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中央競馬実況中継

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こんばんは、山本直です。

東京競馬場はジャパンカップウィーク、そして今年の全ての開催が終わりました。

ジャパンカップのプレゼンターにはラグビーの五郎丸歩選手、ロンジン賞のプレゼンターには元プロテニスプレーヤーのアンドレ・アガシさんが登場、こんなコメントをされていました。

アガシさんの「日本のファンの洗練された姿にとても感銘を受けました」というコメント。
アガシさんが何時からいらしていたのか、までは分からないのですが、ジャパンカップデーのスタンドで私もそう思わされるシーンがありました。

午後最初の5レースの発走時刻3分前、馬場入場時のアクシデントで吉田隼人騎手が騎乗できなくなったというアナウンスが流れました。
レース直前の騎手変更はそう簡単なものではなく、変更騎手の手配から、鞍など装備を揃えて前検量をして、スタート地点まで向かって騎乗するまでなかなかに手間がかかるもの。

本来の発走時刻から1分。
岩田康誠騎手が騎乗する旨が発表された時に大きなどよめきが起こりました。
これは馬券を買うファンの皆さんの信頼を勝ち得ている騎手ならでは、というところでしょうか。

その直後、地下馬道から車で現れたプロテクター姿の岩田騎手があっという間にスタート地点へ到着。
勝負服を受け取り、手早く自らの鞍を馬に装着し、サッと騎乗したところで、ファンの皆さんはファンファーレ直後のような拍手。

大きなどよまきと拍手がわずか5分の間に2度起きたわけですが、
後者のほうはスポーツの現場らしい、スポーツマンシップを称えるファンの皆さんのそれでした。

例えばサッカーでは負傷した選手が出た時に、相手チームの選手がボールを外に出して試合の流れを止めることがあります。
選手がボールを外に出した、という行為に敵味方の区別なく、ファンの大きな拍手が起こります。
なかなか競馬では見られない光景だな、と思ったものですが、いやいやそんなことはありませんでしたね^^;

騎手変更の発表からファンファーレまでわずか10分。
実戦では逃げの手に出た岩田騎手、残念ながら結果にはつながりませんでしたが、勝敗とは別にレースの「主役」になりました。
しかし、その岩田騎手の迅速な行動に拍手を送ったファンの皆さんもまた「主役」だと思うのです。

では、また来週!

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