金急落、高まる米9月利上げでファンドも売り越しへ [大橋ひろこコラム]
2015.08/09 大橋ひろこ 記事URL

金相場が冴えません。冴えないのは金のみならずCRBインデックスも200Pを下回り商品市況は12年ぶり安値圏へと低迷しています。このような動きの背景にあるのは「近づく米利上げ」と「中国景気後退」です。金価格は今後どこまで下落の可能性があるのでしょうか。

みなさんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は金融貴金属アナリスト亀井幸一郎さんにお話を伺いました。


1. やって来るか9月の利上げ

コモディティ、金市場の潮目の変化を感じさせたのは
9月の米利上げが現実的となってきたいくつかのイベント。

① 7月15、16日のイエレン議長の議会証言では

「早すぎるリスク」から「遅すぎるリスク」にシフト


② 7月のFOMC声明文の小さな変化

声明文に盛り込まれたSOMEがタカ派的だという受け止め方に
(労働市場の)「さらなる改善」から「さらにいくらかの改善」


③ 7月30日 4-6月期GDPの発表

4-6月期2.3%成長よりも1-3月期が▲0.2%から+0.6%に
上方修正されたことに注目



④ アトランタ連銀ロックハート総裁 WSJインタビュー記事で

「私が前進することに抵抗を感じるには、経済情勢の大幅な悪化が必要だ」

~ 向こう数週間に発表される指標がとりわけ弱い内容でない限りは重きを置かない
~経済は準備できており、変化を起こす適切なタイミングだという姿勢で会合に臨むつもりだ

同総裁は、現在FOMC全体のコンセンサスを代表する傾向があることと
WSJのヒルゼンラス記者は著名Fedウォッチャーであることから、
利上げに向けたコンセンサスを発信したのではないかと
思われる、と亀井さん。


9月の利上げが、マーケットに織り込まれていく中で
金価格は1100ドルを割り込む水準まで下落しています。

特に7月20日には上海時間に金価格は40ドルもの下落となりました。
原油をはじめコモディティ市場総弱気の中で起きた金の投機的売り攻撃
直前に中国が外貨準備に占める金保有量を公表、1658トンという数字は
マーケットが予想していた3000トンを超える金保有の可能性を
大きく下回るサプライズで、このことが下落のきっかけとなったのでは?
とみる向きもありますが、亀井さんはこれはタイミングが符号しただけであり、
中国がこの下落に関与している可能性は大きくないと解説くださいました。

こうした金の下落の裏で、ファンド勢が金売りを仕掛けており、
大口投機筋の先物とオプションの金のポジションは売り越しに転じています。

亀井さんはCFTCの投機玉ポジションに表れる数字よりなお、
ファンド勢の売りポジションが大きい可能性もあるとし、
(金現物の裏付けのあるインデックス投資を絡めた仕組債などの推移から)
これらのポジションが買い戻されるときには金は大きく上昇します。

そのタイミングはいつでしょうか?
果たしてここから9月利上げまでの展開は? 
9月利上げの有無とその後の展開は?

詳しくはオンデマンド放送で亀井さんの解説をお聞きくださいね。

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出光・昭シェル経営統合でJXと2強体制へ~その背景と今後 [大橋ひろこコラム]
2015.07/31 大橋ひろこ 記事URL


石油元売り国内2位の出光興産と5位の昭和シェル石油は30日、経営統合することで基本合意したと正式発表しました。7月31日日経新聞の一面トップニュースです。

出光が昭和シェルの親会社であるロイヤル・ダッチ・シェル(シェル・グローバル)から33.3%(議決権比率)の昭和シェル株式を取得。シェル・グローバルは35%の昭和シェル株式を保有することとなります。昭和シェル株の売却でシェル・グローバルは,日本での石油精製・販売事業から完全に撤退し、今後はLNG中心の資源開発に集中していくことになります。

皆様ご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は株式会社セキツウ常務取締役の山内弘史さんに
「出光・昭和シェルが経営統合に向けた協議で合意」
その背景と今後についてお話を伺いました。

大手石油元売り会社は多い時で10社あまりあったのですが
業界再編の末、ガリバーであるJXホールディングス(10.8兆円)と
今回統合にて業界2位へと浮上する出光+昭和シェル(7.6兆円)の
2強体制へ随分数が減りました...。


