11月4日番組から [番組スタッフから]
2011/11/04(金) 11:00 番組スタッフK

今月は、関西学院大学大学院 経営戦略研究科教授の岡田克彦さんに「行動ファイナンス(投資家心理と株式市場)」というテーマで4回にわたってお話いただきます。

行動ファイナンス?

聞き慣れないという方もおられるでしょう。
この行動ファイナンスがどういうものなのか。第1回のテーマ「株価はどうやって決まっているか?」という点から、実務家でもある岡田さんに教えていただきましょう。


投資家は、ある企業が上げる利益を期待して株を買います。投資家が気にする点は、その企業がどの程度利益を上げるかということ(これを「期待キャッシュフロー」と呼びます)。また利益の上げ方も重要で、安定的に利益を生む企業の価値が高くなります。つまり、上げる利益が大きければ大きいほど株価が高く、また安定的に利益を生めば生むほど株価は高くなるのです。

…と、伝統的なファイナンスでは考えられてきました。

さてここで、経済学者ケインズが登場します。
ケインズはこう言いました。「株式市場は美人投票ゲームである」と。

美人投票ゲームとはどんなものか。その昔、ロンドンの大衆紙が、女性の顔写真を紙面に並べて、一番美人だと思う人を選んで投票してもらい「最も票を集めた女性に投票した人が商品をもらえる」という企画を行ったそうです。このシステムでは、最も票を多く集めた女性が最も美人とは限りません。それはなぜか? ここは岡田さんの解説をお聴きいただきたいと思います。

ケインズは、株式市場もこのシステムに似ていると言うのです。

その企業が利益を上げようが上げまいが株価には関係ない。「この企業はいい会社だ」と投資家の人気が集まれば株価は上がるし、その逆だと株価は下がると指摘したのです。ただこの論ですと、企業は投資家の人気取りだけしていればいいということになるので、ちょっと極端ではあります。

行動ファイナンスは、その間をとった理論と言えます。利益の額と安定度だけで株価が決まるのであれば、バブルが起こったりはじけたりということはないはず。市場に熱狂が起こり、そこに投資家が集まっている局面があります。しかし投資家の心理だけですべて株価が決まるわけでもないく、一定の影響を与えているだろうと考えるのが現実的ではないかという視点を持ち込んだのが行動ファイナンス理論と言えるのでしょう。このあたりもぜひ、岡田さんのお話をお聴きください。

次回は「株式市場のアノマリー」。伝統的ファイナンスでは説明のつかない株価の決まり方の実例がいくつも出てきます。どうぞ次回もお楽しみに!


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