真っ先に減産を求める発言を
行ってきたイランが今回は、「原油価格の下落に耐えられる」と、
従来からの姿勢を変更する発言を行っています。
ただし、IMFの試算では、イランの財政収支を均衡させる
原油価格は130.5ドルだとされ、国家財政の面からは、
さらなる原油価格の下落は避けたいところだと思われます。

国家財政を均衡させる原油価格(IMF試算)は、
リビア184.2ドル、
アルジェリア、112.8ドル、
イラク109.4ドル、
サウジアラビア86.1ドル、
アラブ首長国74.3ドル、
カタール71.1ドル、
クウェート52.3ドル。

生産国によってその水準はバラバラですが、
リビアやアルジェリアなどは現在の価格水準だと
かなり厳しいのではないでしょうか。

今後はどうなる?
詳しくはオンデマンド放送で芥田さんの解説をお聞きくださいね。

トウモロコシ底入れは近いか? [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014.10/10 大橋ひろこ 記事URL
10月マーケットは大荒れです。日欧米の株式の下落、ドル高の修正局面を向かえ、コモディティ市場でも原油などの景気循環系銘柄が売られ、WTI原油価格は84ドル割れまで下落となりました。一方、リスク回避の思惑から金は買い戻される展開に。世界景気に対する不安を高める材料が相次いだことが背景のようです。7日発表されたドイツの8月の鉱工業生産は前月比▲4%と大幅悪化、牽引役であるドイツの低迷からユーロ圏経済の先行きに対する懸念が膨らみ、これにより大口の貿易相手国である中国への懸念も強まることとなりました。また、IMFも新興国の成長鈍化などを指摘し、世界経済の見通しを引き下げています。世界の景気後退が懸念されるということは、世界的に需要が低迷するという思惑にも繋がりますが、今後のコモディティ市場へはどのように影響してくるでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はマーケット・リスク・アドバイザリー津賀田真紀子さんに
トウモロコシ市場を取り巻く環境と今後についてお話を伺いました。

米国では10月で量的金融緩和に伴う証券購入が終わり、
来年の利上げが視野に入ってきています。
先進国で異例の低金利が長引き、緩和マネーが世界中の
様々な資産に流れ込んで来ましたが、実際に米国で
利上げが始まると、その構図が逆転する可能性が考えられます。
実際、カネ余りの恩恵を受けてきたコモディティ市場は世界景気の減速もあり
一足先に下げる動きとなっています。

津賀田さんは
「そもそものファンダメンタルズが弱い銘柄は特に売り込まれ易い状況」として、
穀物、トウモロコシの下落について解説くださいました。

シカゴトウモロコシ相場は依然として軟調な値動きが続いており、
現在は1ブッシェル340セント近辺と2009年9月以来の安値となっています。
現在はIMFの世界成長率の下方修正を受けてややドルが買い戻されていますが、
基調としてはドル高が続いているため、リスク資産である
トウモロコシにも資金が入り難くなっていることが背景にあります。

需給環境ですが、2014-15年度のトウモロコシ生産量は
前年度比+0.9%の140億3,200万ブッシェルと
過去最高の豊作となることが予想されています。

最大生産国である米国の主要産地では現在、収穫作業が行われていますが、
10月6日に米農務省から発表されたクロッププログレスによると、
順調に収穫が進められていることに加え、作柄も良好な状態です。

過去最高の豊作による供給過多に加えて、需要も冴えません。
家畜向けの飼料需要は前年度比+1.4%となることが予想されていますが、
エタノール向けは同比▲0.9%、輸出向けは▲9.1%となることが
見込まれており、需要の増加による相場反転は期待し難い状況。

特に輸出向けの需要の落ち込みが目立ちますが、
米景気の回復や大豆の大幅増産などの影響によって米国内の
輸送コストが大幅に上昇していることに加え、
ここ最近の急激なドル高の影響により今後輸出向けの需要が
下方修正される可能性も考えられます。