これまで業界3位だった東燃ゼネラル石油(3.4兆円)、
次いでコスモ石油(3.3兆円)が今後どうするのかが注目されますが
業界再編は最終局面に入ってきています。

なぜ石油元売りの統合再編が繰り返されてきたのでしょうか。

そもそも、石油製品の国内市場が縮小し続けています。
少子化に加えて、燃費の向上がガソリンの消費量を減少させているのです。


◆ガソリン販売量推移、減少が続く。

2010年度 58,159千kl 
2011年度 57,209 
2012年度 56,206
2013年度 55,477
2014年度 52,975

2018年度には49,458へ 
2019年度には48,310へ減少する見込みで
年率1.8%の減少となるとみられます。

このペースでいくと2019年には
2014年度(5年前と比較して)▲8.9%に。

このため、ガソリンスタンド(給油所)数も減少が続いています。

◆給油所数推移、減少が続く。

平成元年 58,285
6年 60,421 
10年 56,444 
15年 50,067
20年 42,090
22年 38,777 
24年 36,349 
25年 34,706
26年 33,510

平成6年がピークで6万ヶ所あったガソリンスタンドが
昨年は33510ヶ所で、およそ半減しています。

この中で今回統合した2社のガソリンスタンドは計約7000カ所。
出光の月岡社長は「当面、両ブランドは維持する」と述べています。


国内需要の低下、マーケットの縮小は今後も続くとみられ、
アジアなど海外市場の開拓が急務となってきていますが、
今後は、出光が進めているベトナムでの製油所事業など
海外展開を加速するとみられています。

しかし、海外市場も競争が激しいと山内さん。

中東など産油国と組んでアジア市場に製油所を作り
製品を販売している競合もあるほか、
アメリカがシェール革命以降、石油製品輸出を拡大しており、
コストも低廉化しているのだそうです...。

◆製油所は2社で6か所、統廃合なし?!

両社が保有する製油所は

 出 光 :北海道(苫小牧)、千葉、愛知(知多)の3か所
昭和シェル:四日市、川崎、山口の3か所

計6か所あります。

「製油所の統廃合は必要ない」と月岡社長は話されていますが、
 製油所統廃合が元売統合の最大のメリットかと思われますが、、、。

しかし、競合他社が保有する製油所とエリア的に重複しないため
一体運営による効率化でコストを削減が可能であれば
統廃合しなくてもやっていけるということなのかもしれない、と
山内さん。

詳しくはオンデマンド放送で山内さんの解説をお聞きくださいね。

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下げ止まらぬ商品市況の現状と今後 [大橋ひろこコラム]
2015.07/24 大橋ひろこ 記事URL

商品市況の下落が止まりません。WTI原油価格は再び50ドルの大台を割り込み、NY金価格は生産コストとして意識されてきた1200ドル大台どころか1100ドル台をも割り込んでしまいました。モルガンスタンレーやゴールドマンサックスなどの大手金融機関は金価格1000ドル割れの可能性に言及しています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は三菱東京UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員 
芥田知至さんにご出演いただきお話を伺いました。



ギリシャ支援問題や中国株式市場の急落など様々なリスクが株式市場の
下落を誘発し、コモディティ市場にもその余波が及んだ部分もありましたが、
金市場にはリスク回避の資金流入はなく、リスクが鎮静化した後には
一層の下落となりました。

金が5年5カ月ぶりの安値、原油は5月の高値に比べて21%安。

原油や金が下落している背景と今後について芥田さんに
解説いただきました。


<中国需要の下振れ懸念>

ギリシャ問題や中国の株安を受け、世界の原油需要に対する見方が
やや慎重になっている可能性。
中国の景気動向に敏感な銅やアルミといったベースメタルなどの
価格も下落しており中国需要による価格下支えがなくなっている
と考えられます。


<シェールオイルの生産高止まり>

昨年後半からの原油価格の下落を受け採算割れから
減産の動きが見え始めた米国のシェールオイルですが、
原油価格が40ドル台の底値から60ドル台へと持ち直したことを受け、
減産はそれほど進まないとの見方がでてきています。
油田開発の先行指標となる石油掘削設備(リグ)の稼働数の週次統計は、
6月26日をボトムにやや増加しており、米国の原油生産量も
5月15日に終わる週をボトムにやや持ち直しています。


<イラン産原油の供給増加観測>

イラン核開発協議で合意が成立し、イラン産原油の供給が増える観測。
イラン産原油の供給が開始される具体的時期は不透明ではあるものの、
今のところ、対イラン経済制裁の解除は、来年以降となると報道も。

