世界の石油・ガス市場構造が大転換した2018年 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019/01/30(水) 20:03 大橋ひろこ

 2018年初頭、米国はサウジアラビア・ロシアを抜いて原油生産世界一に躍り出ました。米国原油生産は2017年は930万㌭/日でしたが、2018年通年で1,090万㌭/日にも達しています。12月単月では1,166万㌭/日で前年同月比16.1%増。月間生産量過去最高となりました。米国原油生産は12月まで5カ月連続1,100万㌭/日超となっており拡大傾向が続いています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はエネルギー情報ネットワーク 山内 弘史氏にお話しを伺いました。


サウジ,ロシアの原油生産は横ばいで米国だけが
大幅な増産を続けておりEIAは2019年、米国産油量が
1,960万㌭/日にも上ると予想しています。



さらに昨年の11月24~30日の週、
新たな石油時代を象徴するような事象が明らかになりました。
米国の原油輸出量が320万㌭/日、石油製品輸出量が585万㌭/日となり、
合わせた石油輸出量が905万㌭/日にも上ったのです。


この週の米国の原油輸入量は722万㌭/日、
石油製品輸入量が162万㌭/日で計884万㌭/日ですので
輸出が輸入を21万㌭上回りました。
つまり、米国が史上初めて「石油のネット(純)輸出国」となったのです。


 
では、この原油は誰が買ってくれるのでしょう。


中国を無視するわけにはいきません。
2017年の中国の原油輸入量(グロス)は840万㌭/日。
(米国は790万㌭/日)。原油輸入量世界一です。


一方で、中国の国内原油生産量は減少が続いています。
減産とは裏腹に中国の石油需要は2017年、
前年比3%(40万㌭/日)増の1,320万㌭/日に増えています。


2016年、中国の最大の原油輸入国はサウジでしたが、
2017年にはロシアがサウジを抜きトップに躍り出ました。
2017年から中国は米国からの輸入を大幅に増加させていますが、
2017年から2018年8月までは,中国が米国原油の第2位の仕向け先です。
中国がカナダ以上に米国のお得意さんなのですが、、、


米中貿易摩擦で足下では中国は米国産原油を輸入していません。
2018年1月に、ロシアの2009年末に敷設された極東向け原油の
EPSOパイプライン(東シベリア~コズミノ)が拡張され、
原油輸送能力が従来の2倍の60万㌭/日に大幅増加しました。
このパイプラインで中国北東部の新規製油所にも
シベリア原油が輸送されるようになっており、
中国は原油の買い付け先を多極化しており、米国依存は低下しているのです。


2017年の中国の原油輸入量の56%はOPEC諸国からでしたが、
2012年67%をOPEC諸国に依存していたことを考えると
5年間で中国のOPEC依存度が大幅に低下しています。


中国が米国やロシアからの原油を更に増やしていく状況で
とてもOPECプラスの協調減産が長期的に維持されるとは考えにくいだけでなく
米国のシェールオイルの継続的増産、中国の原油輸入の今後の更なる増加とい
う国際石油市場の構造的変化の下、OPECやサウジが市場を支配する余地は
一段と縮小されていくとみられます。
となると2019年の原油市況は、、、、


詳しくはオンデマンド放送で山内氏の解説をお聞きくださいね。

 

 

コメント