阪神淡路大震災から17年か。
17年経っているから、次第に薄れていく記憶もあるが、中には鮮明なのもある。よく憶えているのは、被災後、長期間逗留したカプセルホテルでの思い出だ。
そのカプセルホテルの経営者には今でも非常に感謝している。というのは、被災者は宿泊料金を半分にしてくれたのだ。その配慮が口コミで伝わるのか、日増しに被災者であるサラリーマンが宿泊するようになり、ついには、カプセルホテル自体が一大避難所みたいな様相を呈してきていた。
被災の程度差こそあれ、皆同じ境遇。ゆえに、長期逗留するサラリーマン達の間に奇妙な連帯感が生まれていた。まー、みんな、月~金は大阪市内で仕事があるから、カプセルホテルから会社に通勤する。週末は、家族を置いてきた被災地の避難所に戻る。そんな生活を繰り返していた。
もっとも僕は、電車が通っている駅(確か芦屋までであったか)から自宅のアパートが強烈に遠かったので、2週間に1回の帰宅で済ましていた。既に家人を安全な場所に避難させていたのと、もし、泥棒に入られたとしても、盗まれて困る金品などほとんど無かったからである。
さて、カプセルホテルで暮らし始めて1週間ほどするうちに、僕はある男と親しく喋るようになった。その男は、僕と同世代であったし、あんまり堅めの企業に勤めてる風ではなさそうに見えた。もしかして同業か広告関係?と睨んでいたら、交換した名刺を見ると、某大手工芸会社のロゴがあった。ま、イベント屋ですわ。とご本人は言っていた。
そのカプセルホテルは、当然の如く寝る場所が狭いこと以外は、かなり住みやすい構造であった。なんと大浴場があり、昔ながらの銭湯のように、脱衣所には大きなTVがあり、ソファーがあり、自動販売機があり、まーかなりみんながリラックスできる設備があった。
地震からとうに1カ月は過ぎていたと記憶しているが、ある夜、僕はひと風呂浴びたあと、脱衣所で前述の「イベント屋」の男と一緒にぼけ~とTVの地震番組を見ていた。民放・NHKを問わず、当時はゴールデンタイムと称される時間帯は地震関連ばかりだったのだ。
そのとき見ていた番組は、(記憶は定かではないが)ニュースでありながら、あるボランティア女性の活躍を伝えるドキュメントもあった。その人は(後に分かったことだが)元々は北朝鮮への渡航歴を有される市民運動家ながら、震災の報に接するやいなや「ボランティアコーディネーター」なる看板を立ち上げ、被災地に出現し、以降、日夜を問わず、被災者の救援活動に没頭している。ちゅう美談であった。
他局の報道番組にも時々取り上げられてたので、メディアには少なからぬコネを有しておられる模様であった。取材する報道陣との受け答えは実にはきはきしてメリハリがあり、かなり頭脳明晰な印象を受けた。
だが僕は、一連の映像を見ていて何か不自然さを感じていた。
取材慣れた著名人でもなかなかこうは喋れない。フレーズの淀みなさと論理の構築力が、武道における約束組手の如く、予め周到に訓練・準備されていたものではないのか?という疑念を抱いたのだ。
学生の頃読んだN・メイラーのエッセイ「私自身のための広告」を思い出したのである。
が、とにもかくも、この女性が行っている行為は、立派な善意の行いである。また、女性ご自身、「アタシはアンタら助けるためにわざわざ来てんねんで。それが悪いゆうんか?」ちゅうような気迫のオーラが漲っている風に見受けられた。
確かにこのお方は我々被災者の為に、あのマザーテレサを彷彿とさせる博愛心に満ち満ちた救援活動を演じてくれている。でもなんでか、ワテら被災者にはいまいちすっきりこない・・・。
そんなことを思いながらTV画面を見ていると、隣の「イベント屋」の男が、ぼそっと「売りにしてるなー」と呟いた。
え?と思い、振り返ると、いや、なんとなく。と言葉を濁したが、その男が呟いた言葉は多分、そこにいたオッサンら全員に共通した印象だったのだ。
閑話休題。
神戸の街は、一見、以前と寸分変わらぬように復興し、脱衣所のTVで見た女性はいつの間にか、国会議員のセンセイになっていた。いっとき、自らが犯した巨額の詐取事件で法の裁きを受けておられたが、今や完全に復活なされ、現政権でも重要なポジションでご活躍中だ。
時々テレビで氏のご活躍を垣間見る度に僕は、モチはモチ屋と云うが、あのイベント屋の眼力、ホンマ、正鵠を射抜いてたなーと感心するのだ。
新年明けましておめでとうございます。
本年も宜しく、お願い申し上げます。
ニッポンはまだ松の内なるも、世界は次第にキナ臭い様相を呈してきたような気がする。
この前、オバマ大統領は、過去22年間維持してきた中東とアジアの二正面作戦をやめて、海外駐留米軍戦略の優先順位を欧州・中東からアジア・太平洋地域に移す。ちゅう方針を発表していた。
陸軍を57万人から49万人に縮小し、20万人強の海兵隊も1割程度減らす、つまりリストラをやりたいらしい。軍備には周知の如く膨大なゼニがかかるんで、相も変わらず二つの巨大赤字に苦しむアメリカとしては、背に腹は代えられない。ちゅう風に受け取れるが果たしてそうか。
とにかく、4兆ドルを注ぎ込んだアフガニスタン・イラク戦が整理段階に入ったことは確かな模様で、既にイラクでは昨年末、アメリカ軍の撤収が事実上完了し、アフガニスタンからも2014年までに軍を撤収する計画・・・とのことらしい。
まー上記は恐らくはけっこうなことだろう。然し、考えすぎかもしれないが、アメリカはひょっとして、イランのペルシャ湾封鎖宣言よりもっと今の朝鮮半島が危ない。と睨んでいるのではないか。
昨日はなんでも北朝鮮の新しい世襲親分、金正恩の誕生日だったそうで、呆れたことに日本のキー局でも盛んにそのニュースを取り上げていた。本人にはあんまし罪はないかもしれんが、日本人拉致首魁のムスコに日本のメディアはあまりに甘すぎる気がする。
北朝鮮と云えば、隠岐諸島沖に漂着した北朝鮮の漂流者3名を、政府は非公式の外交ルートで北朝鮮に帰すニュースが報道されていた。本人達が自分達は脱北者ではないと証言したためらしいが、帰ったら、あの3人、タダではすまないだろう。
そんなことより、あの3人みたいな漂流者、ちゅうより脱北漂流者は、今後どんどんニッポンにやってくる思うでワイは。
北朝鮮に隣接している中国は、豆満江を渡る脱北者はどんどん取締まり(ちゅう名目の処分)を表明してるし、韓国との軍事境界線は地雷だらけ。となると、脱北者が、もっとも安全な逃避場所はニッポン。ちゅう風に思うのは極めて自然である。
数年前のJRAのCMに、「来るぞ」ちゅうのがあったが、これからニッポンに夥しい量の脱北者が漂着して「来る」可能性は大だろう。
野田は、ちゅうより、政府はそのあたり、何か対策を考えているのだろうか。
もっとも、鳩山氏といい菅氏といい(オザワ氏もそうか)、外国人への選挙権交付や北朝鮮系団体への献金には異常な盛り上がりを見せていたメンメンが集う政府民主党なので、それは望むところ。なんて怖ろしいプランを検討中なのかもしれない。