制裁解除後は数カ月程度で60~80万バレル程度の
増産が可能だという見方が原油の上値を抑えていると考えられます。


<米国の利上げ>

FRBの利上げが視野に入ってきていることで、ドル高基調が継続しています。
原油相場とドル相場の関係が密接な状態が続いており、
FRBの利上げを材料にドル相場が堅調に推移する環境では、
原油や金をはじめとしたコモディティの価格は抑制されやすい
状況が続くとみられます。


<金下落の背景に中国の金保有量公表>

中国人民銀行が17日に突然金準備の保有量を発表しました。
それによると6月末時点の金保有残高が1658トンと、
2009年比で57%増加していたものの
市場の想定を大幅に下回る増加テンポだったため
ネガティブサプライズとなり、手仕舞い売りが加速しました。

ギリシャ問題や中国の株安への懸念が一服する中で、
安全資産としての需要が減退することが意識されたこと、
米国の利上げ観測が強まる中でドル高が進み、金売り圧力が強まったこと、
原油など他のコモディティの下落が進む中でインフレ期待が後退して
インフレヘッジとしての金需要も萎むとの懸念に繋がっています。


ギリシャに中国、リスク回避でどうなるドル円相場 [大橋ひろこコラム]
2015.07/10 大橋ひろこ 記事URL

ギリシャ問題でユーロ急落、リスクオフで週明けのマーケットが大荒れとなるパターンが2週続きました。ギリシャはIMFへの債務返済ができずに事実上のデフォルトへ。加えて唐突に実施された 国民投票での緊縮策受け入れNO、ギリシャ問題は最悪のシナリオを辿るかに見えますが、為替市場
では週明け最も早くリスクを織り込む東京市場ではユーロ売りが加速するも、その後はゆっくりとユーロが買い戻されるという流れとなっています。
ギリシャリスクは単純にユーロ安要因であるとは言えません。7月に入ってからは中国リスクも顕著となってきたことで、ボラティリティも上がってきています。


皆さんご機嫌かがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は外為どっとコム総研 研究員の石川久美子さんに
為替市場の動向と今後の見通しをいただきました。


ドル円相場は2015年125円まで円安ドル高となる局面がありましたが、
ギリシャ~中国ショックで120円台半ばまで円高ドル安が進みました。

テクニカル的には122円台の大台が意識されています。
長期チャートで長らくレジスタンスだったレベルですが、
ここを超えてからドル円相場は125円台まで急伸しました。


ところが今回リスクオフ相場となる中で、ドル円相場は
レジスタンスを超える前のレベルまで再下落してしまっています。


円安トレンドは天井を付けた、、、との声も出始めましたが、
ここからのドル円相場を見るうえでのポイントは何でしょうか。

ギリシャ問題、そして中国株式市場の動向は、足元のマーケットでは
注目度が高く、ボラティリティを大きくする材料として重要ですが、
こうしたリスク要因が払しょくされれば
やはりアメリカの金融政策が焦点となってくると石川さん。

9月利上げ思惑は大きく後退した、という見方も広がっていますが、
米国は、ギリシャや中国などの外部要因を気にして
利上げを遅らせることがあるのででしょうか。

そして、この週末リスクと週明け以降の為替動向を見るうえでの
ポイントは?

詳しくはオンデマンド放送で石川さんの解説をお聞きくださいね。

ギリシャ危機、今後の想定シナリオとゴールド [大橋ひろこコラム]
2015.07/03 大橋ひろこ 記事URL

ギリシャは6月30日午後6時(東京時間7月1日午前7時)、先進国で初めて国際通貨基金(IMF)への債務の支払いを期限までに履行できませんでした。ギリシャの債務は17億ドル、日本円にして約2100億円。ギリシャ政府は債務支払いの延期の要請をしており、これは今後IMF理事会で検討されることになっています。また7月5日にはギリシャでは国民投票が実施されEU残留を国民に問うとしています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はICBCスタンダードバンク東京支店長 池水雄一さんに
ギリシャ危機とゴールドについてお話を伺いました。

ギリシャが事実上のデフォルトに陥っているというのに
ゴールドの反応は落ち着いたものというか「冷めた」ものです。


株式が大きく下げたのは29日月曜日のみで、
債務返済期限の30日には逆に世界中で株価は若干戻しています。

池水さんは、目だって進展のない交渉が何ヶ月も続いていることで、
ほぼマーケットに織り込まれているとし、
今後、国民投票を受けて考えられるシナリオに沿って
今後の金相場を展望いただきました。

