2月24日番組から [番組スタッフから]
2012/02/24(金) 11:00 番組スタッフK

「新しい省エネルギー半導体が未来をつくる」というテーマの4回目。

今回は関西学院大学理工学部教授・大谷昇さんに「SiC半導体開発の難しさとSiC半導体がひらく新しい世界」についてお話いただきます。

前回までのお話で、SiC半導体の意義が分かりました。しかし、有用であるからこその開発の難しさも、SiC半導体は持ち合わせているようです。


大谷さんはSiCについて「開発するのが難しい材料だと思う」と話します。それは何故かというと、先週までお話いただいたSiCの頑丈さの裏返しで、半導体として利用するときに形を変えたり加工したりしにくいのだそうです。

たとえばシリコンの場合、数百度にまで加熱すれば上記のような変形・加工が容易にできるのですが、SiCだと2000度前後まで加熱しないとそのような処理ができないのです。また第1回に説明いただいたように、半導体にはナノメートルレベルでの微細な制御が必要ですが、高温での微細な制御も、これまた難しいのだそうです。

またSiCはシリコン(ケイ素)とカーボン(炭素)という2つの元素の化合物ですから、「両方の元素に言うことを聞かせるのは、2倍、もしくはそれ以上の難しさがある」ということなのです。この難しさをクリアしながら、SiCの研究は今日まで行われてきました。しかし大谷さんは「これからもっと制御の精度を高めなければいけない。そのための技術開発が必要」と話します。

大谷さんはこれまで20年にわたって、このSiCという素材に携わってこられました。やはりご自身でも難しさを感じられているそうです。“SiC開発の難しさエピソード”は、ぜひ大谷先生の言葉でお聴きいただければと思います。

4回に渡るお話の最後として、大谷さんは「大学で学生や職員と話をしても、震災以降は意識が変わってきたことを感じる。学内でも議論が活発になってきている。そして、学生が社会に出てこの分野で活躍してもらえれば、単なる技術開発にとどまらずに社会の仕組みを変えられる。そのような学生を多く輩出したい」とまとめてくださいました。

折しもエネルギー問題が関心を集めています。原発問題に象徴される「電気の作り方」だけではなく、「電気の使い方」もこれまで以上に考える必要がありそう。今年の夏も去年同様に、節電が取り沙汰されそうな状況ですからね。そんな中で今回のお話を聞いて、半導体の開発というアプローチで省エネを目指すという取り組みは、個人的にはもっと注目されるべきではないかと思いました。


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