収穫期には農家が収穫した作物を市場で売ることで
価格が下がりやすいとされる、ハーベストプレッシャーが
上値を抑える要因ですが、近年は保管容量が大幅に拡大しており、
主要ターミナルの保管率は収穫直後こそ上昇するものの、低下傾向。
これは2年前の干ばつによる穀物価格高騰が農家に大きな利益をもたらしたことで
農家がサイロ増設などの設備投資を行ったことによるもので、
既に生産コストを下回るほどの安値となっていることを考えると、
しばらくは生産者による売り渋りが発生する可能性もあるかもしれません。

また、米国ではエタノールの使用義務量が法律で定められているため、
中西部ではエタノールの製造に使われるトウモロコシが多く、
収穫直後のトウモロコシが買われ易くなっています。
これらのことを考えると、ハーベストプレッシャーによる売り圧力は
一昔前よりも影響し難くなっているのだそうです。

では、そろそろ、安値拾いの買いが相場を押し上げることもあるでしょうか。

津賀田さんは生産コストの観点から現在のシカゴトウモロコシは
売られ過ぎと解説くださいました。米農務省が6月に発表した生産コストは、
2014年の1エーカー当たりの生産コストは690.59ドル。
2014-15年度の予想単収は171.70ブッシェルなので、
1ブッシェルあたりの生産コストは402.21セントということになります。
現在は340セント辺りで推移していますので、一時的に安値を
買い拾う動きが活発化する可能性が考えられます。

ただし、ファンダメンタルズの弱さを考えると、
中長期的には需給緩和を反映した値動きが続くとして、
仮に上昇に転じたとしても上昇余地は限られるのではないかと津賀田さん。

詳しくはオンデマンド放送で津賀田さんの解説をお聞きくださいね。

プラチナ、ロングポジション整理で大幅下落 [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014.10/03 大橋ひろこ 記事URL

マーケットトレンド10周年、TOCOM創立30周年記念イベント。虎の門 金刀比羅宮神楽殿からの公開生放送最終日。

お天気にも恵まれ、この日もたくさんの方にご来場頂きました。
1週間イベントを盛り上げてくれたカモ虎課長のダンスのキレも最高潮に達しておりましたが、この日はなんと愛媛のご当地キャラみきゃんちゃんも飛び入り参加で大人気でした。

みきゃんちゃん、ゆるキャラグランプリ2013でのランキングは
11位ということで、全国区キャラとして愛されていますが、
カモ虎課長は、今週のランキングで700、、、。

いえいえ、カモ虎課長はまだ今年デビューしたばかり。
まだまだこれからです。
頑張れ、カモ虎課長、虎の門の明日のために!


皆さん、ご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
公開放送最終日ゲストコメンテーターは
スタンダードバンク東京支店長の池水雄一さん。

放送終了後のじゃんけん大会でもじゃんけんが強すぎて
なかなか参加者の勝者が出てこない、、という「持ってる男」ですが、
そろそろ貴金属相場、コツンと底入れの音は聞こえるでしょうか?

プラチナ価格が大きく下落しています。
特に今週1週間の下落幅は大きく、何かがあったとしか思えません。

池水さんは「買い方のポジションの整理」が起こっていると指摘。
特に、プラチナ市場には大きなロング(買いポジション)があり、
それが解消される過程での下落のようです。

COMEX NYMEXにおける投機家ポジションの割合を見ると
金のロングは11%程度(過去5年平均は25%程度)
銀のロングは2.2%程度にまで下がっています。(過去5年平均11%)

これは、過去5年平均と比較すると投機筋が金や銀を買っていない、
ロングポジションが極めて低い水準にあるということです。

これが何を意味するかというと、投機家らがこの買いポジションを
整理(利食いあるいは損切り)することによる、価格下落の
リスクは著しく低下している、ということに加え、
彼らが再度新しいポジションを取ろうという時には
売りからでも買いからでも入りやすいという状態であり、
相場によっては、買いから参入してくる可能性もあるということです。

ロングポジションを多く抱えている状態だと、
新規に買いを重ねる可能性は低く、やはり手持ちのポジションを
整理する方向にマーケットは動かされやすくなるわけです。

ではPGM:プラチナ、パラジウムの投機家ポジションの割合はどうでしょう。

プラチナロング45%
パラジウムロング65%

金、銀と比較してもまだまだPGM市場には投機家の買いが
大きく残っていることが確認できるのです。
つまり、こうした買いポジションが撤退する過程で
価格が崩れてきているということですね。

