金融要因に連れ安となった原油、ここから [大橋ひろこコラム]
2018/03/07(水) 23:22 大橋ひろこ


トランプ大統領が鉄鋼・アルミニウムに高い関税を課して輸入を抑制する方針を打ち出し、
貿易戦争への懸念が急浮上。ドル円相場は、一時105円台前半まで円高が進行しています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は三菱UFJリサーチ&コンサルティング 主任研究員 芥田知至氏さんに
コモディティ市況と今後の世界経済をテーマにお話しを伺いました。


その後、トランプ大統領は鉄鋼・アルミニウムの関税措置について、
カナダとメキシコについては、NAFTA交渉を通じて交渉すると述べており、
NAFTA交渉でカナダとメキシコから合意を取り付けることが目的だった可能性が
指摘されていますが、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限に強く反対してきた
コーン国家経済会議(NEC)委員長が数週間以内の辞任を表明。
ゴールドマン・サックス出身の国際派で、減税政策の立案者だとされる重要閣僚であるため
まだまだ混乱は必至です。

さて、まずは原油市況。

WTI原油価格は1月25日に66.66ドルをつけた後、2月9日には58.07ドルにまで
12.9%の下落となりました。米国の株価(S&P500株価指数)は、
1月26日をピークに2月9日には一時11.8%安まで下落しています。

このところは、株価との連動が強いとの見方もありますが、
原油独自の要因も強く影響していると芥田氏。

米国の石油掘削リグの稼働数が増加を続けていることや
EIA(米エネルギー情報局)が月例の短期エネルギー見通しの中で、
2018年の米国の産油量が過去最高に達するとしたこと(6日)、
EIAの週次石油統計においてガソリンなど石油製品の在庫が増加し、
米国の産油量が過去最高を記録したこと(7日)、
イランが4年以内に産油量を日量70万バレル引き上げる計画を示したこと(8日)などが
売り材料となりました。

足下では株価の下落、ドルの反騰など金融要因が原油価格に影響を
及ぼしているようですが、原油はコモディティです。基本は需給。
金融市場が落ち着きを取り戻せば需給要因に焦点が戻ってきます。

2018年は、産油国による協調減産が継続される中で需給は緩やかにタイト化するとみられます。

シェールオイルの開発が続く米国では、2018年も増産となりそうですが
サウジアラビアとロシアは、協調減産を遵守し、産油量は横ばいで推移すると見込まれます。

2017年は内戦などの影響から協調減産の適用から除外されていたナイジェリアとリビアは
産油量が増加していましたが、2018年は両国を合わせた産油量を日量280万バレル以下
とすることで合意がなされたようです。

経済危機に陥っているベネズエラは投資不足などから産油量が落ち込んでおり、
2018年は減産となる見込み。


一方、原油需要は、2018年も新興国がけん引し先進国でも増加する見込みです。
昨年は、電気自動車(EV)の普及が話題になりましたが、
EVが普及し、原油需要を抑制するようになるのは、まだ先の話だと芥田氏。

供給が抑制される中で需要が堅調であることが予想されますので
需給は緩やかに引き締まると考えられますが、
それでも6月22日の次回OPEC総会までに、石油在庫が産油国が目標とする
過去5年平均にまで減ることはないとみられることから
減産は2018年末まで行われそうです。

年後半には、協調減産からの出口が意識され、上値が抑えられる局面もありそうですが、
産油国は、現行の協調減産が終了した後も何らかの生産協調をしていく方策を
模索していくことになりそうです。

詳しくはオンデマンド放送で芥田さんの解説をお聞きくださいね。

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