シナリオ1:ギリシャがユーロ圏に残留

国民投票で、緊縮財政にYesとなり、最終的にギリシャ政府と
貸し手との間に最後の大逆転的な新たな合意案が形成された場合。
ユーロは幾分買い戻されて、ゴールドにはこれはプラス。
しかしゴールドに対する影響は軽微と思われ、
マーケットの関心はFRBの今年後半の金融政策へ移ることに。


シナリオ2:ギリシャ、大きな悪影響を与えずにユーロ圏離脱

ギリシャのユーロ圏離脱が現実となればsafe havenとしての
ゴールドの魅力が増すことに。
欧州の株式からゴールドへ資金を移動させる機関投資家も増加、
消費者のゴールド投資にも拍車がかかると思われます。

実は今年第一四半期にはすでにそのような動きがドイツで出ており、
最近の英国王立造幣局(Royal Mint)の発表では、
彼らのソブリン金貨のギリシャでの売上は大幅に増加しているそうです。

ただしこうした材料でのゴールド上昇は一時的。
ここ数年でギリシャの国家負債に対する民間のリスクは大きく減少。
2011年のユーロ危機の時、ECBはESMやQEといった手段を構築、
市場のボラティリティが制御不可能になることを防ぐ手立てを用意しています。
また、ギリシャがユーロ圏を退出していくことによって、
ユーロ圏は中長期的にはより安定したものになる、ということで
まさにテールリスクが消えることで、
ゴールドにとっては、マーケットの興味は再び米国の金利の動きに移り、
短期的には頭の重い展開へとシフトすると考えられます。



シナリオ3:ギリシャが大きな悪影響を与えてユーロ圏を離脱

ギリシャ危機が拡散する可能性を完全には否定できません。
引き金になるのはECBが用意した危機拡散防止のための
ファイヤーウォールの失敗、政治的な事件(たとえばスペインで)、
もしくは単純に投資家の信頼を失うことによってありえるかも?!
クレジットスプレッドが広がり、欧州各国の国債を抱える
欧州系の銀行に対する不安が広がり、投資家はゴールドに
その資金を避難させることになり、米国FRBも金利上げは
延期せざるを得ない状況へと追い込まれ、これもまた
ゴールドにとっては強材料となる、、、と考えられますが、
池水さんはこのシナリオはもっとも可能性が低いと解説くださいました。

詳しくはオンデマンド放送で池水さんの解説をお聞きくださいね。


原油膠着もブレント安、ここからの焦点は [大橋ひろこコラム]
2015.06/26 大橋ひろこ 記事URL

原油相場はすっかり膠着しています。しかし、6月25日迄のWTI原油と北海ブレント原油の平均価格を比べてみると、WTIが$59.94(5月比べて57セント上昇)で推移していたのですが、ブレントは$63.88(5月に比べて$1.73の低下)と対照的な動きを見せていることがわかります。このような値動きは珍しいのですが、いったい何故WTI原油が強く、北海ブレント原油が弱いというようなことが起こっているのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオイルアナリストの藤沢治さんにお話を伺いました。

WTI原油はほぼ輸出されることのない米国産原油。
WTI価格の上昇は米国内の事情での上昇ということになります。

一方でブレント原油が下落しているということは、グローバルには、
原油需給が更に緩和傾向を強めたことを表しています。

ブレントはギリシャ危機などの金融要因にも反応しやすく、
6月はギリシャ支援問題が原油市場にも影を落としたともいえそうです。
現在、ブレント原油は、アフラマックス(8-12万トンタンカー)が20隻、
北海で買い手を求めて停泊中。
これは陸上のタンクが満杯になり(特に欧州では顕著)
最近、コンタンゴが縮小したので、売り手は早く売りたいと
焦っている状態にあるということで、
原油余剰を如実に表わす事象だと藤沢さんは解説くださいました。
アフリカ原油も同様だそうです。

この6月は5日のOPEC総会が注目されていましたが、
大方の予想通り5日の総会でOPECは生産枠を据え置きました。
据え置きとはいっても、実際には生産枠の日量3,000バレルを超え、
この5月は日量3,110万バレルを生産しているのだとか。

また、シェール生産の掘削稼働リグの減少が注目され続けてきた
米国原油生産量ですが、結局原油生産量は減少していません。
生産効率のいいところが残ったために総量減産には至っていないのです。

