エルニーニョまで織り込み上昇したトウモロコシ [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014/05/16(金) 23:11 大橋ひろこ
2012年の干ばつでシカゴドル建て価格が8ドル台にまで高騰したトウモロコシ。

一転昨年2013年には豊作となり急落、ほぼ半値の4ドル台にまで下がりました。価格の急落があったのが7
月。受粉期の時期でした。以降昨年中はずっと低迷を続けたトウモロコシ価格ですが、今年2014年に入っ
てから反騰、じりじりと値を上げ、5か月もの上昇相場を演じています。

足元では値が崩れていますが、一体何故トウモロコシ価格は上昇したのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はコンチネンタルライス代表取締役 茅野信行さんにお話しを伺いました。

今年はエルニーニョが観測されているということで、
天候リスクを織り込んでの上昇と言う解説も聞かれます。
天候相場ということでしょうか。

しかし、茅野さんは
「天候相場は米国独立記念日から7月中の受粉期のことを指す」
として、まだ作付、発芽段階の今の相場を天候相場とは呼ばないと指摘。
トウモロコシにとって最も大切なのは7月の天候。
受粉期の日照時間と降雨なのだそう。

その天候相場を前に、何故トウモロコシ価格は半年近くの上昇となったのでしょう。

①昨年の価格急落で輸出競争力が高まった米国産トウモロコシ、
南米産などと比較しても安価となったため、輸出が伸びた。

※中国をはじめとした新興国の買いが旺盛だったとのこと。
価格が安くなったことで猛烈に米国産トウモロコシの輸出が伸
びたことで、USDA発表の需給報告では昨年10月時点で
13%近くあった期末在庫が、5月9日発表分ではなんと
8・8%にまで減少しています。


②この冬の米国の寒波で米国輸出港への積み出しが
滞ったことで一時的に需給逼迫。

※大雪の影響でロジスティックに問題発生。
物はあるのに輸出に影響が及んだことで価格上昇。


③ウクライナ問題を材料に投機筋流入

※ソチオリンピックが終わるとともに噴出したウクライナ問題。
需給とは全く関係のない短期筋が、ウクライナ小麦、
トウモロコシ輸出に影響が及ぶ可能性を先取りして買い参入。


④エルニーニョ観測で天候リスクを先取り

※エルニーニョの年は米国の穀倉地帯が熱波に襲われるリスクが
高まるとされているため、これを材料に買いが膨らむ。

しか
し、茅野さんは明らかに現在のトウモロコシ価格は
買われすぎ、にあると指摘。これらの材料は
過大評価されすぎであるといいます。

中国などの新興国は価格が安ければ買ってきますが、
上がってくるとピタリと買わなくなることで知られています。
金市場でも1350ドルを下回ってくると旺盛な買いが入るのですが
1400ドルが近づくとピタリと買が止まるのだそう。

すでに5ドル台にまで買われてきたトウモロコシを
景気減速が懸念されている中国がさらに
高値を追いかけて買い続けるかどうかわかりません。

また、雪解けでロジスティックの問題は解消。

そして、織り込み始めたエルニーニョについては
「エルニーニョ出現より消滅の仕方が重要」と茅野さん。

消滅の仕方?!一体どういうことでしょう。

エルニーニョとは太平洋赤道域の中央部から南米のペルー沿岸に
かけての広い海域で、 海面水温が平年に比べて高くなり、
その状態が半年から1年半程度続く現象。

実はエルニーニョにより、ペルー沖の海水温度が上昇したことによる
影響が米国穀倉地帯に及ぶのは3~4か月後なのだそう。

20世紀最大級のエルニーニョが観測された1997~98年、
6月頃までその現象が続いたそうですが、じわじわ消えたために
穀倉地帯への影響は全くなかったのです。

83年、88年型のエルニーニョは2~3月に忽然と消えてしまったのですが、
そのちょうど3~4か月後にあたる受粉期に熱波が穀倉地帯を襲いました。

茅野さんが在籍されていたコンチネンタルグレインの調査部は
エルニーニョが米国穀倉地帯に及ぼす影響について
ペルー沖で観測されてから3~4か月になると、突き止め、
また、その消滅の仕方、海水温度の程度(エルニーニョの規模)などに
よっては影響がでないこともあるということを掴んだと
お話しくださいました。

今年のエルニーニョがどのような形で発生し、消滅するのかは
誰にも解りません。

気象庁は12日、エルニーニョが夏に発生し、
秋にかけ続く可能性が高いと発表していますが、
その時期の発生であれば影響はないかもしれません。


それが、足元の価格にも表れてきたのでしょうか、直近では
大きく下落となってきました。
作付前の高値は一過性であった?!


詳しくはオンデマンド放送で茅野さんの解説をお聞きくださいね。

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