一説によれば、オリンピックの開催に際し、聖火リレーが始まったのは、第二次世界大戦直前のベルリンオリンピック(1936年)から・・・とのことです。しかも、聖火リレーのそもそもの発案者が、誰あろう、アドルフ・ヒトラーその人であったと謂いますから、驚きました。・・・ホンマにそうでっしゃろか?
ベルリンオリンピックでは、天才・リーフェンシュタール監督による「オリンピア」なる壮大なプロバガンダ映画も制作され、その大胆な映像美と、ナチの全体主義パワーに、世界の新秩序の到来を感じた人々は、あの時代に決して少なくはなかったようです。(後年、あのミックジャガーも、「オリンピア」に代表されるナチのプロバガンダ手法を再三研究し、ストーンズのステージに取り入れたと聞いてます)
さて、後、100日で開催されるらしい(平和裏に開催されることを祈りますが)北京オリンピックの聖火リレーは、世界のあちこちでお騒がせな事件を巻き起こしました。
昨日のアサヒ新聞でしたか、長野の聖火リレーで中国大使館が中国人留学生を動員したことを報じる記事を掲載しておりましたが、そのスクープは早速、アジア各国の新聞で転載され、大きな反響を呼んだ模様です。
中国人サポーターの投石で報道記者が負傷した事件があった韓国の新聞では、早々と北京オリンピックとベルリンオリンピックの類似性を指摘する記事が出ておりました。
まー、例え、ドキュメントものであれ、報道には、報道する側のなんらかの意志が働く訳ですが、今回のオリンピックに対する全世界の中国人の盛り上がり方には、少々(いやかなり)常軌を逸したモノがあるように僕は思います。
長野であれ、ソウルであれ、ロンドンであれ、パリであれ、僕が不思議に感じたのは、現地の中国人の人々が、揃いもそろって、夥しい量の巨大な五星紅旗を所持していたことです。
まー、我々日本人には、国旗である日章旗を打ち振るなんて行動は、日頃、あまり縁がありません。せいぜい、マラソンなどの時に、手製の日の丸の小旗を走者に対して控え目に振る程度だと思いますが、派手好きな中国の人々は、ホンマ、やることがハンパやないなーと思います。
でも、ニュースに映る五星紅旗は、手製なんぞではない、極めて立派な工業生産物であるように見えたのですが、この観察は間違っているでしょうか?
世界各国で、どちらかと言えば悪評を生んだ、巨大な五星紅旗の林立は、僕の目に、遠く史記の時代の項羽軍と劉邦軍の激突、あるいは、三国志のハイライト、赤壁の戦いでの呉・蜀連合軍と曹操率いる魏軍との一大決戦が、現代に蘇ったかの如き、イリュージョンを映しました。
それは凄まじいまでのナショナリズムの台頭であり、ヒットラーユーゲントにも似た強烈なジコチュー軍団の、ジェナサイト欲求も感じられました。(全体主義を標榜していたナチスドイツと現代の中国は、国家の歴史から人間のマインドまで、全然、異なってはいるでしょうが。)
勿論、遠く故国を離れ、世界各地で懸命に生きてきた中国の人々が、遂に母国が主催するオリンピックに狂喜し、興奮する気持ちは分からないではありません。然し、あの見事に組織化されたサポーター達の背景には、彼らをコントロールする具体的な政治意志が臭います。
極端かもしれませんが、ナチの国家社会主義と、中国の共産党一党独裁主義は、似ていると云えば、似ているような気もします。(あくまでも国の体制がであって、一般の人々の話ではありません)それにしても、どこの国の聖火リレー現場でしたでしょうか、フリーチベット陣営の人間を徹底的にボコりまくる聖火サポーター達の殺気だった光景を見て僕は、なにか世界が嫌な時代に逆戻りしていっているような気がしたのです。
ベルリンオリンピックの後、ナチは大いに盛り上がり、世界大戦を誘発して最終的には解体されましたが、老子や孔子を生んだ「偉大」である筈の中国には、その轍を踏まないようにしてもらいたいものです。
ただ、ワイが心配なのは、(当時のナチに対してもそうでしたが)今の中国が発するプロバガンダに、いとも簡単に恭順の意を表す政治家が、ニッポンの政界にあまりにも多く感じられることです・・・。
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