2月17日番組から [番組スタッフから]
2012/02/17(金) 11:00 番組スタッフK

今月のアイデアカプセルは「新しい省エネルギー半導体が未来をつくる」をテーマに、関西学院大学理工学部教授・大谷昇さんにお話いただいております。

3回目の今回は「SiC半導体開発の歴史とその経緯、そして意義」と題してお送りします。

前回触れたSiC半導体について、もう少し核心に迫っていきましょう。


実はSiCという素材は、半導体が発明された当時から研究されています。長い歴史を持っているのですね。最初に半導体としてのSiCに着目したのはアメリカの物理学者ウイリアム・ショックレーでした。1940年代後半にトランジスタを発明した人です。ショックレーは、SiCを半導体として使う研究をしていました。そして欧米では1950年代後半から70年代初頭にかけて、SiCを半導体に応用しようという研究がなされ、期待も高まったのですが、残念ながら大きな結晶を作り出すことが出来なかったそうです。特性は優れているが産業にするには向かないと考えられたのだとか。

一方でシリコンは大きな結晶ができて高品質なデバイスが作り出せるということで、半導体研究はシリコンにシフト。一時期は半導体としてのSiCへの期待や興味は失せ、誰もその研究を行わないというような時期があったそうです。ただし、世界では挫けずにSiCの研究を続けていた人たちがいます。その中には日本人の研究者もいました。この雌伏の時を経て、研究を重ね、現在のようにSiC半導体が脚光を浴びるようになったというわけですね。

日本はもともと、パワーエレクトロニクスに強い企業が多く、SiC半導体をモノにしようと研究開発が進んでいます。ただ、市場的に先行しているのは欧米です。このあたりの経緯は大谷さんに詳しく説明していただいています。

現在、日本でのSiCに関しての研究は、政府と民間企業が一緒になってプロジェクトを進めています。関西学院大学もこのプロジェクトに参画しているそうで、大谷さんもSiCの研究開発に取り組んでいらっしゃいます。

また、SiCの特性で前回「汗をかかない=エネルギーのロスが少ない」というお話を大谷さんがされましたが、その特徴にもさらに踏み込んでお話いただきました。「汗をかかない=熱を発生しない。熱を発生しないと、機器を小さく出来る」。家電でもそれ以外の電気機器でも、裏側を見ると冷却用のファンが回っていますよね。発熱しなければこのような冷却装置が不要になり、機器を小さくつくることができるというわけです。この部分も、大谷さんのお話をじっくりお聴きいただきましょう。

次回はSiC半導体開発の難しさについて、大谷さんにお話いただきます。次回もお聴き逃しなく!


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