現在の米国の原油生産量(日量960万バレル)に
NGL(日量320万バレル)を加えると、
石油生産量は日量1,400万バレルで世界一です。

2014年の米国の原油生産量は日量1,164万バレルで
サウジの1,151万バレルを抜き、44年ぶりに過去最高となりました。
2012年以降、毎年日量100万バレル以上の増産ペースです。
ロシアの原油生産も現在は昨年より高い状況で供給過剰状態が
続いています。

それに加えて、現在の最大の関心はイラン。
P5+1との核兵器開発疑惑に関する最終合意期限は6月30日
とされていますが、論点は、軍事施設へのIAEAの査察に関し、
イランが拒否しているということろにあります。

現状では最終合意の期限が延長される可能性が濃厚。
ただし、イランは合意を待たず原油増産をする意向で
2-3ヶ月で日量50万バレル増産し、トルコ、中国、インドなどに
輸出する計画です。合意はなくても、イランは増産し、
欧米もこれを暗黙裡に容認するものとみられます。
制裁は続くも、市場にはイラン産原油が出てくるとみられ、
原油市場にとっては上値を抑える一因となるでしょう。

需要面では、アジアは少し回復したものの中国の需要減速が懸念材料。
欧州は、経済停滞で需要は不調です。
中東では、イランでガソリン価格の値上げで需要不振。
ということで増加基調にあるのは米国のみという状況です。
米国の今年のガソリン需要は、前年比3%程度増加となる見込みです。

しかし、相対的にみればOECD諸国の原油と製品を合わせた
石油在庫は、60日以上になっていると思われWTI価格で60ドル前後を
維持できているのが不思議なくらいだ、と藤沢さん。

イランの増産が判明すると、投機筋のNet Long Positionも
減少すると思われ、価格が大きく崩れる可能性を指摘されています。

藤沢さんはイランの増産で、日量250万バレル以上の
過剰供給がバランスするのは来年までかかるのでは?
と、今後の価格予想をしてくださいました。

詳しくはオンデマンド放送で藤沢さんの解説をお聞きくださいね

夏場の安値に注目、金星逆行とNY金 [大橋ひろこコラム]
2015.06/19 大橋ひろこ 記事URL


「サイクル」「テクニカル」「アストロロジー」の観点から相場を予測、特にアストロロジーから導き出される重要変化日の的中率がマーケット関係者を驚かせ続けているアストロロジーサイクル論者レイモンド・メリマン氏。2015年前半のマーケットにおいてもメリマン氏が指摘した期間が重要な転換ポイントとなりました。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は投資日報社の林知久さんにお話を伺いました。

レイモンド・メリマンというと、重要変化日ばかりが注目されていますが、
実はフォーキャスト2015や月刊、週刊のレポートでは、
変化日以外にも重要な天体の位相がマーケットに影響を及ぼす
可能性について言及されています。

例えば3月17日の天王星・冥王星スクエア(90度)の時間帯には
原油・金・ユーロドル相場などの安値と合致、転換ポイントとなりました。

この日がいかに最重要日(期間)であったかは「フォーキャスト2015」に
記されていますのでご一読いただきたいのですが、
直近で驚かされたのが、黒田日銀総裁の

「(質実効為替レートからみると)これ以上円安にはいきそうにない」という発言。
この発言は6月10日に国会で飛び出したのですが、これまでの黒田総裁の
スタンスの変化にも捉えられる、衝撃の発言でした。
この日は6月9~10日の重要変化日で水星順行と海王星逆行の時間帯にあたり、
メリマン氏の6月8日付「MMAカレンシーレポート」では
 
「6月10~12日付近の時間帯に注意が必要なのではないかと私は見ている。この時間帯は重要変化日のエリア(6月9~10日±3営業日)であるだけでなく、水星と海王星の運行方向が変わる時間帯でもあるのだ。ひょっとすると、ここで世界の一部(例えば日本)の通貨や金利の政策方針の変更と呼応した何かがあるかも知れない」

という記述をもって、その可能性が示唆されていたのです。
驚きですね。

では、目先の天体位相での注目点はいつになるでしょうか?
林さんは6月22日だとズバリ!

これは木星と天王星のトライン(120°)
直近では全3回起こる天体位相で、
「14年9月26日」「15年3月3日」「15年6月22日」
なのだそうです。一体何が起こるのか!?

NYダウに注目が必要です。

14年9月19日17,350ドル → 10月15日15,585ドル
15年3月2日18,288ドル → 3月22日17,579ドル
15年6月22日 ?

