新村氏に聞く2019年の商品価格展望 [大橋ひろこコラム]
2019/04/03(水) 20:55 大橋ひろこ

2019年は世界的に景気が循環的に減速するため、需要の拡大は期待できず景気循環系のコモディティ市場は強気できないのですが、供給面に不安を抱えるコモディティは足元堅調です。また政治イベントが多いのも今年度の特徴。英国は、4月12日までに無秩序離脱か、長期残留か、離脱回避かを選択しなければなりませんが、波乱はないのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケット・リスク・アドバイザリー代表取締役 新村直弘氏をお迎えし
2019年度商品相場の見通しを伺いました。


仮に離脱となった場合、欧州経済は強い影響を受けるため、
景気の減速の影響はじわじわ顕在化することが予想されます。
ただ、リーマンショックの反省から、無秩序離脱となれば
大規模な緩和が起きる可能性は高く、その場合は逆に価格が高騰し、
その後実態経済への影響の大きさが意識されて急落する、となる可能性も。


米中貿易交渉も長期化の様相。また中国の地方政府財政の悪化や
中堅中小企業の業況悪化による、信用不安の拡大懸念も無視できません。


中国の地方政府債務は20兆元弱とみられますが、
隠れ債務を含むとこの3倍はあるのではと指摘されています。
日本円で1,000兆円に達する可能性も?!
中国経済は市場がみている以上に悪化している可能性は無視できません。


1. 原 油

OPECとOPECプラス、サウジとロシアの減産へのスタンスに注目。
ロシアは9月末で減産を終了させると考えられています。

足下はでは減産とベネズエラ、イラン制裁などの供給不安が原油価格を支えていますが
景気が減速する局面では減産効果は限定されることに留意。
米穀がイスラエルに対する過剰な肩入れによる中東情勢悪化などの
リスクプレミアムで価格高騰があっても長続きしないと考えた方がよさそうです。


2.工業金属(銅・アルミ)

インドネシアでフリーポート社のグラスブルグ鉱山が露天掘りから
地下掘削にオペレーションを変更することに伴う減産や
インド、ヴェダンタの銅精錬所が環境問題で停止していることなどの
供給懸念が意識されて下値がサポートされています。

また、ブラジルヴァーレの鉄鉱石鉱山で廃棄対象となる物質を
ためておく尾鉱ダムの決壊事故が発生、環境面が強く意識されていることも
他の金属の供給懸念を強めていることも価格を押しあげています。

供給不安からの上昇という面ではパラジウムの高騰の背景も同様ですが、
需要の伸びが材料ではないことには注意が必要です。

3・ゴールド

強気できるのがゴールド。
ゴールドは基本的に政策金利と期待インフレ率で構成される
実質金利動向が価格を決定すると新村氏。


現状ではFRBの利上げはほぼ打ち止めとみられ長期金利が低下傾向を強めており
原油価格がしっかり推移していることはゴールドの強気要因となります。
政治のイベントリスクもゴールド市場への資金流入をもたらすと考えられます。

そして、足元で注目なのが農産物。
詳しくはポッドキャスト配信で新村さんの解説をお聞きくださいね。

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