1月28日番組から [番組スタッフから]
2011/01/28(金) 11:00 番組営業担当K

今月は「日本人と日本語」と題して、関西学院大学総合政策学部教授の陣内正敬(じんのうち まさたか)さんにお話をいただきます。今回はこのテーマの最終回(4回目)、「日本人と言語表現」というテーマについてお話をいただきます。

従来、よそのお宅や会社を訪問する際、持参した手土産を渡すときには「つまらないものですが」とか「お口に合うかどうかわかりませんが」などの謙遜の言葉を添えて渡すのが常識・儀礼の一部としておりましたが、最近では「旅行先で食べたのでとてもおいしかったので、ぜひ一口どうぞと思いまして・・・」など、素直な表現を付け添えて渡すことも主流になってきております。

そんな言葉遣いや言語行動はどうなるのか?陣内さんの調査の中で、甲子園の選手宣誓における選手の表現の分析結果をご紹介いただいています。


これまでは「宣誓!私たち選手一同は・・・」と大きく元気な声で発声するのが恒例となっていましたが、1984年の福井商業高校の主将による選手宣誓を境に、個性的表現や個人の感情を交えた、自分の言葉で宣誓する形へと変わりつつあるそうです。

ではそのような変化はなぜ起きたのでしょうか。
陣内さんは第一回目の番組でも話されていた「『規範』のゆらぎ」という理由に加え、「自己表現が大切であり、意義のあることである」時代へと変化しつつあることを指摘されています。
言葉の表現についても、従来からの「日本人の美徳」とされてきた方法から、時代の変化とともに変わりつつあるということということです。

では日本語の変化というのはどうしておきるのでしょうか。言葉の変化は、「『日本や日本人の変化』を具現化したもの」であるということです。価値観が多様化した時代、いろいろな価値観が許容される社会の中、「標準」とか「規範」とかを求めることが難しい時代となっているなか、私たちは「自分の言葉」を持ち、「相手をたてる使い方」を大切するべきだとおっしゃっています。



今回の収録をする前、私は自分も含めて言葉が乱れているなあと漠然と感じているなか、陣内さんのように言葉を研究されている方はそのような社会や現象について否定的にとらえていらっしゃるのではと思っておりました。しかし、4回のお話をお聴きして、陣内さんは逆のお考えを持っていることに驚いたとともに、「言葉の変化は「日本」「日本人の変化」」ということばに象徴されている通り、受け入れているほうがいいとおっしゃっています。

いまの時代は、自分の言葉で自分の表現をしっかりすることが求められ、もてはやされる時代となってきているそうです。リスナーの皆さんもぜひ番組をお聴きになって、「自分の言葉」を見つけるきっかけにしていただければと思います。

私も「私らしい言葉」について、普段から意識して考えていきたいと思いました。


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