前回2回はダウ平均に大きな変化が訪れました。
確かに米株は高値もみ合いが続いています。
6月22日前後には米株に注意でしょうか。

また、今回林さんには、ドル円相場、NY金相場の
ここからの展望をお話いただきました。

メリマン氏の展望や分析の素地となるのが、
「サイクル」「テクニカル」「アストロロジー」ですが、
そのうちの「テクニカル」分析においてメリマン氏は主に
各種移動平均と15日スローストキャスティクスを使用されているといいます。

相場展望の基礎は月足→週足→日足の順で流れを見ていくのですが、
NY金を例にとって展望いただくと

NY金月足
17カ月線は34カ月線を割り込みなおかつ相場は両線より下で弱気

NY金週足
25週線は37週線を上回り、相場は現在両線付近でニュートラル

NY金日足
15日線は25日も45日線も上回っていないが相場は全線上抜け

という状態になっており、強気転換前夜である可能性が。


林さんは、足元では1~2週間相場の強気が継続するも
一度修正局面が訪れて、その後に本格的な上昇が訪れる
可能性に言及くださいましたが、重要キーワードとなるのが
「金星の逆行」です。(7月25日から9月6日)


金星逆行は19か月毎に起こるのですが、
8年後サイクルで同じ時間帯に重なる逆行となる、
ということで、今回の逆行の時間帯は8年前と同じとなります。

8年前の金星の逆行期に金がどのように動いたか。
ということを探るのがポイントとなってきますが、
8年前は逆行が抜けた後、金は大相場に発展しました。
ということは逆行期の安値に注目し、その安値を
拾うという戦略が面白い・・・_!?

詳しくはオンデマンド放送で、林さんの解説をお聞きください。
また6月23日㈫には林さんご出演の番組
「特番『「メリマン・スペシャル~2015年後半を読む!」のポイント』
が16:15~16:45の時間に放送されます。
こちらも是非お聞きくださいね。

豪鉱山会社の生産コストと金価格 [大橋ひろこコラム]
2015.06/12 大橋ひろこ 記事URL

ピークゴールド説を番組でもご紹介したことがありますが、簡単に言うと、金鉱山の生産コストは年々上がってきている一方で、米国の利上げ観測がドル高を招いていることから金価格が下落し安値放置され続け鉱山会社は経営難に陥っている状況にあり、2015年が金生産のピークとなるだろう、という見通しのことです。

鉱山会社の現状とはどんなものなのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は金融貴金属アナリスト亀井幸一郎さんにお話を伺いました。

亀井さんは4月末にオーストラリアの露天掘り鉱山
カルグーリ- KCGM(スーパーピット・マイン)を
ご覧になってきたばかり。まずはそのお話から伺いました。

西オーストリア、パース北東150キロに位置するこの鉱山は
露天掘りと言って、南アフリカのような縦穴を掘って地中深く
掘り進める鉱山ではありません。

幅1.51キロメートル、長さ3.5キロメートルもの広大な穴は
らせん状にできた道を270トンもの巨大ダンプが走り、
掘り出した石を運び出しています。

270トンダンプって...?想像できませんね。
タイヤだけで3メートルもあるのだそうです。

縦穴式鉱山ではダンプが地中深く降りることはできません。
人の手によって運び出さねばならないため人件費がかかりますが、
地中深く降りるだけでも相当の時間がかかるほか、
地中温度は50度にも上るため、冷却設備が必要です。
縦穴式鉱山は少し考えただけでもコストがかなりかかることが
わかりますが、露天掘りならそれほどコストがかさまず、
効率がよさそうに思えます。

しかしこの鉱山、現在は深さ1キロメートルまで掘り進んでいるのですが
水が出てくる。この水が塩水で海水の7~8倍ほどの濃度。
つまり、塩害がひどいわけです。これで270トンダンプの耐久年数が
短くなってしまう、という問題もはらんでいるのだそう。

加えて鉱山品位が悪く、低品位とされている南アの鉱山でさえ
トン当たり5グラムの金が採取できるそうですが、
この鉱山はわずか2.6グラムということで、生産効率は高くありません。
ということで、露天掘りとはいえコストがかからないということでも
なく、相応の採掘コストはかかっているのですね。

現在金価格はドル高の影響でかなり下落しているので、
生産コストと価格の関係から、苦しい状況にあるのでは?と
思われるかもしれませんが、亀井さんがご覧になったこの鉱山は
オーストラリア(世界第2位の金生産国)です。

現在は、豪ドルがかなり安いんですね。
オーストラリアは中国の景気減速の影響を受けやすく、
RBAオーストラリア準備銀行は、今年2015年に入ってから
2度の利下げを実施、中銀総裁のスティーブンス氏も
繰り返し豪ドル安誘導発言を行っていることから
豪ドル安のトレンドが継続しています。

金鉱山など、輸出産業はこの通貨安にサポートされて
なんとかなっている、というのが現状。
(通貨安となれば、想定的に価格は上昇します。
豪ドル安のおかげで豪ドル建ての金価格は高いのです)

しかし、通貨水準が変わってしまったら・・?