これは先週(9月第4週)段階での数字ですから、
今週9月最終週~10月第1週の相場の下落で、かなりポジションの
整理は行われたと思われますが、こうしたポジション整理が
解消するまでは底入れ確認はできないということかもしれません。

しかし、池水さんはこの相場
「下げすぎ。そろそろ買い場探し。」とご覧になっています。

貴金属現物商では今週個人によるプラチナの買いが旺盛だそうで、
現物市場ではプラチナが売れているのです。
価格水準をみても、金価格とプラチナ価格の価格差は縮小しており、
逆転してしまうのではないか、という勢いでプラチナが下がっています。
これをチャンスとみた投資家が動き出しているのです。

ドル高円安によって減価していく円をヘッジするために
ドルを買うなどの外貨投資も注目されていますが、
ドル高を嫌気して売られている金やプラチナを安く購入できる
チャンスという見方もできますね。ドル建ての国際商品価格は
下落しても、円建ての価格は下がらない、、、というより
円安によって今後物価は上昇していくとみられています。

TOCOMにおけるプラチナ市場のポジション整理は
いつ終わるでしょうか。ここからの戦略は?

詳しくはオンデマンド放送で池水さんの解説をお聞きくださいね。

写真は、1週間公開生放送イベントを盛り上げてくださいましたカモ虎課長、
そしてマーケット・トレンドキャスター山本郁アナ!
みきゃんちゃん、コメンテーター池水雄一さんです。

急落する原油、需給ファンダメンタルズ [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014.09/26 大橋ひろこ 記事URL
円安で輸入物価は上昇しているにもかかわらず日本のレギュラーガソリンの小売価格も10週連続で下落していますが、その背景にあるのは国際原油価格の下落です。

みなさんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は株式会社セキツウ常務取締役 山内 弘史さんにお話しを伺いました。


原油の国際指標3種の9月第3週値動きは

WTI原油  93.54㌦/㌭ (2014年の高値 3月第1週 102.77㌦)
北海ブレント 98.15㌦/㌭ (   "       2月第3週 110.05㌦)
ドバイ原油  94.60㌦/㌭ (    "       6月第3週 108.06㌦)




なぜこれほどの下落となっているのでしょうか。
山内さんにその背景を伺いました。

①米国の原油大増産が続き 在庫水準が上昇
②アジア途上国とEUの経済に陰り 需要が低迷
③地政学リスクが供給の大幅減少につながらない
④天然ガス市況の軟化
⑤米国の原油輸入の減少と石油製品輸出の増加

弱気材料ばかりで上昇要因が見当たらないのが現状です。


■すまじい米国の原油増産

米国のシェール革命で、米国の原油増産は増加しています。
2008年500万b/d
2009年535万b/d
2010年548万b/d
2011年565万b/d
2012年650万b/d
2013年745万b/d
2014年834万b/d
直近では863万b/dにも上っています。

2008年比では330~360万b/dもの増加です。

2013年のUAE原油生産量は270万b/d
イラ原油生産量は303万㌭/日ですから、
この中東の2大産油国を上回る増産となっているのです。
なんと2016年には原油生産量がサウジの960万b/d前後を
上回るとIEAも予測しているのです。

加えて、メキシコ湾の沖合油田からの新規増産も始まっています。
2010年のBPマコンド油田の大暴噴事故でメキシコ湾の
原油生産は停滞しているものとばかり思われていましたが、
2013年に125万㌭/日だった同湾生産量が,
2014年141万㌭/日,2015年には167万㌭/日になると
EIAは試算しています。


メキシコ湾の新規原油生産プロジェクトのうちの11が
2015年中までに操業を開始するということで、
これらが2014~2015年に42万㌭/日生産を押し上げると
見られています。シェール革命だけでなく、在来型油田の
増産も加わって、山内さんは早ければ来年2015年には
サウジを抜いて、アメリカが世界一の原油生産国に
躍り出る可能性もあると解説くださいました。

■地政学的リスクによる減産はどうなったのか?

