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弥生の終わり

2010/3/30(火) 20:19 投稿:清水研究員  記事URL トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )

可憐な桜花には いつも胸を打たれます

可憐な桜花には いつも胸を打たれます


 味の割に安いので頻繁に利用していた梅田地下街のメシ屋が、知らない間に様変わりしているのに驚きました。店のレイアウトは同じながら、壁紙やメニューのデザインが全然、異なっております。

 経営者が変わったんでっか?と店の人に尋ねると、そうですわ。と、あっけらかんとした返事が返ってまいりました。以前の店のオカミとは親しく声を交わしていたのですが、そういえば時々、全然、儲かってないわ。と心底、怒りを内包した表情を見せてましたので、他人事ながら心配していたのです。

 義を見てせざるは勇なきなり。とにかく料理(オカズ)自体は、まことにコストパフォーマンス抜群でしたので、友人や知り合いを誘っては、夜、飲みに行ったりしたこともございましたが、所詮は焼石に水でした。ま、ワイやワイの友人のカネなんて雀の涙でしょうが。

 今は飲食店のみならず、客商売は徹底的に受難の時代です。この古今に例を見ない“総理主導型”不況、仕事を終えた日本国サラリーマンのほとんど全ては、飲み屋に立ち寄ることもなく、家に直行していることでしょう。そういえば昨年の今頃も、会社の近所に和風飲み屋が新装オープンし、実直そうなオヤジがチラシを配っておりましたが、その店も、もうありません。

 一般の住居とは異なり、商業ビルのテナントを借りて店をオープンする場合、内装は借主が負担しなければなりません。借主は多分、銀行に(たっぷりと嫌味を言われながら)コメツキバッタみたいに頭を下げてカネを借り、内装デザインに苦労しながらも期待を込めて店をオープンする訳ですが、客が入らなければどうしようもございません。焦燥と負債と使用人の冷笑がどんどん溜まっていくだけです。

 大阪で営業をしておりますと、いやがおうにも、やけにシャッターを閉じた店が増えたなーという印象を持ちます。もっともその光景は、京都でも神戸でも目にしますので、名古屋でも札幌でも、東京でも、もはや日本全国どこでもそうでしょう。

 シャッターを閉じた店のオヤジやオカミは今、どうしておられるのか?

 まー、そんな心配する前にジブンの心配したら?ちゅう声が聞こえてきそうですが、かつて馴染みがあった店が櫛の歯が欠けるがごとく一つまた一つと姿を消していくのを見るのは、まことに辛いものがございます。

 商売柄、たまに中小企業経営者や事業オーナーの方々と話す機会がありますが、みなさん異口同音に、コドモ手当や高校授業無償化よりも政府はすることあるやろ!と、怒りを露わにされます。その通りでしょう。でも、既に税収以上の国債を発行することも決定してしまってます。まー、現閣僚のセンセイ方は、五年後十年後なんか知るか。そんなもん。・・・ちゅうスタンスでしょう。

 まったく羨ましいご身分です。然し、その他99%の、この国に住む人々はそうではない。遅ればせながらこのワテも、オオクワガタの養殖かなにか内職を始めなアカンのちゃうか?などと、半ば真面目に考え込んだりする今日この頃なのです。

 坦腹江亭暖  長吟野望時  
 水流心不競  雲在意倶遅  
 寂寂春將晩  欣欣物自私  
 故林帰未得  排悶強裁詩  

 上記は杜甫の「江亭」と題した詩です。

 寂寂春將晩・・・か。有名な「春望」の情景といい、詩聖と崇められながらも、所詮は下っ端役人に過ぎなかった杜甫にとりまして、春はロクでもないことが多かった季節の模様です。

 春は確かに憂愁の季節と感じます。でも、そんな感傷なんかどうでもエエほど、寒い。皆様におかれましては、くれぐれもご自愛ください。


 

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