なかなか聞くことのできないリアルな金鉱山会社の現状を
亀井さんにお話いただきました。
是非オンデマンド放送をお聞きくださいね。

また、番組後半ではここからの金価格を見るポイントとして
米国利上げを巡る議論について。

亀井さんはFRB利上げに関係する4つのリスクとして

①早すぎるリスク
②遅すぎるリスク
③オペレーションリスク
④世界経済へのプレッシャー

が存在すると指摘、そのうちの③オペレーションリスクについて
詳しくお話くださいました。

亀井さんが注視されているのは長期金利。
4月下旬からドイツ10年債利回りが上昇開始しており、
米国の10年物利回りも上昇中。

この動きは米国が利上げを判断する際にかなり意識される
ポイントとなってきます。

詳しくは是非オンデマンド放送で亀井さんの解説を
お聞きください。

プラチナ パラジウム価格差縮小続く  [大橋ひろこコラム]
2015.06/05 大橋ひろこ 記事URL

プラチナとパラジウム、どちらも白金系貴金属で主に自動車触媒として使用される工業品の需要が大きいことで知られていますが、目ためには全く違いがわかりません。しかし、その価格には大きな乖離がある、と思っておりましたが、昨今、その価格差が急激に縮小中です。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はICBCスタンダードバンク東京支店長池水雄一さんにお話を伺いました。

2009年2月27日、パラジウムはプラチナに対して1:5.48と5分の1以下の価格でした。
これが今年3月13日には1:1.41までその差は縮小、現在は1:1.46と
最大の5倍あったプラチナとの値差が2倍を大きく下回るところまで下がってきました。

パラジウムの上昇が目覚ましいのか、プラチナ価格が低迷しているのか...。
池水さんは、そのどちらも価格縮小の要因である、と指摘。
数年前から、池水さんはプラチナとパラジウムの価格は等価になる
可能性があることを指摘してこられましたが、それが現実味を帯び始めています。

池水さんからプラチナとパラジウムの価格チャートを頂戴しました。

現在パラジウムの需要の7割を占めるのは自動車触媒。
リサーチ会社のMetals Focusは、自動車の主要市場の経済危機からの
回復の度合いが、マーケットによって違うことが影響したとしていますが、
パラジウムの触媒はガソリン車。

北米の自動車売上高は2009年11月には1100万台という底をつけた後、
景気回復によって、過去5年半、年率にして平均8.9%自動車販売が増加、
今年3月には1780万台と2006年5月以来最高のレベルにまで達しました。

日本の自動車も基本はガソリン車です。ハイブリッドカーもそうですね。
そして、自動車販売台数では米国を超えた中国もそうです。

足元では景気鈍化が懸念されている中国ですが、
過去5年を見ると自動車販売台数が伸び続け、
2009年は125トンだったパラジウム需要が、
2014年には230トンまで増加しています。

プラチナはディーゼル車触媒ですので、欧州経済に影響を受けるのです。
欧州は自動車の売上の55%がディーゼル車。

景気回復は北米に較べても弱く、経済危機以前の自動車販売は
1400万台を越えていましたが、2013年6 月に1130万台と過去最低を記録、
米国の景気の底からほぼ3年半が立ってからの最低記録更新となりました。
このため、プラチナの自動車触媒需要も回復がゆるやかで
2014年は93トンと2009年の68トンの底からは改善しているものの、
2008年の137 トンにははるか及ばないレベルにあります。

また、プラチナの自動車触媒需要は全需要の40%程度で、
20%を占める宝飾需要部分においても、中国の習近平政権の
贅沢を禁ずる倹約令施行から、パタリと中国からのプラチナ買いが
なくなったと池水さん。この分野での需要低迷もプラチナ価格を
低迷させているようです。

プラチナ生産国である南アフリカの通貨であるランド安も
プラチナ安の原因となっています。ランド安によって
ランド建てのプラチナ価格は高騰するため、生産者はこれを好機と
プラチナ生産を増やし売ろうとするために供給過剰気味に。
需要が弱い上に供給が落ちないのですから、上値圧力が
かかり続ける構造です。