地政学要因をはやして価格が押し上げられる局面もあったのですが、
直接原油生産にダメージはなかったことで
プレミアムは剥落しました。

リビアは部族間紛争で輸出港閉鎖されたことが減産の背景でしたので、
原油生産拠点が破壊されたわけではなく、
出荷できない状況にあったための減産だっただけでした。

リビアは原油輸出港が8月から出荷再開 原油生産量は53万㌭/日まで回復,
9月には87万㌭/日となっています。リビアの生産能力は165万b/d
まだまだ増える余地はありますね。

イランは核開発問題を巡っての経済制裁による減産でしたが,
韓国・中国・インド・トルコ向け輸出が増加し始めており、
イラクは南部の油田地帯は平常通りの生産308万b/d。

この結果,地政学リスクによる減産量と米国の増産量が
逆転してしまい、供給に懸念が生じることがなかったのですね。

■足元の石油需給は?

対して、需要は伸びず。

2013年石油供給量9,017万b/d
石油需要量9,044万b/d
需要>供給27万

2014年石油供給量9,165万b/d
石油需要量9,156万b/d
需要<供給9万

2014年は需要を供給が上回ってしまっています。
米国の増産が世界の需給を急速に緩和しているわけですが、
米国は自国で原油生産できるために輸入が減少しており、
8月の石油(原油と石油製品)の輸入量は9,208千㌭/日で
前年同月比10.2%もの減少となっています。
8月としては1995年以来19年ぶりの低水準だそうです。

輸入が減少する一方で石油の輸出は増加しており、
8月の石油製品輸出量は400万㌭/日。
前月比1.5%増,前年同月比7.5%増の水準で
8月の製品輸出量の過去最高となりました。
米国は原油は戦略物資で輸出が禁じられていますが、
製品に加工すれば輸出できる、ということでチャートのような
輸出の伸びとなっています。

WTI原油価格は現在90㌦近辺まで下落してきていますが、
現状では、まだまだ下落余地はあると山内さん。
シェールの採算コストラインは70~75㌦ということで
90㌦であればまだまだ利益になります。


つまり、採算コストラインにまで接近するところまで
原油は下がるリスクが残されているということ。
山内さんは80㌦を割り込むということになると、話は
変わってくるが、80㌦程度までの下落余地は十分にあると
お話くださいました。詳しくはオンデマンド放送で山内さんの
解説をお聞きくださいね。

ここで番組からのお知らせです。

「マーケット・トレンド」は今年12月で番組開始から10年!。

そこで番組では10周年を記念したスペシャルイベントを
東京は虎ノ門の金刀比羅宮で行います。

9月29日(月)~10月3日まで、毎日夕方17時から
「マーケット・トレンド」公開生放送イベントin金刀比羅宮神楽殿を実施します!

 

出演は:月:岡田晃さん(経済評論家)

   火:小次郎講師こと手塚宏二さん

    水:菊川弘之さん(コモデティアナリスト)

    木:岡安盛男さん(FXアナリスト)

    金:池水雄一さん(スタンダードバンク東京支店長)

 公開生放送後、番組特製トートバッグ、TOCOM特製金箔のおはしなどが当たる
 ミニゲームも実施しますよ~。

来場は無料です。
ゲストとして虎ノ門ご当地キャラクター「カモ虎課長」も参加し、
一緒に投資、経済について学びます。

「マーケット・トレンド」公開生放送イベントin金刀比羅宮神楽殿は
9月29日から1週間。虎ノ門の金刀比羅宮でお待ちしております。

■イベントWebサイト

http://www.radionikkei.jp/news/event/trend140929.html

ドル高で金下落、援軍来たらず?! [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014.09/19 大橋ひろこ 記事URL

ドル建ての国際金価格が1200ドルの節目に向けて下落基調を鮮明にしています。9月第3週、日経平均は6年10ケ月ぶりの高値を更新、米国株もS&P500は2000P台へ、アリパパのIPOはトヨタの時価総額を超える盛り上がりとなりました。対してさえない金価格の背景にあるのは「ドル高」。注目されたFOMCを受けてさらにドル高が加速した1週間となりました。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は金融貴金属アナリスト亀井幸一郎さんにお話を伺いました。

