トレーディング目線で見る金需要-1
2014/11/18(火) 23:51 大橋ひろこ
重要な節目を割り込んだことで総弱気となった金相場でしたが、11月14日?に見せた急騰劇。ファンドによるショートカバーとも指摘されていますが、日米の金融政策の違いからドル高が顕著となっている昨今のマーケット環境において、金の強気を唱える向きは多くありませんが、金相場は金融要因だけで動いているわけではありません。金は無国籍通貨とも呼ばれており、通貨の側面もあるのですが、インドや中国による文化的な金買いなどコモディティとしての材料も豊富にあります。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回からは3回に渡って「トレーディング目線で見る金需給」
岡藤商事 主席ストラテジスト 郷右近要さんに
金価格の決定要因の底流にある需給フローについて
お話を伺っていきます。

このシリーズは是非、資料をご覧いただきながらお聞きください。
このブログの右側にある「ファンダメンタル分析シリーズ」
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今シリーズのオンデマンド視聴とそれぞれの回の資料のDLができます。

さて、よく金市場で材料にされる産金コスト。
これは採掘コストのことで鉱山会社の採算ラインのことですね。
毎年金は鉱山会社が採掘することで3000トンあまりもの生産がありますが、
その後、生産された金は地上からなくなることはありません。

現在(2013年)金の地上在庫は11万6000トンあるとされています。
これが供給サイド(売り方)材料となっていますが、

こうして採掘された金はその後

①欧米ETF需要
②ジュエリー需要
③中央銀行在庫
④アジアなどの地金退蔵需要
⑤スクラップ回収分(リサイクル分の市場放出)

などの状態となってぐるぐる回っています。

これらの在庫の需給フローは、金価格にどのような
影響を及ぼすのでしょう?郷右近さんに聞きました。

①欧米ETF需要

価格的弾力性は高く、順張り傾向

②ジュエリー需要

価格的弾力性は低く、
中国インドなどの伝統的金選好が支え

④中央銀行在庫

価格的弾力性はそれ程高くありません。
自国鉱山からの買い上げもあり。

⑤アジアなどの地金退蔵需要

価格上昇時には減少、
下落時には増加しやすい特徴が。

⑥スクラップ回収分

価格上昇時に出てくるため売り圧力に。
回収増加は輸入現に繋がり上値圧力に。

歴史的に、こうした需給フローが大きく動いた事象として

1977年アジア通貨危機におけるアジア危機国からの金流出
(この時日本は金買いブームに)

1999年IMFが金売却とリース運用制限したことで
リース市場がひっ迫、金が急騰

2003年ゴールドマンサックスのレポートが生んだBrics
新興国台頭で中国が急成長、金需要増大

2008年リーマンショックで金融システム不安、
FRBの量的緩和策でドル安金高が進行

などがあります。

また、今回の番組資料では
2004年から2013年の世界金需給推移を
郷右近さんに作成いただいています。

この9年回、年間2500~3000トンの金生産は
安定して変わらないのですが、需要面では
公的購入、つまり中央銀行による金購入が
2010年から+に転じていることがはっきりとわかります。

長く金の売り方であった世界の中央銀行が
外貨準備のポートフォリオに金を組み入れている、
金を購入し始めているということですね。

そのほか、足元の金の需給要因などなど
詳しくはオンデマンド放送で郷右近さんの解説を
お聞きくださいね。

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