<浦安5(4-1)(1-0)1大阪>
■小宮山2得点、川原攻守に大車輪
記者会見での市原のコメントがこの試合の性格を物語っていたように思う。「僕は今日の試合であまりボールを触った覚えがないと思います。なぜなら守備で勝ったのと、セットプレーでの得点が多かったのと」。前半の得点のうち2点はセットプレー、後半の5分過ぎから大阪がパワープレーに入ったためだ。
前半は浦安の、準備期間の短さなど前評判の不安を一蹴するかのようなプレーが炸裂した。大阪の「何人かは試合に集中できなかった」(大阪・アドリアーノ監督)ことも手伝い浦安のパス回しが効き、その中から小宮山が立て続けに絶妙のヒールキックで2得点を奪った。
小宮山にとっては昨シーズン開幕戦同様の2得点。「開幕戦には何か縁があるかもしれないが、得点は誰が取ってもよかった」と意に介さず。
6月のオーシャンアリーナ杯ではこの大阪戦で自らの退場処分も響き敗退、その借りを返した。アジア選手権では周知の通り、イラン戦での十字架を背負っている。
「浦安が負けたら代表が弱いって言われてしまう。それだけは絶対嫌だ。確かに6月の時点では準備期間の短さとか色々あったが、そんなことは理由にしてはいけない。内容がどうこうとか関係なく、とにかく絶対に勝ちたかった」と、額からの汗をそれまで以上に噴き出させながら語った。
この試合、先制点をアシストした川原、先制点につながったロングボールについては「秘密です」と明言を避けた。その後も大阪のプレスにも関わらず、ことごとく精度の高い球質のロングキックを供給。「相手からのプレスがかかった状態でのキックは代表の練習でも嫌というほどやらされているので」。守っても後半、大阪の猛攻を無失点でシャットアウトした。
この川原を含め、浦安は6月から毎週1回、平日の午前中にGK専用練習を開始。それまでチーム練習では多くて30分ほどしか充てられなかったが、「(試合に向けて)いいリズムが出来る」と手ごたえも上々だ。シト、チャビといった外国人指導者のもと経験を積んだ北野徹コーチに対して、絶大な信頼を置いている。「色々なコーチの元で経験を積んで、見る目というのは誰よりも持っていると思う。精神的な支えですね」。
■大阪、パワープレー実らず「経験の差」
オーシャンアリーナ杯で見事制覇した大阪だったが、前半の3点ビハインドを後半、覆すことなくタイムアップを迎えた。「序盤に誰か数名が、集中できない状況のなかで失点をしてしまった」(アドリアーノ監督)、「自分たちが試合に集中しきれない立ち上がりに得点をするところは、向こうの経験の高さ」(吉成)と、相手の経験の高さを称えるしかなかった。
それでも後半は「開始5分経って1点も取らなかったら始めよう」(同監督)と、5分から得意のパワープレーを開始。10分からは最後尾のGK奥田のポジションをより敵陣深く置き、「フクロウ(奥田)のシュートを警戒させることで、サイドの選手への警戒を緩める」(吉成)という策に出るとチャンスが続出した。
しかし数々あったシュートをわずかに枠を捉えることができず、吉成は「技術の問題と、経験の問題。浦安との差なのかな」と、ここでも“経験”という言葉を用いた。
自身初となる4000人クラスの観客の前でプレーした吉成、「元々“ビビリ”症なんですが、自分の中に湧き上がってくるネガティブな感情を排除しようと努めたが、それもできていたと思う。最後までゴールするイメージはできていた」と前向きに“初F”での舞台を振り返った。
レポート 田畑弦
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