5月5日（日）に東京競馬場で行われる第29回NHKマイルカップ（GI）に出走を予定しているディスペランツァ（牡3、栗東・吉岡辰弥厩舎）について、追い切り後に行われた吉岡辰弥調教師の共同記者会見でのコメントは以下の通り。

「もともと2歳の頃から素質のある馬で、できればクラシックに向かいたいという思いがあり、2000mを使ってきたのですが、騎乗したジョッキーの皆さんから、もう少し距離が短い方がより良さが出そうというコメントが続いていましたので、ホープフルステークスで負けたことによって、1600mに切り替えました。

初めてのマイル戦の時は前半置かれたのですが、そこから直線だけで差し切るというのは、想像を超える強さでした。前走のアーリントンカップは、前半スローペースで流れているのがわかっていましたので、直線に向いたときはちょっと厳しいかなというポジションだったのですが、外に出してからの脚は目を見張るものがありました。アーリントンカップでいい競馬ができればNHKマイルカップへ向かいたいと思っていました。

非常に体力のある馬で、在厩中も一度も飼葉を残したことが無いくらい体力があります。そういう馬ですし、レース間隔が詰まるのはわかっていましたので、調整面での工夫は特にありません。前哨戦はニュージーランドトロフィーも候補に入っていたのですが、輸送が無い方が調整しやすいということで、アーリントンカップを使いました。

中二週ということで、追い切りは、本数的にも強さ的にも予定通りです。先週末（4月27日）も、体力があるということで、あまり緩めずに、最後300mしっかり走らせるという調教内容でした。いい動きだったと思います。きょうは、厩舎のいつもの調教パターンで、先週末にかなり強い調教をやっていますので、馬のメンタルがどのくらい上がっているのか下がっているのか併せ馬で確認したのですが、コントロール性が良く、いつでも動ける状態だったと乗り手も話していましたので、メンタルのコントロールもすごく上手く行っていると思います。肉体面も、精神面も、問題無く来ていると思います。これは競馬に行ってみないとわからないのですが、少し体に余裕があるように見える馬ですので、レースを経験するたびに良くなっていると感じるところがあり、さらにパフォーマンスが上がる可能性があると思います。

ホープフルステークスで中山は経験していますが、輸送で体が減るとか、テンションが上がるとかはありませんでした。競馬場を選ぶ感じの馬でもないですので、輸送等も心配はしていません。

3歳のマイルのチャンピオンを決めるのにふさわしいメンバーになっていると思います。その中で、マイルでは2戦2勝と底を見せていませんし、どれぐらい通用するのか楽しみだと思います。これまでいろいろなジョッキーに乗ってもらいましたが、コントロール性もいいですし、乗り難しいことは全くありませんので、初めて乗るジョッキーでも問題無いと思います。

前走は、スタートも上手く行って、出たなりで脚をためるという形になりましたが、脚がたまれば本当に直線でいい脚を使いますので、そういう形が一番この馬には合っていると思います。その中で、東京競馬場に替わるというのはプラスだと思います。

素晴らしいメンバーが揃いました。その中でGIに送り出せるのは嬉しいことで、GIでどういう競馬をするか、楽しみです。応援よろしくお願いします」

（取材：三浦拓実）