2月10日番組から [番組スタッフから]
2012/02/10(金) 11:00 番組スタッフK

関西学院大学理工学部教授・大谷昇さんをお招きして「新しい省エネルギー半導体が未来をつくる」と題してお送りしております、今月のアイデアカプセル。

その第2回は「パワーエレクトロニクスとは? SiC半導体とは?」。

パワーエレクトロニクスは、前回少しだけ出てきましたよね。今回は新たにSiC半導体が登場。SiCって? 実はこれ、化学式。Si=ケイ素、C=炭素です。

その前に改めて、パワーエレクトロニクスを詳しく。


コンピューターの中には無数の半導体が入っています。この半導体はスイッチの役割を持っていて、家庭にあるブレーカーなどと同じようなもの。機械的に、電気を導通したり遮断したりするというわけです。この、物凄くたくさんのスイッチをひとつずつオンオフさせることでコンピューターは動いているのです。

パワーエレクトロニクスも、前回ご紹介したとおりエネルギーのマネジメントの際に必要ですから、電気の流れをコントロールするスイッチと言えます。しかし、我々の使うパソコンなどに入っている半導体と、パワーエレクトロニクスに利用される半導体には、決定的な違いがあります。それは「扱う電気(電圧、電流など)の大きさ」です。

このあたりの詳細は、大谷先生のご説明をお聴きください。パワーエレクトロニクスは、取り扱う電力が圧倒的に大きいのです。

半導体は1940年台後半に発明され、そこから60年以上が経つと今や半導体を使っていない電気機器は殆ど無いと言えるほどに発展しました。半導体の発明からおよそ30年後、半導体を電力のコントロールに使おうという、パワーエレクトロニクスの考え方ができました。世の中の省エネに対する需要を追い風に、パワーエレクトロニクスが進化。特に日本は先進国で、前回ご説明したインバーターは「今や日本のエアコンでインバーターが入っていないものは無いのではないか」と大谷さんは話します。

そして、今回のもう一つのテーマである「SiC半導体」。

シリコンカーバイドとも呼ばれる、シリコン(=ケイ素)とカーボン(=炭素)が化学結合した素材(SiC=炭化ケイ素)を半導体に用いたものです。

シリコンはこれまでも半導体に使われている、エレクトロニクスを代表する元素。一方のカーボンは、その結晶がダイヤモンドであります。非常に硬い、頑丈な物質であることは知られています。エレクトロニクスに適した素材であるシリコンと、頑丈なカーボンの中間の性質を持つSiCを、パワーエレクトロニクスに応用しようという研究が盛んに行われています。

SiC半導体は頑丈ですので、高い電圧にも耐えます。大谷さんは分かりやすい例えとして「力持ちの人が力仕事を効率よくやるような感じ。そうすると汗をかく量が少ない、つまり力のロスが少ない」と挙げてくださいました。力持ちの人をSiC半導体、力仕事をパワーエレクトロニクス、汗をエネルギーのロスと置き換えれば…なるほど。

次回はSiC半導体の歴史をご紹介します。次回もぜひお聴きください!


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