亀井さんにはまず、
金価格の上値を抑えているドル高の背景を聞きました。


・マイナス金利導入、ABS、カバーボンドの購入と
追加緩和に踏み切った欧州。ECBによる明確なユーロ安誘導で
ユーロに対してドルが買われる展開に。

・スコットランドの独立を問う住民投票の結果は独立反対派勝利で
事なきを得たイギリスですが、事前調査で賛成派が上回ったことを
きっかけにしたポンド売りでドルが買われる局面がありました。
投票が始まってからはポンドの巻き返しが起こりましたが、
今回の投票を巡ってイギリスが失ったものは大きいとの声も。

・秋からのGPIFの本格始動期待に加え、
日銀の追加緩和期待も広がりつつあり、一段の円売りが進行。
ドル円だけでなく、ユーロ円、ポンド円、NZ円などクロス円でも
円安が大きく進む展開に。

・そしてドルの強気材料としてのFOMC
9月のFOMC声明のポイントは
10月の量的緩和策の終了を明記しましたが、
そして、量的緩和策終了後も「相当な期間」ゼロ金利を維持と
「相当な期間」という文言は残したところにありました。


インフレ率が2%を下回る間はゼロ金利の継続が適切とし、
FOMCメンバーの金利見通しでは初めて2017年の金利見通しも
示されました。 通常の水準に戻るのが2017年。
2015年末の金利水準もこれまでの見通しから引き上げられ、
逆算すると、来年2015年6月には利上げが開始されるとの
思惑が一気に広がりました。

こうして、通貨毎の材料をひとつひとつ見ても、消去法的に、
そして、さらに積極的にドルを買うしかないマーケットの地合いが
醸成されていたということで、ドル高を背景に、原油や貴金属など
コモディティ価格は軒並み下落基調となっているということですね。

ではこのまま金価格は下落が続くのでしょうか?

金市場の材料となり得る今後の問題点として
亀井さんが注目されているのは
現時点で4兆4836億ドルに膨れ上がっているFRBのバランスシート。


たしかにQE3は10月をもって終了するのですが、
新たな資産買入れがなくなるだけで、これまで購入した資産は
そのまま維持されるのです。

米国債 2兆4406億ドル 
MBS  1兆6783億ドル  
超過準備2兆6000億ドル

MBSの100%近くが償還まで10年以上もあるのだそうです!?

早期利上げの思惑が広がったことでドル高となっていますが、
現在のところ、米国債長期金利は2.6%台にとどまっており、
それ程懸念する水準にはありません。

しかし、実際に米国の金利が上昇してきたらどうなるでしょうか。
FRBが購入した資産の金利が上昇するということは
巨額の評価損を抱えるリスクがあるということですが・・・。

総額が4兆5000億ドル(約480兆円)まで膨らんだFRBの資産は、
維持したままで、出口に向かう、つまり金利でコントロールせざるを
得ない状況となっています。本当に利上げに向かった時の
金融経済の反応を亀井さんはリスクとして指摘されています。

この際、株価が大きな調整を強いられることとなれば
金には資金流入の可能性も?

しかし、それはまだ少し先の話。

足元では1200ドルの節目の攻防は避けられないでしょう。
亀井さん曰く援軍来たらず・・・・で、
実需筋、中国がまだ買い参戦してきません。

下がったら買う、というのが中国の買い方。
まだ下値があるとみているのでしょうか。

ここからの金価格展望、詳しくは亀井さんの解説を
オンデマンド放送でお聞きくださいね。

中東の地政学リスクと原油市場 [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014.09/12 山本郁 記事URL

