10月16日放送から [番組スタッフから]
2009/10/16(金) 11:00 番組営業担当K

今回は「わが国保険システムの課題を考える」の3回目、「わが国保険業の展開と特徴」と題し、岡田太志さんにお話いただきました。
今回の冒頭でもお話いただいていますが、保険を学ぶに当たり、保険という一つのきっかけを通して、「なぜ」という素朴な疑問と問題意識を持ちながら勉強を進めていると、やがて大きな社会のさまざまな仕組みも見えてくる、というお話をされていました。
今回、収録の合間にいろいろお話を伺っていると、岡田さんが学生さんたちに対して、学生時代に学べることを積極的に行動に移せるようご指導されていることを知りました。私も学生時代に、岡田さんのような先生に出会っていれば、漫然と学生生活を過ごすことなく、ひいてはこんな大人にならなくてすんだのに・・・(笑)

今回も先生のお話を元にスタッフがまとめたノートを記載させていただきます。


●日本の保険の歴史
明治初頭(約140年前) 福沢諭吉により紹介
以来 収入保険料レベルでは、生命保険は世界第1位、損害保険はアメリカについて第2位の「保険大国」→ 今日においてもなお保険は正しく理解されてこなかった歴史

なぜ?
わが国の保険システム=「護送船団行政」→行政は“船団体制“のもと「どの企業もほぼ同じ商品をほぼ同じ価格で販売させる」
→目的 
①経営効率において劣る限界企業にも正常利潤が発生するように
②支払不能や経営破たんが発生しないように
金利・手数料・保険料率といった価格競争はない。
参入規制・運用規制・販売規制などの規制の下、非価格競争だけが盛んに行われる

〔保険は将来にむかってのリスクを保障する目に見えない商品〕
→その取引を完全自由な市場にのみ委ねていては、やがて社会的に望ましくない結果がもたらされる
→では「いかに規制するか?」という方向に。現在でも解決しがたい問題に。


●日本の保険業に対する規制の歴史
1890年(明治23)公布 「旧商法」がはじまり
・保険業法としては1900年(明治33)に公布されたそれが最初。 その後3度の部分改正
以後1939年(昭和14)に最初の全面改正。
1995年(平成7 翌年施行)のものが現行法
・保険法(いわゆる「保険契約法」)・・・商法のなかに保険に関する規定。保険契約に係わる民事のルール。
1899年(明治32)の商法制定。
2008年(平成20)6月に公布された現行法は100年ぶりの本格的改正

保険業の特質・・・保険業法とその執行のあり方に強く規定されている。執行においては保険経営にかかわる多様勝つ重要な局面において行政当局が広く裁量を有している。
1900年の最初の保険業法の内容が、ほぼそのままに1995年の全面改正時にまで引き継がれ、保険業の船団体制は長らくそれに拠ってきた。


●わが国保険業の史的展開
◆先進国における保険の生成過程・・・「社会経済の近代化・発展」の後追い
=生産力の発展が一定段階に達することが保険生成発展のための前提・必要条件。「生産力規定」

◆わが国の場合
・「政府主導による『上からの資本主義』」
・明治初頭の保険制度の導入時期と経済の近代化の開始時期がほぼ同時期。
・以後「富国強兵・殖産興業」「戦後の傾斜生産方式の採用」「1960年代の高度経済成長」・・・
それぞれの時代において具体的な政策目標やスローガンこそ違えど、行政当局の基本的認識においては「保険制度は生産力の発展を図るためのいわば一つの手段」として位置づけられる。
とくに生命保険・・・生命保険が持つ「資金形成機能」が注目され、保険による諸保障のほか保険会社を通じた零細な資金の集積と長期資本への活用という「間接金融的機能」が長らく重視されてきた。
一方で保険の「自由化」に向けた提言や取り組みも約40年前ころからはすでに議論されてきている。

●わが国の金融自由化・・・「2つのコクサイ化」で促進=「国債の大量発行」「金融の国債化」
1984年(昭和59年)「日米円ドル委員会報告」の「金融の自由化及び円の国際化についての現状と展望」により、自由化が段階的に進められる→ソフトランディング
⇔「日本版金融ビッグバン」→ハードランディング

では「わが国保険のおける自由化」は
1980年代 超過利潤が恒常的に発生→競争原理導入の必要性が強く説かれる
1990年代 バブル崩壊→自由化の意義は「いかにして民間活力を引き出し経済の活性化を図るか」「そのための自己責任原則に基づいた市場原理の導入の必要性」が求められるように。
1997年 日産生命が経営破綻(戦後初の保険業における経営破綻)
1999年 東邦生命破綻
2000年 第百生命 第一火災 大正生命 千代田生命 協栄生命が破綻
2001年 東京生命 大成火災が破綻
その後 保険金の未払い・不払い問題が社会問題化

急速な規制緩和・自由化→「需要者である消費者や契約者」だけでなく、「供給者である企業・募集人・代理店」においても商品の内容が十分に理解されていなかった?システムが十分に整っていなかった?
  ↓
結果として・・・保険市場の透明性はかなり低下していた?


コメント