今月お送りしてきました室崎益輝さんのお話、「巨大災害に備える」も今回が最終回。
「じゃあ、いったいどうすればいいのよ?!」という私たちの「?」についてお話いただきます。
題して「防災の文化を築く~事前に備えることの大切さ・・・持続的に備える」。
”ムリに”とか”わざわざ”ではなく、暮らしの一部として防災をすすめる、ということ。
具体的には:
今回のお話は「防災の戦略を考える~減災という新しい考え方」です。
1995年に起きた阪神淡路大震災後、防災に対する考え方が変わりました。
小さな災害は「防災」という考え方で防げるけれど、巨大災害は防げない、というかゼロにはできない。
そこで、災害を「へらす」という考え方が生まれました。
「減災」、つまり手立てを重ねていって被害を小さくする、ということなのです。
シリーズ2回目は「危機の原因を考える~社会と意識の脆弱性」です。
なぜ、危機が多様化しているんだろう?、そして大規模化しているんだろう?
どうも三つの環境病弊があるようです。
①地球環境が病弊している(地球の温暖化など)
②人工環境が病弊している(施設や建物の老朽化が進んでいるなど)
③社会環境が病弊している(格差化の進行、モラルハザードなど)
うーん。つまりこれらの環境の衰退あるいは病弊で留意しなければならないのは被害を受ける側の人間とその社会が災害に弱くなっているということなんです。
防災意識の衰退(私は大丈夫!と思っている)、生活習慣の喪失(寝たばこ、足の踏み場がないほど部屋が散らかっている!整理整頓をしていない!)、地域連帯の欠落(プライバシーの問題もあるので難しいですが、たとえば手を差し伸べる、ということをしていない・・・)、これらが社会を災害によわいものしてしまっているようです。
思い当たることがあるかも・・。室崎益輝さんのお話を聴いているとどうもキーワードは”メンテナンス”ではないか、などと思ってしまいます。皆さんはいかがでしょう?
2009年8月の出演者は関西学院大学 総合政策学部教授の室崎益輝さんです。
テーマは「巨大災害に備える」です。
南海地震や首都直下型地震などの巨大地震の発生確率が高まっていることに加えて、地球温暖化などの影響もあって、集中豪雨や巨大台風などのリスクも増大しています。こうした中で、巨大災害にいかに備えるかが問われています。この備えにおいては、被害軽減のための新しい考え方が欠かせません。
この講座ではその新しい考え方を、危機管理や災害ボランティアあるいは減災文化といったキーワードに即して考察していただきます。