今日は、大橋ひろこさんがお休みのため、山本郁が代わって担当させて頂きました。
ゲストは資源食糧問題研究所代表の柴田明夫さんです。

柴田さんは先月27~28日、トルコのイスタンブールで開催された「中東協力現地会議」に出席されたそうです。
この会議は1973年の石油ショックへの官民挙げた対応のため、現地での情報共有と事業機会の展望を目的に毎年開催されているもので今年で39回を数えます。
各国大使や政府研究機関・団体、大学、民間企業から約350人が参加したそうですが、柴田さん中東・北アフリカ地域の食糧問題を取り上げ講演されたそうです。 
今日は会議の中で行われた講演や報告から、柴田さんにお話し頂きました。

NYK原油価格は8月末以降、1バレル=90ドル台前半で推移し、7月半ばに比べると10ドルほど下落しています。
北海ブレントは9月10日に99ドルと2013年5月1日以来の安値をつけました。
その要因は、①ドル高(ECB追加利下げ、日本の4-6月GDP下方修正、FRBのQE3終焉→利上げタイミング近い)②ドライビングシーズンの終焉、③中東情勢で、いまのところ原油供給への影響限られる...と3つ挙げられます。
その3つめの中東・北アフリカ情勢に関連した原油の価格下落の背景については
①イスラム国」が主戦場を北部クルド地区やシリアに移した②イラクの原油資源の約8割が集中する南部で、アバディ氏を首相候補とする「挙国一致型内閣」を目指す動きが始まった③米軍は8月8日より「イスラム国」に対する空爆を開始。地上ではイラク国軍とクルド兵(ペシュメルガ)とが連携し、同国最大のモスル・ダムを奪回
...などで地政学的リスクが後退したという状況です。
また「イスラム国」は、イラク北部や東部の油田を相次いで制圧し、シリアなどに原油を1バレル20~40ドルの安値で販売し、資金源にしているという状況もあるそうです。

イラク問題について、石油市場への短期的影響は限られるようですが、むしろ長期的な問題は、BP、RDシェル、エクソン、トタールなど国際石油企業による上流部門への投資が減少していることだと指摘。(英国チャタムハウスのスチーブンス教授)
イラク政府は公式には、現在の日量300万バレルの生産量を2020年に同900万バレルに拡大するとしていますが、この計画はもはや非現実的としか言えません。 
国際エネルギー機関(IEA)も、拡大する世界の石油需要の大半を賄っていくのがイラクの生産拡大とみていただけに、長期的な供給不安が強まっていると警告しています。

その一方で、期待されるのがイランです。
イランがいずれ供給を増やしてくる可能性はありますが、それも確かではありません。
それは、イランと欧米との核問題交渉があるからです。
これまで6回行われたが、7月の交渉では妥結には至らず、4カ月(次回交渉は11月24日)延長されました。
妥結には少なくとも以下の6つの論点がクリアされなければなりません。
①ウランの濃縮能力をどの程度まで認めるか。遠心分離機を現状の1.9万基から1.0万基に削減する一方、新世代の遠心分離機を導入
②アクラ重水炉(現在は原爆の原料となるプルトニウムが生産される。交渉ではこれを抑える方向で設計変更)
③IAEA視察を認める
④経済制裁解除の在り方
⑤弾道ミサイル開発(イランは、核とは別に自衛の権利と主張)
⑥合意期間(欧米は20年間、イランは5年間を主張)
これだけの論点をクリアして11月の交渉で合意するのはなかなか難しいのではないかと思われますが
柴田さんが会議で見て来られた感じだと、 関係者の見方は楽観的だったそうです。
例えば、①交渉会議ではお互いをファーストネームで呼び合い、同じキーワードを用いるなど、交渉相手を信頼していること②並行して対米交渉が行われていること③イランの核濃縮の権利は実質的には50%まで認められているのを理解したうえで、交渉は相互に知恵を出し合って柔軟に行われていること...などが理由として挙げられるそうです。

今や、中東ではすべての問題において、イランは主要プレーヤーであり、次回11月交渉に合意ができなければ、米議会の反発は必至となり、中東の地政学リスクは一段と高まることになるけれとど
 一方、核合意が成立すると、イランは中東地域において米国に協力する可能性も強まり、中東地域の安定に寄与するでしょう...と柴田さん。

詳しい解説はオンデマンド放送でお聴き下さいね。

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