電力先物市場はなぜ必要?!2015年電力小売自由化に向けて [大橋ひろこコラム]
2015/08/19(水) 19:22 大橋ひろこ

来年4月に電力の小売が全面的に自由化されます。一般家庭や商店、事業所も自由に電力会社を選ぶことができるようになるのですが、まだ課題もあるようです。今日は、期待される電力の小売市場の活性化のために創設される「電力先物市場」についてです。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はリム情報開発 電力チーム記者 戸塚雅美さんにお話を伺いました。

新たに自由化される50kW未満の低圧市場は7兆5,000億円程度ですが、
小売市場の活性化の前提となる電力の「卸売市場」の規模はまだまだ小さいのだそう。
卸電力市場の取引量は2014年度で126億キロワット時。
大手電力の販売量、8,554億キロワット時の1.5%に過ぎません。

ちなみに海外の電力消費量に占めるスポットの割合をみると、
2011年の段階で、
英国が17.3%。米国最大の市場であるPJMが20%程度。
フランスの電力取引所が32.1%、ノルウェーなど北欧4ヵ国が加盟する
ノードプールでは75.5%に達しています。日本はまだ1・5%...。

 大手電力以外の電力小売業者が小売市場に参入し競争が
盛んになるためには、商品である「電力」の円滑な調達が重要なのですが...。

このうち北欧やドイツでは、先物を含む電力のデリバティブ市場が
始まった後、スポット取引の拡大にも弾みがついたということで、
日本でも電力先物市場の創設が求められているのです。

現状、日本の卸電力取引所では先渡取引がありますが、
残念ながら取引は活発ではないようです。
つまり、現状では日本の卸電力取引市場には有効なヘッジ手段がない状態。
ヘッジ手段がないと価格変動リスクが大きいため、
参加者が広がりにくいという面があるため、先物市場の創設が急務というわけです。

電力先物市場協議会が7月6日に発表した報告書によりますと、
電力先物市場の枠組みは以下の通り。

(1)対象となる商品: (a)24時間の電力、(b)平日の8時~18時の電力
(2)対象期間   : 1ヵ月後から1ヵ月単位、最長15ヵ月先
(3)価格     : 全国統一
(4)決済方式   : 差金決済

上場する電力は、24時間の電力(ベースロード)と、
平日の8時から18時までの電力(日中ロード)の2種類を想定。

 24時間のベースロードでは1ヵ月分の電力をまるごと取引します。
一方、日中ロードは、1ヵ月の中で月曜日から金曜日の
8時から18時までの電力を部分的に取引します。
8時から18時までは夜間に比べて電力の消費量が多く
変動幅も大きくなります。夜間よりもヘッジニーズが高い時間帯です。
一方、土曜と日曜は、工場など産業設備の稼働率が低下するため
電力消費量は減少し、平日と比べるとヘッジニーズも少なくなります。
こうしたことから、ヘッジニーズが高い日中ロードを
ベースロードとは別に用意するのですね。

先物市場での活発な取引は歓迎されても、
行き過ぎた投機によって実需と極端にかけ離れた動きになってしまうと、
経済に悪影響を及ぼしかねないということで、
過度な価格の変動・マネーゲームを避けるため、防止策も備える予定だそうです。

今後電力先物市場が、他の商品市場の拡大につながる可能性もあります。

電力を先物市場に上場している欧米の取引所では、
発電用燃料としても利用される天然ガス(LNG)や石炭の先物市場が存在します。

液化天然ガス(LNG)を燃料にして発電している企業は、
LNGの仕入れ価格と電力の販売価格をそれぞれ先物取引で確定しておけば、
あらかじめ事業の利益を確定することが可能になります。

 実際、欧米ではこうした取引が盛んなのだそう。
LNGと電気の価格差はスパーク・スプレッド、
石炭と電気の価格差はダーク・スプレッドと呼ばれ定着しているのだとか。

日本も電力の先物に加えて、LNG先物の上場も政府の目標になっています。
2014年のエネルギー基本計画には、
「LNG先物市場についての検討を含め、
国としても積極的に支援を行っていく」との方針が盛り込まれています。

電力先物市場が成長すれば、LNG先物、あるいは石炭先物いった
他の商品市場の拡大に発展していく可能性もあるのですね。

詳しくはオンデマンド放送で戸塚さんのお話をお聞きくださいね。


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