池水さんは今後もパラジウムはプラチナと比較して
よりタイトな需給が続きそうだ、ということで、
長期的にもパラジウムの価格は限りなくプラチナに
近づいていくと思われる、と解説くださいました。
詳しくは、オンデマンド放送で池水さんの解説をお聞きくださいね。

サウジV.S.米シェールオイルの消耗戦 [投資α情報(大橋ひろこ)]
2015.05/22 大橋ひろこ 記事URL

原油市場に底入れ感が出てきています。WTI原油は、5月に入り1バレル=60ドル台にまで回復、年初来の高値圏で推移しています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
資源・食糧問題研究所の柴田明夫さんに伺いました。

原油市場に底入れ感が出てきています。WTI原油は、5月に入り1バレル=60ドル台にまで回復、年初来の高値圏で推移しています。これをどう見るか。

原油価格は大きな下落相場を演じた後、半値ほど戻してきました。
しかし世界の原油供給は変わらず潤沢であり、
米国の原油在庫も過去最高水準にあるなど、
供給過剰が解消されたわけではありません。


IEAによると、OPECの4月の産油量は日量3,121万バレルで
年初から同140万バレル以上増加し2012年9月以来最も高い水準です。
特にイラン、イラク、サウジアラビアの増産が顕著で
イラン(3月の277万b/ d→4月282万b/d)、
イラク(同339万b/d→367万b/d)が増産し、
サウジは3月以降同1,000万バレルを超え過去最高水準。


5月6日に発表された米原油在庫は4カ月ぶりに減少したものの
その水準は4億9,000万バレル弱で、過去最高レベル。


原油が高騰した2008年ごろに米国で心理的に安心できる
原油在庫レベルは3億バレルとされていたことを思うと
隔世の感がすると柴田さん。


では何故潤沢な供給にもかかわらず
原油価格が回復してきたのでしょう。

① 昨年来の原油安によりアジアでの需要が増加。
IEAは5月のレポートで、2015年の世界石油需要を
日量9,360万バレルと予想、昨年から7万バレル引き上げた。


②5月1日時点の米国のシェールオイル開発を目的とした
リグ(掘削装置)稼働数は679基と、昨年末から60%減少。
市場では、米原油生産量が近く減少に転じるとの見方が
出てきました。EIA(米エネルギー情報省)も
5月以降には減少に向かう可能性が強いとしています。


こうした背景から投機筋が需給改善を見込んで
買いを入れていることが原油反騰に繋がっているようです。

とはいえ、
直ちに米シェールオイルの生産が急減するともいえない、
と柴田さん。

水平掘削(Horizontal Well)の延伸距離の拡張や
水圧破砕(Fracturing)技術の進歩、
注入する界面活性剤などの化学物質の技術革新が目覚ましく、
生産性向上によりシェールオイルの生産コストも
急速に低下しているのだそうです。


今後の注目は6月5日にウィーンで開催されるOPEC総会。
前回(昨年11月27日)は、原油価格が6月の100ドル台から
80ドル前後まで下落していたにもかかわらず、
スウィングデューサー(需給調整)の役を放棄したOPEC。
その理由は増産するシェールオイルに対して、
市場シェアを奪回する狙いとされています。

今回も減産は見送られるでしょうか。

油価急落にもかかわらず米シェールオイルの増産が
止まないことに対して、サウジのヌアイミ石油鉱物資源相は
以前より「たとえ原油価格が20ドルになっても減産しない」
と発言しています。サウジは徹底抗戦の構えであり、
その象徴が日量1,000万バレルを超える生産だとみられます。


ただ、イラン、イラク、ベネズエラなど、
歳入の大半を石油に依存する(ハイアブソーバー)国の
不満は大きく、OPEC内の軋轢は拡大しているようです。


これまでは、原油価格の下落のスピードが、
シェールオイルの生産性向上のスピードを上回っていたことから
リグの急減につながってきたのですが、
今後、原油価格が60ドル台を回復すれば、
米シェールオイルの採算も改善し、再び米国の
石油生産が増勢に向かうとみられます。
(ただ、長期的には開発のための新規投資が
控えられていることからシェールオイルの減産は必至)。


その場合、原油価格は改めて売られる公算が大きく、
両者のチキンゲーム(消耗戦)はいよいよ正念場を迎えたようだ、と
柴田さんは解説くださいました。
詳しくはオンデマンド放送で柴田さんの解説をお聞きくださいね。

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