2017年の原油市況展望~減産の実効性は [大橋ひろこコラム]
2017/01/12(木) 23:43 大橋ひろこ

初のトランプ次期大統領の記者会見以降、ドルが下落しています。ビジネスと大統領職の利益相反の問題やロシアによるサイバー攻撃の問題が中心となり、市場の関心が高かった減税やインフラ投資など経済政策に関しての言及はほとんどなかったことから、金利が低下。これによって米国週間在庫統計では予想外に在庫増となった原油相場は反発上昇しています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は三菱UFJリサーチ&コンサルティング 主任研究員 芥田知至さんに
2017年コモディティ市況の展望を頂戴しました。

もっとも、トランプラリーが終了しリスクオフが進んだというほどのものではなく、
米国株は、まだ堅調さを保ち2万ドルの大台を伺う展開が続いています。

ドル高が進行していたことで下落を強いられてきたゴールドが
年明けから反転上昇しているのも、ドル高が調整気味に推移していることが
関係しているものと思われます。
果たしてトランプ氏はドル高をどこまで黙認するのか、
2017年のコモディティ市況はこの点にも留意しておく必要があるでしょう。

需給面から見る原油相場。1月から合意された減産が開始されます。
すでに12月から、サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦、オマーンは、
米欧の製油所に対して1月分から供給を削減するとの通知を行い、
サウジ、クウェート、アンゴラは1月から減産の割り当て分を履行していると
述べています。ベネズエラも減産の履行を宣言し、
イラクも減産に向けて動き始めたとされますが、足元では減産のニュースにも
相場の反応は鈍くなってきています。


内戦の影響で原油生産に障害が発生していたため、減産対象外となった
リビアやナイジェリアは増産が見込まれ、特にリビアにおいては武装勢力との交渉が進展、
困難だとみられていた重要パイプラインの再開に目処が立ったことで、
12月26日時点の産油量が日量62.8万バレルに回復、
3カ月以内にさらに27万バレルを増産できる見込みとなっています。


また、原油価格上昇で米国のシェールオイルも増産が見込まれており、
石油掘削リグの稼働件数は増加のトレンドにはいっています。
トランプ政権下ではエネルギー開発の促進策が採られるとみられ、
将来の需給緩和が連想されれば、原油価格は上値が重い展開が予想されます。


もっとも、春以降は、夏場にかけてのガソリン需要の増加が意識されることや
5月25日に予定される次回OPEC総会で、減産目標を維持する可能性もあり、
年後半にかけて、中国・インドなど新興国の原油需要が増加していくことで
原油需給は緩やかに引き締まっていくことから、原油価格は持ち直すとの
シナリオも。芥田さんは2017年の原油相場のレンジを、
欧州北海産のブレント原油で1バレルあたり42~67ドル、
米国産のWTIで40~65ドルと予想されています。


芥田さんには、このほか、ゴールドや銅についても伺いました。
詳しくはオンデマンド放送で芥田さんの解説をお聞きくださいね。


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