10月30日放送から [番組スタッフから]
2009/10/30(金) 11:00 番組営業担当K

今回は「わが国保険システムの課題を考える」の最終回、「保険会社とガバナンス」と題して岡田太志さんにお話いただきます。
今回のお話を通じて、あらためて「保険に入る」ことの意義や細かい部分について精査する必要があることがお分かりいただけたかと思います。
リスナーの皆さんもこれから入る方はそのポイントを、いま保険に入っている方は見直すきっかけにしていただければと思います。

私も今回のお話を受け、先日自分の入っている生命保険を見直し、「特約が多すぎる」と判断し、死亡保険金額と、病気に関する特約を減らし、がんや特定疾病による入院した時の保障を厚くするプランに切り替えを行いました。結果的に保険料も上がりましたが(まあ年齢的なものもあるのでこれはやむを得ない)、自分目で見て考え直したこともあり「安心感」が生まれてきました。

以下、今回の先生のお話をスタッフがノートにまとめたものを書き記しました。


◆相互会社の仕組みとコーポレートガバナンス(企業統治)

保険業法による保険会社の企業業態・・・「株式会社」「相互会社」
わが国の場合
損害保険会社→すべて「株式会社」  生命保険会社→大手は「相互会社」のところがほとんど(第一生命がこのたび「株式会社」化を発表)

「相互会社」は、世界的にも保険業のみに認められた独特な企業形態

●株式会社・・・
・会社法に基づき設立される営利を目的とした団体
・構成員は株主
・最高意思決定機関は株主総会
・損益は株主に帰属

●相互会社・・・
・保険業法に基づき設立され、会社法上の会社には属さない営利も公益も目的としない中間法人
・構成員は保険契約者たる社員(一部社員権が認められない保険契約者を除く)
・最高意思決定機関は契約者たる社員全員からなる社員総会(実際は社員から選任された社員総代による「総代会」がその機能を果たす)
・損益は社員に帰属

「保険に入る」 → 相互会社の保険に入る=保険契約者になる=社員になる

営利を目的とした団体である株式会社に対し、相互会社の目的は、実費の相互分担制と契約者たる社員自身による「成員自治」。全面的実施は経営を必ずしも保証するものではない。この良い経営こそがガバナンスの目的である。

<経営学のテキストには・・・>「『企業のガバナンス』はマネジメントより上位にある」
マネジメント・・・企業目的を達成するためのさまざまな手段の選択に関わっている

ガバナンス・・・企業の目的そのものの決定に関わる制度であり、経営が適切に行われているかチェックする制度

ガバナンスの目的→経営が適切に行われているかどうかのチェック 
ガバナンスの対象→経営
ガバナンスの主体→明示されていない。株主?⇔相互会社の場合、主体は「契約者たる社員」

ガバナンスの主体には、ガバナンスを適切に行う情報・知識・能力・責任
社員の所有権をはたしてどこまでの所有権と診てよいかについては議論の余地。主権論の観点からも相互会社のガバナンスの議論は株式会社以上に複雑。

総代会・・・最高意思決定機関。この実効性を明確に持たせた場合、権力が強まる可能性→必ずしもそれが良い経営を保証するものではない


多くの制度や仕組みは、それ自体を構築することが目的ではない。
何らかの目的を達成するための手段。
制度や仕組みは単線進化論的な展開を見せるのか、複線進化論的展開を見せていくのか・・・最終的には国民の選択の問題であり、現代的課題となってくる。


コメント