11月18日番組から [番組スタッフから]
2011/11/18(金) 11:00 番組スタッフK

今月は「行動ファイナンス(投資家心理と株式市場)」というテーマでお送りしています。今回はその3回目、「行動ファイナンスと情報工学 研究の最前線」と題して、関西学院大学大学院 経営戦略研究科教授の岡田克彦さんにお話いただきます。

今回は、先週ご紹介した株式市場におけるアノマリーを突き詰めて研究・分析した実例が出てきます。


株価に影響を与える投資家心理を、どのように実務に落とし込んでいくべきか。これを、情報工学の技術や知見を利用して実務に応用しようという研究が進んでいます。

投資家心理の数値化という研究の始まりは、ヤフーのファイナンスページにあるチャットルームの書き込みの分析です。ある研究者が、投資家が株価の動きや企業活動について書き込んだコメントについて、その内容と株式市場の動きに関係があるのかどうかを検証しました。残念ながらその2つに相関関係はありませんでした。しかし、会話の内容ではなく量(チャットの総文字数)と値動きとの関係を調べたところ、会話量が増えるほどその翌日の株式市場の変動率が大きくなることが分かったのです。

この研究の結果はさておき「その手法の新しさと相関関係の発見という点で、意味のある研究がなされた」と岡田さんは解説します。

その後、ファイナンスと情報工学の融合を加速させた研究がなされました。ウォールストリートジャーナルの市況欄の記事の言葉遣いを心理学的に楽観・悲観・中立に分類させて数値化し、この数値とダウ平均株価指数の動向を比べたところ、楽観度が高まった翌日にダウ平均が上がり、楽観度が下がったり悲観度が高まったりした翌日にダウ平均が下がっていることが分かりました。つまり、「ウォールストリートジャーナルの市況欄の記事の楽観度や悲観度は、翌日のダウ平均を予測している」という研究結果となったのです。

これらの研究をさらに発展させ、実務に応用しようとしたのが「ツイッターファンド」です。ツイッターに書き込まれたつぶやきを分析して株価との相関関係を見つけ、投資に利用しようとしたものです。去年(2010年)その研究結果が発表され、実際にファンドも設立されているそうです。さて、それはどんな研究で、どんなファンドなのか? その答えは、どうぞ番組本編で!

次回は、ご自身も実務家である岡田さんがどのような研究をされているのか、についてご紹介します。お楽しみに!


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